FROGMANが「鷹の爪」団員とともに駆け抜けた10年を振り返る 『ギヒルズナイト2016~鷹の爪団の株主総会~』レポート
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左から 相沢舞、RIP SLYME・RYO-Z、RIP SLYME・SU、FROGMAN、鈴木あきえ、文春くん、DLE椎木隆太社長、上野アサ
4月9日(土)、アニメ「秘密結社 鷹の爪」テレビ放送開始10周年を記念したイベント『ギヒルズナイト2016~鷹の爪団の株主総会~』がお台場シネマメディアージュで開催された。
左から 吉田ジャスティスカツヲ、総統(小泉鈍一郎)
「鷹の爪」シリーズは、2006年のテレビ朝日系での放送から様々なプラットフォームで親しまれて続け、現在はLINE LIVEにて最新作『鷹の爪GT』が配信されるまでになった。SPICEは先日、新たな「鷹の爪」映画製作プロジェクトなど、同イベントの速報を掲載した。ここでは、約1時間半にわたって行われた株主総会形式の詳細をレポートする。記事末には原作者FROGMANサイン入りプレゼントの応募方法も記載されているので、最後までお付き合い頂きたい。
“株主総会”形式と銘打つだけあり、会場には議長台まで用意されているこだわりぶり。議事進行役は、TOKYO FM「鷹の爪団の世界征服ラヂヲ」でアシスタントを務める鈴木あきえが担当した。
事業報告が始まるまでの演出も細かい
冒頭にはこんな映像も……
最初に檀上にあがったのは、“ひみつ株式会社”鷹の爪団・代表取締役の小泉鈍一郎(総統)と、取締役・吉田ジャスティスカツヲ(吉田くん)の2人。スクリーンには、「鷹の爪」10年の歴史を振り返る事業報告がパワーポイントが映し出され、総統&吉田くんがテレビ放送さながらの軽口を叩きながら解説を加えていく。
今でこそNHKやLINEといったメジャーなプラットフォームで観ることができる「鷹の爪」だが、2006年、最初のテレビ放送プロジェクトはトントン拍子に進んだわけではなかった。2006年から2012年までの事業報告では、地上波放送初のFlashアニメゆえのドタバタした制作エピソードが満載だった。
かつては大人むけだった「鷹の爪」
初期の『THE FROGMAN SHOW』のようす左はFROGMAN、右はコフィー役ホンマキョウコ
実は何度も爆死していた FROGMAN「本当に、取り返しのつかないことをしてしまいました」
ディープな鷹の爪ファンはご存じかもしれないが、「鷹の爪」制作当初は録音ブースもなく、スタッフもFlashの扱い方を知らず、声優も布団をかぶって音声を収録する手作り体制だったのである。
FROGMANは鈴木に“当時一番焦ったこと”を訊かれると、「一番最初のテレビシリーズで『古墳ギャルのコフィー』(編注:「鷹の爪」と同時放映の作品)っていうのがあったんですが。その時の声優さん(初代コフィーを務めたホンマキョウコ)が島根の人だったんですよ。東京まで来てくれないと声が録れないんですが、どうしても一つのセリフが抜けちゃってて。しょうがないから、skypeを使って録音して、オンエアで流したら音声がすごく汚くて怒られた(笑)」と当時を振り返っていた。
また、印象的だったのが「鷹の爪」初放送当時の反響について。深夜放送だったためか、ファミリー層の視聴者も多い現在と違い、ネットユーザーやサブカルを好むディープなファンが圧倒的に多かったのだ。
テレビ放送後のDVD製作にも問題が。予算感やおなじみの「鷹の爪」グッズの生産についても試行錯誤を繰り返していたので、事業報告では「爆死」という表現がたびたび登場。総統や吉田くんは面白おかしくプレゼンしてはいたが、とにかく全てが手さぐりの状態だったのだ。
