えるの(成人男性三人組)に初インタビュー ハイトーンボイスに魅了されたこれまでの歩みと初ワンマンの意気込みを語る

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『Eruno one-man live “Lime”』

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実力派男性歌い手グループ・成人男性三人組に所属している歌い手・えるのが、2025年10月13日(月祝)に東京・Veats Shibuyaにて初のワンマンライブ『Eruno one-man live “Lime”』を開催する。
SPICEでは初ワンマンの開催を記念し、えるのに初インタビューを敢行。活動を始める前のことからハイトーンボイスに魅了されるまで、グループでの活動、そして初ワンマンに向けて……さらに、ミュージックビデオが公開されたばかりのオリジナル曲「シュガー」についての話も訊いた。

──今年の10月にVeats Shibuyaで初のワンマンライブを開催されますが、まずは決まったときの心境をお聞きできればと思います。

何度かチャレンジしようと思ったタイミングはあったんですけど、なかなか踏ん切りがつかなかったところがあって。でも、今回お話をいただいて、チャレンジしてみてもいいのかなと思ったので、ようやく一歩を踏み出せたかな?という感じですね。

──その一歩を踏み出せた大きな要因ってあったんですか?

4年前ぐらいからグループ(成人男性三人組)の活動を始めて、音源制作とか、ファンミーティングをしたりしていて。それがちょっと一段落というか、グループのほうにも慣れてきて、タイミング的にチャレンジしてみてもいいのかなって思えたのが大きいですね。

──成人男性三人組ってどんなところから始まったんですか?

最初はグループとしてやっていこうっていう感じではなくて。“たまに集まって一緒に音源作れたらいいよね”みたいな感じで、かなり趣味に近い状態で制作していて。それがXでバズったのをキッカケに、グループとして本格的にやってみようという感じでした。

──最初はたまにコラボをするぐらいの関係というか。

そのイメージでした。当時は社会人として働いていて、活動に集中できるような状態じゃなかったので、不定期でできたらいいなぐらいの感じでしたね。そこから軌道に乗ってきて、グループ活動を始めて1年半〜2年ぐらいで働いていた会社を退職して、活動の方に集中しようという感じになりました。

──その1年半〜2年はきっと大変でしたよね。

そうですね。インターネットの活動と、普通に働いている二足のわらじ状態だと、どっちも50%ぐらいしか出せないというか。働いているときの話をインターネットであんまりできないし、逆にインターネットの話も働いているときにできないし(笑)、自分が2個あるような状態だったのがすごくやりづらかったところもあったんです。あと、インターネットで活動している分、会社の同年代の人と経験の差が出てしまうところにちょっと居心地の悪さもあったりしたので、決心はすぐにつきましたね。ある程度軌道に乗ったら集中しようと決めていたところもあったので。

──今日はえるのさんが活動を始める前のこともお聞きできればと思っているのですが、そもそも昔からずっと音楽が好きでしたか?

そうですね。歌うことが好きでした。聴いていた音楽は、親が車の中で流しているもの……たとえばコブクロとか、当時流行っていたJ-POPが多かったんですけど、そういうのを聴いたり、CDをレンタルして聴いてみたいなことはしていましたね。他の人よりめちゃくちゃ聴いていたかと言われると怪しいんですけど、人並みかそれ以上ぐらいは聴いていたかなと思います。

──ご自身で能動的に音楽を聴き始めるようになったきっかけというと?

たとえばBUMP OF CHICKENとか、友達からこういうのあるよって教えてもらったものを聴くようになって。最初は話を合わせるために聴いていた感じではあったんですけど、そこから自分でいろいろ聴くようになって、邦ロックシーンはあんまりメジャーじゃないところも結構聴いたりはしていました。

──歌うことが好きだったそうですが、昔から声は高かったんですか?

いや、声に関しては1オクターブぐらい伸びましたね。DECO*27さんの「二息歩行」っていう曲がhiBぐらいなんですけど、自分がまだリスナーだった頃は、それが出なくて。どうやったら出せるんだろうって頑張って練習していた記憶はありますね。

──そこから練習して、今の声を手に入れたっていうことですよね……?

そうです。

──すごすぎません!? どうやって鍛えたんですか!?

