『TRIANGLE'22 Acoustic Resort』Day.1 全国屈指のリゾート福岡糸島で初開催された珠玉のアコースティックフェスをレポート

2022.9.25
レポート
音楽

『TRIANGLE'22 Acoustic Resort』

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『TRIANGLE'22 Acoustic Resort』Day.1
2022.09.03(sat) 福岡県糸島市 福岡LASPARK RESORT内特設ステージ

2001年、九州各地を回るライブイベントとしてスタート。2016年からはシーサイドももち海浜公園にて開催される野外フェスへと形を変えながら、九州で長く愛され続けている音楽イベント『TRIANGLE』。新型コロナの影響で開催中止となった一昨年、同じく開催中止になるもアーティストの発案で配信ライブ形式で開催した昨年を経て、今年は“原点回帰”と“新しい挑戦”というテーマを掲げ、3イベント9公演を開催。

『TRIANGLE』を代表する精鋭バンドが九州4箇所のライブハウスを回った『TRIANGLE TOUR’22 〜Return to the Roots〜』、Zepp Fukuoka3DAYSを行った『TRIANGLE'22 Keep on Doing in Zepp Fukuoka』と続き、『TRIANGLE’22』を締めくくったのは、9月3日(土)、4日(日)福岡県糸島市の福岡LASPARK RESORT内特設ステージにて開催された『TRIANGLE'22 Acoustic Resort』。普段はバンドスタイルでライブを行っている豪華出演バンドによる、アコースティック編成でのスペシャルなステージはどれも貴重かつ、贅沢! 『TRIANGLE』への愛に溢れ、たくさんの奇跡と感動の瞬間を生み出した2日間。ここでは1日目の様子をレポートする。

SIX LOUNGE

SIX LOUNGE 撮影=タカギユウスケ

SIX LOUNGE 撮影=タカギユウスケ

『TRIANGLE』初の開催地となった、LASPARK RESORT。福岡の都心部からもほど近く、普段はグランピングやバーベキューで利用されている、海や山の大自然に囲まれた会場は雰囲気抜群! あいにくの荒天となり、雨に打たれながらのイベントスタートとなった初日だったが。トップバッターであるSIX LOUNGEが登場し、代表曲といえる「メリールー」でライブが始まると、悪天候も関係なしにフィールドに熱気が上がる。軽快な演奏に乗せて、<さあいくぜ、気持ちいいとこはみんな知ってんだ>と歌う「ラブポップ」を披露すると、「気持ちよくなってきました?」と笑うヤマグチユウモリ(Vo)。

SIX LOUNGE 撮影=タカギユウスケ

SIX LOUNGE 撮影=タカギユウスケ

「ナイトタイマー」、「SUMMER PIXY LADY」と続き、バンド編成よりも曲やメロディの持つ雰囲気や世界観、ウェットで抜けの良いヤマグチの歌声の魅力がダイレクトに伝わるアコースティックならではのステージに、早くもこのフェスならではの魅力や面白さを感じていると、早くも最後の曲。「天使のスーツケース」のたっぷり気持ちを込めた歌と演奏で魅せた3人は、「時間あるね、1番だけやって帰ろうか?」と予定になかった「最終兵器GIRL」を披露。牧歌的な曲調に観客が手拍子を合わせ、大きな拍手に包まれながら名残惜しそうにステージを去っていく。シンプルな歌と演奏だからこそ伝わるバンドや楽曲の魅力と芯の強さを見せつけて、「もっと見たい!」と思わせてくれたSIX LOUNGE。このフェスの楽しみ方や面白さも実証した、トップバッターとして申し分のないアクトだった。

KOTORI

KOTORI 撮影=松尾凌太

夏の終わりを連想させる「4号線」でライブをスタートするや、アコースティックの温かいサウンドに乗せた、横山優也(Vo&Gt)の切ない歌声で聴く者の胸を締め付けたKOTORI。「トーキョーナイトダイブ」から、<果てしなく広がる空>と雄大に歌う「ソングバード」を披露してオーディエンスをステージに釘付けにすると、「あれ? やんでませんか?」といつの間にか雨がやんでいたことに気づいた横山。「海が見えるステージに合うと思って、アレンジし直して来ました」と夏の終わりを歌った「海」、<無くしてしまった答えは雨の中>と歌う「雨のあとを」と、このシチュエーションにぴったりな曲が続き、自然や天候を完全に味方にしたKOTORI。

