開幕まであと4ヶ月! 「あいちトリエンナーレ2016」最新情報

ニュース
クラシック
舞台
アート
2016.4.20
 「あいちトリエンナーレ2016」ポスター メインビジュアルは、参加アーティストのひとりで地図をモチーフとした作品を描き続けている、ジェリー・グレッツィンガーの《Jerry’s Map》(2015) 

「あいちトリエンナーレ2016」ポスター メインビジュアルは、参加アーティストのひとりで地図をモチーフとした作品を描き続けている、ジェリー・グレッツィンガーの《Jerry’s Map》(2015) 

 

企画発表会で公表された、「あいちトリンナーレ2016」の全容をご紹介!

愛知では3回目の開催となる「あいちトリエンナーレ2016」が、いよいよ8月から開催される。3年に一度の国際的な現代アートの祭典として今や全国各地で開催されている“トリエンナーレ”だが、現代美術に限らず、ダンス・演劇・オペラといった舞台芸術、まちなかでのパフォーマンスなども含む幅広い芸術作品に親しめるのが「あいちトリエンナーレ」の魅力のひとつだ。

4ヶ月後の開幕に向けてさまざまな準備が進められる中、去る3月30日に企画発表会が行われ、参加が決定しているアーティストや演目が披露された。そこで今回は、<虹のキャラヴァンサライ 創造する人間の旅>をテーマに掲げる「あいちトリエンナーレ2016」の現時点での全容(今後も追加の予定あり)をご紹介。芸術監督の港千尋氏らから語られた、今回の見どころや注目のアーティストなどをお知らせします。

「あいちトリエンナーレ2016」の特徴について語る、港千尋芸術監督

「あいちトリエンナーレ2016」の特徴について語る、港千尋芸術監督

まず、今回の開催では12の特徴が挙げられているが、その筆頭が“参加アーティストと企画体制の地域的な拡がり”である。南米での滞在経験を持ちフランスを活動拠点のひとつとする港芸術監督は、文化人類学的視点も盛り込み、それぞれブラジルとトルコを拠点とする2名のキュレーターを招聘。それによって参加アーティストの出身国・地域は拡大した。「なかなかこれまでまとめて紹介することのなかった、中近東やアジア地域からのアーティストも参加します」と語り、また「ジャンル的にもアートの枠組みを拡大するような試みをしております」と、さまざまな糸口からアートに親しめる多様性をアピールした。

そして、今回から加わった【名古屋駅会場】や、アーティストと一般参加者が共同で作品を作り上げる先端的ものづくりプロジェクト「ツクロッカ」の発足、さらにビクトル・ダミコ考案の装置を用いて、鑑賞者が作品を体験する前に頭と目の準備運動をする場所「ダミコルーム」の設置など、新たな試みの魅力についても触れた。

続いて、拝戸雅彦チーフ・キュレーターが注目のアーティストとして、想像上の部屋に家具や彫刻を配したインスタレーションを行うマーク・マンダースや、カラフルな花のモチーフを用い非日常的空間を創出する大巻伸嗣らを紹介。

さらに愛知ゆかりのアーティストから、抽象的で柔らかなイメージの陶芸作品を制作する柴田眞理子や、クローゼットをモチーフとした絵画を描く佐藤翠、多彩なメディアを活用し表現の可能性を問う山田亘が登場。開催に向けての意気込みなどを語り、会期中、参加希望者と共に新聞を作り配布する山田の<新聞プロジェクト>も発表された。

終盤には質疑応答の時間が設けられ、記者からリオ五輪と開催時期が重なることを懸念する声も寄せられたが、港芸術監督は「ブラジルと日本は時差があるので、オリンピック中継は夜になると思います。昼間はアートのオリンピックに来ていただきたいですね。多くの人と共有する芸術祭もオリンピックも、同じ時代に生きる人間のひとつのトライアルです。観客も作品の前で試される、最も良いトライアルなのでは。同じひとつの旅を皆さんと続けていきたいと思います」と語った。

尚、普通及びフリーパスは5月1日から前売券が発売されるが、4月30日までは普通に限り<特別先行前売券>としてかなりおトクに発売されているので、この機会をお見逃しなく!

