ドラマの前日譚を歌とダンスで描く『音楽劇 秘密を持った少年たち』、西田至×佐藤海音インタビュー

2023.11.17
インタビュー
音楽
舞台

写真左から:佐藤海音、西田至

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日本テレビの“スクール型”オーディション番組『0年0組 -アヴちゃんの教室-』から誕生した“オルタナティブ歌謡舞踊集団”龍宮城。そのメンバーたちが出演するドラマ『秘密を持った少年たち』が、音楽と融合したオルタナティブステージとして表現する『音楽劇 秘密を持った少年たち』として11月17日より日本青年館ホールにて上演される。ジャパニーズホラーの名匠・中田秀夫監督の完全オリジナル作品である本作は、人を襲いその血を啜る人ならざる存在“夜行(やこう)”になってしまった少年と少女の残酷な運命を描くエロティックサスペンス作品。舞台で描かれるのはドラマの前日譚で、知られざる秘密のスピンオフストーリーを歌とダンスを用いて描いていく。SPICEでは今回、出演者を代表して、舞台で主演を務める西田至(ITARU)と、ドラマで主演を務める佐藤海音(S)に話を訊いた。

――龍宮城として活動し、現在テレビドラマ『秘密を持った少年たち』に出演されているお2人ですが、初舞台の稽古に入ってみて、何か発見はありましたか?

西田至(以下、西田):稽古が進んでいく中で一番感じたのは、進めるテンポ感がものすごく速いなということですね。ドラマの場合、いろいろと自分の中で、ああでもない、こうでもないと繰り返し準備をしてから撮影に臨めるんですけど。舞台の場合は、キャストも多いですし、実際にやってみて初めてわかることが多いんです。なので、生まれた修正点をすぐ次に活かすという、そのテンポが速くて、そこは映像との違いだなと思いました。

佐藤海音(以下、佐藤):あとは、生でマイクを通してお客さんに台詞を伝えなければいけないので、ドラマに比べると、しっかり声を張らないといけない。そこも難しいところです。

――そもそも龍宮城のメンバー選抜オーディションとして放送されていた『0年0組-アヴちゃんの教室-』でも、歌とダンスはありましたが演技はなかったので、お芝居をすること自体ドラマが初めてですよね? 特に佐藤さんは、いきなりの主役ということで、テレビで役者としての自分の姿をご覧になったときは、いかがでした?

佐藤:やっぱり最初は照れくさい部分が多かったです。あと、これは良いことであり、悪いことでもあるんですけど……話数を重ねていくうちに、自分の演技力も成長していっているなと感じる部分もあって。お芝居の部分ですごく反省することも多かったし、得たことも多かったので、また次の機会をいただけたら、最初からしっかり良い演技ができるように頑張りたいです。

西田:僕も、初めてのことに対して不安が大きいのかなと最初は思っていたんです。ただ、それこそオーディションが始まったときはダンスも未経験でしたし、その当時と今を比べれば……と考えると、むしろワクワクする気持ちのほうが強くなりましたね。こういった機会をいただけて、いろんな表現に触れることができるのが、純粋に楽しいんです。

西田至

自分もオーディション前は、感情を隠しがちで表に出すことが少なかったので、演じていて彼の気持ちはすごくよくわかりました。(西田)

――お2人に限らず、龍宮城のメンバーみなさん自然なお芝居で、きちんと“演じる”ことのできるメンバーを、プロデューサーのアヴちゃん(女王蜂)は見抜いていたんだろうなと感じました。中でも、西田さんは世界観や役柄をご自分に憑依させるっていうことがお得意な印象がありますが、何か心がけていらっしゃることはあります? 

西田:何でしょうね。嘘をつかないというか、ストレートに外に表していくということは意識しています。もちろん物語や役柄については頭で理解するんですけど、あとは現場の空気感だったり、自分のテンションだったりに従って、毎回リアリティをもってできたらいいなと。

佐藤:至はドラマ撮影が始まった初日から、演じている(貴崎)慎一郎をしっかり体に入れていて。すごく自然な演技をしているのをずっと隣で見ていたので、撮影のたびに“すごいな!”って思ってました。

――しかも、人を襲って血を啜る“夜行”という人ならざる存在になってしまった少年という、なかなかに現実離れした世界観の役柄ですから。よけいに入り込むのは難しい中で、どんなところに共感ポイントを見つけていきました? 

