【AnimeJapan 2016】三大アニメコンベンションに突撃取材!

インタビュー
アニメ/ゲーム
2016.3.25
商談で賑わうANIME JAPANビジネスブース

商談で賑わうANIME JAPANビジネスブース

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アニメのすべてがここにある、をキャッチフレーズに開催される『AnimeJapan 2016』。ビジネスデーでは商談スペースのみの開放となっている。そこで我々は海外アニメコンベンションの3強である「ANIME FESTIVAL ASIA」(東南アジア)、「ANIME EXPO」(北米)、「JAPAN EXPO」(欧州)の各ブースにてインタビューを敢行してきた。イベントの首脳陣から伺った、アニメコンベンションの魅力に注目して欲しい。

■ANIME FESTIVAL ASIA(AFA)

――AFAさんの特徴と魅力を改めてアピールしていただけますか。

AFAは東南アジア最大の、アニメと日本のカルチャーを紹介するイベントです。3つのイベントを通して、のべ20万人が参加しました。

――今年のイベントはどんな予定になっていますか?

AFA:AFA2016は8月にタイ、9月にインドネシア、11月にシンガポールを予定しています。これに加えて、別途で『AnimeMatsuri』というイベントも準備しておりまして、マレーシアのペナンで5月、シンガポールのショッピングモールを借りてのAnimeMatsuriが6月に開催されます。我々は基本的にこのAFAとAnimeMatsuriという2つのブランドで、日本のアニメを始めとして文化を紹介しています。

――アジアでのアニメの広がり方はどういった感じでしょうか?

AFA:結構人気が高いですね。特にシンガポールでは声優さん、アニソンシンガーさんのファンも多く、非常に人気の広がりを見せていますね。

――どういった方が人気ですか?

AFA:その年の作品によって変わりますね。去年ですと神谷浩史さん、女性ですと花澤香菜さんなどが人気です。アニソンではLISAさんが人気だったりします。

――日本とほとんど変わらないんですね。作品の放送もほぼ同時なんですか?

AFA:去年は『ソードアート・オンライン』でしたが、今は『だがしかし』が人気ですね(笑)。

――結構日本からもAFAに参加している人がいるんですが、多彩な国からの参加者が見受けられるようになりましたね。

AFA:私が知るかぎりでは、カナダから参加されたお客様がいらっしゃいましたね。シンガポールを例に上げると、7割はシンガポールのお客様ですが、残り3割は海を渡って年に1回集まってパーティーをする、みたいな感じになっていますね

――2016年の展望や、発表できるサプライズはありますでしょうか?

AFA:今年はタイ、インドネシア、シンガポールを同じアーティストを引き連れたキャラバン方式で回っていきたいな、と考えています。

――それは楽しそうですね!

AFA:普通のコンベンションですと、展示の部分しかないことが多いです。AFAはコンベンションとライブを料金も別に分けてしまい、ライブするなら小さいブースとかを用意するんじゃなくて、大きなホールを抑えて、コンサートとしてのクオリティを提供していくのが特徴です。
例えばシンガポールではライブのVIPは15000円、一般席で8000円くらいなんですけども、そのくらいの料金を払っても参加する! っていう熱量のあるお客さんが併せて3000人くらいいらっしゃるんですね。

――かなり成長過程としては楽しみな数字ですね。最後に日本のユーザーにコメントをいただければ。

AFA:現地のコスプレイヤーさんとかアニメファンさんとかたくさんいるんで、言葉が通じなくてもコミュニケーションできる環境があって、なおかつ割と近い距離ですので、遊びにきて盛り上がっていただければ!

■AX(ANIME EXPO)

日本アニメーション振興会、ANIME EXPO運営のバームガデナーさんとモーアさん

日本アニメーション振興会、ANIME EXPO運営のバームガデナーさんとモーアさん

――まずANIME EXPOについて説明をいただければ幸いです。

AX:北米で開催される日本のアニメイベントの中でも最大のものなのですが、コンベンションだけではなく、ユニークな要素を組み込んだ独自のものになっています。4日間で605時間ぶんの公演プログラムが用意され、来場者を楽しませます。プレミア感を出すために、日本からアーティストや声優さんを招聘したりしています。昨年は4日間で26万人の入場者を達成して、これからも更に来場者数は伸びそうです。

――北米における、日本のアニメーションの浸透度だったり、人気度とかは現地の温度感でどうでしょうか?

AX:かなりホットですね。スタジオジブリとディズニーがコラボしてるのでそれが大きいですね。10年前とかは、日本のアニメとか誰も理解してなかったのですけれど、今ではかなりの層に浸透してきています。特にエンタメ産業の人間は必ず知っていますね。

――最近人気のあるアニメは何ですか?

AX:様々な作品が人気がありますが、どれか一つを選ぶのは難しいですね(笑)。いまパッと思いつくだけでも7つぐらいありますけども、どれかを贔屓するのは良くないので、全て好きということにしてください。
もちろんゲームも漫画も大好きです!


――わかりました(笑)。ちなみにアニソンシンガーの人気というのはいかがでしょうか?

