<2015年末回顧>岡本麻由の「演劇」ベスト5
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木ノ下歌舞伎『黒塚』舞台写真 ⓒ木ノ下歌舞伎公式サイト
2015年 私の「演劇」ベスト5
5位 : 演劇実験室◎万有引力≪寺山修司33回忌・生誕80年≫公演 説教節の主題による見世物オペラ『身毒丸』 (1/29-2/1 世田谷パブリックシアター)
4位 : 飴屋法水『ブルーシート』 (11/14-15・12/4-6 豊島区旧第十中学校グラウンド)
3位 : 犬と串『ハワイ』 (8/18-8/26 新宿ゴールデン街劇場)
2位 : ままごと『わが星』 (5/16-6/14 三鷹市芸術文化センター星のホール)
1位 : 木ノ下歌舞伎『黒塚』 (3/11-3/22 こまばアゴラ劇場)
ままごと『わが星』メインビジュアル ⓒままごと公式サイト
『ブルーシート』メインビジュアル ⓒprecog公式サイト
こまばアゴラ劇場にて目撃した『黒塚』。鬼気迫る人間が醸し出すオーラに、形相に、筋肉の強張りに、圧倒され尽くした公演でした。"人"について、また"人が演じること"についての無限の可能性を感じざるをえません。
ままごと『わが星』。私は会場で大泣きしていたクチです。ストーリーにも、口ずさまれるメロディにも、心の弱いところをぐっと掴まれっぱなしでした。小豆島公演も観てみたかった!
犬と串『ハワイ』はただただアホでした。
"空の青さ"がひとつのキーとなる『ブルーシート』。観劇した日は雲一つない冬の日本晴れ。劇中の人物が空を見上げ、空の青さを語るシーンでは、虚構と現実が融合した魅惑的な空間が紡ぎだされていました。天気も温度も環境音も演出のひとつとなる、野外劇の魅力を実感。
『身毒丸』では、継母役の蜂谷眞未さんの美しさと妖気に、とにかく魅入ってしまいました。"見世物オペラ"たるところの呪術的な楽曲の数々も忘れられません。
なんとなく"化ける人"が印象的だった1年でした。演劇ってあらためて、すごく原始的で直接的で、不思議なエンターテインメントだなあと思います。