ただ、その後は『秘密結社 鷹の爪 THE MOVIE~総統は二度死ぬ~』『秘密結社 鷹の爪 THE MOVIEⅡ~私を愛した黒烏龍茶~』『秘密結社 鷹の爪 THE MOVIE3 〜http://鷹の爪.jpは永遠に〜』『ハイブリッド刑事』など、スピンオフを含む映画をコンスタントに発表。テレビシリーズ第2期『秘密結社鷹の爪 カウントダウン』など、当時の怒涛の勢いを物語る報告が続いた。
バジェットゲージやプロダクトプレイスメントを導入した最初の劇場版『鷹の爪 THE MOVIE~総統は二度死ぬ~』
『鷹の爪 THE MOVIE~総統は二度死ぬ~』は海外の映画賞にも輝いた 劇場版第二弾では、サブタイトルを販売する“ネーミングライツ”で予算を調達
総統が主人公のスピンオフ作品も映画化された サントリーをはじめ、画期的な数の企業とコラボ
2013年から2015年の事業報告では、NHKでの第3期テレビシリーズ『秘密結社 鷹の爪 NEO』の放送開始、WEBシリーズ『秘密結社鷹の爪.jp』、TOKYO FMのラジオ『鷹の爪団の世界征服ラヂヲ』の放送などを紹介。テレビ全国放送、インターネット、ラジオ3つのメディアに進出していった。この頃、FROGMANを擁するディー・エル・イー(以下DLE)は東証マザーズに上場。まさに破竹の勢いだったのがわかる。ただし、上場初日にDLEの株価がストップ安を記録していたことも明かされ、場内からは笑いが起きていた。
『鷹の爪』以前の作品『菅井君と家族石』からFROGMANとタッグを組んできた作曲家manzo氏からのメッセージVTRも登場
ファンとの触れ合いを大切にする鷹の爪団らしく、事業報告の途中には質疑応答の時間も。「どこでも島根はいつアプリ化されるんですか?」との質問に、FROGMANは「作るように社内でも検討してみますので、その節には絶対ダウンロードしてくださいね」と的確に回答。
子どもの株主からは「ちょろぽん(『鷹の爪 MAX』に登場する謎の生物)を買いたいんですけど、発売はいつですか?」との質問が。FROGMANは「こういうグッズというのは、最低ロットでも1000から10000個くらいじゃないと、元がとれないんだよ!きみが欲しくても、10000人が欲しいとは思えないから!たぶん売れない。ゴメン!」と現実的な言葉で返し、場内からは爆笑が。
島根に行ったという株主からは「雲南吉田の道の駅にも行きました。吉田くんとも写真を撮ってきたんですけど……もっと吉田くんのコーナーは広くならないんですか?」との要望。FROGMANは「島根県で吉田くんの人気がそこまでないというのが問題で」と自虐コメントで笑いを誘う。さらに「(島根の)財政がひっ迫したなかで、吉田くんのコーナーを増やしてどうするんだ、という議論があるんじゃないですかね。わかりました。一番偉いひとにぼくから言っておきます」と誠実な対応。
その後の2016年度の事業計画では、ファンの度肝を抜く4つのプロジェクトが次々と発表されていく。
SPICEの速報でも一部お伝えしたが、まず発表されたのは「鷹の爪」映画4本の製作決定だ。月刊コロコロイチバン!(小学館)で連載中の「吉田くんのX(バッテン)ファイル」の劇場版が夏に公開することが明かされている。そのほか、吉田くんによれば「超有名な映画とのコラボも進行中」とのこと。「やれと言われておりますけど、たぶんやれないと思います」「この時点でシナリオはプロットもあがってませんから」と実情も明かしているので、本当に年内に4本が完成するかは定かではない……が、なんともファンの期待が膨らむ計画だ。
二つ目の計画は、数々のプレミアム商品の発売。2007年、鷹の爪団初期に発売されたレオナルド博士のテディベア(10周年記念バージョン)の限定発売や、吉田くんとレオナルド博士をかたどった江戸切子、サンリオの有名キャラクターとの“勝手コラボ”シリーズ、社会人の新生活応援グッズなどとにかく盛りだくさんのグッズ発売がアナウンスされている。
ポムポムプリンともコラボ?