全然理論に基づいてないんですけど、今歌える限界のキーの曲をとにかく歌っていると、感覚が掴めてくるんですよ。そのちょっと音域が広がった感覚で、またギリギリのところを練習するのをひたすら続けてました。

──なんというか修行のような。

普段から高い声をあんまり出してこなかったので、そこに楽しさもあったと思います。こういう声が出るんだとか。

──でも、なぜそこまでハイトーンに惹かれたんですか?

僕が「歌ってみた」を始めたぐらいの時に、ニコニコ動画で“高音系男子”みたいなのが流行ってたんですよ。それが今まであまり感じたことのない感覚があって。今まで聴いたことのない声で歌っているなとか、男性なのにこんな高い声が出るのすごいなって、純粋に感動して、自分も出せるようになったらいいなぁという感じはありましたね。

──ちょっとした羨ましさみたいなものがあったりとか?

ありましたね。それで練習というか、やってみたいなっていう気持ちが出てきたと思います。

──昔から声が高くて、カラオケに行ったら友達に褒められて、ちょっと歌ってみようかな、というのがきっかけだったのかなっていう勝手なイメージを抱いていたんですけど、そういうわけではないんですね。

男性の中では若干出ていたほうかもしれないですけど、たとえば今でいうヒゲダン(Official髭男dism)さんとか、あれぐらいのキーは出なかったですね。

──そうだったんですね。ボーカロイド音楽や歌い手文化にハマり始めたのはいつ頃だったんですか?

中学生くらいの時にロックシーンを追いかけていたのと同時に、ニコニコ動画のブームがあって。最初はゲーム実況の動画から入ったんですけど、ボーカロイドがあることを知って、そこから聴き始めました。

──ご自身が歌った音源をインターネットにアップするようになったのは、いわゆるリスナーになってから結構時間がかかったんですか?

いや、結構早かったと思います。昔、GREEっていうサイトがあって、そこの掲示板に“歌ってみた板”みたいなのがあったんですけど、そこに、音源とかですらない、携帯でさらっと録ったただ歌ったものを投稿したのが一番最初でした。

──ほぼアカペラみたいな?

そうですね。ランキングに入っているボカロ曲のサビだけちょろっと歌って貼り合うみたいな掲示板だったんですけど、これぐらいだったらできそうだし、ちょっとやってみようかなと、特に悩みもせずやってみた感じでしたね。

──リアクションって結構あったんですか?

あんまり覚えていないんですけど(笑)、コメントはほとんどついてなかった気が……5回歌ったら1個コメントがつくぐらいのレベルだったと思います。

──どういう部分に楽しさを感じました?

録音してみると、自分が思っている声と違ったりとか、うまく歌えてるなと思っていても、聴いてみたら意外とそんなことないなみたいなギャップがあって。そこを可能な限りなくしていく作業に達成感があったんですよね。もちろんコメントをもらえたり、反応をもらえたりするのは嬉しいなって思いましたし。

──人によっては、自分の録音した声と自分がイメージしている声が違うことが嫌だなと思って、アップしないということもあると思うんですが、それでもアップしようと思ったのはなぜだったのでしょう。

なんでだろう……たぶん、今よりめちゃくちゃ下手だったので、下手だったからこそ周りが見えていなくて、変な自信があったというか(笑)。上手くなると、上手い人と下手な人の違いが分かるようになるじゃないですか。それがあんまりよくわかってなくて、あげちゃえばいいか!みたいな。元々楽観的なところもあるので、別にそんなに観てもらえるわけでもないしなって。

──ニコニコ動画に投稿し始めたのは2014年の1月からですよね。

そうですね。その前に、GREEで知り合いが何人かできたんですけど、どうやら「こえ部」というサイトがあるらしいと。そっちはわりと「歌ってみた」みたいな、インスト音源と自分の声をミックスというほどたいしたことはしていないんですけど、合わせて投稿できることを知って。そこから「こえ部」に投稿し始めたのが2012年ぐらいだったんですけど、その頃になると少しずつ上達してきて、周りが見えてきたんですよ。そのときは、ニコニコに投稿するの怖いなって(笑)。まだダメじゃない? この実力で投稿したらどうなっちゃうんだろう……という感じだったので、「こえ部」で1年半か2年ぐらい投稿を続けて。ニコニコには2014年1月3日とかに初投稿しているんですけど、投稿してみるかって急に楽観的なところが出ました(笑)。

