井上ひさしの人気作「頭痛肩こり樋口一葉」主演・永作博美にインタビュー

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「頭痛肩こり樋口一葉」永作博美

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今夏、樋口一葉役に挑む永作博美 一葉を知るためにゆかりの場所へ

1984年、こまつ座の旗揚げ公演として上演され、これまで700回以上の公演を重ねてきた井上ひさしの人気作「頭痛肩こり樋口一葉」。今年8月、3年ぶりとなる再演には、樋口夏子(一葉)役に永作博美を迎える。

8月5日より日比谷・シアタークリエで上演される井上ひさしの評伝劇の傑作「頭痛肩こり樋口一葉」。一葉が生きた時代とその生涯を知るために、樋口夏子を演じる永作博美が都内にある一葉の墓と一葉記念館を訪れた。
 

やわらかな日差しが降りそそぐ春の午後、最初に向かったのは東京・杉並にある和田堀廟所。樋口一葉のほかにも中村汀女や九条武子など、著名人のお墓が点在する墓地は参拝者も多い。

「頭痛肩こり樋口一葉」永作博美

「頭痛肩こり樋口一葉」永作博美

春らしい淡い色に桜をあしらった和服で訪れた永作は、墓に一礼して花を手向けると、手を合わせて樋口一葉にご挨拶。「初めまして。永作博美と申します。この度、一葉さんを演じさせていただくことになりました。もしよろしければ、劇場に遊びにいらしてください」と語りかけた。うららかな陽気もあり「一葉さんから気持ちのよい返事で背中を押してもらえた気がします」と晴れやかな表情を見せた。

続いて訪れたのは、台東区・竜泉にある一葉記念館。この地(旧龍泉寺町)は、一葉の代表作『たけくらべ』の舞台となった場所でもある。記念館には、一葉直筆の原稿や手紙、一葉が暮らした当時の龍泉寺町の町並みを再現したレプリカなど貴重な資料が収蔵されており、永作は収蔵品を見ながら学芸員の説明に熱心に耳を傾けた。

「頭痛肩こり樋口一葉」永作博美

「頭痛肩こり樋口一葉」永作博美

記念館では、親友である伊東夏子に宛てた手紙と一葉が経営していた駄菓子店の仕入れ帳のレプリカを手にする機会も設けられた。実際に手に取った永作は「手紙からは達筆で軽やかな印象を受けましたが、仕入れ帳の方はずっしりと重い感じがします。切実で苦労の多かった暮らしぶりがにじみ出ているのかもしれません」とひと言。父と兄を亡くし、貧しいながら戸主として家族を支えた一葉の暮らしと苦心に思いをはせた。

「頭痛肩こり樋口一葉」永作博美

「頭痛肩こり樋口一葉」永作博美

「実在した人物を演じることは、その人が生きた時代や時間を考えることでもあります。今日この記念館を訪れることで、一葉の人生に触れることができたような気がします。残された作品や資料をもっと深く読みこんで、男性中心だった世の中で精一杯生きた一葉を魅力的に演じることができたらと、あらためて思いました」と舞台への意気込みも新たに。

「頭痛肩こり樋口一葉」永作博美

「頭痛肩こり樋口一葉」永作博美

24歳6カ月という若さで亡くなるまでに『にごりえ』『たけくらべ』『大つごもり』など珠玉の小説と多くの和歌や日記を残した樋口一葉。「頭痛肩こり樋口一葉」は、明治時代に母と妹との暮らしを支えるために強く生き、書くことへの執念を持ち続けた一葉(夏子)の姿を通して井上ひさしが全ての女性に送る応援歌のような作品だ。

「頭痛肩こり樋口一葉」永作博美

「頭痛肩こり樋口一葉」永作博美

夏子を取り囲む5人の女性は、前回2013年の公演で好評を得た三田和代、深谷美歩、愛華みれ、熊谷真実、若村麻由美が務め、永作の夏子を迎える。個性豊かな女優陣との共演については「怖くもあり、楽しみでもある」と話す永作。さらに、舞台で描かれる女性たちについて「いつの世でも、女性が6人も集まれば、身の上話から恋愛の話、世間話までとにかくいろんな話に花が咲きます。お芝居のなかに登場する女性たちは、生きている、死んでいるにかかわらず非常にパワフルです。あの世とこの世にまたがるファンタジーは、深く切ないのに楽しい。女性へのエールに満ちた作品です」とその魅力を語った。

「頭痛肩こり樋口一葉」永作博美

「頭痛肩こり樋口一葉」永作博美

「女性が活躍する時代のために」と井上ひさしが書き下ろした本作。描かれているのは明治時代だが「女性の生き方」についての作家の思いは現代に通じる。時代を超え、生と死を越え、あの世とこの世をあいまいに行き来しながら6人の女性によって物語は紡がれていく。その不思議な世界を、永作博美はどのような一葉になって見せてくれるのか。「女性はパワーをもらいに、男性はある意味怖いもの見たさで、劇場に足を運んでほしいです」と締めくくった。

「企画・制作:朝日新聞メディアビジネス局」

公演情報
樋口一葉没後120年記念 
東宝・こまつ座提携特別公演「頭痛肩こり樋口一葉」


■日時・会場:
2016年8月5日(金)~25日(木)日比谷シアタークリエ(東京)
2016年9月3日(土)~4日(日)兵庫県立芸術劇場文化センター 阪急中ホール(兵庫)
2016年9月7日(水)新潟県民会館(新潟)
2016年9月15日(木)電力ホール(宮城・仙台) 
2016年9月17日(土)南陽市文化会館(山形)
2016年9月22日(木)びわ湖ホール 中ホール(滋賀)
2016年9月25日(日)アルカスSASEBO 大ホール(長崎)
2016年9月28日(水)~30日(金)中日劇場(名古屋)

■作:井上ひさし
■演出:栗山民也
■出演:永作博美、三田和代、熊谷真実、愛華みれ、深谷美歩、若村麻由美

 東京・兵庫・山形・滋賀・長崎

 新潟・仙台・名古屋
 
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