広井雄士&塩田一期&新谷聖司「成長の物語をまっすぐ届けたい」 ミュージカル『フラガリアメモリーズ』~Promise of Love~インタビュー
左から塩田一期、広井雄士、新谷聖司
サンリオが贈る騎士道ファンタジープロジェクト「フラガリアメモリーズ」の舞台化第2弾、ミュージカル『フラガリアメモリーズ』~Promise of Love~が2025年11月に東京で、12月に兵庫にて上演される。
「フラガリアメモリーズ」は妖精たちが暮らす“フラガリアワールド”を舞台に、主(ロード)に仕えるフラガリアの騎士たちが謎の存在“シーズ”に立ち向かっていく騎士道ファンタジーだ。舞台化第1弾ではハローキティのフラガリア、ハルリットを中心とした〈RED BOUQUET〉6人の物語が描かれた。
今回上演される「~Promise of Love~」は、青の大陸を舞台とした〈BLUE BOUQUET〉にスポットが当たる。生まれ育った王国を飛び出し放浪していた青年クロードと、シナモロールに仕えるフラガリア、シエロモートの出会いをきっかけに、青の大陸の運命が大きく動き出すことに。
SPICEでは、クロード役の広井雄士、ルタールステラ役の塩田一期、ミュンナ役の新谷聖司にインタビュー。前作の公演を振り返ってもらいながら、初めて〈BLUE BOUQUET〉の6人が揃う本作への期待や魅力を語ってもらった。
――今作の脚本を読んでの印象はいかがでしたか?
広井雄士(以下、広井):前作のRED BOUQUET公演「~純真の結い目~」で描かれた新人騎士・ハルリットの眩しさとはまた違った成長模様がクロードを中心に描かれているなというのが印象的でした。
塩田一期(以下、塩田):そうなんですよね。RED BOUQUET公演はみんなで各国を巡るというお話でしたが、今回はそれとはまたガラッと変わっていて。クロードの成長を、みんながそれぞれの場所で母親のように見守っているという印象でした。そのなかで、それぞれが自分の守るべきものや信念について改めて向き合って、全員が成長できる素敵なお話だなと思いました。
新谷聖司(以下、新谷):前作とは本当に印象が違いますよね。RED BOUQUET公演はすごく明るいという印象でしたが、僕たちのお話はその明るい感じともまた違っていて……。あ、でも、暗いわけじゃないですよ!
広井・塩田:うんうん。
新谷:なので、みんなで楽しく頑張りたいなと、脚本を読んで思いました。
――前作は広井さんは映像出演という形でしたね。
広井:そうなんですよ、寂しかったです(苦笑)。前作は客席から観劇させてもらったのですが、RED BOUQUETの色というのがすごく出ていて、それが客席の奥の方まで届いてくるんですよね。真っ直ぐで爽やかで、すごく素敵な作品でした。
広井雄士
――出演された塩田さん、新谷さんは何か印象に残っていることはありますか?
塩田:実は僕たちは、役としての登場がない時間に、黒子として小道具を持って舞台に立って、いろんな国の世界観を作る役目もしていたんです。そこでRED BOUQUETのみんなのキラキラした笑顔を間近で感じて、改めてすごく素敵な世界にいるんだなと。サンリオキャラクターの世界の中に入っているんだなというのが実感できる時間でしたね。
新谷:本番以外でも面白かったエピソードがあるんですが、これは後で言おうと思います!(笑)
――では先に、ご自身が演じるキャラクターについてお聞かせください。BLUE BOUQUET公演に向けて、役作りのうえで考えていることや、難しいと感じていることなどはありますか?
塩田:全員がそうだと思うのですが、まずは第一に主(ロード)と、主(ロード)が治める国のことを考えることですよね。
広井・新谷:(大きく頷く)
塩田:そのうえで、ルタールステラとしてはやっぱり双子のクラークステラ(田中涼星)との関係性の部分が大事になってくるなと思っています。前作では、僕たちが双子であり、言葉がいらないくらい意思疎通ができるというのはチラッとお見せできたと思うので、そんな双子がどうやって国を守っているのか、それぞれどういう感情を持っているのか。そういった双子としてのちょっとした差を、涼星さんと一緒に作っていけたらいいなと思っています。
塩田一期
新谷:ミュンナはすごく可愛らしいキャラクターなんですが、同時にすごくかっこいいキャラクターでもあって。そこがミュンナを演じるうえでは大切な部分だと思うので、かっこいい部分もしっかり表現したいなと思います。
広井:僕はクロードの等身大な人間らしさが詰まっているところがめっちゃ好きなんです! 葛藤も抱えているから、お客様にも共感してもらえる部分が多いキャラクターだと思うし、そこが彼の魅力の一つだなと。だから、変にカッコつけようとせずに演じたいと思っています。兄・メロルド(安藤夢叶)への嫉妬心や劣等感から目を背けずに向き合っていくのが、今回のクロードの役目でもあると思うので、しっかり一緒に向き合っていけたらなと思います。
――今作でついに6人が揃います。どんな雰囲気のチームになりそうですか?
塩田:待ってたよ、雄士! 遅刻だよ遅刻!(笑)
広井:お待たせ(笑)。
塩田:RED BOUQUETが“ワンチーム”という感じなのに対して、僕らは個々の強さを出していく方が合っているのかなとは感じていて。先輩方にしがみつきながらも、同じ土俵に立てるように、何ならその背中も超えられたらいいなと。もちろん仲良くはしたいのですが、たくさん話し合って、先輩たちの盗めるところはどんどん盗んでいきたいです。雄士は今回、誰と初共演?
