夏の自由研究にぴったり! 深宇宙の謎に迫る特別展『深宇宙展』音声ガイド・小西克幸インタビュー
特別展『深宇宙展~人類はどこへ向かうのか』To the Moon and Beyond音声ガイドナビゲーター・小西克幸
特別展『深宇宙展~人類はどこへ向かうのか』To the Moon and Beyond が、2025年7月12日(土)から9月28日(日)まで、日本科学未来館にて開催される。
本展は、JAXA、国立天文台、東京大学をはじめとする日本の主要な宇宙研究開発機関に加え、宇宙開発に携わる多くの企業・団体の協力により実現。「アルテミス計画」のために日本が開発している有人月面探査車「有人与圧ローバー」の実物大模型を世界で初公開するほか、大画面映像で体感する火星ツアーなど、最新宇宙探査技術とその成果が一堂に集結する。月を超えて、火星へ、そしてその先にある深宇宙の謎へ。人類の新たな宇宙への挑戦を体感する大規模宇宙展だ。
本展の音声ガイドナビゲーターを務めるのは声優・小西克幸。音声収録の感想や本展の魅力、そして自身の宇宙に対する思いなどを聞いた。
特別展『深宇宙展~人類はどこへ向かうのか』To the Moon and Beyondメインビジュアル
宇宙について深く知ることのできる、ボリューム満点の音声ガイド
ーー収録お疲れ様でした。収録を終えた感想を教えてください。
すごくボリュームがありました! 先ほど会場に設置するボードにサインさせていただいたんですけど、そこに「約30分」と書いてあったので、そりゃボリュームがあるわと思いました(笑)。
ーー収録ではどんなことにこだわったのですか?
正直、知らなかったことが多く、たくさんの発見がありました。例えば、テレビのニュースなどで「イトカワ」や「はやぶさ」というワードは見聞きしたことはありますが、漠然とした情報しか知りませんでした。今回、僕が読ませていただいた台本にはそうした「イトカワ」や「はやぶさ」といったキーワードについて詳しく説明されていて、ああ、そういうことだったのかと自分の中で腑に落ちることが結構ありましたね。実際にはモノが展示されているので、この音声ガイドをパートナーとして聴いていただいたら、より知らなかったことを深く知ることができるのではないかと思います。
ーー音声ガイドでは詳しく説明がされているのですね!
はい。そもそもこれはどういうことなのか、どこの国が協力して作ったとか、いろいろな情報が入っているので、宇宙好きにはたまらないと思います。また、最近は宇宙に関係する漫画も多くありますが、そういった作品を読んで少しでも宇宙に興味を持った方も、この展示を見たり、ガイドを聴いたりしていただけたら、いろいろ発見がある気がしますし、展示を見た後に再び作品をご覧になったら、より解像度が上がるのではと思いました。
ーー音声ガイダンスのお仕事は、普段の声優のお仕事とは違うアプローチだと思うのですが、その点いかがでしたか。
僕は宇宙事業に造詣が深くないので、これはどういうものなのかを一つひとつ理解しながら読むのは大変でした。なので、よく分からないことがあったら「これはどういうことなのか」と逐一聞きました。「なるほど〜」なんて言いながら勉強させてもらいました。
ーー『チ。』関連の何かは出てきますか?
本当にちょっとだけ!昔の人はこうでした、と文章で1〜2行ぐらいの紹介です。今回は、現代の宇宙に対する展示なので、『チ。』の世界観のことも含めると、倍ぐらいの音声ガイドになってしまうのでは(笑)。
日本科学未来館で特別展『チ。ー地球の運動についてー 地球(いわ)が動く』が6月1日まで開催されていましたけど(※会期終了)、そこで作品のことは濃密に展示されていたのでね。地動説や天動説、金星の周期について、活版印刷はこういうものですとか。分かりやすい展示でしたよね。
今回は『深宇宙展』ですから。『チ。』よりもずっと現代の宇宙をより深く知ることができる内容になっていると思います!
アルマ望遠鏡(画像提供:国立天文台)
未知なる世界への探究心「いつか宇宙へ行ってみたい」
ーー小西さんご自身も宇宙に関連する作品にご出演なさっていますが、宇宙に関してどんな興味がありますか。
宇宙は未知じゃないですか。いくつ銀河があるかも、端っこがどこかも分からない。どれぐらいの広さで、どういうものがあって、どういう生命体が生活しているかが全く分からない。海でさえ人間は解明できてないのに、宇宙なんて解明できるのだろうか……と思っています。
一番興味があるのは、宇宙にどんな生命体が住んでいるんだろうということ! 小さい頃から「宇宙人は本当にいるのか?」という疑問があって。「UFOを発見した!」とか「宇宙人の痕跡が!」といったテレビの特番も結構好きで、真剣に見入っちゃうタイプでした。大人になってもその興味は尽きなくて、探査機が撮影した火星の画像なんかを見ると、「生命体の痕跡があるんじゃないか?」「水が流れていたかもしれないなら、誰か住んでいる?」とぐるぐる考えちゃいますね。
ーー宇宙に行ってみたいという思いはありますか?
あります! あります! 他の生命体がいる惑星に行きたいです。それはどこにあるか分かりませんけど。でもこれだけ広い宇宙ですから、絶対に他に生命体がいると思いません?この宇宙に地球人しかいないなんていうのは、ある種、地球人の驕りだと思いますよ(笑)。だから、実際に宇宙に行って、異人類というか、他の生命体に会ってみたいな。
ーー今回の展示で、一番面白そうな展示は?
