東京スカイツリーが「柿色」に限定ライトアップ! 『十三代目市川團十郎白猿襲名 八代目市川新之助初舞台』記念企画

2022.10.16
レポート
舞台

堀越勸玄、市川海老蔵、市川ぼたん(左から)


市川海老蔵市川ぼたん堀越勸玄が東京・東京スカイツリータウンで行われた「スカイツリー点燈式」に登場した。2022年11月、12月の2ヶ月にわたって行われる公演『市川海老蔵改め十三代目市川團十郎 白猿襲名披露 八代目市川新之助初舞台』の記念企画で、約1000人(主催者発表)の観衆が詰めかけた。

市川海老蔵

市川ぼたん

堀越勸玄

海老蔵は本来ならば2020年に行われるはずだった襲名披露公演が2年半延期になったことに触れ、「やっとの思い。大変嬉しく、また緊張感を持って過ごしております。このような点燈式をさせていただくことで、刻々と襲名が近づいてきていることをひしひしと感じております」などと挨拶。
 
その上で「娘は12月公演で『團十郎娘』を踊り、倅も11月、12月に『外郎売』と『毛抜』、そして『助六由縁江戸桜』の福山かつぎを披露します。気運が高まっておりますので、私もその気合に負けないよう過ごしていきたい」と決意を語った。

堀越勸玄、市川海老蔵、市川ぼたん(左から)

ぼたんは自身の襲名時の思い出について「口上が心に残っていて、裃(かみしも)という衣裳を初めて着させていただいて、緊張しましたが、その場にいられることが嬉しかったです」と振り返る。続いて勸玄が、襲名公演に向け、「やはり歌舞伎十八番の中でも、『毛抜』と『外郎売』は成田屋にとって大切な演目。できることにとても喜びを感じております」などと述べると、海老蔵は「ちゃんとしてるな!」と息子の成長に目を細めた。

そして、市川團十郎を襲名する父に対して、ぼたんから「團十郎という名跡は、とても大きな名跡で、本当にすごいなと思います。これから大変なこともあると思いますが、頑張って乗り越えてください」というメッセージが送られ、勸玄からも「尊敬しています。お父さんに頑張ってほしいと思っていますし、怪我なく安全に行い、楽しく過ごしてほしいと思います」。海老蔵は「ありがとうございます」と頭を下げた。

市川海老蔵

市川ぼたん

堀越勸玄

「5、4、3、2、1……」。司会と来場者によるカウントダウンのあと、3人が共にボタンを押すと、スカイツリーは市川團十郎家にゆかりのある「柿色」に染まった。柿色は「團十郎茶」とも呼ばれ、歌舞伎十八番の『暫』の主人公が着る〈柿の素襖〉などでもよく知られており、襲名・追善・初舞台の披露口上などで市川團十郎家とその一門の俳優が着る裃の色も柿色だ。

堀越勸玄、市川海老蔵、市川ぼたん(左から)

市川團十郎家所縁の「柿色」に染まった、東京スカイツリー

柿色に染まったスカイツリーを見上げて海老蔵は「すごいですね! 夢のようでございます」とコメント。ぼたんは「私の大好きなスカイツリーが、成田屋にとって大切な色である柿色にライトアップされて、本当に嬉しいです。すごく綺麗です!」。勸玄は「スカイツリーさんが(柿色への点燈を)計画してくださって、それが実現したことを嬉しく思っています」と、スカイツリーを“さんづけ”で語り、会場を和ませた。

『三番叟』を披露する市川海老蔵

『三番叟』を披露する市川海老蔵

『三番叟』を披露する市川海老蔵

点燈式後は、田中傳次郎、田中傳十郎による演奏披露、これまでの市川團十郎家を振り返る15分ほどの特別映像上映があり、海老蔵が『三番叟』を踊って、イベントを締めくくった。なお、「柿色」に染まったスカイツリーは当日限定だという。

取材・文・撮影=五月女菜穂 

公演情報

市川海老蔵改め
十三代目 市川團十郎白猿襲名披露

『十一月吉例顔見世大歌舞伎』
八代目 市川新之助初舞台
 
日程:2022年11月7日(月)~28日(月)
会場:歌舞伎座
 
【休演】14日(月)、21日(月)
【貸切】昼の部:26日(土)、夜の部:12日(土)

昼の部 午前11時~
 
一、祝成田櫓賑(いわうなりたこびきのにぎわい)
 
鳶頭梅吉:中村梅玉
鳶頭智吉:中村鴈治郎
鳶頭信吉:中村錦之助
芸者松葉:中村孝太郎
芸者梅香:中村梅枝
鳶の者萬吉:中村萬太郎
同 曉吉:中村種之助
同 鷹吉:中村鷹之資
手古舞おたき:市川男寅
同 おたか:中村莟玉
同 おふじ:中村玉太郎
若い者虎造:市川青虎
頭取松蔵:片岡松之助
町役人寿兵衛:市川寿猿
頭取錦兵衛:松本錦吾
女伊達沢潟おえみ:市川笑三郎
男伊達久住の良蔵:市川猿弥
女伊達明石のお廣:大谷廣松
男伊達滝野屋男女蔵:市川男女蔵
男伊達高嶋右團次:市川右團次
女伊達四ツ紅葉のお門:市川門之助
女伊達四ツ花菱のお高:市川高麗蔵
男伊達山崎屋権十郎:河原崎権十郎
芝居茶屋女房お栄:中村福助
芝居茶屋亭主輝右衛門:坂東楽善
芸者時乃:中村時蔵
 