佐藤:僕が演じている光石玲矢は、初恋の相手であるユキに対しての想いがすごくて、自分の身を危険にさらすことも厭わないほどの執着心があるんです。そういった好きなものに対する探究心には、すごく自分に近いものを感じました。僕の場合だと音楽とかファッションとかですけど、好きになったものに対してはとことん突き詰めていきたいタイプなんですよ。なので似たものを感じながら演じられた反面、例えば(石橋)ヒカルだったら冷たいとか、(矢沢)和馬だったら気弱とか、他のキャラに比べてわかりやすい個性がなかったので、そこはすごく難しいポイントでした。

――執着というのは人間の本質を表すひとつの要素でもありますよね。ちなみに慎一郎は、玲矢に対して出会った当初から“君の味方だよ”と寄り添い続けますが、なぜそこまで惹かれたんでしょう?

西田:慎一郎は何百年も生きているので、いろんなことを経験してきたんだと思うんです。そんな彼には玲矢のピュアな部分だったり、真っ直ぐな気持ちを伝えてくれる部分が、ものすごく響いたんじゃないかなって僕は解釈していました。慎一郎は物静かで感情を隠しているキャラで、自分もオーディション前は、感情を隠しがちで表に出すことが少なかったんです。なので、演じていて彼の気持ちはすごくよくわかりました。

佐藤海音

結構しっかりしたアクションが入っていて、迫力がありますし、場面に合った音楽が使われるので、演っていてもすごく楽しいです!(佐藤)

――そんなドラマでのキャラクターに加え、ドラマの前日譚となる今回の音楽劇『秘密を持った少年たち』では、全員ドラマとは異なる役をメインで演じられるそうですね。

西田:はい。舞台で僕が演じる天音優人は、ものすごく素直で、ピュアな人物なんです。自分のことを信じ、周りの人を信頼していて、映画研究会の部長としても、みんなから愛される魅力を持っている。だから表向きはものすごく明るくて、そういった表面的な見え方は慎一郎と真逆ですね。だけど、実は慎一郎よりも本心を隠している人物なんです。

佐藤:優人はみんなのリーダー的存在で、この舞台を引っ張っていくキャラのうちの1人ですね。至が普段持っている雰囲気とはまた違う独特な雰囲気を出しているので、そこに注目していただきたいです。

――西田さんの普段の雰囲気って、どんな感じなんでしょう? 憑依型のパフォーマンスからして、ちょっとエキセントリックな部分もあるのかなと想像してしまうんですが。

佐藤:普通ですよ。

――普通の20歳?

佐藤:いや、たぶん普通の20歳よりは可愛いと思う。

西田:ははは!(笑) メンバーみんな若いので。最年長の自分も、十代みたいな気持ちで遊んじゃうんですよね。

――逆に、佐藤さんが演じる水城聡士は、どんなキャラクターなんでしょう? 

佐藤:ドラマで演じている玲矢は感情がすぐ表に出る、割と子供っぽい面が目立つキャラなのに対して、聡士はクラス1の秀才っていう真逆のタイプなんです。夜行に襲われて周りがパニックになっているときに、冷静なことを言ってみんなを落ち着かせたり、対応策を考えたり。自分は秀才ではないので(笑)、そのあたりが難しかったんですけど、普段の感じは素の自分に近いところもあるように感じるので、玲矢よりは演じやすいかもしれないです。

西田:水城は感情を出さずに淡々と物事を進めるタイプなので、海音も玲矢と演じ分けるのは難しいのかなと最初は見ていたんですけど、稽古が進むうちに、すごくマッチしてきて。普段のクールに見える部分が、上手く役柄に活かせてるんじゃないかと思います。

――つまり、普段の佐藤さんも感情は見せないクールなタイプ?

西田:いや、結構感情的です!

――(笑)。お2人とも舞台では、ドラマと正反対のキャラクターを演じるというのは見どころですね。また、今回は“音楽劇”と銘打っているだけあり、歌とダンスも盛り込まれているとか。

佐藤:そこもドラマと違うところで、しっかりやっていかないといけないところですね。今の一番の課題が“歌い方”で、単に上手く歌えばいいってものじゃなく、舞台だから言葉をはっきり伝えないといけないんですよ。歌の中の感情というものは、普段から龍宮城のパフォーマンスでも大事にしているんですけど、今回の舞台ではお芝居の中の感情をつなげた先に歌があるので、より感情を込められるように頑張りたいです。

西田:演出の吉谷(​晃太朗)さん曰く、今回は音楽が目標にあるというか。音楽がストーリーを物語っているということなので。そういった音楽の在り方みたいなものをしっかりと把握して演じていけば、自然に目標とするところまで行けるんじゃないかなと思ってます。

――逆に“音楽劇”の楽しみって、どんなところですか?

