今泉力哉監督、尾崎世界観、奈良美智ら9名が映画『こちらあみ子』にコメント 井浦新が撮影した劇中スチール&オフショットも解禁に

2022.7.5
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映画『こちらあみ子』 より 撮影=井浦新

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7月8日(金)公開の映画『こちらあみ子』から、本作を鑑賞した映画監督、ミュージシャン、俳優らのコメントが到着した。

『こちらあみ子』は、今村夏子氏が2010年に発表した初の小説『あたらしい娘』(のちに『こちらあみ子』に改題)を映画化したもの。今村氏は、本作で太宰治賞、三島由紀夫賞をW受賞している。主人公は、広島に暮らす小学5年生のあみ子。少し風変わりな彼女のあまりに純粋な行動が、家族や同級生など周囲の人たちを否応なく変えていく。あみ子は、優しいお父さん、いっしょに遊んでくれるお兄ちゃん、書道教室の先生でお腹には赤ちゃんがいるお母さん、憧れの同級生のり君、たくさんの人に見守られながら元気いっぱいに過ごしていた。だが、彼女のあまりに純粋無垢な行動は、周囲の人たちを否応なく変えていくことになる。あみ子は、誕生日にもらった電池切れのトランシーバーに、「応答せよ、応答せよ。こちらあみ子」と話しかける。

 
 

あみ子を演じるのは、応募総数330名のオーディションをへて選ばれた大沢一菜。また、両親役で、井浦新と尾野真千子が出演している。メガホンをとったのは、大森立嗣氏らの現場で助監督を務めてきた森井勇佑監督。音楽は、青葉市子が手がける。

本作にコメントを寄せたのは、今泉力哉監督、尾崎世界観、清川あさみ、國松絵梨、駒井蓮、長井短、奈良美智氏、冬野梅子氏、山本奈衣瑠ら9名。コメント全文は以下のとおり。

 

今泉力哉(映画監督)

あみ子は何も悪くないのにな。

とある秘密にまつわるシーン、虫や生き物との戯れ、ちょっとやそっとではなかなか撮れない時間や空気をたくさん取り込んだ愉快で寂しい映画でした。応答せよ!応答せよ!

 

尾崎世界観(ミュージシャン)

光みたいなあみ子に向ける自分のまなざしの汚れが酷く気になった。 ただただ良いと思う映画と、良いけれど観ていて無性に悔しくなる映画がある。この作品は完全に後者だ。

 

清川あさみ(アーティスト)

誰にも分からない、あみ子だけの世界がある。"現実"という、冷たい水の水面を真っ直ぐ切り開いて力強く突き進む彼女にも優しい光があたる

そんな世の中でありますように。

 

國松絵梨(詩人)

知りたくて、わかりたくて投げかけた問いに対して、みんなが静かに黙ってしまうのが何故なのか、わからないままでいた。何で忘れてしまっていたんだろう。よく見える、よく聞こえる、確かにそうだった時がある。もう何もかもがわかるようになってしまった私たちに、あの頃と同じ強さの光が降っていること、同じくらいたくさんの音が鳴っていることを、もう一度、思い出させてくれる。

 

駒井蓮(俳優)

私たちが何処かに置いてきてしまった世界の手触りを、あみ子は全身で掴んでぐしゃぐしゃにしてポイッと投げて、心の向く方へ叫び、好きなように戯れる。

そんなあみ子の姿が、日常で得ようとする共感やズレることへの恐ろしさこそ、見たいものを見えなくしてしまっているのだと言っているようで、胸がずきずきした。

目の前のでこぼこ、お兄ちゃんのハゲ、机の脚の冷たい触感、お母さんの黒子。世界が世界のまま、自分の心に届けばいいと、願う。

 

長井短(俳優)

「こちらあみ子」を読んだ日から、私の中にはあみ子がいて、きつい眼差しで私を観察し続けている。その眼差しが本当にそのまま画面に写っていて、頭の中がまんま再現されてるはずなのに、いざ相対しても結局あみ子のことは全然わからないまま。それがとにかく嬉しかった。ねぇあみ子、頼むよあみ子と思うけれど、頼まれてくれないところがむしろ頼もしくって、きっと私は、あみ子に憧れているのだ。どこに?って、そりゃ、わたしだけのひみつじゃ。

 

奈良美智(美術家)

あみ子を、子供たちを、僕は確かに知っていた。映画が終わり、闇の中から歌声が流れ始める時、子供たちの顔が浮かんでは歌の波間に消えていく。そして、大きな世界はゆっくりと開かれていくのだ、彼らのために、かつての僕らのために。

 

冬野梅子(漫画家)

あみ子はうざい。でもあみ子をうざがることに罪悪感がある。だから遠ざけたくなる。さらに女の子だから、今後は清潔・朗らか・気配りも期待されるかもしれない。仮にそうした教育を徹底したら…社会に馴染めるかもしれないが、それは幸せなんだろうか。ずっと考えてしまう。

 

山本奈衣瑠(モデル・俳優)

あみ子、あみ子。 あみ子と友達だったら 一緒にインド人するし、 側転のやり方教えてもらう。 大好きで何度も原作を読んでいたけど あの本の中のあみ子がちゃんとスクリーンの中にいた。 会えた事がとても嬉しかった。 あみ子のことを好きと思うことは自分の中のあみ子を肯定したいからかもしれないけど。あみ子。

井浦新

撮影=井浦新

撮影=井浦新

撮影=井浦新

撮影=井浦新

また、映画公開を目前に控え、キャストの井浦新が現場で撮影したスチールとオフショット、計10枚のカットが解禁されている。井浦は、本作の撮影中、スケジュールの都合でカメラマンが来られなかった数日の間に、スチールカメラマンとして自身のカメラで現場での撮影を敢行。撮影したスチールは、東京・池袋のジュンク堂書店(7月3日から)、広島のエディオン蔦屋家電(7月5日から)で開催されるパネル展にてそれぞれ掲出される。

撮影=井浦新

撮影=井浦新

撮影=井浦新

撮影=井浦新

撮影=井浦新

『こちらあみ子』は7月8日(金)新宿武蔵野館ほか全国順次公開。

 

イベント情報

「こちらあみ子」映画公開記念 パネル展
開催中〜終了時期未定
東京:ジュンク堂書店池袋本店
 
映画「こちらあみ子」パネル展 〜井浦新さんが見つめたあみ子〜
開催中〜7月14日(木) 2階イベントルーム
広島:エディオン蔦屋家電 2 階イベントルーム
 
※7月10 日(日)3階イベントスペースにてトークライブを開催
登壇:森井勇佑監督・大関悠士君(のり君役)・橘高亨牧君(坊主頭役)

作品情報

映画『こちらあみ子』
大沢 一菜 井浦 新 尾野 真千子
監督・脚本:森井勇佑
原作:今村夏子(ちくま文庫)
音楽:青葉市子
公式サイト:https://kochira-amiko.com/
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