波乃久里子主演、「新派の子」錦秋公演『新編 糸桜』の上演が決定 尾上菊之丞、大和悠河ら共演

2023.6.1
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『新編 糸桜』 演劇ユニット「新派の子」錦秋公演 河竹黙阿弥没後百三十年

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2023年10月、演劇ユニット「新派の子」錦秋公演で、波乃久里子の主演で深い感動を呼んだ、舞台『糸桜(いとざくら)』を新編として上演することが発表された。

江戸の幕末期から明治という激動の時代に活躍し、江戸歌舞伎の粋を極めた河竹黙阿弥は、その生涯でおよそ360本の膨大な作品を残した歌舞伎の名作者だ。2023年は、黙阿弥が没して130年の節目の年で、歌舞伎座でも1月から毎月のように黙阿弥作品が上演されている。

時を超えて愛され、歌舞伎のレパートリーの中でも最も上演頻度の高い黙阿弥作品は、あるひとりの女性が“女の一生を懸けて”守り抜いたことにより、現代まで受け継がれてきた——その女性こそ、黙阿弥の一人娘・糸。

糸の奮闘を描いた河竹登志夫(黙阿弥の曾孫。歌舞伎研究家)の「作者の家」を原作として、新派文芸部の齋藤雅文が波乃久里子に当てて書き下ろした新派の新作舞台『糸桜~黙阿弥家の人々~』は、2016年1月に三越劇場で河竹黙阿弥生誕二百年記念として上演された。“作者の家”を守る糸、“作者の家”の養子となる繁俊、“作者の家”に嫁ぐみつという血の繋がりのない三人が、それぞれの想いを胸に秘めて、ぎこちないながらも親子として心を通わせていく、笑いあり涙ありの感動作で、人と人との絆を描いた心温まる舞台は高い評価を博した。

2021年『糸桜~黙阿弥家の人々 ふたたび~』より河竹黙阿弥の娘・糸を演じる波乃久里子

齋藤雅文による書き下ろしは、役者の個性を最高の形で発揮させる究極の当て書きがなされ、父・黙阿弥の作品を守るために生涯独身を貫く一人娘・糸を演じた波乃久里子は、名優・十七代目中村勘三郎を父に持つ波乃自身と重なり合い、まさに“虚実皮膜”の演技で賞賛を得た。再演を望む声が多く上がるなか、初演から5年を経た2021年11月、コロナ禍に演劇ユニット「新派の子」を立ち上げた齋藤雅文が、「新派の子」の企画第二弾として『糸桜』を再演。波乃久里子の主演により日本橋劇場で二日間限定の公演を行うと、再演を待ち望んだ観客とその評判を聞きつけた観客が集まり満席、熟成度を増した舞台に、初演を超える熱気に包まれた。

そして、この度、演劇ユニット「新派の子」錦秋公演として『糸桜』が新編として上演されることとなった。

波乃久里子

河竹黙阿弥没後130年の節目の年に、齋藤雅文が新たな想いを込めて手掛ける『新編 糸桜』の主演には波乃久里子。そして、満を持してストレートプレイに挑む日本舞踊尾上流四代家元・尾上菊之丞、初演以来連続出演となる宝塚歌劇団元宙組トップスター・大和悠河がキャスティングされた。

尾上菊之丞

大和悠河

脚本・演出 齋藤雅文 コメント

生意気にも波乃久里子の代表作として、
少しでも多くの方に御覧をいただかなければと思い立った!
今、見るべきです、走り続ける波乃久里子を!

これは黙阿弥という「化け物」を父に持ったお糸さんと、
血の繋がらないその家族、それを取り巻く人々の愛と情熱の群像劇でもあります!
今回は養子の河竹繁俊役に尾上菊之丞という「新しい血」が流れ込む!
いったいどうなるのだ!

尾上菊之丞さんを役者として迎えて、さあ、どうなるのでしょうか。
舞踊家とか、家元とか、まぁいいじゃありませんか。
菊之丞さんの涼し気というか、飄々とした不思議な存在感と、
不可能を可能にする魔力に惚れたのですから。「未知との遭遇」こそ演劇の醍醐味です!

大和悠河と、練達のキャスト・スタッフと、下野戸亜弓の琴を得て、
より深く、より高いところへ! 『糸桜』決定版をお送りします!

三越劇場の初演から7年。
演劇は「生き物」ですから、放っておいても同じ舞台にはなりません。
さらに今回は「新編」ですので、これまで観た方もまた見逃せません!

久里子もみんなも、進化も深化もして、ましてや菊之丞さんが入れば、
必ず新しい姿に「脱皮」します!
さて蝶になるか、毒蛾になるか、ぜひ御一緒に目撃していただきたい! 

主演 波乃久里子 コメント

この『糸桜』という素敵な作品に出会えたこと、感謝しかありません。
役者冥利に尽きる、この上ない幸せです。

先日(4月13日)、齋藤雅文先生にお声掛けいただき、朗読会をいたしました。
その名も『Salon De Marron~波乃久里子を聴く宴~』……畏れ多くて、お恥ずかしい限り。
わたくしは舞台の役者ですから、どうしても動きで表現したくなるところをグッとこらえて、
台詞のひとつひとつ、お相手の方との“間”を大切にして、細やかに稽古していただきました。
当日までドキドキでしたけれど、いざ、開幕のときを迎えると、目の前には満員のお客様!
齋藤先生の演出で、とても素敵な空間をつくってくださった上に、
今、この瞬間をご一緒する皆様との、ライヴでしか味わえない空間に喜びを感じました。
ありがたいことでございます。

『糸桜』は本当に大好きな作品です。
そして、われらが齋藤雅文先生に「波乃久里子の代表作」と言っていただけるなんて!
そのお言葉に恥じぬよう、黙阿弥さんに、糸女さんに、繁俊先生に、登志夫先生に、
そして父に……、手を合わせて、力をお貸しいただいて、全身全霊で『糸桜』と向き合います。
毎年、新たな花を咲かせる糸桜のように、新鮮な気持ちで素敵な花を咲かせたいです。
10月、劇場でお会いできることを楽しみにしております。 
 

※「糸桜」は「シダレザクラ」の別名。樹齢が長く、悠久の時を咲き誇る。

公演情報

『新編 糸桜』
演劇ユニット「新派の子」錦秋公演
河竹黙阿弥没後百三十年
 
河竹登志夫「作者の家」より
脚本・演出 齋藤雅文
 
出演:波乃久里子 尾上菊之丞 大和悠河
只野操/村岡ミヨ、鴫原桂/石橋直也/下野戸亜弓、堅田喜三代社中/喜多村次郎、市村新吾/佐堂克実
 
日程:2023年10月12日(木)14時/18時30分、10月13日(金)14時
会場:日本橋公会堂(日本橋劇場)
 
※最新情報は「新派の子」公式Twitter(https://twitter.com/shinpa_no_ko)にて発信。
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