金属恵比須・高木大地の<青少年のためのプログレ入門> 第26回『アニメ・特撮のレジェンド渡辺宙明と対談』〜後編〜

2021.9.13
インタビュー
音楽
クラシック

渡辺宙明氏のサインを掲げる高木大地(左)と、渡辺宙明氏本人(右) (写真提供:モノ・マガジン)

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金属恵比須・高木大地の<青少年のためのプログレ入門> 
第26回『アニメ・特撮のレジェンド 渡辺宙明と対談』〜後編〜
これであなたも作曲家に! 作曲法を伝授

 

『機界戦隊ゼンカイジャー』の音楽担当としてゼンリョクゼンカイ作曲中の渡辺宙明。2021年8月19日に誕生日を迎えて御年96歳。バリバリの現役で活躍中だ。

プログレ・ミュージシャンの代表として筆者「金属恵比須」高木が宙明先生と対談を敢行。前回(https://spice.eplus.jp/articles/291501)は先生がプログレ・ミュージシャンとは初めて対面したという衝撃的な事実で筆者は大興奮してしまったが、今回はさらに踏み込んでみる。映画音楽作曲家からアニメ・特撮の大家になる道程、そして筆者も同じ作曲家という立場から作曲法の秘密を探ってみた。これを読めばあなたも作曲家になれる?

なお、雑誌『モノ・マガジン』にて筆者が連載している「狂気の楽器塾」ではこの対談を抽出したものを掲載した(2021年7/2号、8/2号)。当連載ではさらにマニアックな内容を前編・後編にわたり掲載しているのでバックナンバーも参照いただければ幸いだ。

(写真提供:モノ・マガジン)


 

■音楽の仕事への道

――(東大大学院を中退、実家のある愛知に戻り中部日本放送で作曲業に従事後、再び上京すると)それから念願の映画のお仕事をされるのですよね。

渡辺「CBC(中部日本放送)のラジオで良さそうな音楽をテープにコピーしてもらいまして、新東宝(かつて存在した映画会社)に行ってみんなに聴いてもらいました。その中で音楽がよくわかるプロデューサーがいまして、“いいじゃないですか! 必ず仕事が行きますから待っていてください”と言われて嬉しくなったのを覚えています」

――新東宝から日活映画の全盛期を支えます。そして時を経て1972年、『人造人間キカイダー』で特撮・ヒーローの世界に進出しますね。

渡辺「しばらく映画音楽とCM、そしてテレビではドラマをやっていたのですが、ちょっと仕事が減ってきたんですよ。その時、東映の映画の仕事をしていたりしました。だから東映の本社に行って、プロデューサーの渡邊亮徳さんに頼みに行きました」

――直接“仕事ください!”と?

渡辺「そうそう。そうしたら『人造人間キカイダー』と言われました。私は子供のものをやる気はなかったから、ちょっとガッカリした(笑)。“なんだ、子供のものですか”と言っちゃった。そしたら“何を言ってるんだ。子供のものだからいいんだよ”と。それで一生懸命やりまして、それがチャンスで、アニメ・特撮の専門みたいになっちゃったんですね。でもそれがあったからこそ、今日まで仕事もちゃんといただいているし、今日の私があります」

――もしそこで断っていたらどうなっていたでしょうね。

渡辺「細々と他の仕事もしていたけれども、今のようにはなれないでしょうね。ハワイでは大ヒットしたそうですよ。その次が『マジンガーZ』。『キカイダー』の評判が良かったからお声がかかったのでしょうね」

(写真提供:モノ・マガジン)


 

■「宙明サウンド」は20年以上温めていたアイデア

――この頃の音楽から「宙明サウンド」「宙明節」といわれるような宙明先生特有の音楽特徴が見られるようになります。マイナー・ペンタトニック・スケールの多用ですね。

渡辺「ニロク抜き短音階。ラ・ド・レ・ミ・ソの5音階です」

――なぜこの音階を使おうと思ったのですか?

