TVアニメ『帝乃三姉妹は案外、チョロい。』まるで本当の姉妹のような関係性で作られた「パズルのピースがハマっていくような作品」キャストインタビュー

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アニメ/ゲーム
08:00
左から青山吉能 古賀葵 日向未南 天海由梨奈 撮影:大塚正明

左から青山吉能 古賀葵 日向未南 天海由梨奈 撮影:大塚正明

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天才三姉妹と凡人男子が一つ屋根の下で生活することで巻き起こるホームラブコメディ『帝乃三姉妹は案外、チョロい。』がTVアニメ化され、2025年7月9日から放送が順次開始される。この話題作の放送を記念して、主人公・綾世優役の日向未南、長女・帝乃一輝役の天海由梨奈、次女・帝乃二琥役の古賀葵、三女・帝乃三和役の青山吉能にインタビューを行った。まさに姉妹のように盛り上がり、お互いを褒め合う素敵な時間が流れたインタビューをお届けする。

(C)ひらかわあや/小学館/アニプレックス

(C)ひらかわあや/小学館/アニプレックス


■ちょっと1クールじゃ足りない作品になった

―最初にこの作品に触れた時、どんな印象を受けましたか?

日向未南:原作を読み進めた時の印象ですが、すごく丁寧に骨組みされている作品だと感じました。最初はタイトルや三姉妹といったキャッチーな要素に目がいきますけど、キャラクター1人1人にバックボーンがしっかりとあるので、例えば一輝だと「この人はかっこいいだけではないんだろうな」というのが見えてきて何を思っているのかを知りたくなる。それはひらかわ(あや)先生が緻密に考えているからこそだと思いますし、この4人の物語がすごく丁寧に描かれていくんだろうなと思いました。

天海由梨奈:私は日向と違って「面白い! 次の展開が気になる!」みたいな感じで、深く考えずに読み進めてしまうタイプなので、今後はそういう見方もしてみようと、今のお話を聞きながら思いました(笑)。私は1巻の表紙とタイトルを見た時点で「え、こんなかっこいい顔をしている三姉妹が、どうチョロくなるんだろう?」と思って、最初はどんな内容なのか想像できなかったんです。でも、読み進めていくうちに、3人とも女の子らしいかわいい一面がたくさん出てきて、しかもそれぞれベクトルが違うので、「なるほど! “案外、チョロい”ってこういうことか!」と納得しました。

古賀 葵:私の第一印象は、とにかく絵が綺麗! 絵柄が繊細ですごく丁寧ですし、三姉妹はかっこいい顔もめちゃめちゃかわいい顔も見せてくれて。優くんも容姿はとんでもなく美しいけどポンコツで、ギャグやコメディシーンがたくさん散りばめられているかと思えば、すごくシリアスなシーンもあるので、感情がジェットコースターみたいに揺り動かされて、「おもしろー!」と思いながらずっと読み進めてしまいました。

天海:古賀さんも私と同じタイプですね(笑)。

古賀:そうかも。でも、日向が話していたように、キャラクターたちが何を思っているのか、どうしたいのか、ちゃんとテーマがあるところもすごく素敵だなと思いました。本当の家族だけど、生活が極端な家族関係の三姉妹と、彼女たちとは血の繋がりのない優くんが、一緒に暮らして家族を作っていくストーリーは、見ていて温かくもなれるし、笑える部分もあって、いろんな魅力がある作品だと思います。

青山吉能:ハードルが上がって困るんですけど……私が初めて原作を読んだ時の感想なんて、「絵、うま!」ですもん(笑)。しかもこの作品は、絵が上手なだけでなく、コマ割りもギャグもすべてが上手い。なおかつ、これはアニメのアフレコをしたうえでの感想になりますけど、「ときめかせる」ということに対して、ものすごく熱のある作品だと思いました。優くんの突然のイケメン顔にせよ、三姉妹の唐突なキュートさにせよ、もはやギャグとも言えるほどで、それがこの作品の醍醐味でもあって。

