立花日菜、1stコンサートに向けてインタビュー！「皆さんが望んでいるものをきちんと出していきたい」

2025年12月28日（日）になかのZERO 大ホールにて『Tachibana Hina 1st concert「LIVE IN HOLIC」』が開催される。本公演は声優アーティスト・立花日菜が『1st concert』を掲げて開催するもので、彼女のファンのみならず多くの人たちから注目を集めている。立花日菜は、2024年6月にTVアニメ『神は遊戯に飢えている。』エンディングテーマ「I’m GAME!」でアーティストデビュー。2025年3月には『P’s LIVE! 08 ～P's GR∞VE～』にて自身初となるフェス形式のライブに出演すると、同年9月には1stアルバム『HOLIC』をリリースし、その確かな歌唱力で聴くものを魅了し続けている。そんな彼女の今回の公演は1stアルバム『HOLIC』を引っ提げてのもの。今回はそんな重要なイベントを目前に控えた立花日菜にインタビュー。公演への意気込みや今年一年の活動で学んだことなどを大いに語ってもらった。

――2025年も間もなく終わろうとしていますが、今年を振り返っていかがでしたか？

あっという間だったというか、まだ終わる実感がないというのが正直なところです。実は『Tachibana Hina 1st concert「LIVE IN HOLIC」』の開催が決まったのが結構前で、これが終わらないと年末が来ない、という感覚が以前からあったんです。なので今は大仕事を前に張り詰めた状態という感じです。とは言いつつ今年一年で身についたことは色々とあるのは感じていて、そのなかでも大きいのは体調管理が上手になったことじゃないかと思います。私はもともと夜型人間で、ゲーム好きでもあるので夜更かしをしてしまいがちなんですね。でも今年はちゃんと寝ないと身体にガタがくることを痛感して……。なので仕事はガムシャラにがんばりつつも、きちんと睡眠時間を確保するようには意識していました。おかげで多少体調が悪くなっても大事にはいたらない程度におさめることができました。

――アーティスト活動も多くなると体調管理は大事ですよね。そして音楽活動ではフェス形式イベントに積極的に出演していたのも印象に残りました。

フェス形式のイベントに出演するのは今年3月の『P's LIVE! 08 ～P's GR∞VE～』が初めてだったのですが、ソロでのイベントとも、コンテンツを背負って出演するイベントとも空気感が全然違って。お客さんは私だけを見にきているわけではないので、はじめましての人を楽しませつつ、いつも会いにきてくれる人たちに、いかに気持ちを伝えるかはすごく考えました。そんななか、共演者の先輩たちがどうやってお客さんを楽しませているのかも参考になって、それを見習って振り付けをお客さんと一緒にやったり。皆さんとのコミュニケーションを楽しみながらのライブができるようになったのではないかと思っています。

――フェス形式のイベントに出演することで、ライブに関するノウハウも身についた。

そうですね。ちょうど先日まで1stアルバム『HOLIC』発売を記念したフリーライブで3都市を巡っていたのですが、そこでもそんなノウハウは役立ちました。フリーライブだと初めましてのお客さんも多く来てくださるのですが、そんな環境でも皆さんを楽しませられるパフォーマンスができたんです。これまでは私のことを応援してくださる皆さんの前で「がんばってるよ！ 成長してるよ！」ということを皆さんに届けることに力を入れていたのですが、今年は私のことを知らなかった人たちにもきちんと自己紹介になる、そんなパフォーマンスができるようになったのではないかと思っています。

――そんな成長を経て開催されるのが『Tachibana Hina 1st concert「LIVE IN HOLIC」』です。

緊張します……いや、そうでもないかな……？ なんだかまだ実感がわかない部分が多くて、すごい緊張している日もあればそうでもない日もあるんです。とは言いつつ『1st concert』と銘打ったイベントが開催できるのは今回だけなのでプレッシャーは感じています。これまでコンテンツを背負ったライブに出演したことは何度もあるのですが、単独で、しかもガッツリ歌唱するイベントは今回がはじめて。なので「本当に場が持つのかな」なんてことも心配で……。