渡辺「それには長い歴史があります。大学を卒業する頃に話を戻します。日本音楽学会というところで卒論を発表したのです。そこにたまたま小泉文夫さんがいらっしゃいました。後に音楽学者になる方です(注:府立四中・東京大学出身の民族音楽研究家)。小泉さんが“これからインドに行ってインド音楽を勉強しようと思うんだ”とおっしゃっていました」

――1940年代でインド音楽に興味を持つというのはかなり珍しくないですか? 流行するずっと前ですよね。

渡辺「ずっと前です。大学時代から研究していたのです。それでインド音楽の秘密を知りたいということでインドまで行っていました。それでわかったことが“日本人には日本人の音楽がある”ということだったそうです。マイナー・ペンタトニックは日本民謡に近いんですよね。私の場合、その音階をリズムによって格好良く聴かせています。“♪ソラ〜ラドレミソミラ〜”(と実際に即興で歌ってみせる)となると民謡になっちゃいますからね」

――マイナー・ペンタトニックは、同じ音を使っていてもリズムを変えると印象が全然変わるんですよね。

渡辺「日本民謡に近いのですが同じ音階がアフリカやアメリカにもあって、ベンチャーズも多用していましたよね。それが世界共通のようになってきました。それを“よーし、このチャンスで使ってやるぞ”という気持ちがあったものですから、『キカイダー』の仕事が来た時には、これがチャンスだと思って試したわけです。マイナー・ペンタトニックも、それを使うロックの要素も」

――卒業直後に仕入れた情報を20年近く温存していたのですね。

渡辺「そうそう。一般のドラマじゃ使えませんからね。日本民謡風もパンチのあるロック風も。一般のドラマでは映画音楽の経験を生かして、CMや記録映画もやってきました(注:『花ひらく日本万国博 EXPO’70』などを担当)。

――『キカイダー』は当時斬新な内容だったから音楽でも新しいものができるのではないかと思ったわけですね。

渡辺「そう。ペンタトニック・スケールはアクション系に使いやすいのですよ」

――この頃、日本でもロックが流行し始めました。当時最新だった音楽を取り入れたのですよね。

渡辺「“ここぞチャンスだ!”と思いましたね」

(写真提供:モノ・マガジン)


 

■作曲は“なんとかなるさ”の精神で

――私は同じ作曲家として作曲方法に興味があります。たくさんの印象的なメロディを作り続けている秘訣を伺いたいと思います。メロディを作ってから和音進行を考えるのですか?

渡辺「そうそう。メロディを作る時はあまりコード進行(和音進行)のことは考えないですね」

――フォーク・ミュージックやロックなどではギターを片手に和音進行を組み立てていって、その上からメロディを口ずさんで作ったりすることが多いですが、私はメロディから組み立てていきます。一緒でよかった(笑)。

渡辺「もちろん要所要所は和音進行とメロディをちゃんと加工したりもしますよ。ここは“なんとかなるさ”で変えていくわけです」

――“なんとかなるさ”ですか(笑)。勢いで書いていくのですか?

渡辺「いいメロディが思いついたら、ここだったら色々なコード(和音)があるな、みたいに」

――思いつくのはサビからですか? 平歌からですか?

渡辺「アタマ(最初)からですね。アタマが難しいですね」

――曲のイメージはどうやって考えるのでしょうか?

渡辺「歌詞を読んで考えます。詞がないといくらでもやりようがあるから迷っちゃう。だから詞があったほうが規制されているので、作りやすいですね。いい詞であれば、ですが」

――オープニング曲とエンディング曲、どちらがお得意ですか?

渡辺「(少し考えて)どっちもいいですね。バラードも好きです」

――戦闘的な「宙明サウンド」のイメージからは想像もつきません(笑)。

渡辺「私自身はアクション音楽よりも美しい音楽に意欲があるんですね。『渡辺宙明 音楽選1 CBCラジオでの仕事』をお聴きになれば、すごくビューティフルな音楽が入っていますよ」

――拝聴しましたがびっくりしました。心が和やかになるラジオ歌謡や、微笑ましい展開のラジオ・ミュージカルが収録されていますね。1956年から1958年にかけて、宙明先生の最初のお仕事を知ることができました。

「渡辺宙明音楽選1 CBCラジオでの仕事」CDジャケット


 

■ メロディは“浮かんでくる”(笑)

――バラードから戦闘音楽まで幅広い作曲をされていますが、どうやって思いつくのでしょうか?

渡辺「“浮かんでくる”としか言えないんです(笑)」

――(笑)どういったときに浮かんでくるんですか?

