西島秀俊、1,650人からの喝采に「とても幸せな上映」 映画『クリーピー 偽りの隣人』ベルリン国際映画祭ワールドプレミア
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左から 竹内結子、黒沢清監督、ディーター・コスリックベルリン映画祭ディレクター、西島秀俊、香川照之
映画『クリーピー 偽りの隣人』が第66回ベルリン国際映画祭ベルリナーレ・スペシャル部門に正式出品され、現地時間2月13日(土)にワールドプレミア上映された。映画祭には出演した西島秀俊、竹内結子、香川照之、そして黒沢清監督が出席し、記者会見や舞台挨拶を行った。
レッドカーペットに参加する西島秀俊、香川照之
黒沢監督にとって、ベルリン国際映画祭は、第49回(1999年)でフォーラム部門に出品した『ニンゲン合格』以来17年ぶり。主演の西島は第52回(2002年)パノラマ部門出品の『いたいふたり』(02/斎藤久志監督)以来、14年ぶりのベルリン。 同作の現地での注目度は高く、公式上映の
左から西島秀俊、黒沢清監督、竹内結子 記者会見でのようす
記者会見で、黒沢監督は「怖いから始まり、徐々に引きこまれて心がウキウキしていく、滅多に観れない映画になったと思います。興奮を感じて欲しいです」 「家族という基本的なコミュニティと思われていたものが壊れてきて、孤独と隙間が生まれています。映画はそこにつけ込んだ悪意を描きました。家族と言う単位が揺らいでいる原因の根は、とても深いと思います」と作品の意図を説明している。
西島秀俊、黒沢清監督、竹内結子、香川照之 記者会見でのようす
上映後の舞台挨拶では、西島が「これほどの盛り上がりはこれまでにないほど。とても幸せな上映でした。」とコメント。香川はドイツ語で「皆さん、こんばんは。香川照之です。私は映画のキャラクターと同じ性格です」と自身が演じた”奇妙な隣人”にかけた挨拶をすると観客が大爆笑する場面も。さらに、以下のようなやりとりがあった。
黒沢監督は「こんな気味の悪い映画を、こんな美しい会場で上映するということを決断していただいたベルリン映画祭には本当に勇気があるなと、深く感謝いたします」「世界で初めての上映で、大きな劇場だったので、不安もあったが、満席の客席と、上映中のお客さんの反応がとても嬉しかったです」と感想を語る。また「映画の中ではかなり変な人ばかり出てくるのですが、ここに並んでいる3人の俳優は、普段はみんな紳士的で優しい人たちだということをこの場を借りて言っておきたいと思います」とコメント。
すると西島は「香川さんはちょっとクレイジーなところがあります(笑)」 と応え、場内は爆笑。 「ベルリン映画祭に呼んでいただいたことを、そしてこんなに素晴らしい劇場で、たくさんの皆さんに観ていただいたことを非常に光栄に思っています。ありがとうございます」 「とても大きな劇場で、入った瞬間に驚きました。観客の皆さんと一緒に映画を観て、とても楽しんで観てくれていると感じた。盛り上がりと反応の良さは、これまで感じた事が無いほどで、とても幸せな上映でした」と喜びを語った。
竹内は 「ああ、これが映画祭ってやつか、ってお客様の反応を見ながら感じました。こうやって反応してくださる方がいて、こうやって映画が完成するんだなって、この作品に出演できてすごく幸せです。とても素晴らしい体験をありがとうございました」と、 香川もは「黒沢監督のような本当に素晴らしい監督とともにベルリンの地に立てたことに本当に感謝します。黒沢監督ありがとう。そして最後まで見てくださって本当にありがとうございます」 「これほど拍手が起きた上映は、今までで一番かもしれません」とそれぞれコメントしている。
左から 西島秀俊、竹内結子、香川照之 フォトコールにて
『クリーピー 偽りの隣人』は6月18日(土)より全国公開
6月18日(土) 全国ロードショー
六年前の一家失踪事件を調べる犯罪心理学者。愛する妻と引っ越した先の隣人は、人の良さそうな父親と、病弱な母親、中学生の娘。ある日、その娘が突然告げる。 「あの人、お父さんじゃありません。全然知らない人です。」 未解決の事件と、隣人一家の不可解な関係。二つの繋がりは、本当の恐怖の始まりでしかなかった。
出演:西島秀俊 竹内結子 川口春奈 東出昌大 香川照之 藤野涼子 戸田昌宏 馬場 徹 最所美咲 笹野高史
監督:黒沢清
原作:「クリーピー」前川 裕(光文社文庫刊)
脚本:黒沢 清、池田千尋
音楽:羽深由理
製作:「クリーピー」製作委員会
制作:松竹撮影所
配給:松竹、アスミック・エース
(C)2016「クリーピー」製作委員会