ストロングスタイルプロレス12/8見どころ到着! 真霜拳號のレジェンド王座に関根“シュレック”秀樹が挑戦! ジャガー横田の「対タイガー・クイーン」宣言で女子三軍抗争が勃発
-
ポスト -
シェア - 送る
初代タイガーマスク率いるストロングスタイルプロレスが12月8日(木)東京後楽園ホールにて「初代タイガーマスク ストロングスタイルプロレスVol.20」を開催する。
今大会では、11・23大阪につづき、10月1日に亡くなられたアントニオ猪木さんに追悼の“30カウント”がおくられる。腰の圧迫骨折により療養中だった“過激な仕掛人”新間寿会長も後楽園のリングに登壇、佐山とともに“燃える闘魂”を偲ぶ予定だ。
猪木さんから初代タイガーマスク(佐山サトル)、そして性別を超えてこのリングに集う選手たちにも受け継がれるストロングスタイル。当日は、真霜拳號の手に渡ったレジェンド王座に関根“シュレック”秀樹が挑むタイトルマッチ、タイガー・クイーンを中心とする女子の新展開、そして藤原喜明デビュ50周年記念・石川雄規30周年記念試合試合を含め、全6試合がラインアップされている。
第1試合 シングルマッチ30分1本勝負
佐藤綾子(ワールド女子プロレス・ディアナ)vsダーク・タイガー(DarkerZ)
初代タイガーマスクとの二人三脚で女性版タイガーマスク、タイガー・クイーンを世に送り出したジャガー横田。ストロングスタイルプロレスで女子のマッチメークも担当する女帝が6月の記者会見で「そろそろタイガー・クイーンの対角に立つことも必要」と発言した。
その後9月10日川崎大会にてタイガー・クイーン、クイーン潰しを狙うDarkerZ(ダーカーズ)、そしてジャガー率いるディアナのヒールユニットCRYSIS(クライシス)の図式が成立。今大会が本格的な三軍抗争のスタートとなり、その初戦となるのが佐藤綾子(クライシス)とダーク・タイガー(ダーカーズ)の一騎打ちである。しかも佐藤はジャガーの右腕的存在で、ダークはダーカーズのリーダー。三軍抗争の初っ端から注目のカードとなったと言えるだろう。
どちらも狙うはストロングスタイル女子のトップで、クイーンの首。佐藤はクイーンのデビュー第2戦で敗れており、ダークはターゲットであるクイーンとのシングルはまだ実現していない。勝った方がクイーンとの一騎打ちに駒を進める闘いになるかもしれない。
第2試合 タッグマッチ30分1本勝負
間下隼人(SSPW)&槙吾(Milgracias)vsブラック・タイガー(不明)&阿部史典(プロレスリングBASARA)
第2試合は間下隼人&槙吾組vsブラック・タイガー&阿部史典組のタッグマッチだ。
他団体に流出した団体の至宝レジェンド王座。真霜拳號に奪われたベルトの奪還をめざし、また自身の初戴冠に向けて10月30日2AWのリングに乗り込んだ間下だったが、王者は実力を認めながらも結果的には及ばず敗退。王者の真霜は2AW無差別級王座も同時に守ってみせた。よって、この試合は間下にとって出直しの闘いになりそうだ。
間下と組むのは本戦初登場となる槙吾である。槙吾は2016年にパンクラスのウェルター級王座を獲得した格闘家で、ゼロワンの19年2・11後楽園でプロレスデビュー。初戦から場外へトペ・コンヒーロで飛ぶなどハイフライヤーとしての資質も十分だ。
また、格闘技でラウェイ、プロレスではHEAT UPに参戦、さらには11月6日には「槙吾自主興行」も開催するなど積極的な活動をおこなっている。ストロングスタイルのリングには9・10「第5回タイガーサポーターズマッチ」に初登場。いきなりメインのタッグマッチに抜擢され、好評価を得た。その上での本戦参加だけに、期待していいだろう。
