シクフォニ、勢いが増すばかりの6人がツアーファイナル・有明アリーナ公演で見せたさらなる可能性

2025.5.16
レポート
音楽

『SIXFONIA 1st Live Tour -Lodious Takt-』

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SIXFONIA 1st Live Tour -Lodious Takt-
2025.5.11 有明アリーナ

2.5次元タレントグループのシクフォニが、2025年3月から5月にかけて『SIXFONIA 1st Live Tour -Lodious Takt-』と題したキャリア初となるライブツアー、4都市を巡る6公演を開催。4月にYouTubeチャンネルの登録者数が100万人を超え波に乗る6人、その気迫に満ちたパフォーマンスにさらなる可能性を見た。ここでは、5月11日に東京・有明アリーナで行われた昼夜2公演のうち、ツアーファイナルの夜公演の模様をお伝えする。

中世ヨーロッパを思わせる城塞から砲弾が放たれた重厚なオープニングムービーがあけ、演出の破裂音をきっかけに光で照らされたステージに目を向けると、上段にまるで黒騎士な衣装をまとった6人の凛々しい姿が。それぞれに推しのメンバーカラーを灯したペンライトを振るシクファミ(シクフォニファンの呼称)の大歓声を浴び、マントの裾を翻しながら堂々と歌い踊るのは、彼らにとって“始まりの曲”である1stオリジナルソング「J0KER×JOK3R」だ。

続けざま、演出のスパークラーがステージを派手に彩る2周年記念楽曲「Burn it All」では「こいよ!」と煽ったりダイナミックに躍動したり。花も実もある、とは彼らにこそ相応しい言葉ではないだろうか。

この公演の“声出し大臣”であるいるまの主導でシクファミの大きな声が轟くと、「すごい!」と感動しきりなメンバー。最終的に6人が集まって戦隊ヒーローのようなポーズをきめた自己紹介では、個々のエンターテイナーぶりと息ぴったりなチーム感があらわに。

“お願い事大臣”すちからの要望通り、コール&レスポンスが巻き起こったのは「僕らはその手を離さない。」<僕らが支えるから、そのままの君で生きて>だなんて、愛のこもった全肯定に胸が熱くなる。かと思えば、演出のファイヤーボールが豪快に噴き上がった「アンダーリズムサーカス」では、ラップもダンスもキレッキレで無双状態。その変幻自在ぶりにも驚かされる。

某ホラー映画を想起させるXが進行役となり、突然の謎かけをしたりツアー中のメンバーの様子を明かしたりしたシュール(!?)な幕間映像のあとは、ソロコーナーへ。自らが作詞を手掛けた「灯」で、花びらのようにひらひらと舞いながら柔らかな歌声や澄んだハイトーンを響かせたリーダー・LAN。自ら作詞を手掛けた「ジグザグ」で、跳ねるような歌声と軽やかステップでキュートを極めた雨乃こさめ。自ら作詞・作曲を手掛けた「BURN-OUT」で、アンニュイモードからのロングトーン、シャウトと圧倒したすち。それぞれの個性が、鮮やかに開花していく。

しなやかな素材感の黒衣装に着替えた6人が再び光あふれるステージにそろい、歌詞そのままの麗しさ、神々しささえ感じさせた「Genesix」。ステージ後方に等間隔に並んだトーチに炎が揺れ、闇の王のように君臨する6人がコンテンポラリーダンス的なパフォーマンスも含めシアトリカルに魅せた「Sledgehammer」。ライブを重ねるたびに、彼らの統べる力が確実に増している。

「REC.TRUE」で、「この時間は全員俺のものだからな!」と叫び、切れ味鋭い挑発的なラップでシクファミの高揚に拍車をかけたいるま。「最酊。」の罪悪感をはらみながらも絶妙に脱力した歌、千鳥足のような足運びでシクファミを沼らさせた暇72。「迎えに来ました!」と眩しい笑顔を見せた「Magic」で、たとえ転んでしまっても絶対王子感が不動であることを証明したみこと。先の3人と同じく、それらソロ曲もまた、それぞれが作詞を手掛けたもの。グループとしてはもちろん、6人それぞれがぶれることなく持ち続けている表現者としての矜持を感じることができた。