キティ先輩とどんなコラボを展開するのか?(画像はイメージ)
三つ目の計画は、SPICEでもレポートした日本初のリアル城攻めイベント『鷹の爪団のSHIROZEME』について。9月17日に島根県・松江市で再び開催する予定で、全国展開も進行中とのこと。
四つ目には「鷹の爪団」の“二代目声優”オーディションを行うことも発表されている。同アニメはFROGMANがほとんどのキャラクターの声を担当していることで知られている。吉田くんはこの現状に触れ、「いいかげん一人でやるのに疲れたらしいんですよ。だから、この際声優を変えちゃおうかなって思ってます」とコメント。候補者の声優経験も不問で、プロアマ問わず応募することができるという。ただし、「鷹の爪団の役柄は一人でぜんぶこなすこと」「声優以外の(FROGMANの所属するDLEの)会社員業務もこなすこと」「10年やめない根性を持っていること」など、“二代目声優”に課せられた条件はかなり厳しめのようだ。過去には、映画版に一般から1万人の声優を募集したこともある「鷹の爪」だが、本格的なオーディションは初。いったいどのような出演形式となるかは、今後の展開を見守るほかない。
この日は、LINE LIVEで毎週木曜に配信中のアニメ最新シリーズ『鷹の爪GT』の1話から3話が先行上映された。上映前後には、3話(4月22日配信)に声優として出演しているRIP SLYMEのRYO-ZとSUも登場。RYO-Zはアフレコを振り返り「楽しかったです。落語家のようですよ、FROGMAN氏の出ているところは」と絶賛。一方のSUは「まさか『鷹の爪』に出られるなんて!興奮しましたね」と明かしたが、「アフレコの時は緊張はしなかったです」と余裕のコメントも。ちなみにRYO-Zは劇中でのSUのようすを「犯罪者感がすごかったね」とコメント。さらに、自身が中学で演劇部の部長だったことも明かしている。二人が本編でどのように活躍するか、期待してほしい。
けっこうリアル文春くん
その後は、第2話本編にアニメで、スタジオのライブコーナー「鷹の爪団のざわざわタイムズ」に実写で登場している、週刊文春記者・文春(ふみはる)くんも登壇。芸人・とにかく明るい安村の不倫報道をスクープしたという文春くんは、自身の手がけたさまざまなスクープの裏側を明かす。さらには、議事進行の鈴木がどんなLINEスタンプを使っているかを暴露していった。「鷹の爪団のざわざわタイムズ」では、毎週文春くんがスクープの裏側を語るという。
ぷっちょくんが披露した『PUCCHO THE MOVIE』のビジュアル 実現するかは不明
続いては、UHA味覚糖の代表取締役社長・山田泰正氏と、同社の人気商品ぷっちょのキャラクターぷっちょくんが登場。これまで、吉田くんとぷっちょくんはTwitterで絡むなどの交流があったが、今回のイベントで正式にコラボすることが発表された。ぷっちょくんは、コラボの理由を「鷹の爪は弱いくせに、そこそこ有名やから絡めば得すると思うて……」と本音をポロリ。山田社長は「これまではハイチュウに勝ちたい、とかセコイことを考えてたんですけど。世界征服を頑張っていきたい」と意気込みを語っていた。具体的にどのようなコラボが行われるかは明かされなかったが、会場で公開された架空の映画ビジュアルを見るかぎり、期待できるのではないだろうか。
FROGMAN作品の常連 声優・上野アサからバースデーケーキを手渡されるFROGMAN
そして、この日、45歳の誕生日を迎えたFROGMANに、ゲストの声優・上野アサと相沢舞から特製ケーキと花束が贈呈された。 しかし、その直後には火災感知器が作動したというアナウンスが流れ、緊張がはしる。ざわつく会場に対し、FROGMANは「シャレにならないから、静かに」と声をかけるなど冷静そのものだった。その後、誤報であることがわかり、事なきをえた。このあたりも「鷹の爪」らしい最後ではないか。イベントの最後には、吉田くんが「本当にみなさん、10年間お付き合いくださいまして、ありがとうございます。そして、これからの10年間もよろしくお願いします」と、丁寧にあいさつしている。もちろん、イベントの締めくくりは、ファン、出演者全員での「た~か~の~つ~め~♪」コールであったことは言うまでもない。
10年を駆け足で振り返り、新たな幕開けを飾った『ギヒルズナイト2016~鷹の爪団の株主総会~』 FROGMANは例によって、イベント後に観客の一人ひとりを見送り、最後に会場を後にしていた。先日4月15日にはDLEは東証一部上場への変更をはたしているが、この10年で変わらない姿勢が印象的だった。
なお、現在、鷹の爪団公式ポータルサイト‟鷹の爪.jp” ( http://xn--u9j429qiq1a.jp/ )は10周年記念仕様となっている。イベントに参加できなかった方は、サイトを見つつ、思いを馳せてみてはいかがだろうか。
『ギヒルズナイト2016~鷹の爪団の株主総会~』 で配布された限定ノベルティグッズ(飲食物のぞく)を1名様に
10周年で復活した“瓜”Tシャツ FROGMANのサイン入り
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