とはいえ、相手は曲者チーム。ブラック・タイガーは正体不明で何をしでかすかわからない。また、小気味いいファイトでファンの心をつかみレギュラーの座を勝ち取った阿部史典は、ブラックとは違った意味でトリッキーな攻撃を仕掛けてくる。これは槙吾のみならず間下にとっても厄介な相手となりそうだ。
第3試合 3ウェイマッチ30分1本勝負
ジャガー横田(ワールド女子プロレス・ディアナ)vs高瀬みゆき(フリー)vsダーク・パンサー(DarkerZ)
ジャガー横田のコメントからスタートしたタイガー・クイーンを中心とするトライアングル。「タイガー・クイーンを潰していかなければならない。タイガー・クイーンはかわいいが、かわいがるのではなく、違うかわいがりもある。敵を作っていくというのも私の役目であり、私の敵になっていかなければならない。タイガー・クイーンのチーム、そしてちょっと邪魔っかしいDarkerZも潰していこうという考えを練っております。DarkerZ、タイガー・クイーンのチーム、CRYSISと三つ巴でストロングスタイルプロレスの女子を盛り上げる」とクイーンの対角に立つと宣言し弟子の壁になることを決意したジャガーだが、まずは三軍抗争の図式をそのまま体現する3ウェイマッチに出場する。
3人が同時に闘うこの形式は、ある意味でジャガーの得意分野と言っていいだろう。ジャガー所属のディアナでは、WWWD世界エリザベス王座を認定。これは3ウェイ戦によるタイトルマッチで、その初代王者がジャガーであり、現王者もまたジャガーなのである。タイトルは40歳以上の選手が挑戦対象となっているが、この試合でも3ウェイ巧者を見せることができるかどうか。
ジャガーに挑むはフリーの高瀬みゆきと、ダーカーズのダーク・パンサー。高瀬はタイガー・クイーン軍と言える存在で、クイーンの対角に立つとしたジャガーには仮想クイーンにもなりそうだ。また、ダーカーズのパンサーがこの試合でどんな行動に出るのかもまた不気味である。3人の思惑が複雑に絡み合うであろう闘いで、最後に勝ち名乗りを受けるのはエリザベス王者のジャガーか、それとも、高瀬、パンサーが波乱を起こすか?
第4試合 藤原喜明50周年記念試合・石川雄規30周年記念試合 6人タッグマッチ60分1本勝負
藤原喜明(藤原組)&関本大介&日高郁人(ショーンキャプチャー)vsスーパー・タイガー&船木誠勝(フリー)&石川雄規(フリー)
第4試合は藤原喜明と石川雄規の記念試合。藤原はデビュー50周年の第2弾で、石川は30周年記念となる。
藤原喜明&関本大介&日高郁人組vsスーパー・タイガー&船木誠勝&石川雄規組という組み合わせは自然と、藤原組、バトラーツという系譜を連想させるとあって、あの頃を知る者にはたまらない豪華カードだろう。
藤原は11・23大阪で14年7・2後楽園以来8年ぶりに参戦。前回が藤原組以来23年ぶりに弟子の船木とタッグで対戦し、先日の「藤原喜明デビュー50周年記念試合」第1弾で19年8・4熊本プロレス祭りでのシングル以来、3年ぶりに船木と対戦した。試合は藤原&アレクサンダー大塚組vs船木&冨宅飛駈組で、藤原がワキ固めで船木から直接勝利を挙げている。それだけに、船木にとっては第2弾で何としても雪辱と師匠越えを同時に果たしたいところだろう。
もう一方の記念試合に挑む石川もまた、藤原は師匠である。船木が新日本入りしたときの最初の師匠が藤原なら、石川が藤原組でデビューしたときの師匠もまた藤原だった。船木がパンクラスなら、石川はこちらも藤原組の流れを汲む格闘探偵団バトラーツを旗揚げ。そこでデビューしたのが日高である。となれば、藤原にとって日高は孫のような存在か。