AX:そうですね、今伸びてきている分野だと思います。ただ、いろんなアーティストさんが来米してくれるんですけれども、1回きりで終わりというパターンが多いので、それが悲しいですね。あまり来米していただけないと認知度も上がらないですし、難しいところですね。なのでAXだけでなく、いろんなエキスポにアニソンシンガーさんは参加してほしいなと思っています。

――2016年開催はこれからですが、意気込みはいかがですか?

AX:今年の7月開催ですね。予想人数は31万5千人を想定しています。今回で25回目なので、歴史にフォーカスを当てて行きたいと思っております。とくにこの25年の中で、アニメに貢献したくださった方とか。いま発表できる方ですと、イラストレーターの天野喜孝先生とかをお招きする予定です。

――それはビッグゲストですね! では最後にアニメコンベンションに注目されている方に、コメントをお願い致します。

AX:アメリカの文化を取り入れつつも日本のカルチャーを紹介していきますので、ここだけで見られるものがきっとあるはずですので、ぜひとも来場していただければ幸いです。イベントはいろいろありますが、AXだけのユニークな内容が待っております!
 


■JAPAN EXPO

JAPAN EXPO日本駐在事務所のビュオンさん(左)

JAPAN EXPO日本駐在事務所のビュオンさん(左)

――JAPAN EXPOは日本のカルチャーを扱ったイベントの中では一番メジャーかつポピュラーだと思うのですが、最初に概要をお伺いしてもよろしいでしょうか。

JAPAN EXPO:アニメだけでなく、古今の伝統工芸を職人さんが実演制作したりや食材、ハイテク、ビデオゲームに音楽のコンサートなど、幅広く日本の文化を紹介しています。例えば弓道や将棋の大会を開催したりもします。変わったところですとゆるキャラの紹介をしたり。

――JAPAN EXPOを続けてきた中で、フランスで日本文化の浸透度は進んだと思われますか?

JAPAN EXPO:30代~40代といった我々の世代は、日本のアニメを見て育ってきたので、そのあとは出版、ビデオゲームという順で日本のカルチャーが流れてきましたね。いろんな入口があってこれが入門! というのは難しいんですけれども、JAPAN EXPOではそのどれもが用意されていて、我々が持っている日本文化への情熱というのが伝わるかと思います。今特に力を入れているのは『和食』ですね。

――我々はアニメ専門なので話題を変えさせていただいて(笑)。グレンダイザーが視聴率100%を取ったという話があるんですが、それって本当なんですか?

JAPAN EXPO:本当です(笑)。学校から帰るとやっているので、どの子供も見るんですよ! そのあとアニメーションからバンドデシネ(注:フランスでの漫画を指す)に日本ブームが来て、いろんな作家さんが影響を受けたりして。現在のアニメーションなんですけれども、今は地上波ではなくて、アニメ専門チャンネルがいくつもできている状態なんですね。視聴の仕方が変わったんですよね。あとはジブリの映画が映画館で上映されることになって、そこが節目になって一般の認知度が上がったと思います。

――バンドデシネの影響も大きかったんですね。

JAPAN EXPO:はい、アニメ人気を超えてバンドデシネに人気が普及して、現在では市場の40%が日本の作品を占めています。

――すごいことですね。さて2016年もJAPAN EXPOを開催されると思うんですけれども、今年のコンセプトとかありますでしょうか。

JAPAN EXPO:アニメ関連についてはいくつかありまして、アニメをどうやって作るのか、という映像作品をスタジオ4℃さんに密着取材させていて、教育というか知識として皆さんに知っていただきたいなというプロジェクトがあります。2つめは『聖闘士星矢』が30周年なので、それについての企画が動いてます。3つ目は今年のテーマになりますが「日本のコンテンツに影響を受けたフランス人」ということで、影響を受けた作家さんを紹介していきたいと考えています。あとこれは来年の話なのですが、日本のアニメーションが100周年ということで、こちらも企画を考えています。

――それはすごい企画になりそうですね。

JAPAN EXPO:あとは日本のゆるキャラのコンテストをやりたいなと考えていたり、他にも様々なコンテンツを用意してお待ちしています。

――最後に、日本からも結構な数の参加者が来場していると思うのですが、興味を持っていてこれから参加してみようかな、と思う人たちに向けて、JAPAN EXPOからメッセージをお願いします。

JAPAN EXPO:我々は幅広く、そして奥深く日本のコンテンツを紹介しています。この二面性はJAPAN EXPOでしか見られないものだと思いますので、ぜひとも遊びに来てみてください!
 


3つのコンベンションス全てに言えることだが、ジャパンカルチャーへの情熱が半端じゃないという点は見逃せない。当たり前の用に思えることだが、好きを形にするというチカラはものすごい労力を必要とする。お話を聞く時間が短かったため、ダイジェストのようになっているが、ぜひ機会があれば各コンベンションに足を運んでほしい。アニメ好きを満たしてくれる感動があるはずだ。


写真=原地達浩 インタビュー・文=鶴岡八幡

 

 

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