俳優ユニット3LDK、初フォトブック発売とミュージカル『ミア・ファミリア』共演への想い「いつもより二段階気合いを入れる」
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植原卓也、平間壮一、水田航生 撮影=松村 蘭(らんねえ)
植原卓也、平間壮一、水田航生。それぞれが俳優、アーティストとして幅広く活躍する3人からなるユニット「3LDK」が、初のフォトブック『3LDK PHOTO BOOK』を2023年4月7日(金)に発売した。3LDKはアミューズの若手俳優たちによるファン感謝祭イベント『SUPER ハンサム LIVE 2012』(2012年)をキッカケに結成され、これまでに配信番組、ライブイベント、CDリリースといった活動を続けながら着実にファンを増やしてきた。2023年冬には、韓国発のコメディミュージカル『ミア・ファミリア』で待望の3人の共演も決まっている。2023年4月10日(月)に行われたフォトブック発売記念取材会の前に、SPICEでは3LDKに単独インタビューを実施。フラットな空気感に包まれた3人は、柔らかな自然体の笑顔でインタビューに応じてくれた。
ーーまず、3LDKというユニット名のそもそもの由来を教えてください。
植原:3LDKという名は……スタッフさんがつけてくれました!
水田:すっごく深いこと言うテンションでそんな(笑)。
平間:ハハハ(笑)。最初は3人でしていた配信番組の名前だったんだよね。かしこまった番組じゃなくて、「まるで3LDKで過ごしているような」というコンセプトだったんです。それがそのままユニット名になったという。
ーーなるほど。例えばリーダーのような、ユニット内でのポジションも特にないのでしょうか?
水田:そうですね。振り返ってみればお互い自然とこの立ち位置になっていったなあ、という感じです。
3LDK
ーー結成のキッカケは2012年の『ハンサム LIVE』ということで、もう10年以上経つんですね。
水田:そうですね。『ハンサム LIVE』でこの3人で同じナンバーを披露するというのが最初。当時はまだ名前も3LDKじゃなかったんですけど、そこから考えれば10年も経つのかあ。
平間: 気付けばという感じだよね。寮に住んでいた頃から考えたら、もう10年以上?
植原:そうねえ。間もなく20年くらいになるのかな?
平間:思い返せば常に2人がどこかしらにはいたなあと。
水田:確かに。いろいろ思い出すといつも2人がいましたね。
『3LDK PHOTO BOOK』
ーーそんな長年の付き合いの3人による、初のフォトブック『3LDK PHOTO BOOK』が発売となりました。撮影当日の印象的なエピソードなどありますか?
水田:良い意味であんまり記憶がないです(笑)。
植原:良い意味って何?(笑)
水田:普段通りな感じだったというか。
植原:あー何か特別なことをわざわざやったということではなくて、ということ?
水田:そうそう。逆にさ、例えば個人でフォトブックを出しますとなったときは「よいしょ! 今日は1日撮影だから頑張るぞ!」みたいなところあるじゃないですか。
植原:そうだね。
水田:さんえる(3LDKの略称)の活動は、最初の名前の由来にも通ずるところがあるかもしれないですが、プライベートと仕事の狭間みたいなフラットな感じのテンションで入っていける感覚がどの現場でもある気がしていて。このフォトブックもそういう始まり方だったなあと。特に最初が公園でのオフっぽい撮影だったから、スタートからそのオフ感みたいなものがあったと思うんです。だからあんまり記憶がない(笑)。
植原、平間:ハハハ(笑)。
ーー3人でいるとフラットな感じというのは、植原さんと平間さんも同じですか?
植原:そうですね、感じています。
平間:それこそ良い意味で、ワニブックスさんと3LDKスタッフが用意したものにくつろぐというか。本当に個性が強い3人なので、もし自分たちのアイディアを出して作っていくとなるときっともっと大変な作業だったはずです。でも今回はその前段階を用意してくださるスタッフさんがいて、僕たちはそこに入るだけという作り方だったので、それぞれがくつろげる空間になっていました。だからこそ、オンオフがはっきりした良い写真集になったんじゃないかなと。
3LDK
ーー完成したフォトブックをご覧になって、お気に入りの写真や楽しかった撮影などはありますか?