左から・山田亘、佐藤翠、港千尋芸術監督、柴田眞理子

左から・山田亘、佐藤翠、港千尋芸術監督、柴田眞理子


【企画概要と参加アーティスト一覧】 
現代美術
(1)国際展(美術館及びまちなかでの展示)
・ 国内外から80組のアーティストが出品し、最先端の現代美術を紹介。
・今回のテーマに沿って、それぞれコンセプトを持った小企画展示「コラムプロジェクト」(展示やレクチャー、ワークショップなど)を計7つ、各地区で展開する。
・3Dプリンターやレーザー加工機などの先端機械を使ったデジタルファブリーケーションを使い、アーティストと一般参加者が共同制作する「LOCUS FABER ツクロッカ」を実施(ワークショップの詳細及び申し込みは www.tukulocca.jp を参照)。
◇参加アーティスト ※2016年3月現在、今後も追加の可能性あり。( )内は活動拠点
*キャンディ・ファクトリー・プロジェクト/北九州国際ビエンナーレin愛知(福岡)
味岡伸太郎(愛知)
赤石隆明(東京)
アブドラ・アル・サーディ(コア・ファックカーン/アラブ首長国連邦)
アローラ&カルサディーラ(サンファン/プエルトリコ)
ジョヴァンニ・アンセルモ(トリノ/イタリア)
アーキテクツ・オブ・エアー(ノッティンガム/イギリス)
ルーカス・ブラロック(ニューヨーク/アメリカ)
ノミン・ボルド(ウランバートル/モンゴル)
リビジウンガ・カルドーゾ(別名:レアンドロ・ネレフ)(サンパウロ/ブラジル)
マリアナ・カスティーリョ・デバル(ベルリン/ドイツ)
ディアンドデパートメントプロジェクト(国内10+ソウル/韓国 計11拠点)
カワヤン・デ・ギア(バギオ/フィリピン)
インジ・エヴィネル(イスタンブール/トルコ)
ニコラス・ガラニン(アラスカ州シトカ/アメリカ)
ジェリー・グレッツィンガー(ミシガン州/アメリカ)
キオ・グリフィス(ロサンゼルス/アメリカ、日本)
グリナラ・カスマリエワ&ムラトベック・ジュマリエフ(ビシュケク/キルギス共和国)
端聡(北海道)
タロイ・ハヴィニ(ブカ島/パプアニューギニア、メルボルン&シドニー/オーストラリア)
久門剛史(京都)
今村文(愛知)
石田尚志(東京)
イマン・アイッサ(カイロ/エジプト、ニューヨーク/アメリカ)
菅野創+やんツー
シュレヤス・カルレ(ムンバイ/インド)
勝又公仁彦(京都)
ハッサン・ハーン(カイロ/エジプト)
チェルシー・ナイトwith ニック・ハレット、マシュー・ポール・ジンクス、クリスティン・サン・キム、ライアン・トレイシー(ニューヨーク/アメリカ)
小林耕平(埼玉)
ヴァルサンク・クールマ・コッレリ(パティアム/インド)
小杉武久(大阪)
小山泰介+名和晃平
イグナス・クルングレヴィチュス(オスロ/ノルウェー)
賴志盛(ライ・ヅーシャン)(台北/台湾)
チャールズ・リム・イー・ヨン(シンガポール)
ラウラ・リマ(リオデジャネイロ/ブラジル)
LOCUS FABER ツクロッカ(愛知)
マーク・マンダース(ロンセ/ベルギー)
ヨルネル・マルティネス(ハバナ/キューバ)
松原慈(フェズ/モロッコ、東京)
アドリアナ・ミノリーティ(ブエノスアイレス/アルゼンチン)
三田村光土里(東京)
ミヤギフトシ(東京)
ジョアン・モデ(リオデジャネイロ/ブラジル)
森北伸(岐阜)
オスカー・ムリーリョ(ロンドン/イギリス)
中村裕太(京都)
ウダム・チャン・グエン(ホーチミン/ベトナム)
西尾美也(奈良)
二藤健人(埼玉)
野村在(東京)
大巻伸嗣(東京)   
岡部昌生(北海道)
大木裕之(高知、東京、その他各地拠点)
マチュー・ペルノ(パリ/フランス)
ハリル・ラバー(ラマッラ/パレスチナ)
マウロ・レスティフェ(サンパウロ/ブラジル)
ルアンルパ(ジャカルタ/インドネシア)
ナターシャ・サドゥル・ハギギャン(ベルリン/ドイツ)
佐々木愛(大阪)
佐藤克久(愛知)
佐藤翠(愛知)
関口涼子(パリ/フランス)
ハーバード大学感覚民族誌学ラボ(マサチューセッツ州/アメリカ)
柴田眞理子(愛知)
白川昌生(群馬)
ソン・サンヒ(ソウル/韓国、アムステルダム/オランダ)
多田友充(日本)
田島秀彦(岐阜)
高橋士郎(東京)
竹川宣彰(東京)
田附勝(東京)
寺田就子(京都、岐阜)
ウェンデリン・ファン・オルデンボルフ(ロッテルダム/オランダ)
クリス・ワトソン(ニューキャッスル・アポン・タイン/イギリス)
ディレク・ウィンチェスター(イスタンブール/トルコ)
山田亘(愛知)
山城知佳子(沖縄)
横田大輔(東京)
(2) 映像プログラム
・「旅」をテーマにした国内外の映像プログラムを、期間限定(8月19日(金)~9月11日(日))で愛知芸術文化センターを中心に上映。
◇参加アーティスト ※2016年3月現在、今後も追加の可能性あり。( )内は活動拠点
エクスシネマ(シアトル/アメリカ)
キドラット・タヒミック(バギオ/フィリピン)
高嶺剛(京都)
ピムパカー・トーウィラ(バンコク/タイ)