――皆さん立花さんを観にくるわけですから、心配しなくてもいいと思いますが（笑）。そんなお気持ちのなか、今まさにライブに向けてのレッスンも進んでいるかと思います。

はい、すごく勉強になると感じながらレッスンをしています。今回のライブにはダンサーさんも出演してくださるのですが、皆さんと共にパフォーマンスすると格段に華やかさが増すんです。それを見ていると、私がこれまで見てきたライブにもいろんな工夫が張り巡らされていて、そのおかげで充実した内容でありつつ、演者がバテることのないステージが作り上げられていたんだ、と思って。ステージの裏側を覗かせていただいているようで勉強になります。

――楽しみながら知識を吸収しているのが伝わります。

そうなんですかね？ もちろん楽しみながら準備をしてはいるのですが……。私は自分がステージに立つようになるまでライブに足を運んだことがほとんどなくて。それで「こういう煽り方をするとお客さんがついてきてくれるんだ！」というようなことを今になって学んでいる感じなんです。そのせいか「これで本当に楽しいライブが作れているのだろうか？」という不安は常にあって……。そんななか今はパッションではなくロジックで、トライアンドエラーを繰り返しながら皆さんに楽しんでもらえるライブを作っています。

――今回のライブはアルバム『HOLIC』を引っ提げてのものとなります。本アルバムから多くの曲を披露するかと思いますが、ライブで歌うのが楽しみな曲はありますか。

『HOLIC』収録曲に限らず私の持ち曲のほとんどを披露することになるとは思うのですが、なかでも「この場所で、また」は楽しみですね。この曲はライブの最後に歌うことをイメージして制作しているので、ライブで皆さんに届けないと作った意味がなくなってしまうし、ライブで歌うことで曲が真の完成に至る、と思っていて。プレッシャーもありつつですが披露することにワクワクしています。「この場所で、また」を聴いた皆さんに感動していただけるパフォーマンスを目指したいと考えていますが、その感動が“涙の感動”なのか“笑顔の感動”なのかは披露するまでは未知数だなとも思っていて。

――そうですね。ライブで「この場所で、また」がどのような曲として完成するのかが楽しみです。そして「Honey Bee」はポエトリーラップ調の曲で、ライブでどう化けるかも楽しみです。

私の曲はノリノリの曲が多いので、ライブではいいアクセントになってくれると思っています。私が演じる『アイドルマスターシンデレラガールズ』の久川凪ちゃんはポエトリーラップ調の曲を歌うことが多く、私自身こういう曲をうまく歌える自信はあったんです。ただ、それを立花日菜としてライブで披露するとなると、どんな感じがいいのかまだ模索中で。『HOLIC』リリース時には「『Honey Bee』が好き！」と言ってくださった方も多くいたので、期待に応えられるパフォーマンスにしていきたいと思っています。

――『HOLIC』のリード曲でもある「Pink Twinkle Wink」もライブでの見どころとなりそうですね。

この曲は既にフリーライブでも披露しているのですが、どの会場でも皆さんすごく盛り上がってくれて。そんな本楽曲を今回は振付ありで歌うので、皆さんに一層色の濃いパフォーマンスを届けられるのではないかと思っています。なかでも皆さんが楽しみにしているのは「きゅるきゅるりん」の部分だとは思うのですが。

――確かにそこは楽しみです。フリーライブの際はお客さんと声を合わせていたのでしょうか。

皆さん「来るぞ!!」みたいな感じで黙って聴いてくれるんです。私のライブのお客さんはジッと集中してライブを楽しむ方が多くて、それを見ていると私自身もライブのときにそういう楽しみ方をしているなって思うんです。一方で、仲のいいアーティストの矢野妃菜喜ちゃんのライブなんかは、もうみんな思いっきり頭をふって、妃菜喜ちゃんもガンガンにお客さんを煽ったりするんですよ。そこは私のライブとは全然違って、そういうところにもアーティスト性が反映されると思うと面白いですよね。今回の公演では私のことを見てくれる皆さんが望んでいるものをきちんと出していきたいと思っています。

――最後に、ライブを楽しみにしている皆さんにメッセージをお願いします。

声優としての活動をはじめて8年ほど経つのですが、これだけ続けてもまだ新しいことに挑戦できるのってすごくありがたいことだと思っています。私自身今回のライブに向けてすごくドキドキしているし、皆さんもドキドキしているかとは思いますが、皆さんが期待しているもの、見たいと思っているものをお届けできるよう準備を進めています。衣装に関しても今回のライブをイメージした素敵な衣装を用意していただいています。そういったところも単独ライブだからこそ楽しめるものだと思いますので、ぜひ遊びにきてください。

取材・文：一野大悟