野口達二 改訂
二、歌舞伎十八番の内 外郎売(ういろううり)
八代目市川新之助初舞台相勤め申し候
 
外郎売実は曽我五郎:初舞台 市川新之助
大磯の虎:中村魁春
小林妹舞鶴:中村雀右衛門
化粧坂少将:中村孝太郎
遊君喜瀬川:中村児太郎
遊君亀菊:大谷廣松
梶原平次景高:中村鷹之資
茶道珍斎:片岡市蔵
梶原平三景時:市村家橘
小林朝比奈:市村左團次
工藤祐経:尾上菊五郎
 
三、歌舞伎十八番の内 勧進帳(かんじんちょう)
 
武蔵坊弁慶:海老蔵改め 市川團十郎
源義経:市川猿之助
亀井六郎:坂東巳之助
片岡八郎:市川染五郎
駿河次郎:尾上左近
常陸坊海尊:片岡市蔵
富樫左衛門:松本幸四郎
 
後見:市川齊入

夜の部 午後4時~
 
一、歌舞伎十八番の内 矢の根(やのね)
 
曽我五郎:松本幸四郎
曽我十郎:坂東巳之助
馬士畑右衛門:中村吉之丞
大薩摩文太夫:大谷友右衛門
 

十三代目市川團十郎白猿
二、八代目市川新之助 襲名披露 口上(こうじょう)
 
海老蔵改め市川團十郎
初舞台市川新之助
松本白鸚
 
片岡仁左衛門
坂東玉三郎(22〜28日)
市川左團次
梅玉梅玉
尾上菊五郎

三、歌舞伎十八番の内 助六由縁江戸桜(すけろくゆかりのえどざくら)
河東節十寸見会御連中
 
花川戸助六:海老蔵改め 市川團十郎
三浦屋揚巻:尾上菊之助
髭の意休:尾上松緑
三浦屋白玉:中村梅枝(7〜20日)
      坂東玉三郎(22〜28日)
朝顔仙平:中村又五郎
福山かつぎ:初舞台 市川新之助
男伊達山谷弥吉:坂東彦三郎
同 田甫富松:坂東亀蔵
同 竹門虎蔵:中村萬太郎
同 砂利場石造:大谷廣太郎
同 石浜浪七:市川青虎
傾城八重衣:中村児太郎
同 浮橋:大谷廣松
同 胡蝶:中村莟玉
同 愛染:市川團子
同 誰ヶ袖:市川笑三郎
茶屋廻り:市川男寅
同:中村玉太郎
奴奈良平:市川九團次
国侍利金太:市川男女蔵
遣手お辰:市川齊入
通人里暁:中村鴈治郎
三浦屋女房:中村東蔵
曽我満江:中村魁春
白酒売新兵衛:中村梅玉
くわんぺら門兵衛:片岡仁左衛門
 
口上:松本幸四郎
後見:市川右團次
 

公演情報

市川海老蔵改め
十三代目 市川團十郎白猿襲名披露

『十二月大歌舞伎』
八代目 市川新之助初舞台

日程:2022年12月5日(月)~26日(月))
会場:歌舞伎座
 
【休演】12日(月)、19日(月)
【貸切】昼の部:15日(木)、夜の部:11日(日)
 
昼の部 午前11時~
 
其俤対編笠
一、鞘當(さやあて)
 
不破伴左衛門:尾上松緑
名古屋山三:松本幸四郎
 
二、京鹿子娘二人道成寺(きょうかのこむすめににんどうじょうじ)
鐘供養より『歌舞伎十八番の内 押戻し』まで
 
大館左馬五郎:市川海老蔵改め 市川團十郎
白拍子花子:中村勘九郎
白拍子花子:尾上菊之助
三、歌舞伎十八番の内 毛抜(けぬき)
八代目市川新之助初舞台相勤め申し候
粂寺弾正:初舞台 市川新之助
腰元巻絹:中村雀右衛門
秦民部:中村錦之助
八剣玄蕃:市川右團次
小原万兵衛:中村芝翫
小野春道:中村梅玉
 
夜の部 午後4時~
 
十三代目市川團十郎白猿
一、八代目市川新之助 襲名披露 口上(こうじょう)
 
市川海老蔵改め 市川團十郎
初舞台 市川新之助
 
松本白鸚
幹部俳優出演
 
二、團十郎娘(だんじゅうろうむすめ)
 
近江のお兼:市川ぼたん
漁師:市川男女蔵
漁師:市川右團次
 
三、歌舞伎十八番の内 助六由縁江戸桜(すけろくゆかりのえどざくら)
河東節十寸見会御連中
 
花川戸助六:市川海老蔵改め 市川團十郎
三浦屋揚巻:坂東玉三郎(5~15日)
中村七之助(16~26日)
通人里暁:市川猿之助
三浦屋白玉:尾上菊之助(5~15日)
中村梅枝(16~26日)
福山かつぎ:坂東巳之助
朝顔仙平:市川猿弥
白酒売新兵衛:中村勘九郎
髭の意休:坂東彌十郎
くわんぺら門兵衛:市川左團次
曽我満江:上村吉弥(5〜15日)
坂東玉三郎(16〜26日)
 
口上:松本幸四郎
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