DIR EN GREYにしか成し得ない究極のエンタテインメントショー
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DIR EN GREY
DIR EN GREY『ARCHE』 2016.2.5(Fri) 日本武道館
2月5日(金)、2月6日(土)に、日本武道館2DAYS公演『ARCHE』を行なったDIR EN GREY。通算9枚目のフルアルバム『ARCHE』(2014年12月発売)以降の一連のツアーのファイナル公演にあたるもので、バンドにとっては通算10回目となる武道館公演だ。ここでは初日の公演をレポートする。
この日の武道館はいつになく祝祭感に満ちていた。物販ブースは、正午の時点で早くも長蛇の列を成す盛況ぶり。会場外には『ARCHE』のジャケットオブジェが飾られ、メンバーが使用した楽器の展示スペースなどが設けられていた。ツイッター上で #ARCHE のハッシュタグを付けて投稿されたつぶやきや写真が表示されるスクリーンも設置。こういうファン参加型の仕掛けは新しく、会場周辺を歩くだけでも期待感は増すばかりだった。
DIR EN GREY
定刻を少し過ぎたところで照明が暗転すると、悲鳴にも似た歓声が会場を包んだ。ステージの後方に設置されている特大スクリーンに『ARCHE』のモチーフが怪しく浮かび上がり、SEに合わせてゆっくりと場面を変えていく。まるで映画のイントロダクションのように壮大なオープニングだ。
「Un deux」から始まったこの日のセットリストは、途中「and Zero」「てふてふ」を挟んでアルバムを曲順通りに披露するという『ARCHE』の完全再現ライヴだった。そのまま「咀嚼」へと繋がり、心地よい緊張感が張り詰めたままライヴは進行していく。目まぐるしく映し出されるスクリーンの映像が、楽曲の世界観をさらに濃厚にしていくのだが、映像や照明を駆使した演出はアルバム『ARCHE』によく似合っていて、素晴らしく芸術的であった。
DIR EN GREY
ハードなナンバー「鱗」では、ラウドでスリリングな展開に会場の熱量はさらに増していく。マシンガンのような音塊もさることながら、ファルセットからグロウルまでを華麗に操る京のヴォーカルワークはやはり凄まじい。ARCHEとは、ギリシャ語で“根源”という意味だ。DIR EN GREYの音楽の根源にあるテーマは、“痛み”である。客席のヘドバンの波は、まるでその“痛み”に共鳴しているかのよう。美しく整合されたその景色は、完全にDIR EN GREYの世界の一部になっていた。ファンと共に創り上げる。ライヴというのは得てしてそういうものだけれど、この日の武道館は特にそんな感覚が強かった。
重厚に聴かせた「Phenomenon」から、オイコール、ジャンプ、ヘドバンと右肩上がりに客席の熱量を上げた「Cause of fickleness」では、炎が噴き出す演出も加わってライヴはいよいよマックスに。
DIR EN GREY
Shinyaのドラミングが印象的だった「濤声」は、特に美しさが際立っていた。「輪郭」はその奥深さがリアルな音像で描かれる。アルバムの中では少し浮いているようにも感じていたが、今のDIR EN GREYのライヴにおいてはキー曲なのだと改めて感じた。
「Chain repulsion」では再び空気を変える。「Midwife」での身体をくねらせて歌う京の姿は、この世の物とは思えないほどの狂気を放っていた。さらにカルト的な演出で観客を魅せたのは「禍夜想」だ。激しさと儚さが表裏一体となった、極限の緊張状態。真っ赤な照明を浴びて浮かび上がる京のその禍々しさに、たまらず息を飲んだ。そこから傷を舐めるような薫のギターへと繋がり、「and Zero」でしっとりとその情景を変えると、続く「てふてふ」では内燃するエネルギーを音に昇華させていく。「懐春」の哀愁たっぷりのDieのギターもまた渋くてかっこいい。スモークが立ち込める幻想的な空間を創り上げた「Behind a vacant image」では、再び大合唱が沸き起こった。躍動的にみせる「Sustain the untruth」で高揚感を加速させ、本編ラストの「空谷の跫音」をしなやかに熱演。これにてアルバム『ARCHE』は終焉を迎えた。
DIR EN GREY
「かかってこい!」