藤原サイドのもうひとり、関本は大日本とバトラーツの交流があったため、石川率いるバトラーツ勢とは何度も闘ってきた。また、船木とはストロングスタイルプロレスで初代タイガー不在のリングを盛り上げ、レジェンド王座の価値を高めてきた間柄だ。関本のパワーとU系テクニックの攻防もこの試合の見せ場となるだろう。
さらに、藤原vsスーパーとなれば、旧UWF時代の藤原vs佐山スーパー・タイガーもファンの脳裏に蘇ってくるのではないか。2代目であり、またストロングスタイルプロレスのエースであるスーパーがどれだけ藤原の心に訴えるファイトができるのかにも注目したい。とにかく見どころ満載、豪華すぎる6人タッグマッチだ。
セミファイナル タッグマッチ60分1本勝負
タイガー・クイーン(SSPW)&梅咲遥(ワールド女子プロレス・ディアナ)vs薮下めぐみ(フリー)&マドレーヌ(ワールド女子プロレス・ディアナ)
セミファイナルはタイガー・クイーン&馬崎遥組vs薮下めぐみ&マドレーヌ組の女子タッグマッチ。ジャガーの発言からストロングスタイル女子は三軍抗争に突入。包囲網が敷かれたクイーンだが、まずはこの試合でジャガー率いるCRYSIS軍と対戦する。
JDでデビューの薮下はキャリア25年の大ベテランで、ジャガーの弟子でもある。柔道の実績とともにキャリアを積み重ねてきただけに、クイーンにとっては大きな試練にもなるだろう。
また、女子プロ若手戦線のトップランナーとも言える梅咲を追うマドレーヌもまた格闘技のバックボーンがあるとあって、薮下とのコンビネーションがどんな化学反応を起こすのかにも期待したい。
クイーンと梅咲のタッグはこれが2回目。前回は8・25後楽園で、梅咲がダーカーズからフォールを奪われてしまった。高瀬みゆきを含め今後クイーンと組んでいくケースが増えていくことが予想されるだけに、ここは一矢報いたい。
なお、クイーンにとってはこの試合が20戦目。いまもなお、シングルマッチはもちろん、タッグでの自身によるフォール、ギブアップ負けは喫していない。この快進撃が三軍抗争でも継続されるのか、それとも…。
メインイベント レジェンド選手権試合60分1本勝負
〈王者〉真霜拳號(2AW)vs〈挑戦者〉関根“シュレック”秀樹
メインはレジェンド選手権試合。王者・真霜拳號に関根“シュレック”秀樹が挑戦するタイトルマッチだ。
王者・真霜は2AWのトップで2AW無差別級王座も保持する2冠王。2002年にデビューし、ストロングスタイルプロレスには今年6・9後楽園で待望の初参戦。2度目の登場となった8・25後楽園でスーパー・タイガーに挑み、一発でレジェンド王座奪取に成功した。
スーパーの弟弟子である間下隼人が2AWに王座奪還戦に乗り込むも、10・30千葉TKPホール大会で返り討ちにするとともに、2AW無差別級王座も守ってみせた。記者会見では「『真霜拳號こそがストロングスタイルだ』という自負があります」と力強く宣言した真霜拳號。そして今回、2度目の防衛戦で相手に迎えるのは関根“シュレック”秀樹である。
警察官から格闘家に転身したシュレックはプロレスにも進出。ストロングスタイルプロレスには19年12・5後楽園に初参戦し、いきなりスーパー・タイガーと一騎打ちでぶつかった。そして、かねてから憧れていた船木誠勝にたどりつき、タッグマッチ、シングルで対戦。8・25後楽園では船木とのタッグも結成した。
そして迎えるレジェンド王座初挑戦。シュレックはプロレスと並行して格闘技でもRIZINで活躍中と乗りに乗っており、ストロングスタイルプロレスにおいて今年の主役のひとりと言える存在感を示してきただけに、2022年の集大成を見せてくれるのではなかろうか。その怪物シュレックが勢いに乗り王座戴冠となるのか。それとも真霜がV2を達成し、年内最終戦を占拠するのか。2023年のストロングスタイルを占うこの大会、絶対に見逃せない!
文:新井 宏