天海:確かに。ラブコメディだもんね。

日向:確かに私も最初の印象は「絵、うま!」だった(笑)。背景もすごく丁寧に描かれているし、ご飯の描写がとくに好きで。

天海:わかる! めっちゃ美味しそうだもんね。そもそも表紙の絵にめちゃくちゃ惹かれる。色使いとか、ポーズも。

古賀:淡い感じですごく綺麗だよね。

――そんな本作のメインキャラクター4人を演じる皆さんに、ご自身が担当するキャラクターの第一印象と、演じる際に心掛けたポイントをお伺いしたいです。まずは主人公の綾世優を演じる日向さんからどうぞ。

日向:優の第一印象で答えると「顔が綺麗!」でした。

天海:結局、そこなんだ(笑)。

日向:で、アフレコを経た今は、この人は自分と他人を比べ続けてきたんだろうなという印象です。やけに達観したところがあるのは、みんなが当たり前のようにやっていることをできない自分に打ちのめされてきた結果の落ち着き具合なのかな、と。私も以前は、演技が上手い人に対するジェラシーを感じることが多くて、「何で私はできないんだろう……」と思っていたのですが、今は気付いたら「私にできることをしよう」という考え方になっていて。そこは共感できるポイントでしたし、その意味で優はとても演じやすかったです。誰かとの会話のリアクションひとつ取っても、「わかるな」と思うことが多かったので。

――三姉妹の長女、歌劇団の男役トップスターとして活躍する「芸」の天才こと帝乃一輝役の天海さんはいかがですか?

天海:一輝の第一印象は……やっぱり「顔が綺麗」ですね(笑)。三姉妹はそれぞれのかっこ良さを持ち合わせているなかで、一輝は常に自分のことをよく見せたい、人前では完璧でありたい気持ちが強いキャラクターだと思っていて。でも、話が進むにつれて、一輝の本来持ち合わせているかわいい部分やポンコツな部分がたくさん出てくるようになるんです。その時に、私は「かっこいい一輝」のベースを自分の中に作り上げてしまっていたので、どういう風に「かわいい一輝」を演じればいいのかわからなくなってしまったんですね。アフレコでは、音響監督からディレクションをいただいてOKが出たのですが、終わった後も自分の中でもやもやしていた時に、先輩の古賀葵さんが声をかけてくださって……。

古賀:ちょっと! やめてよ!

天海:いや、続けます(笑)。古賀さんが、自分自身の芝居に対する向き合い方を変えてくれる、素敵な言葉をくれたんです。要約すると、人間は生きているなかで、地声だけでなく、状況に応じていろんな声を出すのだから、一輝を演じる時も「この子はこういう声を出さない」とか「こういうお芝居は合わない」と考える必要はないんだよ、というお話をしてくださって。そこで私は自分の中に一輝像を作り上げ過ぎてしまっていたこと、一輝の芝居をしているのに、さらにそこから「かわいい」芝居をしていたことに気付いたんですよね。もちろんその役を演じてはいるけど、ある意味、そのキャラクターを演じているのは自分だからこそ、どんな声を出しても、どんな芝居をしても、それは間違いではない。その時に古賀さんが言ってくれた「音響監督に〈それは一輝じゃないかも〉と言われるくらい、思い切りやってもいいんだよ」という言葉は、『帝乃』以外の仕事の時もすごく大事にするようになりました。

天海由梨奈

天海由梨奈

長女・帝乃一輝

長女・帝乃一輝

――素晴らしい。古賀さんは天海さんの様子を見て、声をかけたのですか?

古賀:おこがましいんですけれども、私も以前に「このキャラはこうじゃないといけない!」という考えに陥ってしまった経験があるので、すごく気持ちがわかったんです。私もその時に、とある先輩に「人間ならいろんな声を出すし、生きていたら喜怒哀楽があるんだから、全部同じトーンでは喋らないでしょ?」と言われて「確かに!」と思ったんですよね。

