バレエ界の至宝、ギエムのラストステージで新年を

2015.12.31
ニュース
クラシック
舞台

シルヴィ・ギエム © The Japan Art Association/The Sankei Shimbun

恒例の東急ジルベスターコンサートで魅せる最後の「ボレロ」

大晦日恒例のクラシック番組といえば「東急ジルベスターコンサート」を忘れる訳にはいかないだろう。年越しの瞬間に演奏を終わらせて華やかに新年を迎えるスリリングな演出でおなじみのジルベスターコンサートは、今回で21回めを迎える。ことし東京フィルハーモニー交響楽団を指揮するのはヴェテランの大友直人、きっちりカウントダウンを決めてくれることだろう。コンサートそのものは22時に開演するが、テレビ放送は23:30から、テレビ東京系列6局に加えてBSジャパンで全国に放送される。

例年通りBunkamuraオーチャードホールで開催される東急ジルベスターコンサートだが、今年は特別の趣向が用意されている。今回カウントダウン曲に選ばれたラヴェルの「ボレロ」が、稀代のダンサー、シルヴィ・ギエムの正真正銘の最後の舞台となるのだ。彼女と東京バレエ団によるモーリス・ベジャール版の「ボレロ」は長く彼女の代名詞となるほどに上演されてきた演目だ。各地で上演された舞台をご覧になった多くのファンの皆さまにも、彼女の引退には去来するものがあるだろう。ぜひとも多くの方に、伝説的ダンサーの最後の舞台を見届けてほしいと一人のファンとして願う。

とはいえ、きっと彼女は「最後だから」などと気負うことなく、プロとして最後のステージも最高のパフォーマンスで魅せてくれるはずだ。世界文化賞の受賞者懇談会で彼女が繰返し語ったとおり、舞台を前に悲しいことを考えて気を昂ぶらせたりはせずに、最高のボレロを見せてくれることだろう、そう期待している。

なお、少数ながらコンサートの当日券も販売されるということなので、都合のつく方は渋谷で新年を迎えられては如何だろう。

※参考:レポート|シルヴィ・ギエム、「最後の舞台」を語る(世界文化賞受賞の際の記者懇談会より)

また、小川里美(ソプラノ)と与那城敬(バリトン)の二人の名歌手、そして成田達輝、山根一仁の若く才能ある二人のヴァイオリニストの演奏にも注目だ。天才ダンサー最後の舞台は、同時に活躍を始めた若き音楽家たちの晴れ舞台でもあるのだ。

…そして最後にもう一つ、このコンサートの”見どころ”、「2016メガネ」の形状も要チェック、だ。年越しのその瞬間まで、画面から目を離されませぬよう。

公演情報
東急ジルベスターコンサート2015-2016

■日時:2015年12月31日(木) 22:00開演(放送は23:30~)
会場:Bunkamuraオーチャードホール
出演:
指揮:大友直人
バレエ:シルヴィ・ギエム/東京バレエ団
独唱:小川里美(ソプラノ) 与那城敬(バリトン)
ヴァイオリン:成田達輝/山根一仁
管弦楽:東京フィルハーモニー交響楽団
司会:宮本亜門、松丸友紀(テレビ東京アナウンサー)
 
・カウントダウン曲目:
ラヴェル:ボレロ(モーリス・ベジャール版バレエ付き)