Chanty “魅せる”演奏を聴かせたツアーファイナルレポート
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Chanty Photo by インテツ
Chantyのワンマンツアー『桜舞い散る木の下でキミが待ってるワンマンツアー』のファイナル公演が、芥(Vo)の誕生日でもある4月29日に東京・TFMホールにて行われた。
タイトルで“キミが待ってる”というだけあって15都市17箇所と全国をまわったロングツアー。芥と千歳(G)が各地で路上弾き語りを行うという新たな試みもなされていた。開演前のフロア内には「一年生になったら」などの童謡が流れ、和やかな雰囲気でバンドの登場を期待しながら待つファンたち。
Chanty Photo by インテツ
開演時刻をやや過ぎた頃、SEが鳴り響く中フロアの手拍子に迎えられ、千歳(G)、shia.(G)、野中拓(B)、成人(Dr)、そして最後に芥がステージに立ち「”桜舞い散る木の下でキミが待ってるワンマンツアー”ファイナル、東京公演始めます」とつぶやき、1曲目「フライト」へ。最初から前回のバンドに拳で応えるフロア。祭り囃子のようなイントロの「流星群」ではタオルがまわり、「いっせーの」ではモッシュが発生し、序盤からアッパーチューンで盛り上げていく。
フロアのファンにTFMホールのアルファベットを手で作らせようとするも一度失敗し、「隣の人がやらないとやらないのは、日本人の悪い習性だ!」と芥。しかし今度は芥が「T! M!」と呼びかけてしまい、お詫び(?)に何故かT.M.Revolutionの「HIGH PRESSURE」をワンフレーズ歌うことに。そして無事「T! F! M!」が成功すると、続いて「やんなっちゃう」へ。
「今日は日本のどこかでニコニコ(超会議)してるから……、俺たちもニコニコしようと思います! 今日はおまえたちをニコニコさせて帰そうと思います! 全力でニコニコしてください!」と、メンバー全員10秒間満面の笑みに。
そして「ソラヨミ」「ひどいかお」と、Chanty節というべき畳み掛けるようなリズムと疾走感あるバンドサウンドでフロアを魅了していく。
Chanty 芥 Photo by インテツ
渾身の力で歌い上げる芥、千歳のノリノリのギターソロ、深い表現力のあるshia.のギター、そして野中拓はドラム台に乗っかりフロアにアピール、終始笑顔の成人。バンドメンバー全員が、Chantyの音楽が好きで、楽しんでいることがステージからひしひしと伝わってくる。そこにフロアの熱量も加わり、ライヴのボルテージが高まっていく。
「monorium」から「誰」、そして芥の囁くような、呻くような歌い出しから始まった「ダイアリー」、「貴方だけを壊して飾ってみたい」と、情念と気迫を感じせる楽曲が続き、「天翔る」の幻想的な照明を相まって、音ひとつひとつが空間に広がっていき、この日いちばんの“魅せる”演奏を聴かせてくれたように思う。
Chanty Photo by インテツ
「もう絶対逃げたりなんてしないから……聴いてください」という芥の声から始まったのは「終わりの始まり」。バンドの始まりであるこの曲を堂々と力強く響かせる彼らの姿はある種の決意表明のように見えた。軽やかな「ミスアンバランス」、「絶対存在証明証」の後には、芥のアカペラから「冷たい手のひら」と、静と動のコントラストが際立つ。
芥が今日のお礼を述べ、昨年の初めての全国ツアーや年末の東名阪での踏まえての、今回のツアーは悩んだり厳しかったこともたくさんあったが、それがすべて自信に繋がっていると語ると、フロアからは大きな拍手。「大きな力をもっているわけではないけど、伝える力はどこのバンドにも負けない」と、最後は「犬小屋から愛をこめて」でエモーショナルに締めくくった。
アンコールではまずメンバーがそれぞれツアーについての感想を語る。
Chanty 千歳 Photo by インテツ
「ツアーファイナルでこんなに髪(エクステ)が伸びた! 天井高い! こんなホールでできるのは皆のおかげ、ありがとうございます。道というのは作ってもらうのではなく、切り開いていくのだなと今回のツアーで思いました」(千歳)
Chanty shia. Photo by インテツ
「さっき『犬小屋』やっている時、ツアーまわってきた記憶が蘇ってきて、アイ・ウォーター、涙が出てきて、ガチ泣きしてしまいました。恥ずかしいんですけど、ストレートにいうとお前たちが可愛すぎて仕方がないんです」(shia.)
