<2015年末回顧>おっちゃん&ミンジュ的K-Popベスト5

2015.12.30
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JOO[Cry & Blow(泣いて吹く)」より

おっちゃん「ワシでーす」
ミンジュ「ミンジュでーす。
 本年は、このような場を与えて下さり、SPICE編集部と読者のみなさんに深く感謝致します」
おっちゃん「来年もK-Popを元に下世話な話題で誌面を汚したいと思っておりますのでよろしくお願いします」
ミンジュ「それではウチらなりに2015年のK-Pop界を振り返ってみたいと思います。
 1位は間違いなくウチのカムバックやと思うんやけど…」
おっちゃん「まぁまぁ、焦ったらあかん。こうゆう発表はまず下からや」
ミンジュ「あ、なるほどね」

第5位 異郷のT-ara

おっちゃん「T-araが中国で大人気と知った時はビックリしたね」
ミンジュ「2012年にいじめ騒動が起きてから、このグループへの信頼感は地に落ちて、熱心なファンもジリジリ減っていったし、所属事務所も廃業に追い込まれたから、いつ消滅してもおかしゅうないと思うてたんやけど」
おっちゃん「日本では比較的影響が少なかったけど、そもそも日本のK-Pop人気が2012年頃がピークで、その後急速に沈静化したからなぁ」
ミンジュ「そやけど、アイドルとしては、教訓的なところがない、理屈抜きに楽しめる魅力を持ったええグループやったよね」
おっちゃん「うむ。そやから消えるには惜しいと思うとったけど、今年になって中国でツアーをやったり映画に出たりレギュラー番組を持ったりと、すごい人気やと言うことが伝わって来た」
ミンジュ「新曲も韓国語以外に中国語でリリースしたり、もはやメインターゲットは中国とゆうてええかもね」

T-ara『So Crazy』Chinese Ver.

ミンジュ「韓国内ではまだ冷ややかな視線で見られることが多いけど、とにかく中国のお陰で無事存続出来たのはよかったね」
おっちゃん「いじめ騒動以降に彼女らを知った人たちには、以前の出来事は関係ないよってな。
 それとSMエンタなども今後は中国をメインターゲットにしていく方針らしいし、中国での市場開拓はまだまだこれから。その可能性をT-araが見せてくれたともゆえる。
 今後はK-Pop自体が中国や台湾、東南アジアでふさわしい地位を獲得し、汎アジアポップスへと成長していくかも知れん。
 K-Popはもう終わったとゆうとる日本の人たちは、文化面でもガラパゴス状態になるかもやで」
ミンジュ「経済的に自立してるからって、世界を見る目をなくしちゃダメってことやね」

第4位 怪物新人 iKONの登場

iKON『なんでまた?』

ミンジュ「iKONは大好きやな~。可愛いもんね」
おっちゃん「2013年にYGエンタが企画したオーディション番組によって結成された2チームの内、WINNERが去年デビューして人気を博し、今年はもう1チームであるiKONがデビューした訳やけど、もともと番組を通じて顔や実力を知られていたから、デビュー前からすごい人気やった」
ミンジュ「デビュー前にリリースした先行曲が音源売り上げ総ナメにもかかわらず、音楽番組で“まだデビューしてないからランキング除外”扱いされてネットで大騒動してたよね」
おっちゃん「うむ。ひょっとしたらまだデビューしてへんアイドルが1位になるなんて珍事もありえたんやけどな」
ミンジュ「デビュー前やのに曲を出したりするから、そんな面倒なことになるんやで(呆)」
おっちゃん「あとデビューと同時に単独コンサート開いて1万3000人の観客を集めたり、来年早々日本デビューが決まってたり、まさに型破りな新人や。
 デビュー後も全てのタイトル曲で1位を獲り続けておる」
ミンジュ「うらやましい」
おっちゃん「ただ、オーディションで才能を集め、プロモーションを繰り返すことで販売促進するゆう手法はどちらかとゆうと日本のやり方やった。
 K-Popは幼少時から徹底した教育でアイドルを作り上げていくのが主流で、SMEは未だにそのやり方にこだわっておるようやけど、これには金と時間がかかる。
 そこでYGやJYPは経営者がオーディション番組の審査員をやっとる関係もあってか、そこでめぼしい才能をスカウトし、即デビューさせる手法に偏って来たと思う」
ミンジュ「それなら安上がりやもんね」
おっちゃん「そうなんやけど、それだと既成の才能を売るだけやから、アイドルの個性を事務所がコントロールしてる訳やない。売れるか売れんかは本人次第や。
 となると、売れない歌手は早々に見限られる可能性がある。特にJYPなんて今までも売り方が下手すぎて、人気のあるアイドルさえ潰してきた訳やし」
ミンジュ「うんうん。ウチがまさにその犠牲者やな」
おっちゃん「いや、Woder Girlsのことやけど」
ミンジュ「ずこっ」
おっちゃん「大量消費が骨の髄まで染み込んでいる日本なら、こんなアイドルの使い捨ても当たり前やろうけど、リソースが半分以下の韓国でその手法がいつまで通じるか。ちょっと心配。
 やはり事務所がちゃんとアイドルを作って愛情を持って売って行くちゅうこれまでのやり方を通した方がええと思うねん。
 第5位でK-Popの汎アジア化なんて持ち上げておきながら、すぐこんな苦言を呈するのも、今後汎アジア展開していくなら、先を見据えた戦略が必要になると思うからや」

