NODA・MAP『華氏マイナス320°』の上演が決定 阿部サダヲ、広瀬すず、深津絵里ら出演で「正しくない科学に基づいた、正しくないSF」を描く

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NODA・MAP第28回『華氏マイナス320°』(左から)阿部サダヲ、広瀬すず、深津絵里

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2026年、野田秀樹率いるNODA・MAPが、待望の第28回新作公演を上演することを発表した。その名も、『華氏マイナス320°(さんびゃくにじゅうど)』。

知的にして不敵なまでに観客の妄想力をざわつかせる、野田からの挑戦状のようなタイトルだ。作家レイ・ブラッドベリが1953年に発表した『華氏451度』はディストピアSF小説だったが、この『華氏マイナス320°』なる戯曲は、野田曰く……

「正しくない科学に基づいた、正しくないSF(サイエンス・フェイクション)」 だという。

舞台のはじまりは、とある化石の発掘現場。そこでは久しぶりにさまざまな化石の骨が次々と発掘されるものの、発掘チームは目もくれない——そう、彼らが捜しているのは、「謎の骨」なのだから——この「謎の骨」の「謎」をめぐって、物語は現代から中世、さらには古代をも往還していく。果たして「謎の骨」の正体とは?

NODA・MAP第28回『華氏マイナス320°』

この度、出演者も解禁となった。本作に集結したのは前代未聞の豪華キャスト。
まずは、阿部サダヲ。阿部は、2021年の番外公演『THE BEE』(原作 筒井康隆『毟りあい』)以来、5年ぶり5度目の参加となる。その繊細かつ豊かな身体性を誇る演技で観客を魅了してやまない阿部が、本作でどんな姿を見せるのか。そして、広瀬すず。22年の「『Q』:A Night At The Kabuki」ロンドン公演の劇評で「彼女が舞台に出てくると、観客は⽬を離せない。どんな演出の『ロミオとジュリエット』であってもきっと素敵なジュリエットを演じてくれることだろう」(Lost in the Theatreland より)と評された広瀬。2作目の舞台出演に期待が高まる。さらに、深津絵里。1997年の『キル』以来、過去6作(出演8度)に出演。その数を見ても、野田がその表現力に絶大な信頼を寄せていることが分かる。『エッグ』以来、実に14年ぶりとなる新作で、野田は深津にどんな新しい役を託すのか。しかも、広瀬と深津は本作で初の共演が実現する。

この3人に、大倉孝二、高田聖子、橋本さとしという、歴戦の経験に裏打ちされた比類なき猛者たちが絡み合う。常に特異な存在感を放つ大倉は、2023年『兎、波を走る』における怪演も記憶に新しい。シリアスからコメディまでジャンルを問わず圧倒的な演技力で知られる高田は、実に15年ぶりのNODA・MAP作品に。やはり数多の作品で盤石な演技を見せる橋本は、広瀬と同じく「『Q』:A Night At The Kabuki」(再演)以来4年ぶり NODA・MAP参加となる。この上に、重鎮・橋爪功が登場。『フェイクスピア』に続いて5年ぶりのNODA・MAP参加となる御年84歳の大ベテランが演じるのは如何なるキャラクターか。また、川上友里がNODA・MAPに初出演。舞台を中心に数々の映像作品でも活躍中の川上が担う役割とは。ここに野田秀樹を交えた9人の実力派俳優が一同に会する。さらに、野田戯曲の演出には欠かせない16名のアンサンブルキャストが縦横無尽に時空をかける SF(サイエンス・フェイクション)を彩っていく。

『華氏マイナス 320°』は2026年4月10日の東京初日を皮切りに、北九州、大阪にて公演。さらに、英語タイトルを『-320°F』(読み:Minus Three Twenty Fahrenheit)として、7月、ロンドンはサドラーズ・ウェルズ劇場で公演を行う。長年にわたる積極的な海外公演で高い評価を受け続けてきた野田秀樹だからこそ実現する、異例の初演作品によるロンドン公演となる。

正しくない科学に基づいた、正しくないSF(サイエンス・フェイクション)によって、野田が提示する新たな劇世界とは!? 2026年、東京、大阪、北九州、そしてロンドンを席巻する NODA・MAP 第28回公演『華氏マイナス 320°』に注目しよう。