青山:いい言葉! だって先輩からの教えが受け継がれてるってことだよ。

天海:私もいつか、後輩に受け継いでいきたいと思います。秘伝のタレみたいに、自分の言葉を足していって(笑)。

――素敵なお話をありがとうございます。そんな古賀さんは、三姉妹の次女で「武」の天才と呼ばれる帝乃二琥役を担当しています。

古賀:二琥ちゃんの第一印象は、えっと、顔がいいなって(笑)。

天海:流れになってしまった(笑)。

古賀:それと武道をやっているので、一輝さんとはまた違ったベクトルのかっこよさがあって、女性からも男性からも憧れられる存在、というのが第一印象でした。だけども、とてもかわいらしい部分もあって、優くんが天然で出すイケメンパワーを不意に浴びた時の反応が、すごく素直なんですよね。シャーッて威嚇していたのが、ニャーってなっちゃう感じと言いますか。

青山:シャーがニャー。これ、記事ではどう書いてくださるんだろう?

――そのまま書きます(笑)。

古賀:すみません(笑)。ともかく、そういうところがすごくかわいらしい子だなと思います。かっこいい二琥ちゃんも、顔を真っ赤にしてあわわーってなっちゃう二琥ちゃんも、どちらも本当の二琥ちゃんなので、演じる時はそれが表裏のある感じに見えないようにすることを大事にしていました。あとは、この三姉妹でいる時の感じと、優くんが入ってきてからの心の変化みたいなものが、上手く雰囲気に出ればいいな、と。私は今まで二琥ちゃんみたいな役をやった経験がなかったので、特に第1話のアフレコは一番悩みましたし、それ以降も悩むポイントがどんどん変わっていったので、めちゃくちゃ向き合わないとできない役柄でした。

――最後は、IQ180超えとも言われる「文」の天才、三女の帝乃三和役を務める青山さん、お願いします。

青山:えー、顔が良くて……。

天海:お約束をありがとうございます(笑)。

青山:あまり正統派ではないというか、私も今まであまり演じたことのないタイプのキャラクターだったので、原作を読んでいても、一番声の想像ができなかったんです。「一体どんな声でしゃべるんだろう?」と思って。私は人体の構造から声を考えるのが好きなんですけど、三和は意外と身長が高いので、「その分、声帯も長いかも」とか、八重歯が生えてるから「八重歯から声が出ないかな」みたいなことを考えて。

青山吉能

青山吉能

三女・帝乃三和

三女・帝乃三和

古賀:それはどういうこと?(笑)。

青山:自分は八重歯がないのでわからないけど、八重歯のある女優さんの魅力的な声には、どこか統一感がある気がするんですよね。そんなことを考えながらも、答えを見つけないまま第1話のアフレコに臨んだんですけど、現場で一輝さんと二琥ちゃんの声を聞いて、「あ、三和ちゃんの声はこうなのかもしれない」と思って。家族って声が似るっていうじゃないですか。姉妹で笑い声が似るとか。

古賀:確かに! うちもお父さんとお兄ちゃんがそっくり。

青山:そう。私もお姉ちゃんと本当に声が一緒なんですけど、十数年一緒に暮らしている家族なら、そういう部分はあるはずと思って、二人の声を参考にさせてもらいました!

天海:じゃあ、三和にはいろんな成分が含まれているんだね。

青山:でも、みんないい声すぎて、真似できないと思った。まず、天海由梨奈の持つ声の深み。舞台に立つものとしての発声がアフレコ現場中に響き渡っていて、まさに「芸」の天才。アフレコのときの並び的に一番遠い位置だったにも関わらず、もう、突き抜けてくるんですよ。声が大きいとかではなくて、深いところで刺してくるような声で。この倍音が鳴り響く感じは、私には出せない。悔しい。

天海:ありがとう(笑)。

青山:そして二琥。まさか古賀葵からこんな声が出るとは。実際に古賀さんの声を知ってるからこそわかるものを排除したとしても、あまりにも二琥で。強いんだけど、でも、身長が小さい感がすごく伝わってくる声なんですよね。小さい身長の子から鳴ってる強い声。

日向:わかる! 絶妙だよね。

青山:それを聞いて「くっ! こいつも肉体から考えて声を発するタイプか……」と思いました。悔しい。そして優! もう、男の子すぎる。「女性声優が男の子の声を出しています」ではない、生粋の生まれ持った男の子感。天才。憎らしい。

天海:確かに作られてる感じじゃないもんね。

日向:やったー。嬉しい!

