新国立劇場、26年のニューイヤーは歓喜の幕開けで 心躍るユーモアいっぱいのオペレッタ『こうもり』を上演
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新国立劇場「こうもり」より 撮影:鹿摩隆司
2026年1月22日(木)~1月29日(木)新国立劇場 オペラパレスにて、2025/2026 シーズンオペラ『こうもり』が上演される。
新国立劇場オペラ「こうもり」ダイジェスト映像 Die Fledermaus-NNTT
ワルツ王シュトラウスⅡ世が作曲した、オペレッタの最高傑作『こうもり』。次々に繰り出される美しいワルツやポルカ、小粋な風刺やユーモアが観客の心を高揚させ、大団円を迎える頃には劇場じゅうが幸福な空気に包まれる、最高の音楽劇。華と笑いがいっぱいで、ウィーン年末年始の風物詩としてもおなじみの作品。
新国立劇場「こうもり」より 撮影:鹿摩隆司
『こうもり』には陽気で軽妙な応酬、素朴な愛があふれる一方で、人生の浮き沈みに対するほろ苦い哲学も込められ、その深みがいっそう共感を呼ぶ。『こうもり』が作曲された当時のウィーンの町はウィーン万国博覧会に沸く一方でコレラの流行と株の大暴落に見舞われていた。舞踏会で人々が唱和する「みな兄弟姉妹となろう」という共生のメッセージは、世界情勢に不安を覚える現在の観客の心にもひと際深く染みる。
新国立劇場「こうもり」より 撮影:鹿摩隆司
新国立劇場「こうもり」より 撮影:鹿摩隆司
新国立劇場「こうもり」より 撮影:鹿摩隆司
本公演の演出はウィーン宮廷歌手の名テノール、ハインツ・ツェドニク。2006年新国立劇場でのこの演出でツェドニクは演出家としてデビュー、この後、翌年のウィーン・フォルクスオーパー『こうもり』などの演出を手がけた。ウィーン出身で『こうもり』の四役をレパートリーとする名テノール歌手ツェドニクは、ウィーン気質が身体の隅々まで沁み込んでいる。小粋でエレガント、洒脱な仕掛けがたくさん用意された正統的な演出は、『こうもり』の魅力を余すところなく伝える。
新国立劇場「こうもり」より 撮影:鹿摩隆司
新国立劇場「こうもり」より 撮影:鹿摩隆司
ツェドニク演出の『こうもり』は、ウィーン洗練のユーゲント・シュティール調の華やかな舞台美術・衣裳も大きな見どころ。舞台の縁を飾る市松模様、背景を優雅に彩る植物のモチーフなど、舞台はユーゲント・シュティールの感覚で統一してデザインされ、照明の効果で刻々と表情を変える。金色に輝く幾何学模様や、日本の美感を取り入れた優雅で官能的なラインの衣裳など、クリムトを彷彿させるデザインも盛りだくさんで、美術ファンの心も捉えてやまない。
新国立劇場「こうもり」より 撮影:鹿摩隆司
新国立劇場「こうもり」より 撮影:鹿摩隆司
銀行家アイゼンシュタイン役は、ベルリン・ドイツ・オペラなどで活躍するテノールのトーマス・ブロンデル。妻ロザリンデには、新国立劇場には『タンホイザー』エリーザベト以来の登場となるサビーナ・ツヴィラク、悪友ファルケにザルツブルク出身でウィーン国立歌劇場、ザクセン州立歌劇場(ドレスデン・ゼンパーオーパー)でも同役を歌っているラフェル・フィンガーロスが出演する。アデーレはハンブルクなどで活躍中のマリア・シャブーニア、フランクはトルコ出身のレヴェント・バキルジ、看守フロッシュには前回も同役に登場し、ウィーン風の酔っ払いポルカを披露したウィーンっ子ホルスト・ラムネクが、好評に応え再登場する。
そして宴の主オルロフスキー公爵には、ウィーンで研鑽を積みカウンターテナーとして羽ばたいた藤木大地が登場。新国立劇場オペラ研修所で学んで国際的なキャリアを築き、マルチな才能を生かして我が国クラシック界の中心を走る藤木大地が、オペラパレスのマスター・オブ・セレモニーとなって、観客を迎える。アルフレードはユーゲント・ヘルデンテノールとして大活躍中の伊藤達人、指揮はダルムシュタット歌劇場音楽総監督で、ドイツ語圏を中心に活躍する若手指揮者ダニエル・コーエン。豪華メンバーによる華やかな一夜を、劇場で楽しもう。
なお、本公演は文化庁劇場・音楽堂等における子供舞台芸術鑑賞体験支援事業により、『こうもり』に小学生~18歳以下(2007年4月2日以降生まれの方)の方203名様を招待する企画が実施される。
ウィーン郊外。 アイゼンシュタインは顧問弁護士の不手際で禁固刑を受け大憤慨。 しかし、悪友ファルケに誘われ、妻ロザリンデには「刑務所へ出頭する」と偽り、変装してオルロフスキー公爵邸の夜会へ。 そこで仮面の美女を妻と気づかず口説く。 翌朝、刑務所に出頭したアイゼンシュタインは駆けつけた妻の浮気を疑うが、 自分の浮気がばれて逆にやり込められる。 そこへ、この茶番劇の仕掛人ファルケが現れ、 「すべてはシャンパンのいたずら!」と大団円を迎える。
公演情報
令和7年度 文化庁 劇場・音楽堂等における子供舞台芸術鑑賞体験支援事業
ヨハン・シュトラウスⅡ世
『こうもり』
Die Fledermaus / Johann StraussⅡ
全3幕 〈ドイツ語上演/日本語及び英語字幕付〉
会場:新国立劇場 オペラパレス
予定上演時間:約3時間5分(休憩含む)
【前売り開始】2025年11月8日(土) 10:00~
スタッフ
【指揮】ダニエル・コーエン
【演出】ハインツ・ツェドニク
【美術・衣裳】オラフ・ツォンベック
【振付】マリア・ルイーズ・ヤスカ
【照明】立田雄士
【ガブリエル・フォン・アイゼンシュタイン】トーマス・ブロンデル
【ロザリンデ】サビーナ・ツヴィラク
【フランク】レヴェント・バキルジ
【オルロフスキー公爵】藤木大地
【アルフレード】伊藤達人
【ファルケ博士】ラファエル・フィンガーロス
【アデーレ】マリア・シャブーニア
【ブリント博士】青地英幸
【フロッシュ】ホルスト・ラムネク
【イーダ】今野沙知恵
【バレエ】東京シティ・バレエ団
【管弦楽】東京交響楽団
公演情報
※2007年4月1日以前に生まれた方は対象外となります
【受付期間】 2025年11月8 日(土)10:00~~2026年1月21日(水)12:00
詳細はこちら https://www.nntt.jac.go.jp/release/detail/23_030195.htm