広井:今回、ほとんどの方と初めまして。それこそ聖司くんも初共演なんです。
新谷:そうなんです。お互い敬語だったから、今日から敬語をやめようってことになったばかりです(笑)。
新谷聖司
塩田:今日から!? そうだったんだ(笑)。
広井:そうそう。シロエモート役の植田圭輔さんはじめ初共演の方ばかりなのですが、先輩方に食らいつきながらも、BLUE BOUQUETとして全員でまとまったときに、どんな色をお客様にお見せできるのか、みんなで話し合っていけたらいいなと思います。
塩田:そういえば前回の稽古では、圭輔さんたちから「広井くんってどんな子?」って聞かれて。「本当に努力家で礼儀正しくて、めちゃくちゃいいヤツです!」って言ったら「それは安心だね」と。今回の脚本を読んだら、努力家で何事にも向き合っていくクロードの姿が、本当に雄士そのものだなと思ったんです。だから、稽古が始まったら圭輔さんたちも雄士にびっくりするんじゃないのかなと思います。
広井:すごく嬉しいけど、ハードル上がってない?(笑) でも、頑張ります!
――新谷さんはいかがでしょう?
新谷:僕も2人と同じ気持ちなので、ここではさっき言っていたエピソードを話そうかな。前回公演の楽屋が僕らBLUE BOUQUETの5人と、NOIR BOUQUETのバドバルマ役の當間ローズくんが一緒で、マチソワ間にUNOをやっていたんです。負けた人がみんなに飲み物をご馳走するというルールだったのですが、それを雄士くんも揃ったみんなでやりたいなと。
広井:楽しそう! 僕、UNOめちゃくちゃ強いけど大丈夫?
新谷:そうなの!? 前回は一期くんがすごかったんだよ!
塩田:最初は負けまくりだったんだけど、途中から一気に巻き返したからね。
広井:おお!
新谷:一度も負けなかったのって植さん(植田)だけだよね?
塩田:そうなんだよ。だから今回の目標は、圭輔さんに奢ってもらうことです(笑)。
広井:僕めっちゃ強いから、お任せください。
新谷:じゃあ雄士くんに任せよう。
――ちなみに一番ご馳走する回数が多かったのは?
新谷:……僕です(笑)。
一同:(笑)
新谷:最初は調子よかったんだけど、一期くんが巻き返したあたりから怪しくなっちゃいました(苦笑)。
塩田:今回は6人そろうから、またたくさんやろう!
――前作を経て、皆さんが感じている「フラミュ」の魅力とはどんなところでしょうか?
塩田:前回は客席通路を使用した演出が多くて、お客様の近くに行く機会が多かったのですが、お客様がみんなキラキラしているんですよ。僕らは衣裳やメイクなどの力で物理的にキラキラさせてもらっているのですが、お客様からは心の奥から出てくるキラキラがめちゃくちゃ伝わってきて。そんなハッピーが詰まっているのが「フラミュ」の魅力だなと思いました。
新谷:サンリオさんの企業理念が「みんななかよく」とのことなんですが、それは「フラミュ」にも通じるものがあるなと。公演を通して、キャストはもちろんお客様とも仲良くなっていくような感覚があって、それが魅力だなと思っています。
広井:僕は客席からの視点なのですが、Memori-es(メモリアズ)の皆さんが演じる国民が各国の色を感じさせる芝居をされていて、すごく素敵で。今作の顔合わせの際に演出の伊藤マサミさんがおっしゃっていた「細部にこそリアルが宿る」という言葉がまさに当てはまるのですが、国民がリアルだからこそ、フラガリアとして国民を愛して守っていこうと舞台上で感じられるんじゃないのかなと感じましたし、そこが魅力の一つだなと感じています。
――最後に代表して広井さんから、公演を楽しみにしている皆さんへのメッセージをお願いします。
広井:脚本を読んだときに、クロード役を任せていただけたことへの嬉しさが倍増しました。こんなにも人間臭くて、超えたいものがある彼の成長の物語を、お客様にもまっすぐな気持ちで観ていただけたらと思います。そして今回、BLUE BOUQUETが揃いますので、ぜひ「フラガリアワールド」に遊びにきていただけたら嬉しいです。
取材・文=双海しお 撮影= 荒川潤
公演情報
東京:2025年11月21日(金)~11月30日(日)シアターH
兵庫:2025年12月5日(金)~12月7日(日)AiiA 2.5 Theater Kobe
脚本 亀田真二郎
演出 伊藤マサミ(進戯団 夢命クラシックス)
音楽 和田俊輔
振付 HIDALI
出演
【BLUE BOUQUET】
シエロモート:植田圭輔
クロード:広井雄士
ウィルメッシュ:北園 涼
クラークステラ:田中涼星
ルタールステラ:塩田一期
ミュンナ:新谷聖司
ハルリット:酒寄楓太
メロルド:安藤夢叶
リミチャ:大見拓土
サナー:山野 光
【NOIR BOUQUET】
タッサム:岩崎悠雅
ピケロ:磯野 亨
菅井理久 堂元晴近 成海 龍 馬場亮成 藤本裕真 松井慧夢
【RED BOUQUET】
プルース:井澤勇貴
ロマリシュ:樫澤優太
バドバルマ:當間ローズ
チャコ:中山清太郎
アルペック:二階堂 心
ハンギョン:荒牧慶彦
A席:¥9,000(全席指定/税込)
一般発売 2025年10月18日(土)10:00
協賛 イープラス ファミリーマート
主催 ミュージカル『フラガリアメモリーズ』製作委員会
公演に関するお問い合わせ ネルケプランニング https://www.nelke.co.jp/contact/
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