京のシャウトを合図に「The Inferno」でスタートしたアンコールでは、本編とはがらりと空気が変わった。人気曲「Revelation of mankind」でボルテージはマックスに。「THE FINAL」は、この日のライヴの中でもとりわけアンセミックに響いていた。「朔-saku-」では、DIR EN GREYと書かれた特大のバックドロップが登場し、客席は狂ったように盛り上がる。「【KR】cube」では、Toshiya(Ba)もステージの端まで走り客席をさらに煽っていた。
「俺らとひとつになれんのか!」
京がそういって放ったラストナンバー「CHILD PREY」では、怒号のような歓声と合唱が鳴り止まなかった。
痛みと狂気を目の当たりにしながらも、終演後には多幸感に包まれるのだから不思議だ。これぞ唯一無二。DIR EN GREYにしか成し得ない究極のエンタテインメントショーであった。
ここで一旦の区切りをつけたアルバム『ARCHE』の楽曲が、今後どんな風に深化していくのか。バンドの動向と共に注目していきたい。
撮影=江隈麗志(Youth)、福士 絢 文=MAY-E
DIR EN GREY
01.Un deux
02.咀嚼
03.鱗
04.Phenomenon
05.Cause of fickleness
06.濤声
07.輪郭
08.Chain repulsion
09.Midwife
10.禍夜想
11. and Zero
12.てふてふ
13.懐春
14.Behind a vacant image
15. Sustain the untruth
16.空谷の跫音
01.The inferno
02.Revelation of mankind
03.THE FINAL
04.朔-saku-
05.【KR】cube
06.CHILD PREY
2016年6月発売
シングル(タイトル未定)
2016年7月発売
6/3(金)【愛知県】Zepp Nagoya [★]
6/4(土)【愛知県】Zepp Nagoya [★]
6/11(土)【宮城県】仙台PIT
6/12(日)【宮城県】仙台PIT
6/16(木)【大阪府】なんばHatch [★]
6/17(金)【大阪府】なんばHatch [★]
6/19(日)【岡山県】倉敷市芸文館
7/1(金)【東京都】新木場STUDIO COAST [★]
7/2(土)【東京都】新木場STUDIO COAST [★]
[OPEN/START] 17:15/18:00
6/3,16,17、7/1は、18:15/19:00
[席種・
■1Fスタンディング/全席指定 ¥6,000(税別)
[★]Exclusive Ticket (2F指定席・オリジナル特典付き) ¥11,000(税別)
※Exclusive Ticketは★公演のみ、またOFFICIAL FAN CLUB 「a knot」 会員のみご購入いただけます。
[総合問合せ] NEXTROAD 03-5114-7444 (平日14:00~18:00)
<
■OFFICIAL FAN CLUB 「a knot」
[受付期間] 2/6(土)21:00~2/28(日)23:59
※2/1時点有効会員様が対象となります。
■OFFICIAL FAN CLUB 「a knot」
[受付期間] 3/1(月)12:00~3/13(日)23:59
※1/21~2/20までにご入会・ご更新(ご入金)いただいた方が対象となります。
※現会員様もお申込みいただけます。
■OFFICIAL MOBILE SITE DIR EN GREY ONLINE
[受付期間] 3/14(月)12:00~3/30(水)18:00
※受付期間中にご入会いただいた方も対象となります。
■OFFICIAL SITE
[受付期間] 3/22(火)12:00~4/13(水)18:00
※どなた様でもお申込みいただけます。
「TOUR16-17 FROM DEPRESSION TO ________ [mode of DUM SPIRO SPERO]」
「TOUR16-17 FROM DEPRESSION TO ________ [mode of 鬼葬]」
and more…
■4月29日(金・祝) 22:00~22:30
DIR EN GREY [ARCHE] 日本武道館 Special Edition
■5月21日(土) 21:00~23:00
DIR EN GREY [ARCHE] 日本武道館 Perfect Edition
放送スケジュールの最新情報は ▷ http://otn.fujitv.co.jp/direngrey/