平間:僕はトランプのシーンかな。みんなで遊んでいる感じの写真。あと、3人でサングラスをかけている写真がみんなからはどう見えてるのかなあと。自分たちで見ると笑っちゃうから、ファンの方からどんなふうに見えているのか気になります(笑)。
水田:僕はフォトブックの最後の方にあるカーテンの写真。基本くだけたテンションで撮影しました。あれは結構好きだったなあ。
植原:僕は先日フォトブックのお渡し会で、直接ファンの方から感想をいただいているんです。そのときに「意外だな」と思ったのが、お花を口元に持っている写真の感想を多くもらったこと。僕たちからすると一見普通のカットに思えるんですけど、意外とありそうでなかったんですよ。思ってもみなかった写真を「良い」と言われることも結構あるのですが、それがまた嬉しいんですよね。やって良かったなあと思います。
『3LDK PHOTO BOOK』 撮影=浦田大作/京介
ーー読者の方に向けたフォトブックのおすすめポイントを教えてください。
植原:本当にありのままの今の僕らが詰まったフォトブックになっています。これは今後できるかもわからないですし、今しかないということでぜひお手に取っていただけたら喜びます。ロングインタビューや一問一答に本気で答えているページとかもあるので、そこも含めてすごく楽しんでもらえるんじゃないかなと。
平間:一問一答では考えに考え抜いた言葉とかじゃなくて、そのときその瞬間に思ったことを書いていたり、もちろんちゃんと考えて喋っているところもあったりするんですけど(笑)。本当に今だから作れたフォトブックです。
水田:30歳を超えてこうして3LDKでフォトブックを作らせていただくって、本当にこっ恥ずかしい部分もあります。だけど、このときだからこそ出る写真だったりインタビューだったりポーズだったりするので、そういうところを楽しんでいただければ。そしてこれからの僕たちの展望などにも期待していただきつつ、このフォトブックをご覧いただけたら嬉しいです!
3LDK
ーーそれぞれにうかがいたいのですが、3LDKのメンバーの尊敬できるところを教えてください。
平間:たっくん(植原)は、何をしたらお客さんが喜ぶかを常にすごく考えてくれているところが尊敬できますね。自分たちがやりたいことプラス、それが本当にお客さんが喜んでくれることなのか、というところをいつも判断してくれるんです。航生は本当に優しいというか、バランスを取ってくれる人。特に僕はつい自分がやりたいことだけを見ちゃうんですけど、航生はたっくんと僕の意見を聞いた上で「それだったらこうするのが良いんじゃない?」といつも言ってくれるんです。どの現場に行っても中立で、みんなの意見を聞いた上で最善なアイディアを出してくれるというか。
水田:ちょっとビール持ってきてもらっていいですか。
植原、平間:ハハハ(笑)。
水田:嬉しいなあー。僕は3人で一緒に何かを作るときに「この2人に任せておけば大丈夫」と思っているところがあって。無責任に聞こえるかもしれないんですけど、丸投げしているという意味じゃないですよ(笑)。2人が持っているセンスやアイディアは、普通の役者ではなかなかない感覚です。そしてそれは2人がちゃんと積み重ねてきた経験に基づいたものなので、まずそれが素晴らしいですよね。あと、役者として2人が舞台の上にいる姿を見るとなんだか安心するんです。客席から「あいつすげーだろ?」とお客さんたちに対して思っちゃう(笑)。僕が「あそこで、こう芝居したらカッコ良いだろうな」と想像すると、2人はそれ以上のことをしてくれるからやっぱり流石だなあと。役者としても尊敬できる存在ですね。
植原:2人は割と自分たちのことを自由で、僕のことを真面目だと言ってくれるんです。でも、根本的には2人こそめちゃくちゃ真面目なんですよ。もしかしたらみなさんが思っている以上に真面目かもしれないです。
平間、水田:えー?(笑)
植原:いや本当に! これは最近、歳を重ねて思うようになってきたんです。昔は若かったので主観的な部分が多かったんですけど、こうして一緒にいられるのはお互いに許容があってこそ。みんなが本当に奔放だったら成り立たないと考えると、実はすごく冷静なところもめっちゃある。僕は年齢が1つだけの違いで年上と言われるから、勝手に自分が真面目ポジションだと思っていたところもあったんです。でも、実は2人は自分よりも大人なのかもしれないなと、最近自然と思うようになったんですよ。
3LDK
ーーそんなみなさまによる、3人だけのミュージカル『ミア・ファミリア』がこの冬に上演されます。傍から見ていてもこの場を用意されたスタッフの方々の愛、そしてそれを喜ぶファンの方々の愛を感じたのですが、いかがですか?