◆舞台芸術
(1)パフォーミングアーツ
・国内外から10団体が参加し、ダンス、音楽などを上演するほかワークショップも実施。
・会期を通して作品を上演するが、他エリアからの訪問者が短い滞在期間中でも複数鑑賞できるよう、特に10月のレインボーウィークス(10月7日~23日閉幕日)の週末に集中的に開催する。
◇出演者・団体、作品名、日程、会場
ダニ・リマ(リオデジャネイロ/ブラジル)『Little collection of everything』8月11日(木・祝)~14日(日)愛知県芸術劇場小ホール/8月17日(水)・18日(木)穂の国とよはし芸術劇場PLATアートスペース
虹のカーニヴァル(多国籍)フラメンコ、日舞、サンバ等 9月24日(土)・25日(日)オアシス21
イスラエル・ガルバン(セビリア/スペイン)『SOLO』 10月7日(金)~9日(日)愛知県芸術劇場小ホール
アニマル・レリジョン(バルセロナ/スペイン)『Chicken Legz』 10月8日(土)~10日(月・祝)豊橋公園
アジアン・サウンズ・リサーチ(プロジェクト・ディレクター:Sachiko M)(日本、アジア) 10月9日(日)・10日(月・祝)岡崎シビコ屋上
カンパニーDCA/フィリップ・ドゥクフレ(パリ/フランス)『CONTACT』 10月15日(土)・16日(日)愛知県芸術劇場大ホール
イスラエル・ガルバン(セビリア/スペイン)『FLA.CO.MEN』 10月15日(土)・16日(日)名古屋市芸術創造センター
カンパニー・ディディエ・テロン/ディディエ・テロン(モンペリエ/フランス)『AIR』『LA GRANDE PHRASE』 10月21日(金)~23日(日)名古屋市内のまちなか
山田うん(東京)『(タイトル未定)』 10月22日(土)・23日(日)名古屋市芸術創造センター
小杉武久(大阪)『MUSIC EXPANDED #1/#2』 10月22日(土)・23日(日)愛知県芸術劇場小ホール
青木涼子(東京)『秘密の闇(ねや)』 10月23日(日)名古屋市青少年文化センター(アートピア)
(2)プロデュースオペラ
ダンサー・演出家として世界的に高く評価されている勅使川原三郎が演出・装置・照明・衣裳を手がけ、注目のイタリア人若手指揮者ガエタノ・デスピノーサが指揮を。これまでとはひと味違った『魔笛』の魅力を創出する。
■公演名:W.A.モーツァルト作曲『魔笛』(全2幕、ドイツ語上演、日本語字幕付き)
■公演日時:2016年9月17日(土)・19日(月・祝)
■会場:愛知県芸術劇場 大ホール
:発売開始は4月23日(土)午前10時。料金など詳細は公式サイトを参照。

