串田アキラインタビュー ヒーロー達の代弁者
串田アキラさん 写真:読売新聞社提供
強さだけじゃない、ヒーローの資格とは
特撮ソング、アニメソングが好きな人で串田アキラの名前を知らない人はいないと思う。
「太陽戦隊サンバルカン」から35年、常に最前線で歌い続けてきた串田が今年2月20日に「ヒーローたちの応援歌 2016」に出演する。高取ヒデアキ、大西洋平という後輩とともにヒーローソングを歌い上げるこのイベントを前に、インタビューに答えてくれた。串田にとってのヒーローとは、そして歌とは。
―― 今回『ヒーローたちの応援歌』というライブにご出演ですが、最初にヒーローを歌われた「太陽戦隊サンバルカン」からもう35年になりますが。
「サンバルカンが色々歌った中で一番手こずりましたね。それ以前はポップスやR&Bを歌っていたので、全然畑が違うんです。最初は正直「お子様向けの歌ね」と軽い気持ちで行ったんです。ディレクターからは「カッコ良く歌ってね」と言われて挑んだんですけど、1コーラス歌ったら「串田くん違うんだよな、カッコ良くないんだよ」と言われてね、何度やってもOK出ないんですよ」
―― 予想外だったんですね。
「そうですね、しかも当時はディレクターのやり方で、部分部分をつなぎ合わせるとかしなかったので、少しでもミスれば最初からやり直しなんですよ。まあ気持ち切り替えて、もう一回ちゃんと譜面を見て歌おう、って挑んだら「串田くんそれだよ!やればできるじゃない!」ってOK出て、ちょっとムカッとしちゃって(笑)」
―― (笑)
「その言われている「カッコよさ」がわからなかったんですよね。後で気づくんだけど、大人向けのカッコ良さと子供向けのカッコ良さって違うんですよね。その時は感覚だけで何が違うのか言葉に出来なかったんです、でもその次に歌った「宇宙刑事ギャバン」の時は何もダメ出しがなくOKが出て」
―― 今度は問題なく。
「なんでだ?ってよく考えたんですけど、やっぱり大事なことは歌詞をはっきりと歌うことなのかなと。あとはね、サンバルカンもギャバンもヒーローの歌なんですよ」
―― そうですね。
「最初ヒーローだから力強くガンガン歌えばいいんじゃないかと思ってたんです。でもサンバルカンの時を思い出したら、あったかい部分のある曲だなって思ったんです。力強く、解りやすく歌うのは勿論なんですけど、やさしさが無いとダメなんですよ。歌声的には少し引く部分を作ったりね」
―― なるほど。
「ヒーローって勿論強いし、正義の為に闘うんだけど、秘めた優しさってのがあるんですよね。それをちゃんと歌で表現しないといけない。それを出せた時にディレクターが求めていた「カッコ良さ」が出たのかな、と」
―― ヒーローというのは登場から30年超えても、今だ戦い続けるという普遍性があると思います。沢山のヒーローが現れるのと同時に、勿論いろんな歌手の方が出てきますが、最前線で歌い続けられるモチベーションはどこから生まれてくるんでしょうか?
「色々ありますが、まずは歌が好きっていうのが大事なんじゃないかな、それがないと何も出来ないですね。好きな歌を楽しく歌わないとならない、真剣な歌でも楽しく歌うと躍動感が出るんですよ、それは意識してますね」
―― 今回のライブで共演の高取さん、大西さんについては如何でしょう?
「高取くんとは何度か共演してますし、いいとこつくんですよね。その場その場でよくファンを見てますよ。大西くんはそんなにご一緒した回数ないですけど、若さで来ると思いますね、負けたくはないと思いますけど(笑)」
―― 日々トレーニングも積まれているとか
「普通ですよ。腕立てやって、腹筋やって、でもランニングは辞めたんですよ」
―― おやめになったんですか?
「走ってた時は10キロ以上走ってたんですけど、コレは僕の感覚だけど持久力は着いたけど声が細くなった気がしたんです。僕の歌はやっぱりある程度パワフルじゃないといけないしね。体をでかくしようと思って結構筋トレはのめり込みましたね、腹筋だと1000回とか」
―― 1000回ですか!
「300回位は辛いんです。でも500超えるとランナーズ・ハイみたいになんともなくなっちゃうんですよ、そんだけ積んでるから2時間歌いっぱなしとかでも大丈夫ですね」
―― ところで、目の前にあんパンがございますが…物販で今回あんパンの発売があると聞きました。
あんぱんを頬張る串田アキラさん 写真:読売新聞社提供
「普段は辛口な食べ物が好きなんです、でもたまに甘いモノが食べたくなるんですよね、それも少しじゃなくてどかんと食べたいんです。昔好きなあんパンがあったんで先日買ってみたんですけど、あんこぎっしりのはずが中身ぜんぜんスカスカで(笑)しっかりあんこ詰まってるのが食べたいと思って探したのがこのあんパンです」
―― ぎっしり詰まってますよね、皮一枚あってアンコがみっしり詰まってます。
「いいでしょ?あんパンなら手軽に手に入るし、僕は冷やして食べるのが好きなんです」
―― 冷やすんですか。
「そう、ちょっと凍らせるくらいまで冷やしてすこーし溶かして食べるのが美味しい!夏だったらしっかり凍らせてもいいですね、オススメの食べ方なので皆さん是非!(笑)」
―― さて、昨今アニソンブームと言っていいくらい沢山のアーティストが居ます、勿論アニソン歌手になりたい人も増えていると思うんですが、これから串田さんのように歌いたい人にむけて何かメッセージを頂けたら。
「そうですね…ヒーローやヒロインの曲を歌いたいのであれば、なりきることは大事じゃないかな、と。ヒーローの気持ちにならないと歌えないと思うんですよ。自分もその主人公を好きになったほうがいいですよ、ギャバンなんてカッコいいなぁ!って思いますし、ああなりたいなって気持ちを持って歌いますよね」
―― さきほどのお話に通じるところもありますね
「キン肉マンなんかは強いけど見た目はぶさいくかもしれない、ドジな所もあるけど凄く優しい。そういうのが魅力ですよね。その強さだったり優しさを感じながら歌うのがいいんじゃないかな」
―― 話題を戻しますが、今回の「ヒーローたちの応援歌」ですが、見どころというのはありますでしょうか?
「僕自身の曲は全部全力で行きます!具体的に曲名は言えないんですけど、僕と高取くん、大西くんの共通点としては「忍者」なんですよ。この忍者っていうのを押して行きたいな、と」
―― 今話題のあのヒーローもあるんでしょうか?
「ふふふ、あると思いますけどまだ内緒で!(笑)」
―― 応援歌、という事ですが、どういう人達に応援歌を届けたいでしょうか?
「今までずっと応援してくれた人は勿論ですけど、未来ですね。未来を担う子供たちに送りたいです。子供たちの未来を楽しく彩りたいんですよ、その子たちがずっとファンで居てくれるように、ずっと聞いて歌えるような歌を届けたいですね」
―― その子たちにが大人になっても串田さんは歌い続けると
「どうかなぁ!どれだけ出来るのかな(笑)」
―― 最後に、串田さんにとって「ヒーロー」とはなんでしょう?
「僕の礎ですね、彼らが居るから僕は歌を歌えるんです。主題歌はヒーローたちに向けての応援歌でもあると思うので、聞いてくれる人とヒーロー、どっちも応援できるように頑張って行きます!」
―― 筋トレをして、疲れたらあんパンを食べて、ですね。
「そうそう!!(笑)」