角野隼斗、望月馨監督登壇『角野隼斗ドキュメンタリーフィルム 不確かな軌跡』公開記念舞台挨拶オフィシャルレポートが到着
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角野隼斗のドキュメンタリー映画『角野隼斗ドキュメンタリーフィルム不確かな軌跡』が2025年2月28日(金)に全国公開となった。公開を記念し、3月1日(土)ユナイテッド・シネマ豊洲にて行われた公開記念舞台挨拶のオフィシャルレポートが到着した。
会場は大勢のファンで満員。映画上映前の熱気あふれる会場内にやってきた角野は後方の巨大スクリーン、および大勢の観客で埋まった会場内を見渡し、「大きいですね……」と驚きを隠せない様子だったが、本作のオファーについては「2023年にお話をいただいたんですが、実はしばらく渋っていました」と明かす。その理由について「ドキュメンタリーといっても映画なので、ストーリーがないといけないだろうなと思っていたんですが、それをあえてつくりにいくのも違うと思うし、そんなに面白くならないんじゃないか……ということでずっと渋っていたんですけど、武道館でのコンサートが決まり、それはなかなかない機会なので、それを映像におさめていただくのはいいかなと思い、お受けしました」と振り返った。
望月監督とは、角野が出演したテレビ番組「情熱大陸」がきっかけであったというが、角野が「望月監督には番組の後も継続的に撮ってもらう機会があったので。いつかはこういう風になるのかなとなんとなく思っていましたが、でもきちんとした想像はできていなかったと思います」と本作について切り出すと、3年前から現在にかけて起きているできごとについて「僕は目標というのはほとんど言わないタイプですが、武道館も含めて今起こっていることは想定外でしょうね」としみじみと語った。
角野隼斗
そんな角野の印象について「不思議な人だなと思いました」と語る望月監督。「カメラをいきなり回しても、カッコつけるわけでもなく、何かをするわけではなく。淡々と自分のことをやっているような感じで。最初からこうしましょうというような相談は角野さんとはしたことはない。今日の予定を聞いて、そこに行って、挨拶をして、あとはカメラをまわす。何かあったら撮らないという取材の仕方でした」と明かすと、角野も「忙しいのによく映画ができたねとよくいわれるんですけど、何もしてないんです。ただ自分の仕事をするだけでした」と同意。「カメラを意識するのか?」という質問にも「まぁ、ないですね」とこともなげに返した。
この日もひょうひょうとした様子で語る角野。撮影中も常に自然体だったようで、「ここはやめてとか、撮らないでということもなかった」と振り返った望月監督。「撮られたくないときには映せないような格好をすればいいから」と冗談めかした角野だったが、「自分が過ごしている風景とか、話している様子を見るのも気恥ずかしいんで、映画はチラ見で見ただけなんですが、それでもおもしろくて。良かったなと思いました。ありがとうございます」と望月監督に感謝の思いを述べるひと幕も。
スクリーンに映る角野の姿は淡々としていて、一定の感情をキープしているようにも見えるが、「心の中でのアップダウンはありましたか?」という質問に、「そんなに喜怒哀楽が表に出るタイプではないので、そういうドラマはこの映画には期待できないですね」と返して、会場を沸かせた角野。「ポーカーフェイスですからね」と語った望月監督には、「人狼ゲームとかはめっちゃ下手ですよ。すぐにバレてしまう」と明かす角野の言葉に会場は大笑いだった。
また映画から泣く泣くカットしたシーンについて質問された望月監督は「角野さんって一瞬でゾーンに入る人で。お昼ぐらいに撮りにいったのに気付いたら夕方ということもあった。いつまで練習するんだろうと思うんですけど、いい加減暗くなってくるのでカメラに映像が映らなくなる。『明かりを……』というと、『ああ!』という感じで。もちろんそれは何時間もあるんで、そういうところは映画に入れられませんでしたね。でもそういう時の角野さんってすごいなと思いました」と感心した様子だった。そんな角野に「今後挑戦していきたいことは?」と質問を投げると、本作のタイトルにかけて「不確かです」と返して会場を笑わせた。
望月馨監督
そしてあらためて本作の方向性について質問された望月監督が「やはりファンの方たちには、これまで見たことのない角野さんの魅力を見ていただきたい。そしてはじめて角野さんを知る人もいらっしゃると思いますが、そういう人には角野隼斗という人間を知っていただきたい。ポーカーフェイスですけど、実はこんなに努力する人なんだということは考えながら編集をしました」と明かすと、「ありがとうございました」と謝辞を述べた角野。「あまり自分が頑張ってるかどうかというのは、自分では分からないものですが、こうして外から見る機会があると、こいつも頑張っているんだなと思いますよね」としみじみ。
そこで望月監督が「でもご自身にとっては頑張っているという意識はないのかもしれないですね。やりたいからやるという感じで。でも……頑張ろうと思うんですか?」と尋ねると、「思いますよ」とキッパリ返して会場は大笑い。「人は誰しも頑張る瞬間はありますから」と笑顔を諭した角野に、望月監督も「そうですよね。すみません」と笑ってみせた。
今年11月にはカーネギーホールでのソロリサイタルデビュー、そして来年3月にはマリン・オルソップの指揮によるフィラデルフィア管弦楽団とのオーケストラデビューも決まるなど、うれしい報せが続いている。そんな現状に「うれしいですよ」と笑顔を見せる角野。「それこそ3年前には想像もしていなかった。2023年にニューヨークに移り住んだんですが、その時はアメリカの仕事も何も決まってなくて。あまりにも不確かでしたけど、結局デビューすることができて。ひとつひとつ丁寧に進んでいきたいという気持ちでございます」と決意を語ると会場からは大きな拍手が送られた。
そして最後に「とにかく楽しんでいただいて、来てよかったなと思っていただけたらさいわいです」と望月監督が語ると、角野も「ドキュメンタリー映画という形ですが、何か皆さんの心の中に残る瞬間があればさいわいだなと思っております。お楽しみください」と会場に呼びかけ、この日の舞台あいさつは幕を下ろした。
上映情報
制作:ネツゲン
配給:ローソン・ユナイテッドシネマ
公式HP:http://www.bsfuji.tv/futashikanakiseki/index.html
マルシー:(C)角野隼斗ドキュメンタリーフィルム製作委員会