宮野真守&梶裕貴、亜人を演じて分かった大切な存在【後編】

2016.5.5
インタビュー
アニメ/ゲーム


(【前編】からの続き)

――永井圭は第1部で自身が亜人だと知り、第2部では対立する亜人と戦うことになる。かなり心情の変化がありますよね?

宮野「第2部における圭は、自分が亜人であることを“受け入れた”んです。第1部の時は受け止めきれずに心を乱す部分が多くて、圭の不安な心情みたいなものが画面から伝わったと思うのですが、彼のすごいところは、持ち前の頭の良さで『だったらどうするか』っていう方に切り替えられるところなんです。なので、変化というか、第1部の不安も彼の本質だし、第2部の切り替え方も彼の本質なんだと思います」

――「亜人」シリーズで好きなキャラクターをひとり挙げるとしたら誰でしょうか?

梶「慎也の揺れ動く気持ちがキーになっているというお話をしたのですが、それには親友・祐介(CV江口拓也)の存在が大きいと思います。男同士ならではの“雑な優しさ”ではあるんですけど、慎也が窮地に立たされたときに、そのひとつひとつの小さな優しさに気付かされる場面が描かれていて…。慎也を演じてみて、改めて本当に大切な存在だったんだなと感じました」

宮野「『中村慎也事件』と本編の『亜人』。共通して救いになっているのはやっぱり親友の存在なんです。殺伐とした出来事が続くなかで、見ていてホッとするというか、救われるというか。親友との関係が物語のなかで“情”を感じられる部分だと思うので、圭にとっての海斗もやっぱり大きな存在なんです。圭を形成するうえで、非常に重要な存在だなと思いますね」

――最後に、劇場版ならではの『亜人』の魅力はどんなところにあると思いますか?

宮野「TVシリーズは心情の表現が捉えやすく、スピード感で観せていく劇場版の方は、より全体の世界観を捉えやすいと思います。まず第1部が劇場で公開されて、それを補填するかのようにTVシリーズが始まり、TVシリーズの途中から第2部の話と重なるんですけど、第2部の終わりはTVシリーズの先まで描いている。これは非常に面白いつくりなんですよ。それぞれの見せ方にこだわって監督たちが作りあげているので、全体を通して観ることで、『亜人』という作品の世界観をより存分に味わえると思います」

【取材・文/トライワークス】