KOTORI 撮影=松尾凌太

KOTORI 撮影=松尾凌太

あまりにドラマチックな展開にすっかりやられていると、「あと2曲、元気な曲を」とギターをかき鳴らし、「GOLD」、「素晴らしい世界」で高らかに希望を歌い、ビールで祝杯を上げる。太陽や青空、雨や夕焼けや星空といった自然や天候の計算出来ない演出は、フェスの醍醐味のひとつだが。この日のKOTORIはちょっと神がかってるほどに、自然の演出を活かしたステージだった。

四星球

四星球 撮影=タカギユウスケ

四星球 撮影=タカギユウスケ

「今日はアコースティックですが、何もやることは変わりません!」と北島康雄(Vo)が早々に宣言し、1曲目「運動会やりたい」で幕を開けた四星球のステージ。あえて変化を言うならば、曲がよりクリアにポップに聴こえ、歌詞が聴き取りやすいくらいだろうか? 楽曲後半はフィールドの観客を赤組と白組に分けて対決を行い、全員強制参加型のライブスタイルは宣言通り、いつもと何も変わらない。熱いメッセージを送った「薬草」では、声が出せなくてもクラップで気持ちが通じ合えることを証明し、「UMA WITH A MISSION」ではボーカルが歌わなくても楽曲が成立することを証明した彼ら。「Mr.Cosmo」のUFO呼びでは出演者全員の顔写真に体が描かれたパネルを用意して、大合唱感を無意味に演出。

四星球 撮影=タカギユウスケ

四星球 撮影=タカギユウスケ

ラストはモリス(Dr)がダンボール製の特製カホンを叩いて始まった、「クラーク博士と僕」で大団円でフィニッシュ。北島の「好きな音楽のために、イヤな雨を耐えてるわけでしょ? イヤなことも楽しもうとしてるんでしょ? それって生きてく上でめちゃくちゃ大切なことやと思いました。みなさん、めちゃくりゃリスペクトしてます!」というMCもグッと来たりと、たくさん笑ってちょっぴり泣ける四星球の魅力が凝縮された良いライブだった。

Dizzy Sunfist

Dizzy Sunfist 撮影=タカギユウスケ

Dizzy Sunfist 撮影=タカギユウスケ

「晴れ女が来たでーー! 天気は雨でも心は晴れで!!」と明るく登場すると、椅子の上にあぐらをかいてアコギを抱えたあやぺた(Vo&Gt)。moAi(Dr)がアコギ、メイ子(Ba)がカホンと、パートもチェンジした特別編成で登場したDizzy Sunfistは、「ブチアガる準備、出来てますかー!?」とあやぺたが煽り、「Andy」で勢いよくライブをスタート。moAiのギターソロという貴重なシーンも魅せながら、続く「Hey! Stay by my side!」を披露すると、「今日はカバーを持ってきました!」とmoAiの切ないアルペジオで始まった曲は、ZONE「secret base ~君がくれたもの~」のカバー。夏の終わりの雰囲気にあやぺたの力強く感傷的な歌声もハマって、会場の空気を変えたこの曲に会場中から大きな拍手が起きる。

Dizzy Sunfist 撮影=タカギユウスケ

Dizzy Sunfist 撮影=タカギユウスケ

再び雨脚が強くなる中、「びしゃびしゃなってるか~い!?」と笑顔で煽り、「ウチらの夢はまだまだ死なんぞ!」とギターをかき鳴らして「The Dream Is Not Dead」へ。大きな夢に手を伸ばすようなロングトーンを響かせると、「いいね、浜辺で雨で大好きなバンドのアコースティックがいっぱい聴けて、お酒も飲めて。人生、最高裁判所! 雨のフェスって一生、心に残るから。ドロドロになってもそれが良い思い出で。いつでもこの雨を思い出さえてくれるから」とポジティブなメッセージを送り、ラストは「Tonight,Tonight,Tonight」で美しく軽快にフィニッシュ。まさに天気は雨でも心は晴れ。びしゃびしゃになりながら、みんなの笑顔が耐えない、明るく楽しい時間となった。

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