出演者コメント

■阿部サダヲ
『逆鱗』以来10年ぶりに大型の新作公演にお声がけ頂いてとにかく嬉しく思っています。
新作のタイトル、華氏、しかも、マイナスとお聞きして、何が起きるんだろうという期待感を持ちました。出演者の皆さんも、面白いことをされそうな素晴らしい方たちが集まっていて、自分は出演せずに客席から作品を観てみたい!と思うほどです。
今回、僕は初めてのロンドン、そして公演も控えているわけですが、外国のお客様の前で公演するのも初めてなので、とにかく今から楽しみです。

■広瀬すず
『Q:A Night at The Kabuki』初演(2019年)では、初めての舞台で、まだ生の舞台の怖さを分からず、ただ自由に楽しく、感情の動くままに舞台に立っていましたが、再演(22年)では、回数を重ねたことで、改めて責任感と相当な緊張感を感じました。
3回目の舞台出演になりますが、今回も個性豊かで素敵な先輩方とご一緒出来ることを光栄に思いますし、色々な舞台の表現というものを勉強出来たらと思っています。
タイトルを聞いて、調べてみましたが、きっと全然違う中身になっていくと思うので、どんな世界に連れていかれるのか、本当に想像がつかず、ドキドキしています。

■深津絵里
野田さんと出会ったのは、22歳の時。それから30年。
こんなに長くご一緒している方は、他にいません。
その野田さんの新作! しかも、70歳になられた野田さんが最初にこの世に生み出す作品に、
私の何かが必要とされているなんて。
とても光栄で、素直にうれしいです。
どんなことになるのか全く想像がつかないこの作品を、どんなことがあってもへっちゃらそうな心強いキャストの皆さんとともに、覚悟を持って務めたいと思います。

公演情報

NODA・MAP第28回『華氏マイナス320°』
 
作・演出:野田秀樹
 
キャスト:
阿部サダヲ 広瀬すず 深津絵里
大倉孝二 高田聖子 川上友里 橋本さとし 野田秀樹 橋爪功
 
安東信助 大村わたる 近藤彩香 白倉裕二 谷村実紀 田花遥
中澤聖子 中島多羅 八条院蔵人 引間文香 藤井颯太郎
間瀬奈都美 MISAKI 的場祐太 森田真和 吉田朋弘

 
スウィング 横山千穂 菊沢将憲

美術:堀尾幸男 美術補:秋山光洋 照明:服部基 北澤真
衣裳:ひびのこづえ 美粧:柘植伊佐夫 音楽:原摩利彦 音響:中原楽
振付:井手茂太 映像:上田大樹 舞台監督:瀬﨑将孝 プロデューサー:鈴木弘之 
 

<東京公演> 
【日程・会場】2026年4月10日(金)~5月31日(日)東京芸術劇場プレイハウス
2026年3月8日(日)10時一般発売
【料金(全席指定・税込)】 S席 13,000円 A席 8,500円 サイドシート 5,700円※
 ※25歳以下の方は、サイドシート 3,000円でご購入いただけます。
鑑賞サポート:要予約(イヤホンガイド開発事業部までお問合せください。)
MAIL:e_kaihatsu@eg-gm.jp TEL:03-3542-0831(平日 10 時~17 時) FAX:03-3546-0265
〈視覚障害者のための舞台説明会〉 5/3(日・祝)14:00、5/13(水)14:00
〈聴覚障害者のためのポータブル字幕機提供〉 4/29(水・祝)14:00、5/10(日)14:00
託児サービス:定員あり/事前予約制/有料 株式会社明日香 TEL:0120-165-115(平日 9時~17時)
主催:NODA・MAP
共催:東京芸術劇場(公益財団法人東京都歴史文化財団)
お問合せ:NODA・MAP TEL:03-6802-6681(平日 11時~19時)

<北九州公演>
【日程・会場】2026年6月6日(土)~6月14日(日)J:COM北九州芸術劇場 大ホール
2026年3月8日(日)10時一般発売
【料金(全席指定・税込)】S席 13,000円 A席 8,500円 サイドシート 5,700円※
 ※25歳以下の方は、サイドシートを3,000円でご購入いただけます。(劇場のみ取扱い)
託児サービス:定員あり/事前予約制(公演初日の7日前まで受付)/有料
主催:(公財)北九州市芸術文化振興財団
共催:北九州市
お問合せ:J:COM北九州芸術劇場 TEL:093-562-2655
 