──楽観的な面もありつつ、ここまで積み上げてきたものもあるし。

そうですね。ある程度投稿してきたし、やってみるかって。あと「こえ部」の友達がニコニコにもあげるようになったのも大きかったです。それで、年も変わったし、新しいことをしてみるかっていう感じで投稿しました。

──それまではニコニコ動画に投稿するのは怖かったんですね。

ニコニコって匿名性が高いじゃないですか。今までやっていたサイトだと、コメントしている人のプロフィールが見れたんですけど、それが男性なのか女性なのか、年代も分からないから、何を言われるか分かんないなって(笑)。

──(笑)。どんな罵声を浴びせさせられるんだろうか……みたいな。

そうそう(笑)。

──始める前までは怖かったけど、始めてからは楽しかったですか?

そうですね。最初は更新頻度も高かったですし、楽しいなと思いながら投稿してました。

──そこから活動を続けてきて、現在えるのさんは成人男性三人組としても活動されています。最初はコラボのようなところから始まったとのことでしたが、今のえるのさんにとって、成人男性三人組というグループはどんな存在ですか?

それまで個人でやってきたので、友達というか、メンバーと一緒に1つひとつ行動できるというのが新鮮だし、自分だけじゃ思いつかないこともできたりするところに楽しさがあるんですけど、そこに責任を伴う感じもありますね。自分だけでやっていたら、やってもやらなくても、損するのも得するのも自分だけじゃないですか。なので、一緒にやっていることで全員に責任が生まれるというのは、ケツを叩かれるじゃないですけど、やる気になりやすいですし、やり甲斐もありますね。

──各メンバーのみなさんに対しての印象というと?

なんだろうなぁ……みんな高い声が出ていいなぁって思ってますけどね(笑)。

──(笑)。やっぱりそこなんですね。

すごいラクそうに出すんですよ、僕は必死に出してるのに。僕がグループの中では最高音的に一番低いので、すごいなと思いますね。

──高い声への欲求ってなかなか消えなかったりします? えるのさんはハーモニーの下の部分を支えることもあって、それが味になっていると思うのですが。

正直、これ以上音域を伸ばしたいかと言われると、ここからは難しいなと思っていて。たとえば、ダイエットも体重が重たい人がやると最初は減りやすいけど、ある程度落ちたらめちゃくちゃ難しくなるじゃないですか。そういう部分を感じているので、そんなに頑張って伸ばそうっていう気持ちはそこまで大きくないんですけど、隣にいるといいなぁと思うんですよ(笑)。

──くすぐられるものがあると。今は音域を広げるというよりは、安定させるというか。

今の目標的にはそっちですね。今出ているところを安定させたり、使い分けできるようになったりとか、選択肢の広さを増やすほうがいいかなと思っています。

えるの(成人男性三人組)

──そして、10月13日(月祝)に開催されるの初ワンマンライブについて。ここから詰めていく部分もあると思いますが、どういうライブにしたいと考えていますか?

自分の1stワンマンではあるんですけど、来てくれた人も演者も含めて、人生の思い出に残るような日になったらいいなと思います。

──いざステージに立ったときに、どんな感情になると思います?

たぶんそんなに緊張しない気はしているんですけど……どうなんだろう。一番は「楽しいな」が大きいとは思います。あとは、「ミスらないか不安だな」とか(笑)。

──あまり緊張しないタイプですか?

いや、元々人前に立つのが得意じゃないんですよ。でも、ウォルピスカーターのライブにゲスト出演したときとか、成人男性三人組でイベントをやったときには全然緊張しなかったんです。ただ、自分のライブとなると、やっぱり背負っているものが違うので、もしかしたら変わってくるところもあるかもしれないなぁと思って。

──確かにそこはありそうですね。先日「シュガー」のミュージックビデオを公開されましたが、ライブに向けて他にも楽曲を制作されているんですか?

そうですね。何曲か予定してます。

──初のオリジナル曲を聴いたときの印象というと?

作詞作曲がNoz.さんで、僕が個人的に好きでカバーも何曲か出しているんですけど、今回のライブのテーマとして、大人っぽさみたいなのをイメージしているんですよ。それに合わせてオリジナル曲をお願いしたんですけど、かなりイメージ通りというか。自分がやりたかった曲になっているなって思いましたし、イメージと近かったのもあって、歌もいいものが録れたなと思います。

──どんな歌を歌おうと考えていたんです?