2月に発売された初のシングル「Lodious Takt」のキービジュアルをイメージした豪奢な新衣装に着替えた6人、小道具の剣を手にするとつい童心にかえってチャンバラごっこを始めてしまう場面もありつつ、シクファミとの記念写真撮影をしたのち、「この衣装だからわかるよね?」と前振りをしたいるまだったが、披露されたのは「Precious」。思わぬフェイントに意表を突かれつつ、結成からもうすぐ3年、山も谷も越えてシクファミと歩んできた6人の心を込めた歌声に、永遠を信じたくなる尊さを感じた。

そして、反骨精神に満ちた「SCRaP&ReV0LuT1oN」から、2月に発売された初シングル、ならびに今回のツアータイトルでもある「Lodious Takt」へ。歌劇のように歌声を重ねていくダークで荘厳な始まりに目まぐるしい曲展開、強い意志が貫くパフォーマンス。メンバーがステージを去ったあとに残ったのは、あまりに鮮烈な余韻だった。

シクファミの全力声援が叶えたアンコールは、ラップにダンスに最高潮な「SHALL WE GONG!?!? -1st battle-」、シクファミがタオルをぐるんぐるん回す「Desperate Track」と、攻めなナンバーでスタート。

LAN「限界だけど超楽しい、おまえらに逢えて超幸せ!」

みこと「ソロではしゃぎまくってこけるくらいには楽しかったです(笑)。みことのすべてを捧げてこれからも走っていきます!」

暇72「今回のツアーでより強く大きくなって、初ワンマンを行った東京ガーデンシアターがある有明に帰ってきました。それができたのも、俺の推しであるメンバー、スタッフ、おまえらのおかげです」

雨乃こさめ「個人的にも嬉しいことがあって、素敵なメンバー、スタッフ、リスナーさんたちに囲まれて、5月でソロ活動5周年を迎えることができました。今日もたくさんの方に足を運んでいただけて、本当に幸せです!」

すち「誰ひとり欠けることなく走り抜ける!って決めていた今回のツアー。今、本当に幸せです。半年以上休むやつがいて……俺のことなんですけど(苦笑)、それでも支えてくれるメンバー、スタッフ、リスナーさんがいるって最高です」

いるま「メンバー6人、毎日活動のことを考えています。辛いこともあるけど、なんでやっていられるかっていったら今日みたいな日があるからなんですよ。みんなも明日から不条理や理不尽と闘って挫けそうになるとき、逃げたくなるときもあるだろうけど、好きなことを諦めないでください。いつも、俺たちがそばにいます」

それぞれ万感の想いを言葉にして、銀テープが弾け飛んだ「2 many fighterz」へ。6人が声をそろえて「逢いしてる!」とシクファミに告白した「Never Ending Story」にしても然り、幸せな一体感がそこにはあった。

英語で6を表す“Six”と、合奏を表す“sinfonia”からなる造語であり、“6人で新しい音楽を作っていく”という意味が込められているというグループの正式名称「シクスフォニア(SIXFONIA)」。8月にグループ結成3周年を迎えるシクフォニは、これからも進化し続けながらシクファミを希望へと導いていく。


文=杉江優花

セットリスト

SIXFONIA 1st Live Tour -Lodious Takt-
2025.5.11 有明アリーナ

01. J0KER×JOK3R
02. Burn it All
03. 僕らはその手を離さない。
04. アンダーリズムサーカス
05. 灯(LANソロ)
06. ジグザグ(雨乃こさめソロ)
07. BURN-OUT(すちソロ)
08. Genesix
09. Sledgehammer
10. REC.TRUE(いるまソロ)
11. 最酊。(暇72ソロ)
12. Magic(みことソロ)
13. Precious
14. SCRaP&ReV0LuT1oN
15. Lodious Takt
[ENCORE]
16. SHALL WE GONG!?!? -1st battle-
17. Desperate Track
18. 2 many fighterz
19. Never Ending Story
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