音楽朗読劇『ひまわりの歌~ヘブンズ・レコードからの景色~』東京公演が開幕 佐野晶哉、波岡一喜、貴城けいが意気込みを語る

2025.1.30
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音楽朗読劇『ひまわりの歌~ヘブンズ・レコードからの景色~』(左から)貴城けい、佐野晶哉、波岡一喜

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2025年1月30日(木)有楽町朝日ホールにて、音楽朗読劇『ひまわりの歌~ヘブンズ・レコードからの景色~』の東京公演が開幕した。東京公演初日前には、フォトコールと取材会が行われ、Aぇ! groupの佐野晶哉と波岡一喜、貴城けいが公演に向けた意気込みを語った。

本作は、劇団ミュの主宰である岡本貴也によるオリジナル作品で2018年、2019年(2022年は公演中止)に上演された音楽朗読劇『ヘブンズ・レコード』を『ひまわりの歌~ヘブンズ・レコードからの景色~』とタイトルを改め、脚本の一部を刷新し、上演。今年1月には阪神淡路大震災から30年という節目を迎えたが、今一度震災の記憶を喚起し、未来に向けてのメッセージを発信するべく本作を届ける。

物語は2000年夏、阪神淡路大震災から5年後の神戸が舞台。4つのストーリーをオムニバス形式で展開し、生演奏やイメージ映像を盛り込んだ切なくも前向きな人々の姿が描かれる。

この日のフォトコールでは、物語のオープニングから第1話が披露された。毎日青空市を開く中古レコード店『ヘブンズ・レコード』には、音楽にやたら詳しい店長と、ミュージシャンを目指すバイトのタケルがいる。その店には、震災の悲しみから立ち上がろうとする客がやってくる。

第1話では、「ヘブンズ・レコード」に幼い息子を目の前で亡くした父親が訪れる。辛い現実を乗り越えようと必死で生きてきた父親だったが、母親と娘と少しずつすれ違いが生まれてしまう。哀しみ、苦しみながらも前に進もうとする家族の姿に胸が締め付けられると共に勇気をもらえるストーリーとなっていた。

フォトコール後に行われた取材会では、佐野は1月17日から26日に神戸朝日ホールで行われた神戸公演を「たくさんの地元の方たちの思いを受け止めながら走り抜けてきました」と振り返り、「ここからの東京公演も覚悟を持って挑みたいと改めて感じています」と力を込めた。続けて佐野は「どの公演も特別ですが、1月17日の初日は、お客さま全員が『あの日から30年経ったんだな』と噛み締めていらっしゃることを感じました。涙を流している方もいましたし、僕と同じように震災は経験していないけれどもこの作品を通して知ろうとしてくれている方もいたので、物語冒頭でタケルが歌うシーンは稽古とは違う空気感がありました」と思いを馳せた。

震災当時は、宝塚歌劇団に在団していた貴城は「劇場のそばの前の阪急電車が横たわっているのを見て、大変なことが起きたと思いました。何か分からないまま、お稽古に行こうとして、あちこちで家が倒壊していて本当にショックを受けたのを覚えています」と回顧し、「神戸で震災から30年後となる日に初日を迎えるこの舞台に立たせていただけることはとても意味があることだと思います。被災者の方やボランティアの方のことを思い出し、当時の優しさや強さを改めて感じました。神戸公演でいただいたものを胸に東京公演をしっかりと勤めたいと思います」と意気込んだ。

当時、16歳の高校生だったという波岡は大阪で震災を経験。波岡は、「神戸に転校した中学の同級生が亡くなったという知らせを聞いたり、神戸から高校に転校してくる人がいたりしたので、遠いようで近い感覚がありました。30年が経ち、どこか忘れてしまうところがありましたが、遺族の方が集まり、黙祷をされていらっしゃる姿を見て、忘れてはいけないという思いを再認識しました。今回、お客さまの空気を感じ、思いが共有できていることを感じられる舞台になっていると思います」と思いを述べた。

神戸公演を経て、カンパニーの絆がより深まった三人。会見でも和気あいあいあとした様子を見せた。佐野の印象を聞かれると、波岡は「全てが素晴らしいです。人柄も、歌も、笑顔も。肌もツルツルピカピカ。初対面の人にもみんなに自ら挨拶して回る姿が素晴らしかったですし、息子みたいに思っています」と絶賛。貴城も「公演を重ねるごとに磨きがかかっていく。物語最後に歌う歌も芝居を重ねていった上のタケルの歌になっていて鳥肌ものです。涙が出そうなくらい感動しています」と話し、佐野の芝居と歌を賞賛した。

会見の最後に佐野は「僕はこうして関わらせていただくまで阪神淡路大震災のことを全く知りませんでした。ですが、この舞台をきっかけに両親と話し、両親が当時、どのように過ごしたかなどを知って衝撃を受けました。そうしたことは絶対に知らなければいけないことだと思います。神戸で初日を終えた後に神戸の街を見たとき、これまでとは全く違って見えました。この舞台に向き合いながら、阪神淡路大震災に向き合うことができるのは、良い経験だったと思います。そしてここ東京で震災について伝えられることはとても光栄ですし、この舞台が何かの架け橋になれたらいいなと思います。全力で演じさせていただきます」と改めて本作への強い思いを語った。

公演情報

音楽朗読劇『ひまわりの歌~ヘブンズ・レコードからの景色~』
 
作・演出:岡本貴也
 
キャスト:
佐野晶哉(Aぇ! grou)
貴城けい 加藤虎ノ介 宮地真緒 納谷健 井尻晏菜 島村龍乃介
栗崎菜緒(Wキャスト) 大北怜花(Wキャスト)/
羽野晶紀 / 波岡一喜
 
ピアニスト:溝渕奏
 
 
日程・会場
<神戸公演>2025年1月17日(金)~1月26日(日)神戸朝日ホール  ※終了
<東京公演>2025年1月30日(木)~2月8日(土)有楽町朝日ホール
:全席指定9,800円(税込)
 
主催:「ひまわりの歌~ヘブンズ・レコードからの景色~」製作委員会
企画・製作:ABC テレビ
  • イープラス
  • 岡本貴也
  • 音楽朗読劇『ひまわりの歌~ヘブンズ・レコードからの景色~』東京公演が開幕 佐野晶哉、波岡一喜、貴城けいが意気込みを語る