青山:そんな天才たちと対等の立場で、自分も食らいつかなきゃいけないんだと思って、最初はすごいプレッシャーでした。

天海:いや、でも、私たちも吉能に対して同じようなことを思っていたよ。これは褒め言葉なんですけど、「綺麗」と「汚い」を本当にいい按配で出すんですよ。

日向:あー、わかる。

天海:三和というキャラクターを崩すことなく、聞いてる側に「なんだこの汚い声」とは思われない、本当にギリギリの按配を突いてくるんですよ。かわいいところはめちゃくちゃかわいいし、逆に三和が何かに集中していて口が悪くなる時の声の出し方がすごくて。それ以外にもアドリブの部分とかも攻めていて、自分もすごく勉強になりました。

青山:三和が一番遊べる役だったかもね。役柄の精神性として、守らなくてはいけない部分がそこまで多くないというか、結構ブレたとしても、まあそれが三和みたいなところがあったから。

日向:私、三和の笑い声とか悔しい時に出す、あのブレーキ音みたいな声が好き。

古賀:わかる! さっきの分析の話を聞いてて思ったけど、(青山は)いろんなことを考えて役に向き合っているのが本当にすごいと思う。しかもすごく器用なんですよね。テストの時に「こういう感じにしてください」と言われたら、求められているものをスパーンと出してくる感じがあったし、ちょっとややこしいディレクションにもスッと体を当てはめていくので、妙技を見ている気持ちになった。

日向:すごく自由そうに見えるけど、洗練された自由さだなって思う。研ぎ澄まされてるなって。

天海:そうそう。出てくるものに安定感があったよね。「そうくるんだ」と思うけど、「なるほど、こういうことか」っていう。

古賀:なんかこんな簡単な言葉で済ましたくないんですけど、上手いんですよね。なんか、その、なんだろう、全部うめぇんすよ。

古賀葵

古賀葵

次女・帝乃二琥

次女・帝乃二琥

青山:いやいや、「全部うめぇんすよ」って、その言葉は絶対に言われたくない! 早く言い返したい!

天海:黙ってて! 今は吉能のことを語るターンなの!(笑)。

古賀:みんな個性はあるけど、そのなかでも三和は独特の雰囲気があるから、その……うーん、何て言ったらいいんですか! ねえ!

天海:語彙力が(笑)。遊べるキャラクターのほうが意外と難しかったりするんですよね。でも、吉能はそれを遊べる範囲内ですべてこなしていて、しかも安定感がある。

古賀:そう! そうなの!

日向:翻訳機?(笑)。

古賀:その独特の感じが絶妙なんですよね。カシャカシャしている笑いと、フフッていうかわいい笑いと、ゲヘヘみたいな笑い、どれも全然違うのに……なんて言ったらいいんだ! くそー! 語彙力が!! とにかく! 感動したんです!! 早く観て欲しい……!!

天海:ここは太文字にしてもらいましょう! 強調しておいてください!

青山:でも、そうでもないですよ……。

天海:いや、すごかったよ。

古賀:そう、しかもちゃんとかわいいし……。

青山:いやいや、あなたたちのターン、ちょっと長くない?(笑)。

古賀:早くオーディオコメンタリーしたい! すべてを語りたい。

天海:私もちょっといいですか? 古賀さんも吉能もお芝居がとても上手で、私にとっては先輩なので勉強させてもらっていますけど、日向も役に対する向き合い方がすごく真摯で、上から目線みたいになって申し訳ないんですけど、アフレコを重ねるごとにすごく進化していたんです。今回、私たちは三姉妹のお父さん役の松風(雅也)さんからもいろんなアドバイスをいただいたのですが、そういうものも吸収しながらお芝居にどんどん深みが出ていたので、1話と最終話では全然違うと思うし、ちょっと1クールじゃ足りないな、もっと観たい! と思いました。

古賀:それはそう!

