オペラシアターこんにゃく座がオペラ『変身』を14年ぶりに東京と神奈川で上演
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オペラシアターこんにゃく座は2025年9月、作曲家林光の代表作であるオペラ『変身』を14年ぶりに上演する(2025年9月14日(日)・15日(月祝) 新国立劇場小劇場、2025年9月20日(土)~23日(火祝) KAAT神奈川芸術劇場〈大スタジオ〉)。今回は、演出に上村聡史を迎えての新演出版だ。
【動画】オペラシアターこんにゃく座 オペラ『変身』PV
オペラ『変身』は、こんにゃく座55年間のオペラ史の中でも重要な作品。山元清多台本・演出で今から29年前の1996年に本多劇場(東京)にて『セールスマンKの憂鬱』という名で初演。その後『変身』と改題し、1998年俳優座劇場にて再演。東京公演以外にも、各地の高校公演や一般公演など旅公演をおこない、2009年にはヨーロッパの4ヶ国、ルーマニア、ハンガリー、オーストリア、そして、原作者カフカ縁のチェコ・プラハでの公演を成功させた。2011年には2010年に他界した山元清多追悼公演こんにゃく座創立40周年記念公演として、東京公演と旅公演をおこなった。今回の上演はその40周年記念公演以来14年ぶりの上演となる。
不条理作家カフカによる不朽の名作「変身」の物語を中心に、カフカの日記や手紙、プラハの街並みや時代の空気感が織り込まれた、山元清多による秀逸かつ重層的な台本に、作曲の林光は各場面に“シャンソン”、“ブルース”、“ポップソング”といったタイトルをつけ多彩な音楽で紡いでいく、唯一無二のオペラ作品となっている。
今回は演出に上村聡史を迎え、主軸の物語とイメージが混在するシュールな展開を時に鋭く、時にユーモアで魅せる。初演と再演の舞台では、「虫」になった主人公KをK以外の出演者全員でイスや机といった道具を駆使して表現したが、新演出ではどのような表現を選ぶのかが、見どころのひとつ。自我の闇、重々しい時代の壁、そして希望を、歌役者の声と身体を通して、緻密に組み立てられた時間と空間で、シンプルかつ美しい舞台に仕上がりそうだ。
キャストはこれまでの『変身』出演者から一新したこんにゃく座歌役者たち。そして初演&再演と『変身』の舞台の出演経験も多い熟練の楽士たちによって繰り広げられる。
この公演は東京の新国立劇場小劇場と、神奈川のKAAT神奈川芸術劇場大スタジオと、ふたつの劇場で上演されるが、KAAT神奈川芸術劇場公演では、特別企画として開場前に劇場入口アトリウムにて、こんにゃく座歌役者たちによるミニコンサートがおこなわれる。‘今’のこんにゃく座が生み出す、オペラ『変身』新演出版に期待したい。
ある朝、グレゴール・ザムザはいやな夢を見て目を覚ますと、自分が大きな虫に変わっていることに気がついた。突然家族のひとりが見舞われた奇怪な出来事。両親と妹は、なんとか彼の変容を受け入れようとするが、やがてその努力にも限界がおとずれる。 これまで献身的に兄の世話をしてきた妹に見限られた時、彼の、そして家族の行く先には…
公演情報
オペラ『変身』
■台本:山元清多
■作曲:林光
■演出:上村聡史
■美術:長田佳代子
■衣裳:宮本宣子
■照明:阪口美和
■振付:山田うん
■舞台監督:大垣敏朗
■音楽監督:萩京子
■宣伝美術:画=溝上幾久子 デザイン=片山中藏
北野雄一郎(K)
髙野うるお(父)
鈴木裕加(母)
入江茉奈(妹)
沢井栄次(支配人)
豊島理恵(女中1)
熊谷みさと(女中2)
西田玲子(女中3)
沖まどか(下宿人1)
泉篤史(下宿人2)
金村慎太郎(下宿人3)
ファゴット/前田正志
ヴァイオリン/山田百子
ピアノ/寺嶋陸也
■日時:2025年
9月14日(日)14:00
9月15日(月祝)14:00
■会場:新国立劇場小劇場
■日時:2025年
9月20日(土)14:00
9月21日(日)14:00
9月22日(月)19:00
9月23日(火祝)14:00
■会場:KAAT神奈川芸術劇場〈大スタジオ〉
※車いす利用の方、補助犬同伴の方はお電話にてこんにゃく座までお申し込みください
※介助者1名無料
※託児サービス、視覚障害の方向け事前解説、記録撮影のため客席にカメラ設置の詳細は劇団公式サイトにてご確認ください。
(公演創造活動))│独立行政法人日本芸術文化振興会
■提携:KAAT 神奈川芸術劇場(神奈川公演)
■後援:チェコセンター東京
■主催・制作:オペラシアターこんにゃく座 044-930-1720
■公式サイト:https://www.konnyakuza.com/