<大阪公演> 
【日程・会場】2026年7月22日(水)~8月2日(日)新歌舞伎座
2026年6月14日(日)10時一般発売
【料金(全席指定・税込)】S席 13,000円 A席 8,500円 サイドシート 5,700円※
※25歳以下の方は、サイドシートを3,000円でご購入いただけます。
主催:NODA・MAP
後援:FM COCOLO/FM 802
運営協力:キョードー大阪
お問合せ:NODA・MAP TEL:03-6802-6681(平日 11時~19時)
キョードーインフォメーション TEL:0570-200-888(平日 12時~17時)

【当日券】全公演、販売いたします。
(当日券の発売情報詳細は主催へお問合せください)
 
 【高校生割引】1,000円(全席指定・税込/事前申込制/要学生証)
販売に関する詳細は、決定次第、公式HPでお知らせいたします。
 
 
ロビー開場は開演の45分前、客席開場は開演の30分前です。
 
■車いすでご来場のお客様は、スムーズなご案内の為、前日までにご購入席番を各公演のお問合せ先までご連絡ください。
■未就学児はご入場いただけません。
■不正転売やそれを目的とした購入・譲受けは、法律により禁じられています。
は必ず正規ルートから直接ご購入ください。
■公演中止の場合を除き、払戻しはいたしません。
 
企画・製作:NODA・MAP 
 
公演に関するお問合せ:NODA・MAP TEL:03-6802-6681 https://www.nodamap.com/kashi/
NODA・MAP ホームページ https://www.nodamap.com 

公演情報

NODA・MAP第28回『華氏マイナス320°』
ロンドン公演(英語字幕あり)

【日程・会場】2026年7月2日(木)~7月11日(土)Sadler’s Wells Theatre
Rosebery Ave, London EC1R 4TN https://www.sadlerswells.com/
 
2026年、NODA・MAPの大規模作品が、三たび、ロンドンの地を踏む。
コロナ禍の終息前の2022年9月、日本と海外の文化的な交流が途絶えていた時期に、19年に日本初演した『A Night At The Kabuki』(日本語タイトル:『Q』: A Night At The Kabuki)を、野田秀樹初の大規模公演初のロンドン公演として、世界有数のダンスシアターである Sadler’s Wells Theatreにて上演。3日間の公演は完売し、短期の公演では困難と言われていた、The Times 文化面のトップを飾り、4つ星を獲得した。

約2年後の24年10月~11月には、同年7月に東京で初演した『正三角関係』を、東京・北九州・大阪で4か月間/76回上演ののちに、同じくロンドンのSadler’s Wells Theatreにて、英語タイトル『Love in Action』として上演した。同公演では、公演回数を4回に増やし、約6,000席を完売。現地ロンドンの観客はもちろん、日本だけでなく、アジアやヨーロッパ各地からも多くの観客が駆け付けた。日英の文化に精通する翻訳チームと野田が多くの時間をかけて作り上げた英語字幕は、野田戯曲の美しいセリフや言葉遊びを高い精度で再現し、現地の観客たちは、舞台上の役者の演技と字幕を同時に堪能し、キャスト陣の身体表現豊かな演技と野田の演出に、時に笑いや声を上げて反応しながら、野田の創り出す劇世界に入り込んでいた。そして、衝撃のラストシーンでは、客席はしばしの沈黙に包まれたのち、カーテンコールでは万雷の拍手とスタンディングオベーションでキャストへの賛辞が贈られた。
通常、海外公演を行う作品は、前年以前に初演した作品であることが多く、初演で海外公演を実施することは極めて珍しく、日本側カンパニーにとってはもちろん、迎え入れる劇場側にとっても、大きなチャレンジとなる。スタッフにとっては、初日開幕を目指して創り上げる舞台セットや小道具等を、海外公演のための別スケジュールで進行する必要があり、作家である野田にとっても、翻訳された戯曲や字幕の確認が必要になる。

そうしたハードルをも新作創作過程の1つに組み込み、さらに多くの現地の観客数を呼び込むべく、ステージ数を拡大、英語タイトル『-320°F』(読み:Minus Three Twenty Fahrenheit)として、2年ぶり3度目の大規模作品のロンドン公演に臨む。
 
主催:NODA・MAP
助成:グレイトブリテン・ササカワ財団
お問合せ:NODA・MAP TEL:03-6802-6681(平日 11時~19時)
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