第3位 ガールズグループの∀

おっちゃん「一方で、女子アイドルも実りの多い年やった」
ミンジュ「詳しくは『おっちゃん&ミンジュの怪しいK-Pop喫茶』第7~8話をお読み下さい(ペコリン)」
おっちゃん「その中で、ワシは“新人の多くが制服コンセプトへ収束し、且つその中での細分化多様化が見られる”とゆうた。すなわちスキズマトリックス現象や」
ミンジュ「そやったね。なんのことかよお判らんけど」
おっちゃん「その結果新人のほとんどが学生服っぽい衣装で歌い踊るので、詳しくない人には誰が誰やら判らない状態になって来た」
ミンジュ「確かに」
おっちゃん「そこで、来年の予測やけど、もう制服コンセプトは主流やなくなる気がする」
ミンジュ「はやっ」
おっちゃん「うむ。今年は新人が一斉に少女時代やApinkを目指したんやけど、来年はもっとエッジの効いた、どことも似てないグループが出て来そうなんやね」
ミンジュ「と、ゆうと?」
おっちゃん「最近の新人ではMAMAMOOがまさに独自の個性で人気を博しておるやろ?」
ミンジュ「新人やのにおばはん臭いって個性やね」
おっちゃん「ま、まぁ、そうゆうてもええやろ。そんな個性は誰にでも真似出来る訳がない。そんなエッジの立ったグループが出て来るんやないかなぁ思うとるんや。
 かつてはPiggy Dallsちゅうおデブちゃんグループがおった。混沌としたアイドル時代があったんや。そんな時代が再び来るような気がする」
ミンジュ「時代は廻るってこと?」
おっちゃん「とゆうても、まったく同じやないど。今の新人はかつてよりずっと実力もルックスもレベルは上がっとるからな。
 一周回って元に戻るようでも、進化はしとる。富野由悠季監督ゆうところの“∀”や」
ミンジュ「マニアックすぎてよく判りまへん」

第2位 IUの底力

おっちゃん「今年一番音源を売ったソロ歌手はIUなんやって」
ミンジュ「マジで? 去年も今年もロクに活動してない印象やけどなぁ」
おっちゃん「それがIUちゅうのは、こまめに男歌手とデュエットしてみたり、ドラマやMVに出て、存在をアピールするのが得意なんや。
 その結果、人気バラエティ番組『無限挑戦』でパク・ミョンスとデュエットした『レオン』がめっちゃ売れた。音源の売り上げだけならテヨンの『I』さえ凌ぐちゅうデータもある」
ミンジュ「ひえー、マジか?」
おっちゃん「IUちゅうのは、見た目はアイドルそのものやけど、本人の中には頑としたアーティスト指向があって、それが事務所やファンの期待通りに活動しない天の邪鬼的な行動に繋がっておるようや」
ミンジュ「あー、そおゆうとこあるかもね」
おっちゃん「秋に新しいアルバムを出したんやけど、テレビで活動しないとか、自作した『Zeze』ではちょっとエロい歌詞書いて、幼児性愛論争でネットを炎上させるとか、とにかくアイドルにふさわしくない行動をとり続ける。
 その見た目と行動のギャップが、麻薬的ちゅうか魔術のような効果を生んで、ハマると抜けられない魅力になってるねん。
 ワシは食虫花の様な女と呼んどるけどな」

IU『23』

ミンジュ「でも、好きなんでしょ?」
おっちゃん「そらやっぱ可愛いもんなぁ(でれでれ)」
ミンジュ「こらあかんわ」
おっちゃん「とにかく、どんなネガティブな話題であれ、売り上げに繋げて来るのは素晴らしい。セルフマネージングの天才かもしれん。
 この秋の『レオン』から『23』へとつながる活動にIUの底力を見た。
 やはり今のK-Popを語る時に外せないひとりなのは間違いない」
ミンジュ「さすがK-Pop界の北島マヤ。…恐ろしい子」

おっちゃん「さて、いよいよ今年の1位や」
ミンジュ「いよいよウチのカムバックやな(ごくり)」

じゃん!
第1位 少女時代の新生

ミンジュ「(こけっ)違うやないかい!」
おっちゃん「アホか、貴様のような売れない歌手が5年ぶりに新曲出したからって、ベスト5に入る訳がないがな。
 CDすら出ない、音源販売のみのクセしやがって」
ミンジュ「なんやと? パッケージ販売の方がデータ販売より偉いゆうんかい? そんな時代錯誤の考え方じゃこれからの音楽を語る資格はないで!」
おっちゃん「ランキング100位にすら上がらない奴かて、音楽を語る資格はないわ」
ミンジュ「うっ…」
おっちゃん「判ったら黙っとけや。
 えーと、今年は少女時代の存在が試される年やったと思うんだよね。
 去年ジェシカ事変があってから一部のファンは離れたし、8人になった彼女らが以前と同じ魅力を維持しているのか、疑問視する声も多かった。
 そこでこの夏にカムバックした訳やけど、『PARTY』『Lion Heart』と立て続けにリリースして、ほぼ2ヶ月半の間1位に君臨し続けたのはさすがやったね」