うーん、一番というのは難しいですね。探査機がそれぞれどういったミッションを背負って飛ばされたのかも興味がありますし、どこにどんな望遠鏡があって何を観測しているのかも知りませんでしたし、アメリカはこんなことをやっていて、日本はこうで、中国はこうで、民間ではこんな宇宙事業が展開されていて……というのも面白かったですし。本当に今回の『深宇宙展』、展示が多岐にわたるんです。自分が知らない情報がたくさんあって、全部面白かったですよ。
ーー展示では現在の宇宙事業の全体像が分かりつつ、音声ガイドも合わせればより細かい情報も得られるのですか?
そうですね! そうだと思います! もちろん展覧会場にはモノがあるので、ある程度の説明書きはあると思います。そこに音声ガイドを合わせていただけたら、より解像度が上がるはず。今、人類は宇宙に対してどんなアプローチをしているのかなど、いろいろ分かってもらえると思います!
ーーでは、展覧会場で一番最初に見たいものは?
小惑星探査機「はやぶさ」が小惑星「イトカワ」から粒子を持ち帰ってきたと、ニュースで騒がれていたじゃないですか。でも本当の意味で、それがどれだけすごいことなのか、あんまりピンとこなかったんですよ。だからこそ、それをまずは実際に目にして、解説を聞いて、意味を体感したいです。
NinjaSat(画像提供:理化学研究所)
いろいろな楽しみ方ができる展覧会 夏の自由研究にもぴったり
ーー普段から美術展や展覧会に行かれますか?
そうですね。「面白そうだな〜」と思う展示には足を運んでいます。毒に関する展示とか呪物展とか、ちょっと怖い展示にそそられます。あ、地獄に関する展示も行ったことあります。いろんな地獄を見てきました(笑)。ちなみに、展示を見に行くのは、一人で行くことが多いです。自分のペースで展示を楽しみたいので。
ーー今回の『深宇宙展』は夏休みの自由研究などにも良さそうですが、小西さんの夏休みの思い出をお聞かせください。
平凡な夏休みだったと思います。僕の地元は和歌山なんですが、県内にあるおばあちゃんちに行ったり、ボーイスカウトをやってたので長めのキャンプに行ったり、部活動で練習をしたりしていましたね。地元の花火大会はすごく人が来るんですけどね、人が来すぎるので全然楽しめなくて。結局、家から花火を見ていたな〜(笑)。宿題は7月中に終わらせるタイプで、日記も“未来日記”のように一緒に終えていました(笑)。
自由研究の課題はあったかな……なかった気がするんですよね。だから僕の話はあまり参考にならないかもしれないけど、この展示は自由研究向きだと思います!(笑)。しかも、多分自由研究として取り上げてお釣りがくるぐらいの情報がいっぱいですから。
ーー最後に、読者にメッセージをお願いします。
先ほどお伝えした通り、自由研究にはぴったりの展示です。ぜひともお友達や家族と一緒に行って、これはああだこうだ言いながら展示を見てほしいですね。そして、よかったら僕が担当した音声ガイドも聞いてほしいです。
また、最近は『チ。』や『宇宙兄弟』など、宇宙を題材にした漫画が多いと思います。そういう作品から宇宙に興味を持ったり、もっと知りたいと思ったりしたら、試しにこの『深宇宙展』に来てみてほしいです。きっと、宇宙に対する解像度が上がって、作品の感じ方や見方、登場人物たちの思いもより深くなると思います。
いろいろな楽しみ方ができる展覧会です。みんなで楽しんでいただけたら嬉しいです。
すばる望遠鏡(画像提供:国立天文台)
特別展『深宇宙展~人類はどこへ向かうのか』To the Moon and Beyond は、2025年7月12日(土)から9月28日(日)まで、日本科学未来館にて開催。前売券はイープラスほかプレイガイドで販売中。
文=五月女菜穂
イベント情報
■会期:2025年7月12日(土)~9月28日(日)
■開館時間:10:00~17:00(入場は閉館の30分前まで)
■休館日:7月15日(火)、9月2日(火)、9日(火)、16日(火)
■会場:日本科学未来館(東京都江東区青海2-3-6) 1階 企画展示ゾーン
■主催:日本科学未来館、NHK、NHKプロモーション、東京新聞
■後援:文部科学省、内閣府宇宙開発戦略推進事務局、東京臨海高速鉄道、ゆりかもめ
■協賛:TOPPANクロレ
■協力:宇宙航空研究開発機構(JAXA)、自然科学研究機構国立天文台(NAOJ)、東京大学、 理化学研究所(RIKEN)、一般社団法人SPACETIDE、一般社団法人宇宙旅客輸送推進協議会、東急電鉄
■監修:戸梶歩(宇宙開発エバンジェリスト)
■天文分野監修:平松正顕(国立天文台・天文情報センター副センター長)
■お問い合わせ:050-5541-8600(ハローダイヤル、受付時間9:00~20:00、年中無休)
[前売券]大人(19歳以上)2,000円 / 18歳以下(中学生以上)1,200円 / 小学生以下(4歳以上)500円
[当日券]大人(19歳以上)2,200円 / 18歳以下(中学生以上)1,400円 / 小学生以下(4歳以上)700円
[団体(8名以上)]大人(19歳以上)2,000円 / 18歳以下(中学生以上)1,200円 / 小学生以下(4歳以上)500円
※障害者手帳、受給者証等の証明書をお持ちの方は本人および付添の方お一人まで無料で す。直接会場入口までお越しください。
※学生、各種お手帳をお持ちの方は、入場の際に証明できるものをご提示いただく場合がございます。
※「日本科学未来館常設展」もご覧いただけます。ドームシアターは別料金(要予約)。
※団体のお客様は日本科学未来館「団体でのご利用」(リンク先:https://www.miraikan.jst.go.jp/visit/group/ )をご確認いただきお申し込みください。事前に団体予約をされていても当日欠員で8名未満となった場合には団体割引は適用されませんのでご注意ください。