渡辺「“やるぞ!”と言った時にもう書けるんですよ」

――ええ!? それは羨ましすぎます! 私はいつも苦しんでいます(笑)。

渡辺「締切に間に合わない時はAメロ(平歌)だけ作っておいて、もう大丈夫だと思って、明くる日には完成します」

――どれぐらいの時間をかけるのですか?

渡辺「翌日は2時間で書き上げます。2時間以上やると疲れてきちゃいますから。8小節でもいいものができれば、2日間で大体できちゃうんです。BGMも注文で十数曲いただいても割と簡単にできちゃいますね。どうやったら浮かんでくるかと聞かれてもどうしていいかわかりません」

――(大笑)なかなか“浮かんで”こないんです。なかなか思いつかないんですよ。どうすればいいですかね。

渡辺「色々な曲を聴いて頭に叩き込むんですね。他の音楽を聴く時も階名(注:ドレミファソラシを1234567と数字で捉えること)で頭に叩き込んで、聴くといいんじゃないでしょうかね」

――階名で叩き込む、つまり絶対音感で音楽を捉えるのではなく、相対音感で捉えるということですね。

渡辺「そうそう。絶対音感がいいという風潮があるけれども、個人的な意見ですが、いいメロディを書ける人は相対音感で音楽を捉えていることが多いですね」

――私は絶対音感がないので、常に相対音感でドは1、レは2というように数字に直して捉えています。特に和音進行の分析はそうですね。でも“浮かんで”きません(笑)。

(写真提供:モノ・マガジン)


 

■ アニメ・特撮音楽のキモ

――ご自分のつくられた曲でお好きなものはなんですか。

渡辺「やはり叙情的なものですね。自分の作品では、『電子戦隊デンジマン』の『ひとりぼっちの青春』、あと『破邪大星ダンガイオー』の『心のオネスティー』、こういうのが好きです。この曲はフランシス・レイ(注:フランスの作曲家、多くの映画音楽を手がける)の影響もあるかもしれないですね」

――では“宙明節”である戦闘的なアクション音楽はどのように生まれたのですか?

渡辺「努力して勉強しました。アレンジはトランペットの使い方から学びました。“♪デッデッデッデデデ”というように、ちょっとしたところでカッコ良さを出せるんです」

――アクションの曲にはブラス(管楽器)が多く使われていますが、ブラスを使われる理由は?

渡辺「戦闘的な雰囲気が出て、パワフルな音がするからですね。分厚い音になります。“♪タッタッタラティーラ”“♪ウンチャウンチャウンチャウンチャ”そんな感じです。リズムとメロディの関係というのが絶妙ですね。他の人がやった戦隊ヒーローシリーズを聴いていても“自分だったらこうやるのに”などと思ったりします(笑)」

――そのお気持ちが、2021年3月から放映中の『機界戦隊ゼンカイジャー』に活かされているわけですね! CMから戻ってくるジングルを聴いただけで“宙明節”を感じ大興奮しています。そして一度聴いたら絶対忘れないメロディです。

渡辺「今のポピュラー音楽は覚えにくいものが多いですね」

――『デンジマン』や『太陽戦隊サンバルカン』みたいに一発で覚えられるような曲はあまり聴いたことがないですね。

渡辺「ありがとうございます。かつて神戸大学の方が『日本の大衆音楽』について論文を書いているということでいらっしゃって、言われたのが“渡辺さんはヨーロッパで有名だ”ということでした。驚きましたね」

――それは『マジンガーZ』ですか?

渡辺「そう。あと『鋼鉄ジーグ』がイタリアで大ヒットしました。ルノーのCMで流れました。ガールフレンドが鋼鉄ジーグのファンで、文無し男が悪と戦うというようなストーリーで。イタリア語に訳されて」

――それはすごいですね! ところでこのキーボードはなんでしょうか?(テーブルに置かれた小さな楽器を指差す)

渡辺「これで『宇宙刑事シャイダー』の1話目を録音したんです。あと、作曲するときはほとんど楽器なしでやっているので、楽譜に書いた後に念のためにこれを引っ張り出して弾いてみるというものです」

――数十台キーボードを持っているのに、よりによって最もコンパクトなキーボードを使用されるとは。本格的で高価な楽器を使うからいい曲が生まれるわけではないということですね。機材を躍起になって集めている私としては耳が痛い話です(苦笑)。

