チェーホフ『三人姉妹』の翻案を通して日韓の歴史を見つめる『外地の三人姉妹』を3年ぶりに再演 キャスト発表
『外地の三人姉妹』20年度初演舞台写真 撮影:宮川舞子
2023年11月29日(水)~12月10日(日)KAAT 神奈川芸術劇場<大スタジオ>にて、KAAT×東京デスロック×第 12 言語演劇スタジオ『外地の三人姉妹』が上演されることが決定した。
長塚圭史芸術監督のもと、3年目となる2023-2024メインシーズンのシーズンタイトルは「貌(かたち)」。今回、KAAT 神奈川芸術劇場と、演出家・多田淳之介が主宰する「東京デスロック」との共同製作により、2020年12月に初演し好評を博した『外地の三人姉妹』を行う。
演出を手掛けるのは、古典から現代戯曲、ダンス、パフォーマンス作品まで幅広く手がけ、現代社会に於ける当事者性をアクチュアルに問い続ける多田淳之介。翻案・脚本は韓国の劇団「第12言語演劇スタジオ」芸術監督で、平田オリザや野田秀樹ら日本の劇作家・演出家と数々の作品を共にし、日韓の現代演劇の架け橋として活躍するソン・ギウン。
多田淳之介 (C)平岩享
ソン・ギウン (C)Heeseung Chung
二人はこれまでも数々の作品で日韓共同制作を重ねてきており、なかでも、2013年にチェーホフの『かもめ』を日本統治下の朝鮮を舞台に翻案し、日韓共同製作にて上演した『가모메 カルメギ』(翻案・脚本:ソン・ギウン/演出:多田淳之介)は、韓国で最も歴史と権威のある東亜演劇賞において「作品賞」「演出賞」「視聴覚デザイン賞」の3賞を受賞。演出の多田は50年の賞歴で初の外国人演出家による正賞受賞となり、KAAT神奈川芸術劇場での日本公演でも大きな反響を呼んだ。
2020年、再びタッグを組んだ二人が挑んだのは、チェーホフの三大戯曲に数えられ人気の高い『三人姉妹』。その翻案『外地の三人姉妹』では、舞台をロシア帝政末期の田舎町から1930年代の朝鮮北部に置き換え、日本軍の亡くなった将校の娘たち三姉妹は「モスクワへ」ではなく、生まれ育った「東京へ」望郷の想いを募らせる。日本語・韓国語に加え、エスペラント語・英語・ドイツ語が飛び交う舞台上で、時代に翻弄される人々を日韓俳優陣が競演し、上演した。
3年ぶりとなる再演では、小劇場を中心に活躍し多田淳之介からの信頼も厚い日本側キャストに加え、舞台・映像とジャンルを問わず幅広く活躍し、『焼肉ドラゴン』などの日韓共同作品にも出演経験のある佐藤誓が新たに参加。韓国側キャストには、劇団SCOTへの在籍経験もあり、ディズニープラスで配信中のドラマ『カジノ』への出演など、ミュージカル・演劇・映画・ドラマと多彩な経験を持つイ・ソンウォン、舞台を中心に活躍しながらも近年、映画『悪の偶像』など映像作品にも進出しているアン・タジョンの二人を再び迎える。
また今回、ソン・ギウンはより多角的な視点を意識し戯曲を改訂。さらに慎重で興味深い作品へブラッシュアップすることを目指す。
1930年代、朝鮮半島の北部にある日本軍が駐屯している都市、亡くなった将校の息子と三人姉妹が住んでいる屋敷。息子は朝鮮の女性と結婚し、姉妹はいつか故郷である東京に戻ることを夢見ている。戦争へ向かう帝国軍人達の描く未来像、交差する朝鮮人の想い、姉妹達の日本への望郷の想いとは……。
公演情報
『外地の三人姉妹』 외지의 세 자매
会場:KAAT 神奈川芸術劇場<大スタジオ>
翻案・脚本:ソン・ギウン
伊東沙保 李そじん 亀島一徳 原田つむぎ アン・タジョン 夏目慎也
佐藤誓 大竹直 田中佑弥 波佐谷聡 松﨑義邦
イ・ソンウォン 佐山和泉 鄭亜美
・上演時間約 3時間(休憩あり)
・開場は開演の30分前
・日韓二ヶ国語上演/日本語字幕付き
託児サービスの回あり。公演 1週間前までに要予約・有料(マザーズ:0120-788-222)
11/30(木)ソン・ギウン(翻案・脚本)×多田淳之介(演出)
12/4(月)多田淳之介(演出)×長塚圭史(KAAT 神奈川芸術劇場芸術監督)
一般 5,500 円
神奈川県民割引(在住・在勤) 4,900円
U24 (24歳以下)2,750円
高校生以下 1,000 円
シルバー割引(満 65 歳以上) 5,000円
※神奈川県民割引はかながわの電話・窓口にて、9月27日より取扱い(前売のみ、枚数限定、要住所確認)
※U24、高校生以下、シルバー割引はかながわの電話・窓口・WEB にて9月30日より取扱い(前売のみ、枚数限定、要証明書)
※未就学児の入場はご遠慮ください。
※公演中止の場合を除き、の変更・払い戻しはいたしません。
※開演後のご入場はお待ちいただき、指定席にご案内できない場合があります。
KAme(かながわメンバーズ)先行発売 9月27日(水)
企画協力:東京デスロック、第 12 言語演劇スタジオ
共催:YPAM 実行委員会
後援:駐日韓国大使館 韓国文化院、公益財団法人 日韓文化交流基金