日向:あの、私からもいいですか? 正直な話、この演技が上手いモンスター3人に囲まれて、まだ現場経験も少ないなかで主役をやった私、偉くないですか?

日向未南

日向未南

綾世優

綾世優

一同:(笑)。

天海:偉い!(パチパチ)

青山:日向も選ばれし人だから。

日向:由梨奈が言ってくれたように、私はこの現場でめっちゃ成長したと思います。周りの演技がすごかったので、3人と松風さんに引っ張っていただきました。

天海:やっぱり「人」って文字は支え合いでできてるから(笑)。現場で掛け合いしないと出てこなかった表現もあると思うし、全話一緒に録れたのは、すごく恵まれた環境だったなと思います。

■この4人が「本当に四姉妹だったら」?

――本作は三姉妹の家に優が居候することになり、「家族」として少しずつ距離を縮めていくホームラブコメディ作品ですが、皆さんは三姉妹の中で誰と一番友達になりたいですか? 一緒に食卓を囲んでみたい子がいれば教えてください。

古賀:三姉妹の中からかー。4人だったら絶対に優だけど。

日向:私も。でも、三姉妹から選ぶとしたら二琥かな。話しやすそうだし。

古賀:確かにコミュニケーション能力は三姉妹の中だと一番あるもんね。意外と相手のことを見ていたり、気を遣える子だから。ちゃんとクラスにもお友達がいます(笑)。

青山:それで言うと三和はまったくいない(笑)。いつもソロ弁だし。私も二琥かなあ。一番親身になって話を聞いてくれそう。一輝さまには恐れ多くて話しかけられないし、三和はIQがすごく高いから、自分では釣り合う会話ができないのではないかと思って、気を遣っちゃいそう。

天海:私は逆に三和かも。冷たくあしらわれるの、結構嫌いじゃないので(笑)。みんなが言う通り、確かに一番コミュニケーション取りやすいのは二琥だと思うんですよ。でも、考えてみてください! 三和と一輝は、最初の内は黙々と食べるだけで、多分こっちが一方的にしゃべることになると思うけど、自分が頑張っていたら、次第にうるさいと思いながらも相槌を打ち始めるかもしれない。そこから始まる関係性を想像したら……絶対に三和か一輝。懐かないネコが心を開いてくれる瞬間というか、そこのポジションを狙いたい!

日向:うん! 確かに!それがいい! そうなりたい! 私の言ったひと言で三和が「へへっ」って笑ってくれたら絶対に幸せだと思う。

古賀:でも、それで言うと私は三和と友達になれると思う。

天海:えっ? その心は?

古賀:なんかわからないけど、フィーリングが合いそうって勝手に思っているので、私はいけると思う。で、二琥ちゃんも優しいから多分話せる。そうなると、私が一番想像できないのは一輝さんなんですよ。すべての人をファンの子として、扱いそうじゃないですか。なので、そうではない一輝さんを私は知りたい。

日向:そういえば一輝って友達いるの……?(笑)。

古賀:いや、そうなのよ! で取り巻きはたくさんいるけど、隣に並べるような人はいない。そこに並べたらすごく気持ちよくない?

天海:確かに!

古賀:普段は一緒にいないけど、ここぞという時に本音をぽろりと話してくれる、みたいな関係性の人になりたい。でも、そこに行きつくためにはどうすればいいんだろう?

青山:一輝と仲良くなる方法かあ……。

天海:でも、一輝は表向きではすごく話してくれると思う。

青山:でも、それはサービスだよね。

日向:何かに真摯に向き合っている人、努力している人のことは好きそうだけど。

天海:それか優みたいに、あの天然で自然と距離を詰めていくとか?

青山:目の前でずっこけるとかね。でも、「大丈夫かい?」って言われてファンAになって終わっちゃいそう。

古賀:そうならないためにはどうしたらいい? そう、なびかない! あえて一輝の手を振り払う!

日向:「うるせえよ」くらいまで言うとか。

青山:でもやだなあ、その葵は見たくない(笑)。素直に「ありがとう」って言ってほしい。校庭の草とかをむしって、それを一輝に見てもらうとかはどう?