(写真提供:モノ・マガジン)


取材:2021年4月21日
取材協力:西耕一(スリーシェルズ)、田野倉健之(スリーシェルズ)、関谷和久(モノ・マガジン)
撮影:油科康司(ワールドフォトプレス)
 
<参考文献>
『作曲家 渡辺宙明』渡辺宙明述著、小林淳編 ワイズ出版、2017年
『スーパーアニソン作曲家 渡辺宙明大全』腹猫巻&宙明サウンド研究会著 辰巳出版、2019年

 

【祝・渡辺宙明生誕96年】企画

金属恵比須・高木大地の<青少年のためのプログレ入門>
 
●第25回『アニメ・特撮のレジェンド渡辺宙明と対談』〜前編〜
https://spice.eplus.jp/articles/291501

 
●第26回『アニメ・特撮のレジェンド渡辺宙明と対談』〜後編〜
https://spice.eplus.jp/articles/292539

リリース情報

渡辺宙明音楽選1
CHUMEI WATANABE 渡辺宙明
 
3,056円(税込)
レーベル スリーシェルズ
フォーマット CD
発売日 2021年6月23日 EAN 4560224350627
 
商品詳細情報
マジンガーZ、宇宙刑事、スーパー戦隊の作曲家・渡辺宙明の最古のラジオ音楽を発掘!
ラジオ歌謡や子供のためのラジオミュージカルなど最古の宙明作品をCD化!
今回は、作曲家デビューとなったCBCラジオ音楽を中心に、SPレコードやオープンリールテープからのCD化です。60年以上前のラジオ歌謡やラジオミュージカルなど、美しいメロディと叙情的な音楽の宝庫です。
團伊玖磨門下の渡辺宙明、と安易につなげてはいけないが、しかし、やはりこのメロディ、このオーケストレーションは、日本音楽界の正統派の血脈を感じること多し!今こそあらためて聴いて欲しい。
令和につながる渡辺宙明先生の原点を是非お聴きください。
※マスターテープ、マスター音源について
マスターテープの保存状態は60年以上の前のものとは思えないほど良質なものが多かったため、なるべくマスターの音質のままのマスタリングを致しました。SP盤については、盤が割れたものしか発見されなかった楽曲が2曲あり、レーザーターンテーブルで再生をした後、デジタル上で音飛びノイズを削っていく作業を行いました。経年劣化によるノイズはございます。そして、すべてモノラル音源となりますが、作品のクオリティの高さはもちろん、1950年代のラジオ放送の演奏レベルや音質の良さは特筆されるべきでしょう。放送史、児童音楽史、ラジオ音楽など様々な意味でも貴重な資料となることでしょう。
 
渡辺宙明インタビュー(聞き手:田野倉健之)
解説・プロデュース:西耕一
音源提供:渡辺宙明、田野倉健之
協力:早川優、松谷敦、田野倉健之、小林孝志

 
収録曲目CBC歌謡
01.水たまりの歌
02.沈丁花が匂います
03.ひぐらしの笛
04.追分船頭さん
05.フランテンの唄
歌のおもちゃ箱
06-30.『雨ぼうず』
31-54.『僕の日記3 初秋の空』
55-62.『仲良し劇場』BGM
63-70.水たまりの歌
渡辺宙明所有マスターテープ音源を使用(03.04.05はSP盤より)
 