舞台芸術公募プログラム
公募により選考された15組の地元文化芸術団体などと共催で、さまざまなジャンルの舞台公演を実施。
◇公演日、参加団体、ジャンル
●愛知県芸術劇場 大ホール
10月1日(土)テアトル・ド・バレエ カンパニー/バレエ
10月2日(日)名古屋芸術大学/ミュージカル

●愛知県芸術劇場 コンサートホール
9月24日(土)吉田文/パイプオルガン・その他舞台芸術
9月25日(日)愛知ロシア音楽研究会/音楽
●愛知県芸術劇場 小ホール
9月24日(土)perky pat presents/演劇
9月25日(日)シネクドキズム実行委員会/現代音楽・ミックスメディア
9月26日(月)ナゴコン/コンテンポラリーダンス
9月27日(火)KITO,Akira Brass Band!/音楽
9月29日(木)room16/演劇
9月30日(金)音楽クラコ座/現代音楽
10月2日(日)shelf/演劇
●名古屋市芸術創造センター
9月24日(土)東海バロックプロジェクトオペラ制作委員会/オペラ
9月25日(日)愛知芸術文化協会/舞踊・音楽・伝統芸能
10月1日(土)一般社団法人 現代舞踊協会中部支部/現代舞踊
10月2日(日)正絃社合奏団/邦楽

※この他にも、普及・教育プログラムや連携事業など多数あり。詳細については公式HPを参照。
 
イベント情報
あいちトリエンナーレ2016

■テーマ:虹のキャラヴァンサライ 創造する人間の旅
■芸術監督:港千尋(写真家・著述家|多摩美術大学美術学部情報デザイン学科教授)

■会期:2016年8月11日(木・祝)~10月23日(日) 74日間
■会場:愛知芸術文化センター、名古屋市美術館、名古屋市内のまちなか(長者町会場、栄会場、名古屋駅会場)、豊橋市内のまちなか(PLAT会場、水上ビル会場、豊橋駅前大通会場)、岡崎市内のまちなか(東岡崎駅会場、康生会場、六供会場)など
■料金:◆普通 特別先行前売券(~4/30)/一般1,100円、大学生700円、高校生300円 前売券(5/1~8/10)/一般1,400円、大学生1,000円、高校生500円 会期中販売券/一般1,800円、大学生1,300円、高校生700円 ◆フリーパス 前売券(5/1~8/10)/一般3,100円、大学生2,000円、高校生1,000円 会期中販売券/一般3,600円、大学生2,500円、高校生1,200円  ※パフォーミングアーツ(6月販売開始)及びプロデュースオペラ(4/23発売)は別途が必要。詳細はHPで確認を
■問い合わせ:あいちトリエンナーレ実行委員会事務局 052-971-6111
■公式サイト:http://aichitriennale.jp

 

シェア / 保存先を選択