いれいす エンタメの全てを詰め込んだグループ史上最大規模のワンマンライブ・両国国技館公演をレポート

レポート
音楽
2023.5.10
いれいす

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2023 Irregular Dice One Man Live「The Glory of Dice」
2023.4.30 両国国技館

2020年10月9日のグループ結成以降、異例のスピードでZ世代を中心にファンを獲得していった6人組の2.5次元アイドルグループ・いれいす。積極的なオリジナル曲の発表や動画、楽しさ満載の生配信はもちろん、リアルライブを敢行するなど、多角的な活動が人気だ。

そんな彼らがゴールデンウィーク開始直後の4月29・30日の2日間、グループ史上最大規模となる両国国技館でワンマン公演「The Glory of Dice」を行った。両国国技館と言えば、大相撲が行われることで有名な伝統的な会場だが、この2日間はその雰囲気が一変!推しメンバーのイメージカラーの服や缶バッジで飾ったバッグを持つ若者を中心としたファンが会場周辺にあふれ、まるで原宿のような雰囲気に。ここでは2日目、30日の公演の模様をお伝えしよう。

いれいす

いれいす

相撲の殿堂である会場も、この日ばかりは宮殿のようなセットと観客の持つカラフルなペンライトで、ファンタジックな空間に変貌。開演時間となり、場内の照明が落ち、オープニング映像が流れる。アニメイラストのメンバーによる、公演中の注意喚起の内容なのだが、これがまた楽しい。初の声出し公演ということもあり、「推っせ~推せ推せ推せ推せいれいす!」という掛け声の声出し練習がファンのテンションを高める。ライブ初心者が多いことを意識しての心づかいはさすがだ。このあと、映像での紹介に続き、ダイスナンバー1番のりうらから順に-hotoke-、初兎、ないこ、If、悠佑が登場。会場は大声援に包まれた。冒頭から「Irregular Quest」「推しが見つかる3分ちょい!2022 ver.」など、キャッチーなナンバーで盛り上げ、メンバーは息の合ったダンスも披露。キラキラのいれいすワールドを作り上げていく。最初のMCでは、それぞれが個性たっぷりに自己紹介。観客が一体となってメンバーカラーのペンライトを光らせて反応し、全メンバー平等に盛り立てるのも印象的だった。続くブロックでも「天神爛漫夢宴」「恋の方程式」など、人気曲を連発。ライブは急激にヒートアップしていく。

前半ブロックが終わると、今度は3チームに分かれたメンバーによるボウリング対決のムービーが上映される。動画の面白さには定評のある彼らだけに、内容はお墨付き。各所で笑いが起き、観客もリラックスして動画を楽しんだ(動画は3回にわたってライブの合間に流れ、いいメリハリを作った)。

ないこ

ないこ


悠佑

悠佑


If

If

続くブロックはお待ちかねのソロコーナー。一番手はリーダーのないこ。落ち着いたトーンの歌声と王子様的なムードで「最高速!」を熱唱。華麗なパフォーマンスで魅了した。2番手はグループの兄貴分、悠佑。熱いロックチューン「イノチノウタ」を圧巻の高音ボーカルで聴かせ、場内を圧倒する。3番手のIfはちょっとオトナっぽい「It's your fault」で勝負。R&Bテイストのサウンドで、セクシーな歌声を響かせた。4番手はりうら。歌うのは「エイユウ症候群」だ。ダンサブルな曲をエネルギッシュに歌い上げ、表現力豊かなボーカルを披露した。5番手の初兎が届けたのは「Ella」。キュートなビジュアルとは裏腹に、得意なRAPと低音ボイスでクールな側面を見せる。このギャップも彼の魅力のひとつだ。最後は-hotoke-。甘い声と、可愛いキャラで人気の彼は、「you&U&me」をポップに歌い上げる。

りうら

りうら


初兎

初兎


-hotoke-

-hotoke-

それぞれのソロコーナーが成立するのも、実力派の歌い手揃いのいれいすならでは。このあとメンバー2名の組み合わせで息の合ったデュエットを展開し、次々と見せ場を作った。特にライブでは個々のリアルなキャラクターが光る。イラストのキャラと同化するだけでなく、それ以上の魅力を見せつけるのだ。やはり生歌パワーは素晴らしい。

後半戦では、「DICE」や「逆境STORY」などの人気曲はもちろん、ファンからの投票を踏まえて選んだ「宵闇彼岸花」「のんすとっぷ!L♡VEサマー」を歌唱し、ファンを沸かせた。こうしてライブは本編ラスト曲へ。エンディングは胸キュンの歌詞が散りばめられた「君のために生まれてきた」でフィニッシュとなったが、ここまでで何と26曲!歌って踊ってトークで楽しませて……という、エンタメの全てを詰め込んだ濃い内容だった。

りうら、ないこ

りうら、ないこ

-hotoke-、If

-hotoke-、If

初兎、悠佑

初兎、悠佑

それでも、貴重な夢の時間はまだまだ終わらない。彼らはアンコールに応え、ステージに戻ってきた。ここで届けられたのは、メンバーがファンへの思いを込めた名曲「ENCORE!!」と「恋の約束」。MCではリアルな声出しや支えてくれたファンへの感謝をしっかり伝えてくれた彼ら。だが、実はさらなるサプライズがWアンコールで用意されていたのである。それは新曲「Never&Roll」のお披露目。最後の最後までファンを楽しませることには抜かりない。ほぼ4時間に及ぶライブだったが、時間の長さを感じさせない流れは見事だった。リーダーのないこは「一般人の僕らが集まって2年半で両国国技館に立つことができたのは本当にすごいこと。これもみんなのおかげです」と語っていたが、そこには努力を怠らない地道なメンバーの奮闘もにじむ。その結果、“約束の地”である日本武道館でのワンマンライブも、ほどなく実現するのでは? ……そんなイメージも湧いてくる。ひょっとしたら、いれいすとファンの夢が叶う日は近いのかもしれない。

いれいす

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文=海江敦士
撮影=スエヨシリョウタ、北島凜音

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