田中圭、西田尚美、山田杏奈ら出演 栗山民也演出『夏の砂の上』初日コメント・舞台写真が公開

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2022.11.4
世田谷パブリックシアター『夏の砂の上』(撮影:細野晋司)

世田谷パブリックシアター『夏の砂の上』(撮影:細野晋司)

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2022年11月3日(木)に世田谷パブリックシアターで舞台『夏の砂の上』が開幕した。

1998年に初演された本作は、劇作家・演出家の松田正隆が生まれ育った長崎を舞台に描いた作品。1999年読売文学賞戯曲・シナリオ賞を受賞した松田の代表作のひとつで、長崎を舞台に、職をなくし妻に家出された主人公と彼を取り巻く人物たちの間で交わされる会話から、一見淡々とした日々に漂う、抗いようのない悲哀や心の乾きが滲みだす名作だ。

世田谷パブリックシアター『夏の砂の上』(撮影:細野晋司)

世田谷パブリックシアター『夏の砂の上』(撮影:細野晋司)

世田谷パブリックシアター『夏の砂の上』(撮影:細野晋司)

世田谷パブリックシアター『夏の砂の上』(撮影:細野晋司)

今回、演出を手掛ける栗山民也は『涙の谷、銀河の丘』(2003年、新国立劇場)以来となる松田正隆とのタッグ。主人公・小浦治を演じるのは田中圭。テレビや映画等多彩に活躍しながらも、舞台への出演は欠かさず並々ならぬ意欲を持つ田中が、真摯な演技を高く評価された『CHIMERICA チャイメリカ』から3年ぶりに、栗山演出に挑む。夫を捨て家を出ていく妻・恵子を演じるのは、舞台や映像作品で唯一無二の存在感を発揮する西田尚美。若手実力派として映像作品に多く出演する山田杏奈は、本作品が初の舞台出演となる。さらに、新時代のバイプレイヤーとして注目される尾上寛之、2020年に第55回紀伊國屋演劇賞個人賞を受賞した実力派の松岡依都美、 また舞台を中心に活躍し演出家が信頼を寄せる粕谷吉洋、深谷美歩、三村和敬と、豊富な舞台経験を持つ俳優が揃い、登場人物の心情の揺れが幾重にも積み重なる作品世界を、丁寧に描き出す。

栗山民也(演出)

ずっと大事にしてきた作品の初日を、無事迎えることができました。それぞれの登場人物が、それぞれの過去の記憶とともに、舞台の上で静かに弾け、それぞれがじっと沈黙します。そのなんとも虚無的な人々の光景は、夏が終わっていくように何も変わることなくラストシーンに向かいます。
変わったことといえば、指を三本無くしてしまったという事実だけ。幕が降り、今まで緩やかに流れていた風が止み、そこにいくつかの穴が開いたような気分。乾き切った夏の砂の上に、ただ一人ボンヤリ取り残されたかのような。
二十数年前に生まれたこの長崎の物語が、今のこの空虚な時代と妙に重なって見えます。わたしたちと同じ不可解で素敵な人間たちに出会えたことに、感謝!

田中圭(小浦治 役)

夏の砂の上。たった今初日を終えました。
本日 11 月 3 日はとても縁起のよい日らしく、そのパワーも借りて、ハプニングもありましたし、台詞も間違えましたが、結果良い初日になったんじゃないかなと思っております。
とても楽しかったです。
汗ひとつかかない舞台も初なのですが、とにかく面白いこの本を、栗山さんのもと頼りになるキャストと一緒に生きられるのは嬉しく思います。
あとはどれだけ変化、進化していくかもとても楽しみです。
皆様、是非劇場で見てみてください。
なかなか見れない舞台なのは間違いないので、皆様、是非お見逃しなくです!!

西田尚美(小浦恵子 役)

日常を演じることの難しさと毎日たたかってきて、やっと初日を迎えられてとても嬉しいです。でもきっとそれは、千秋楽まで続いていくのだろうと思います。人と人が話すこと、聞くこと、感じること、言葉の裏にあること、栗山さんとのお稽古で何度も思考したけど、本当に尽きないのです。じーっと耳を澄ませて、あの小さな畳の部屋に存在したい。生きたい。あの人たちが、あの場所で必死に生きていたと想像してもらえるように。がんばります。

山田杏奈(川上優子 役)

このような状況のなかで無事全員揃って初日を迎えられたことにひとまず安堵の気持ちでいっぱいです。私はこの作品で初めて舞台に立たせていただきます、お客さんのまえで芝居をするという経験も初めてに近いです。
この 1 ヶ月間濃密な稽古の期間を過ごさせていただいていましたがそれがある意味まっさらになるくらいひとつひとつがその場でその瞬間に新鮮に生み出されていって、舞台は生ものという言葉を身をもって実感しています。
稽古期間中に栗山さんをはじめとしたスタッフのみなさん、そして役者の先輩方からたくさん声をかけていただいたことを一つ一つ大切に最後まで走り抜けられるようがんばります。

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