少女時代『PARTY』

少女時代『Lion Heart』

ミンジュ「うーむ、どこまでも華やかで清潔なアイドルやな」
おっちゃん「そやねん。水着になっても清潔感を失わない。日陰が似合うIUとは対極的な存在や。
 ただ、この少女時代はかつての少女時代とも違う気がせんか?」
ミンジュ「そお? 確かにジェシカねえさんがおらんけど」
おっちゃん「ワシはその違和感がなんなのか、ずっと気になっておった。そんで先週行われた神戸のコンサートに行ってみたのよ」
ミンジュ「好きやなぁ」
おっちゃん「そこで判ったのは、彼女らがジェシカロスの痛みを乗り越えて、新たなステージに立っていると言うことやった」
ミンジュ「新たなステージ?」
おっちゃん「そお。これまでの彼女らは互いに未熟な部分もあり、支え合いながら少女時代をやってきた。一種の運命共同体であって、そんな支え合う姿にワシらは感動しとったのかも知れん。
 そやけど、神戸で観た彼女らは、ひとりひとりがプロのエンターティナーとして自立した姿やった」
ミンジュ「てことは、もはや支え合ってない?」
おっちゃん「と思うね。支え合っている内は、中の一本が倒れたら他も倒れる。共倒れや。
 ジェシカ事変はそれを避けようと起きた出来事やったのかも知れん。
 今の彼女らは、それぞれ自立した上で結束しておる。毛利元就の三本の矢が一本の矢より強いように、八本の矢を束ねた彼女らはそれは強い存在となったのじゃ」
ミンジュ「モーリて誰やねん?」
おっちゃん「そやから、今の少女時代は新生少女時代であって、かつての少女時代とは違う。
 それが好きかどうかは受け手側の問題やが、とにかくパフォーマーとしてこれまでにないレベルに磨き上げられておることは間違いない。
 そやから神戸のコンサートはとても楽しかった。
 ジェシカロスを乗り越えられず、このコンサートを見逃した人は可哀想やと思う」
ミンジュ「そこまで?」
おっちゃん「とにかく、少女時代が次のステージに立ったことは、テヨンのソロ活動が解禁になったことからも判る。
 思えば2008年の1月からずっとソロ活動が期待されておったのにそれをやって来なかったのは、やる以上は失敗出来ないのと同時に、テヨン自身がまだ少女時代に依存しておったからや。(※あくまでおっちゃんの意見です)
 しかし、ジェシカ事変以来みんなの意識が変わったんやと思う。
 テヨンはソロを決意し、結果は大成功。ソロでも1位を総ナメ。今年グループ活動も合わせて音楽番組で32回も1位に輝き、年間最多1位を記録した」
ミンジュ「すげー」
おっちゃん「自分の出る幕がないとゆうた意味がわかったか?」
ミンジュ「…しゅん」
おっちゃん「来年はティファニーもソロデビューするゆう噂やし、他のメンバーも映画にミュージカルに活動の枠を広げておる。
 それぞれが得意の分野で一流の芸能人となり、その集合体としてまた違った魅力を見せるのが少女時代、そんな時代に移り変わりつつあるんやと思う。
 将来歴史家は2015年をこう呼ぶやろう…新生少女時代元年と」
ミンジュ「くさー」

おっちゃん「総括すると、今年は有望な新人が多くデビューし、SMエンタとYGエンタの2強構造がより強まった感じがするな」
ミンジュ「そお?」
おっちゃん「ワシは趣味やから女子アイドルばっか語っとるけど、売り上げの中心はやっぱ男子アイドルなんだよね。
 そうすると、やはりBIGBANG、WINEER、iKONちゅう布陣のYGと、EXO、SUPER JUNIOR、SHINee、東方神起ちゅうSMが鎬を削っとる訳や。
 今年はiKONちゅう強力な新人が出たんで、来年SMも男子の新人仕込んでくるかも知れんな」
ミンジュ「まさしく抗争やね。少女時代も売り上げの上では重要な使命を担ってるんだ」
おっちゃん「もちろんそうや。そやから3曲同時リリース、テヨンソロ、テティソと次々に仕掛けて来るし、日本へもコンサート開催などでフォローを欠かさない。
 テヨンなんか、あんなに華奢なのによく過労死しないなぁと思うね。
 来年の旧正月はゆっくり休んで欲しい」
ミンジュ「来年はジェシカねえさんがソロアルバムを出すとか」
おっちゃん「そうなったら面白いねー。今年はApinkもちょっと大人しかったし、来年の巻き返しが期待される。話題は尽きへんで。
 いやー、K-Popって本当にいいもんですね」
ミンジュ「なに水野晴郎みたいなことゆうてんねん(ぽかっ)」
♪ちゃんちゃん

おっちゃん「ほな、来年もよろしくお願いしまーす」
ミンジュ「よいお年をー!」