■CD詳細内容
CBC歌謡
01.水たまりの歌
02.沈丁花が匂います
03.ひぐらしの笛
04.追分船頭さん
05.フランテンの唄
歌のおもちゃ箱『雨ぼうず』
06.歌のおもちゃ箱テーマ
07.ポロンポロン、てるてる坊主
08.16人のてるてる坊主
09.間奏曲
10.ちょん切られたくない
11.てるてる坊主のマーチ、遠い国へ
12.夜の交番、私の目玉は赤信号
13.フクロウとてるてる坊主
14.チョチョッキン
15.雨はオイラの命水
16.ケロケロ族とてるてる坊主
17.てるてる坊主は雨ぼうず
18.お巡りさんとケロケロ族
19.嗚呼!水が抜けてしまった
20.ケロケロ族、困った
21.間奏曲
22.雨乞いの歌(ケロケロ族)
23.こんな雨ではダメだ
24.雨ぼうず、祈りの歌
25.ポロンポロン
26.降り注ぐ雨
27.雨に消えた雨ぼうず
28.さようなら
29.水晶の玉は、雨ぼうずの涙
30.歌のおもちゃ箱エンドテーマ
歌のおもちゃ箱『僕の日記3 初秋の空』
31.歌のおもちゃ箱テーマ
32.秋がくる
33.僕の日記、夏の終わりに
34.朝からジイジイ蝉の声
35.正チャンが暑気あたり
36.間奏曲
37.正チャンとぼくと金魚
38.お庭は花盛り
39.裏の畑の案山子
40.ウエムラさんの送別会
41.正チャンのタコ踊り
42.ウエムラさんの嬉し涙
43.ほたるほたる
44.田舎へ絵の具を届けに行く
45.間奏曲
46.ネッコちゃんのお父さん
47.滝に行った話
48.川原にて
49.すいすいトンボ
50.蛇の想い出
51.正チャン蛇に追われる
52.間奏曲
53.お土産は、鮎とゴリ
54.バスで帰る~エンドテーマ
『仲良し劇場』BGM
55-56.Mコール、仲良し劇場テーマ
57-58.Mコール、エンドミュージック1
59-60.Mコール、エンドミュージック2
61-62.Mコール、エンドミュージック3
水たまりの歌
63-64.水たまりの歌(1,2,3番)
65-70.水たまりの歌(1,2,3番)

 
作曲、指揮:渡辺宙明
演奏:CBC管弦楽団
合唱:CBCポッポ会、CBC合唱団、他
歌唱:石井千穂、泉ケイ子、伊東満、春日八郎、他
スリーシェルズ公式サイト:https://www.3s-cd.net/2021-06-23/

リリース情報

金属恵比須
Official Bootleg Vol.2 キンゾク20年の大躍進ライヴ
 
FORMAT CD(国内盤)
LABEL Ryouki-World Records
税抜販売価格 2,000円 税込販売価格 2,200円
 
■収録曲
1.スターレス髙嶋による前説
2.阿修羅のごとく
3.鬼ヶ島
4.光の雪
5.真珠郎
6.彼岸過迄
7.ハリガネムシ
8.『箱男』からの抜粋 a)はじめに
9.『箱男』からの抜粋 b)破戒
10.『箱男』からの抜粋 c)みつしり
11.イタコ
12.針の山
 
元・人間椅子ドラマー後藤マスヒロが暴れる「針の山」(バッジー、人間椅子のカヴァー)CD初収録!
 
五木ひろし、頭脳警察、髙嶋政宏(俳優、スターレス髙嶋)など大物たちと共演し、各メディアで話題沸騰のプログレ・バンド「金属恵比須」の未発表ライヴがついに一般流通開始。
 
メンバーは2021年現在と異なる点でも貴重な資料。ベースは2017年に脱退した多良洋祐(現・那由他計画)、ドラムは『ハリガネムシ』発表後に卒業した諸石和馬がゲスト参加。
 
2016年4月に行なわれた「キンゾク20年の大躍進」ライヴをほぼ完全収録。髙嶋政宏による前説MCも奇跡的に音源発掘、そのまま収録。その場のオーディエンスしか体験できなかったライヴの擬似体験へと誘う。

「鬼ヶ島」は90年代金属恵比須の代表曲をリアレンジ。ライヴ盤として初収録。「彼岸過迄」は多良のロック然としたベース・ソロが披露され、『シン・紅葉狩』に収録されている現ベーシストの栗谷のプレイと比較するのも一興。「ハリガネムシ」はドラムを諸石が担当。諸石によるライヴ盤は初収録。スタジオ盤と同じノリのプレイが堪能できる。「イタコ」でも同様に諸石参加。こちらも初収録だ。ラストを飾るのは人間椅子の名曲「針の山」のカバー。後藤マスヒロの鬼気迫るドラミングは健在。90年代当時、ライヴでしか見られなかった勇姿がここにある。

◆金属恵比須公式サイト:https://yebis-jp.com/


高木大地連載コラム掲載
モノマガジン(mono magazine) 発売日・バックナンバー
  • イープラス
  • 渡辺宙明
  • 金属恵比須・高木大地の<青少年のためのプログレ入門> 第26回『アニメ・特撮のレジェンド渡辺宙明と対談』〜後編〜