佐藤:ドラマでは、あんまり夜行との戦いというところはフォーカスされていないんですけど、今回の音楽劇では僕らが演じる生徒たちと夜行との結構しっかりしたアクションが入っているんです。そこは迫力がありますし、場面に合った音楽が使われたりもするので、演っていてもすごく楽しいですね!

西田:すべての所作に意識を置けるというのは、やはり舞台ならではだと思います。ドラマの場合、画面に映っている部分でしか表現できないけれど、舞台は自分の台詞がないときも感情を入れられるし、動きとかでも工夫ができるので、そこが今やっていて一番楽しいですね。むしろ、普段自分たちがやっているライブに近いなと感じるので、その経験が活かせるんじゃないかなって。

単なるカバーではなく、役柄を通して楽曲をどう表現していくのか?というところにオルタナティブな価値があるんじゃないかなと思います。(西田)

――ライブといえば、物語の中で人気J-POPをカバーする場面もあるそうですね。歌えて嬉しい曲とか、あったりもします?

西田:あります! 自分が歌うパートで今、一番練習してるというか、ここにすべてを懸けたい!というくらいの曲があるので、お楽しみにしていただければ。

佐藤:龍宮城以外の曲を表に出て歌うのは、久しぶりなので、龍宮城ではない曲を僕たちがどう表現するのか?というのを聴いていただきたいなと。ダンスも結構バチバチに踊るので、歌とダンスどっちも楽しみにしていただきたいです。

――さらに今回の舞台は2部構成で、1部が歌やダンスを交えた音楽劇、2部がドラマで皆さんが演じているバンド“404 not found”のライブパフォーマンスということですが。404 not foundのライブとなると、やはり龍宮城とは気持ちも違うんでしょうか?

西田:正直、明確に違いがあるとは思っていなくて。404 not foundのバンドとしての物語はドラマでも描かれていますから、その気持ちを込めた上で、例えば僕だったら慎一郎とITARU、二つの意志を持ってやるという感覚なのかなと考えています。

佐藤:自分も気持ち的には普段、龍宮城として皆さんの前に立って歌って踊るのと変わらないんですけど、やっぱり衣装も髪型も404 not found仕様になるので、玲矢だったり慎一郎として皆さんの前に出てパフォーマンスできるというのは、すごく楽しみです。ドラマを観ていただいた方にも、まだ観ていない方にも404 not foundの魅力が伝わって、ドラマへの関心がよりいっそう深まればいいなと思っています。

――いわゆる一般的な舞台だったり演劇とは一線を画した内容で、いただいた資料に“音楽と融合したオルタナティブステージとして表現”とあるのも納得ですし、“オルタナティブ歌謡舞踊集団”を掲げる龍宮城にピッタリのステージですよね。

西田:オルタナティブには“代わりのきかないもの”という意味があって、それは普段から自分たちもすごく意識をしているところなんですよ。今回の舞台なら、それが顕著に現れているのがJ-POPを歌うというところで、単なるカバーではなく、自分たちが役柄を通して楽曲をどう表現していくのか?というところに、オルタナティブな価値があるんじゃないかなと思います。

佐藤:そもそもデビューの直後から、こうしてドラマだったり舞台だったり、いろんな挑戦をさせていただけるグループは中々ないですよね。ミュージックビデオを観ていただいてもわかるように、ビジュアル面もその時々に応じてさまざまで、活動して行く中で“オルタナティブだな”と感じることは増えてきているし。これからも増えていくんだろうなと思っているので、このエンターテイメント業界の中になかったものを、グループとしても個人としても発信していきたいです。

僕たちは2役を演じるので、ドラマの役柄と舞台のキャラのギャップを楽しんでいただけたら嬉しいです。(佐藤)

――では『秘密を持った少年たち』というタイトルにちなみ、お2人の今まで誰にも言ったことのない秘密を一つ教えてください。

西田:自分の好きな色は黒だと思ってたんですけど……水色でした!

――ええ!? どういうことですか?

西田:好きな色を聞かれたら黒って答えてたんですけど、よくよく考えたら水色の服が好きだったり、あと、部屋の壁紙も青にしたんですよ。だから、やっぱり青系が好きなんだなぁって気づいて。それをまだ誰にも言ってません!