メロウな感じと熱量の共存というか、その両方あればいいなって思いながら録っていたんですけど、そこはちゃんとできたと思います。

──相反するものを共存させるというか。

そうですね。人間の感情って、ひとつに振り切ることがあまりないじゃないですか。いろいろなものが共存していることがほとんどだと思うので、それを曲の中で表現したかったし、そこを感じてもらえると嬉しいなって思いますね。

──先ほどお話に出ましたが、ライブ全体のコンセプトとして、大人っぽさがあると。

グループの活動は結構ポップな感じでやっているところがあるんですけど、僕が昔から個人でやっている活動的には、どっちかというと大人っぽい寄りのイメージがあって。元々好きな音楽も、ど王道みたいなものよりは、ちょっと外したものが好きだったので、そういった部分も出していきたいなって思っています。

──あと、ライブには成人男性三人組がゲストで出演されることになっています。

たぶん、そこだけかなりポップな雰囲気になっちゃうかなとは思うんですよ(笑)。きっと飲み込まれちゃうんだろうなって。こっちもリラックスしすぎちゃうところもあると思うんですけど、飲み込まれすぎないようにできたらいいなと思います。

──その辺りは当日どうなるか?というところもありそうですね。ポップな雰囲気になるかもしれないし、それこそライブの空気にメンバーのみなさんが合わせてくれるかもしれないですし。

いやぁ、たぶん合わせてくれないですよ(笑)。

──(笑)。そこは遠慮なく来ると。

でも、いい意味で気分転換というか、お客さんもリラックスできる時間にはなるのかなと思います。

──グループのほうではファンミーティングをされていましたけど、ソロでお客さんと直接向き合うのは初めてになるわけで。元々「コメントが怖い」と思っていたところから始まり、活動を重ねて、改めてお客さんの目の前で歌う状況になるわけですが、そのことに関してご自身の中でどんな感情がありますか?

確かに当時からすると考えられないことですよね。こんなことになるなんて思っていなかったので。いつもはお互い画面越しですけど、目の前で表情を見ることができたり、同じ場所で時間を共有できるのはすごいことだなと思います。

──当日来てくれた人たちに、こんなふうに楽しんでもらいたいというアドバイスはありますか?

誰にも見られていないと思ってほしいです。自分とステージだけ考えてもらえたらいいなって。ちょっと周りの目が気になっちゃう人もいると思うんですけど、そういうことを考えずに、今思っている感情を出してくれたら楽しめるんじゃないかなと思うので。

──ライブ当日を迎えるにあたって、どう過ごしていきたいですか?

とりあえず体力はつけないといけないなぁと(笑)。やっぱりフルで通して何曲も歌うことって全然ないので、自分がこれだったらいけるなって思うぐらいまでは……しっかり体力をつけておきたいですね。

──たとえば走り込みとか?

ですかね……そうですね……走り込み……(笑)。

──笑っちゃってるじゃないですか(笑)。

あはははは(笑)。頑張ります。

──やっぱり体力面はちょっと不安だったりします?

体力面と、あとはコンディションですね。声の調子とかをちゃんと当日に合わせられるかっていうのが一番不安なのはそこぐらいですかね。

──最後にライブへの意気込みと、来てくれる方へのメッセージをお願いします。

このライブに向けて、去年から1年弱かけていろいろ構成を組んだり、準備をしたりしてきたつもりなので、あとは体力と体調だけ整えれば(笑)、いいものが作れると思います! 来てくださる方は、とにかく楽しもうという心構えだけしてもらえれば、悪くなることは絶対ないので、当日は参加する気持ちで来てほしいですね。ただ聴きに来るのではなく、一緒に作るような感覚で来てもらえたら嬉しいです。


取材・文=山口哲生

 

ライブ情報

Eruno one-man live “Lime”
 
2025.10.13(月祝) @ Tokyo Veats Shibuya 
OPEN16:15 / START17:00 
Special Guest:成人男性三人組(ウォルピスカーター、りする、ニャンヤオチュー) 


Eruno Band Member
Guitar:tatsu(BLVELY)
Bass:佐藤旬介
Drum:あべゆうま
 
■先行 イープラス(最速プレオーダー)(抽選) 
受付期間:7/15(火)〜7/23(水)23:59 
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