平間:挑戦、ですね。しかもこの舞台はシチュエーションコメディなので、下手したら植原卓也、水田航生、平間壮一そのものになってしまうのではないかという怖さがあります。作品のことはこれから決まっていきますが、今ある情報だけ見ると向き合い方や作品の作り方が難しそうだなと感じていて。3LDKとしてミュージカルをやるけれど、ただ3LDKであるというわけではなく、お客様への違った見せ方を考えないといけません。
水田:普段ミュージカルをやるときと違って、役や作品よりも僕ら役者が先に来ちゃっているじゃないですか。3LDKという関係性がある中で物語を紡ぐのは、結構ハードルが高いことです。そこをどこまで僕たちが払拭できるかが勝負ですね。ただお祭り騒ぎでやったと思われるのは悔しいし、本業として役者をしている3人なので「作品が素晴らしい」と言われるようにしなきゃいけない。いつもよりもう二段階くらい気合いを入れて取り組まないと「まあそんなもんだよね」と思われちゃうから。でもそんな危機感もありつつ、一番は「楽しみだな」という気持ちです。舞台上で2人と役者として共演できるのは何よりも楽しみなこと。この両極端な感情を心の中でグチャグチャさせつつ(笑)、 稽古に臨んでいきます。
植原:こういう場を用意してくださった制作チームには本当に感謝していますし、その感謝の気持ちを持って挑みたいです。感謝の気持ちを持ってというのはどんな作品でもそうなんですけど、今回はメンバーしかり、訳詞の(森)雪之丞さんしかり、絶対的に僕らを意識して作ってもらっているわけなので。きっとお客様も3人での作品というところを期待してくださっていますし、そこもしっかり意識してお届けできたらいいなと思います。
3LDK
ーー後半にはお客様も一緒に楽しめる要素があるそうですね。
平間:そう、ライブみたいになるらしいですよ。
水田:僕らは演じつつなのか詳細はまだわからないんですけれど、最後はお客さんと一緒に歌を歌って盛り上がろうというものがそもそもの作品に組み込まれているようなんです。
平間:スタッフさんが韓国に観に行ったら、役者とお客さんが一緒になって歌っていたらしいんですよ。あと、確か作品の中で役者が女装するシーンもあったよね? それはつまりこの中の誰かが女装するということで……(笑)。
水田:ハハハ(笑)。ちょっと真剣な話をしてきたけれど、単純にコメディだから馬鹿騒ぎして楽しんでほしいですね!
ーー改めて3LDKとはどんな存在なのか、そしてこれからどうありたいかという展望を聞かせてください。
平間:3LDKは自分たちとしてはユニット化している意識もないくらい、昔から3人で過ごしていろいろやってきて、たまたまそこに名前がくっついただけという感覚なんです。1人ひとりの本業も同時に動いていて、3人が集まったときには何かしようとなる。このスタンスはこれから先も変わっていかないんじゃないかなあ。僕ら個々がそれぞれ進んでいくことで、3LDKでも何か新しいことが生まれていきます。個人個人で戦っているところこそが3LDKの強みです。もちろん、3LDKがあるから個人としてこれはやっちゃダメということもなくて。これからも形に囚われず、僕たちはお客さんが喜んでくれることをやるべきなのかなと思います。
植原:うん、その通りだと思います。
水田:そうだね! 壮一くんが上手くまとめてくれたので、余計なことは言わないでおきます(笑)。
3LDK
取材・文・撮影=松村 蘭(らんねえ)
公演情報
【訳詞】森雪之丞 【日本版脚本・演出】安倍康律
【出演】植原卓也 平間壮一 水田航生