古賀:草をむしる葵は見てもいいの?(笑)。

青山:「あいつ、あんなに黙々と草をむしって……気になる」みたいな。

古賀:その草を一輝さんの机の上に、毎日そっと置いておく。

天海:いや、それは嫌がらせでは?(笑)。

――一輝と友達になるのはなかなか難しそうですね(笑)。では、話題を変えまして、もし皆さんが四姉妹だとしたら、誰が長女・次女・三女・四女だと思いますか?

一同:おー!

青山:実はさっき、別のインタビューでその話をして、決めたんです、私たち。

天海:逆に皆さんから見て、どう思いますか? 私たち、今、だいぶお話ししたので、わかりますよね……?

――おっと、いきなりプレッシャーが(苦笑)。では、長女・日向さん、次女・天海さん、三女・古賀さん、四女・青山さんでどうですか? 役柄のイメージが強いので、優役の日向さんが一番上で、あとは三姉妹と同じ順という並びなのですが……。

天海:ああ、なるほど。でも遠くはないと思いますね。

――ということは、当たってはいない。

青山:1人たりとも当たってないです(笑)。

古賀:全部違う(笑)。

天海:いや、でも逆に言えば、長女感と末っ子感は、どっちもありえると思うんですよ。

SPICEスタッフ:僕は、長女・天海さん、次女・青山さん、三女・古賀さん、四女・日向さんですね。日向さんが逆に末っ子ぽいなと思いました。さっきの天海さんのプレゼンによって心変わりする感じとか。

青山:チョロい感じ(笑)。

天海:たしかにチョロそう!

日向:私は萌えを重視しているので(笑)。

天海:じゃあ答え合わせをしましょうか。長女は私です! ただ、私はしっかり者の長女のつもりで立候補したんですけど、ちょっと違う長女像だったみたいで……。

古賀:長女らしいことをしようとしても、妹から「もう、お姉ちゃんはいいから!」って言われていそうな長女ということで決まりました(笑)。

――実際のところ、天海さんは兄弟や姉妹はいるのですか?

天海:あ、いますよ。私は三女です。お姉ちゃんのことを見て育ってきたので、しっかりしている方だと思います!

日向:下の子たちの買い物に付き合ってくれたりとか、運動会とかに一番張り切って来てくれそう。

天海:確かに面倒は見たいタイプかも。

――というわけで次女はどなたですか?

古賀:はい! 私です!

日向:私は長女かなと思ったんですけど、そこいるだけで安心感があるし、人のことをしっかりと見ていて優しいということで、次女に決まりました。

古賀:私は兄がいて妹なので、お姉ちゃんっぽいことは全然してきていなんですけど(笑)。でも、一つ下に従妹の女の子がいて、3人で遊ぶことが多かったんですよ。だから次女の感じは割とわかるなあと思います。いつも上と下が結託するので、真ん中のポジションはいつも不憫な想いをするんです(笑)。

――それでは三女は?

青山:はい! 自分ではこの中なら長女かなと思っていたんですよ。それで手を挙げたんですけど選ばれず、次女もやっぱり選ばれなくて、なりゆきで三女になりました。でも三女は満場一致でした。私も実際に末っ子の三女なので。

天海:吉能は三女って感じがする。少なくとも上ではないし、末っ子でもないなと思った。

古賀:三女がぴったりだよね。

青山:実際の生き様が出ていたみたいです。

――ということは、四女は日向さんでしたか。

古賀:でも、私は長女か一番下だと思ってた。どっちもあり得ると思って。

日向:私はひとりっ子なので。

古賀:なるほど! 両方兼ね備えてるんだ。

天海:えっ、属性2個持ち?(笑)。

日向:でも、四女は自分でも納得しました。この4人でいると、守られている感がずっとあるので。

天海:かまいたくなるかわいらしさがあるんですよね。そう考えるとやっぱり末っ子がしっくりくる。

古賀:わかる。なんか無駄に世話を焼きたくなる。

日向:やったー。

――その返事が末っ子っぽいですね(笑)。では最後に、本作の放送開始を楽しみにしてる人に向けてメッセージをお願いします。

青山:アフレコ後に、映像と音を合わせるダビング作業を見学させていただいたのですが、その時点で絵の綺麗さや音の重厚感をすごく感じて、私たち自身もすごく期待していますし、そんな作品に関わることができてすごく光栄に感じています。さっきお話しした通り、みんなのお芝居のすごさも早く感じてほしいですし、とにかく皆さんを圧倒させられる作品になっていると思うので、楽しみにしていてください。