――じゃあ、今後はプレゼントとかも水色のものがいいと。

西田:誕生日が近いので……待ってます!(と佐藤の方を向く)

佐藤:了解です(笑)。僕の秘密は……寝るときに、枕の下に手を入れないと寝れないです。

西田:ええ!? こういうこと?(と、手を頭の後ろで組むポーズをする)

佐藤:いや、こう!(と、うつぶせの体勢で手を顔の前に置く)

西田:うつぶせで寝てんの!?

佐藤:そう。ちっちゃい頃からのこだわりで。寝てると暑くなってくるじゃないですか。なので冷たい枕の下に手を入れると、めっちゃ気持ちよく眠れるっていう。

西田:ずっと手を入れてたら温かくなるのに(笑)。

――うつぶせって、ちょっと珍しいですよね。

佐藤:たぶん、だからすぐ顔がむくんだりするんです。

西田:ははは!(笑) 良くないですよ、うつ伏せ寝は。前に良い寝方の順番を調べたことがあるんですけど、あおむけが一番体に良くて、うつ伏せが一番ダメって書いてありました!

――ぜひ、あおむけで寝る練習をお願いします(笑)。最後に音楽劇『秘密を持った少年たち』について、特に注目してほしいポイントを聞かせてもらえますか?

西田:僕たちは普段から歌やダンスという“音楽”を通して表現をしているんですが、この舞台では歌やダンスの“在り方”が普段のグループ活動とは変わってくるので、そこの違いに一番着目してほしいですね。

佐藤:ドラマで演じたキャラを生で見ていただける機会って、本当に特別なことだと思うんですよ。なので、しっかりと感じ取っていただきたいのと、僕たちは2役を演じるので、ドラマの役柄と舞台のキャラのギャップを楽しんでいただけたら嬉しいです。


取材・文=清水素子 撮影=高田梓

 

公演情報

『音楽劇 秘密を持った少年たち』
■公演日程:2023 年 11 月 17 日(金)~23 日(木・祝)
■会場: 日本青年館ホール

■CAST
・西田 至
・米尾 賢人
・竹内 黎
・齋木 春空
・佐藤 海音
・冨田 侑暉
・伊藤 圭吾
(龍宮城)
・松本大輝
・大東立樹

■STAFF
脚本:葛木英
演出:
吉谷晃太朗
主催:「音楽劇秘密を持った少年たち」製作委員会

■TICKET
価格: 
〇VIP(龍宮城 FC 限定):9,900 円(税込、全席指定、特典付き) 特典:メッセージカード 404 not found Ver.
〇VIP(一般):9,900 円(税込、全席指定、特典付き)特典:メッセージカード 文化祭限定 Ver.
〇一般:7,150 円(税込、全席指定)
販売: https://eplus.jp/himitsusyonen-stage/

舞台公式 HP・SNS
ホームページ :https://himitsusyonen-stage.com
Twitter : @himitsu_stage 公式ハッシュタグ : #秘密少年

放送情報

金曜ドラマDEEP『秘密を持った少年たち』

■ドラマ放送・配信情報
放送 : 日本テレビ「金曜ドラマ DEEP 枠」 
 10 月 6 日(金)スタート 毎週金曜 深夜 24 時 30 分~ ※関東エリア

放送局 :
日本テレビ、青森放送、テレビ岩手、山形放送、宮城テレビ、
福島中央テレビ、テレビ新潟、テレビ信州、テレビ金沢、北日本放送、
山梨放送、静岡第一テレビ、中京テレビ、日本海テレビ、
広島テレビ、山口放送、西日本放送、高知放送、四国放送、福岡放送、
長崎国際テレビ、テレビ宮崎
 ※熊本県民テレビ(11月1日(水)放送スタート)

 
配 信 : TVer、Hulu 
 
■出演 佐藤海音 / 大原優乃 / 西田至 / 大東立樹
 米尾賢人 / 冨田侑暉 / 竹内黎 / 伊藤圭吾 / 齋木春空 
ゆいかれん / 橋本マナミ / 大谷亮平 
■監督 中田秀夫 / 桑島憲司 / 藤澤浩和
■脚本 目黒啓太 / 杉原憲明 / 内平未央
■主題歌 「SHORYU (→↓↘+P)」 / 龍宮城 (Sony Music Labels Inc.)
■プロデュース 植野浩之 / 藤澤季世子
■制作 佐藤貴博 / 道坂忠久
■プロデューサー 山王丸和恵 / 森田美桜 (AOI Pro.)/ 荒河七子(AOI Pro.)
■制作プロダクション AOI Pro.
■製作著作 『秘密を持った少年たち』製作委員会

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