Chanty 野中拓 Photo by インテツ
「ツアーをするということはバンド業界当たり前になっていて、でもこのツアーに出て、地方で待っていてくれる人、ついてきてくれる人、東京に集まってくれる人がいるということは素晴らしいことだな。次はもっと大きくなって、今回行けなかった場所にも行きたい」(野中拓)
Chanty 成人 Photo by インテツ
「ファイナルですか? 楽しい時間はあっという間ですね。ファイナルっていう気がまったくなくて、楽しい気持ちがずっと続いていて、初めての規模のツアーだったけど、待ってくれる人、駆けつけてくれる人がいて、いつからこんなに愛されていたのかな? 愛されているからこその気付きなんですけど、日々感謝をしております」(成人)
Chanty Photo by インテツ
「人って多分自分の悪いことをほじくり返す癖があると思うんだけど、去年のツアーもあんなに楽しかったのに、しばらくすると反省することが山程出てきて、今日のライブもきっとそういう風に反省点が出てくる。それは悪いことじゃなくて、本当にChantyは進化していて、今悔しかったことは、去年悔しいと思えなかったことだと思うんです。これまでのツアーファイナルのワンマンってゲスト奏者が来たりしてたんですけど、今回のライブだけは僕らだけで、ツアーで培ったものを出しきりたかった。今できることを出しきったつもりです」(芥)
続いての「ALIVE」から、「ひどいかお2」に差し掛かる前に演奏がストップ。ケーキが登場し、芥のバースデーを祝うサプライズも。
そして、“Chantyからの大事なお知らせ”として、お手製の横断幕でO-WESTでの3周年記念ライヴ、全国2DAYSずつまわるツアー『ゆらゆら揺れる月明かり水面に映るキミとボク』、ミニアルバムのリリースを発表。フロアからは歓声や拍手があがる。
Chanty Photo by インテツ
そして気を取り直ししての「ひどいかお2」でフロアはカオス状態に。最後は「自分は主人公には向いていないけど、Chantyという主人公を育てていきたい」という芥の誠実な宣言から始まった「赤い糸」。フロアのシンガロングとバンドの音が混ざり合い、優しい空気に満ち溢れた彼ららしい等身大のツアーファイナルだった。今後の展開も告知された通り盛りだくさんだ。次はどんな物語が彼らを待っているのだろうか。
撮影=インテツ 文=藤谷千明
Chanty Photo by インテツ
01.フライト
02.流星群
03.いっせーの
04.やんなっちゃう
05.ソラヨミ
06.ひどいかお
07.monorium
08.誰
09.ダイアリー
10.貴方だけを壊して飾ってみたい
11.天翔る
12.交差点
13.終わりの始まり
14.ミスアンバランス
15.真相
16.絶対存在証明証
17.衝動的少女
18.m.o.b.
19.冷たいてのひら
20.犬小屋より愛を込めて
[アンコール]
21.ALIVE
22.ひどいかお2
23.「C」
24.赤い糸
2016年9月16日(金)
TSUTAYA O-WEST
開場 18:00 / 開演 19:00
前売 4,000円 / 当日 4,500円
Chantyワンマンツアー「ゆらゆら揺れる月明かり水面に映るキミとボク」
2016年 9月19日(月祝) 、20日(火) 名古屋ell.SIZE
2016年 9月23日(金)、 24日(土) 大阪RUIDO
2016年 9月29日(木) 、30日(金) 福岡DRUM SON
2016年10月 2日(日) 、 3日(月) 広島BACK BEAT
2016年10月 9日(日) 、10日(月祝) 札幌スピリチュアルラウンジ
2016年10月15日(土) 、16日(日) 仙台BIRDLAND
前売 3,800円 / 当日 4,300円
[ファンクラブ
受付期間:4月29日(金) 22:00~5月8日(日) 23:59
[HP先行]
受付期間:5月21日(土)10:00~6月5日(日)23:59
http://chanty.jp/
[
6月25日(土)
※詳細は後日発表