古賀:私も早くアニメーションが観たいですし、しゃべっているみんなを観たい! 映像も音楽も本当にこだわりを持って制作されていますし、作品のテーマ的なことで言うと、家族の形について考えさせられたり、考えることのできる作品になっているので、自分の思う家族像を考えながら観ていただく楽しみ方もできると思います。もちろん何も考えずに観ても、最高にかわいかったり、心が温まる回だったり、総じてほっこりした気持ちになれる作品なので、ぜひそういう気持ちになっていただけたら幸いです。

天海:お二人もおっしゃっていたように、すごく熱量のある制作陣の皆さんと作品に関われることが光栄です。だからこそ自分の中でも一輝というキャラクターをさらに輝かせられるように、という気持ちが強かったのですが、皆さんと掛け合いするなかで良いものができたと思いますし、私も1ファンとして放送がすごく楽しみです。前半に「おっ?」となって、後半に「なるほど!」となる展開もいろいろ用意されているので、笑いながら、ゆったり観ていただけると嬉しいです。

日向:私は、最初はバラバラだった三姉妹に優が加わることで心の距離が近づき「幸せな家族」になっていくというグラデーションを楽しんで欲しいなと思っています。私たち声優サイドも、手探り状態だった第1話のアフレコから、回を重ねるごとに掛け合いが研ぎ澄まされていく感覚があって。ティザービジュアルにあるようにパズルのピースがはまって完成していくような作品になっています。ぜひ毎週観てください。よろしくお願いします。

インタビュー・文=北野創 撮影=大塚正明

放送情報

TVアニメ『帝乃三姉妹は案外、チョロい。』

■放送情報
2025年7月9日(水)24:30より各局にて放送開始!


TOKYO MX      7月9日(水)より  毎週水曜24:30~
とちぎテレビ       7月9日(水)より  毎週水曜24:30~
群馬テレビ         7月9日(水)より  毎週水曜24:30~
BS11               7月9日(水)より  毎週水曜24:30~
MBS               7月12日(土)より 毎週土曜26:08~
山陰放送 7月12日(土)より 毎週土曜26:15~
※放送日時は編成の都合等により変更となる場合もございます。予めご了承下さい。

■配信情報
2025年7月9日より毎週水曜25:00〜PrimeVideoにて先行配信開始

 
■原作:
原作:ひらかわあや「帝乃三姉妹は案外、チョロい。」(小学館「週刊少年サンデー」連載中)

■STAFF:
監督:松林唯人
シリーズ構成:伊神貴世
キャラクターデザイン:井上裕亮
サブキャラクターデザイン:清澤唯人
メインアニメーター:宮崎 司
色彩設計:土井 和
美術監督:東 潤一
美術デザイン:伊藤 瞳
撮影監督:朝日康平
3D監督:森重柚香
プロップデザイン:牧野博美
2Dデザイン:吉垣 誠
特殊効果:村上正博
編集:髙橋 歩
音楽:横山 克
音響監督:明田川 仁
音響制作:マジックカプセル
アニメーション制作:P.A.WORKS
 
■CAST:
綾世優:日向未南
帝乃一輝:天海由梨奈
帝乃二琥:古賀葵
帝乃三和:青山吉能
 
アニメ公式サイト:https://mikadono.family
アニメ公式X:https://x.com/mikadono_anime
※推奨ハッシュタグ:#帝乃三姉妹
アニメ公式TikTok:@mikadono_sister
 
■原作情報:
『帝乃三姉妹は案外、チョロい。』(ひらかわあや 小学館刊/少年サンデーコミックス)
コミックス1~14巻発売中
15巻7月4日発売予定
(C)ひらかわあや/小学館/アニプレックス
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