映画『イン・ザ・ハイツ』(7月30日公開)“ラップバトル”本編映像公開

2021.6.25
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『イン・ザ・ハイツ』7月30日(金)全国ロードショー! © 2021 Warner Bros. Entertainment Inc. All Rights Reserved

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2021年7月30日より日本公開される映画『イン・ザ・ハイツ』。その原作は、リン=マニュエル・ミランダの作詞・作曲、キアラ・アレグリア・ヒューディーズの脚本により作られた同名ミュージカル作品である。2008年にブロードウェイ初演、同年のトニー賞で作品賞、楽曲賞、振付賞、編曲賞に輝き、さらに同年のグラミー賞でもミュージカルアルバム賞を受賞した。そんな『イン・ザ・ハイツ』の映画の本編映像のうち、このほど劇中の男性陣によるラップ合戦を繰り広げるシーンの一部が公開された。

【動画】映画『イン・ザ・ハイツ』本編映像(ラップシーン)2021年7月30日(金)公開


このシーンは有名な「96,000」というナンバーの冒頭部分。舞台はニューヨーク市マンハッタン区の北端に位置する移民街ワシントン・ハイツ。主人公ウスナビ(アンソニー・ラモス)が営むコンビニで売った宝くじの中に、9万6000ドルの当たりくじがあったことが発覚する。慎ましく暮らすワシントン・ハイツの住民にとって9万6000ドルは大金だ。後にこの噂は街中に広まり大騒ぎになるが、ウスナビたちも「もし9万6000ドルを手にしたら?」と色めき立ち、夢を語り合い始める。

まずタクシー会社に勤めるベニー(コーリー・ホーキンズ)のラップからスタート。「ハデに使わずクールにビジネス・スクールへ♪」と堅実な性格を見せたかと思いきや、「俺はリッチな実業家。タイガー・ウッズが俺のキャディ」と野心むき出しなリリックを次々と披露する。対するウスナビも「やめな。ホラ吹き男。お前のウソはピノキオ」と応酬。そこに割って入るのはペインターのピート(ノア・カターラ)だが「やめろ。下手なラップ。“よう”しか言えねえ?」とすぐに一蹴され撃沈。3人のディスり合いはさらに白熱していくが……まるでラップバトルさながら、小粋なCGも面白く絡みつつ、観客の気分は否応なしにアガる本編映像となっている。さらに映画では、この後、驚くほど壮大でハデな展開が待っているのだが、詳しくは本編鑑賞でのお楽しみ。

『イン・ザ・ハイツ』7月30日(金)全国ロードショー! © 2021 Warner Bros. Entertainment Inc. All Rights Reserved

映画『イン・ザ・ハイツ』はサルサやメレンゲ、R&Bやポップなど様々な音楽で彩られているが、中でも上記映像等に見られるようなラップミュージックはミュージカル映画の従来のイメージとのギャップもあり新鮮に映ることだろう。本作の原作ミュージカル初演当時も、クラシックやポップが主流だったブロードウェイに本格的にラップを持ち込んだことにより、大きなインパクトを与えた。

原作者であり、作詞・作曲を務めたリン=マニュエル・ミランダは、この斬新なミュージカルを作った時の心境を次のように語っている。「僕は昔からミュージカルが大好きなのだけれど、既存のミュージカルには、自分の居場所がないと感じていたんだ。だから、大好きな『RENT/レント』のジョナサン・ラーソンが友達の話を作品の題材にしたように、僕も『イン・ザ・ハイツ』を独自に書き始めた。僕が舞台にふさわしいと感じた、大好きなラテン音楽やヒップホップを取り込んだ作品をね」

『イン・ザ・ハイツ』7月30日(金)全国ロードショー! © 2021 Warner Bros. Entertainment Inc. All Rights Reserved

『RENT/レント』では作者のジョナサン・ラーソンが伝統的なブロードウェイミュージカルに本格的ロックの融合を試みて、ブロードウェイの歴史に変革をもたらした。リン=マニュエル・ミランダはそれを鑑とするように、『イン・ザ・ハイツ』においてラップでブロードウェイの歴史を変え、さらに次作『ハミルトン』でダメ押しをしてみせたのだった。

そういえば、今回の映画で美容室のダニエラ役を演じるダフネ・ルービン=ヴェガは、『RENT/レント』のヒロイン、ミミ役を初演で演じた伝説的女優だ。また、リン=マニュエル・ミランダが長編初監督を務め今秋にNetflixで公開予定の『tick,tick...BOOM!』(主演:アンドリュー・ガーフィールド)は、ジョナサン・ラーソンが『RENT/レント』の数年前に作った自伝的ミュージカル作品の映画化作品である。ミランダの創作活動の随所に溢れる、このようなラーソンへのリスペクトを思うと、「96,000」という曲名にさえ、「Seasons of love」の「525,600(秒)」という歌詞との関連性を勘ぐりたくなってしまうほどだ。……そんなことにも思いを馳せながら、7月30日からの公開を楽しみにしていただきたい。

『イン・ザ・ハイツ』7月30日(金)全国ロードショー! © 2021 Warner Bros. Entertainment Inc. All Rights Reserved

上映情報

『イン・ザ・ハイツ』
 

■日本公開:2021年7月30日(金)全国ロードショー!
 
■監督:ジョン・M・チュウ(『クレイジー・リッチ!』)
■製作:リン=マニュエル・ミランダ(『モアナと伝説の海』作曲/歌、ミュージカル「ハミルトン」)
■出演:アンソニー・ラモス(『アリー スター誕生』)、コーリー・ホーキンズ(『キングコング:髑髏島の巨神』)、レスリー・グレース(シンガーソングライター/歌手)、メリッサ・バレラ(『カルメン』)、オルガ・メレディス(ミュージカル版『イン・ザ・ハイツ』)、ジミー・スミッツ(『スター・ウォーズ』シリーズ)

■全米公開:2021年6月11日  
■原題:In the Heights
■配給:ワーナー・ブラザース映画 
■公式サイト:https://wwws.warnerbros.co.jp/intheheights-movie.jp/
© 2021 Warner Bros. Entertainment Inc. All Rights Reserved #インザハイツ
 
【STORY】“何度でも立ち上がる”――逆境に立ち向かう人々と、夢に踏み出す若者たち。
NY、片隅の街から今の世界に響き渡る歌と熱い夢が魂を揺さぶる、感動のミュージカル
ニューヨーク、“ワシントン・ハイツ”は、道端に置かれたラジカセ、アパートの窓、カーラジオなどからいつも音楽が流れる、実際にある賑やかな移民の街。その街で育ったウスナビ、ヴァネッサ、ニーナ、ベニーはつまずきながらも自分の夢に踏み出そうとしていた。ある時、街の住人たちに住む場所を追われる危機が訪れる。これまでも幾度と様々な困難に見舞われてきた彼らは今回も立ち上がるが―。突如起こった大停電の夜、街の住人達そしてウスナビたちの運命が大きく動き出す。