安田レイ ゆっくりと着実に成長中、この春また一つ大きなステップを上るシンガーの飾らない素顔
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安田レイ/撮影=菊池貴裕
謎めいた才色兼備のクールビューティーから、飾らない素顔とあたたかいハートのボーカリストへ。ゆっくりと着実に成長中、安田レイのニューシングルは「Message」。R&Bバラードにバンドサウンド、ピアノにストリングス、様々なエレメンツが融合したミッドバラードを、しなやかに力強く歌う声が凛々しい。自ら作詞を手掛けた、リスナーに語りかけるようなメッセージがまぶしい。今の思いを詰め込んだシングルと、アルバム『PRISM』に伴うツアー。この春、安田レイはまた一つ大きなステップを上る。
感情を吐き出す瞬間はすごく大事だと思う。
私はすっごい涙を流してるから、ポジティブに生きていけると思っています。
――あらためてプロフィールを見て、びっくりしたんですよね。レイさん、13歳で元気ロケッツのボーカルとしてデビューして、今年でちょうど10年。芸能生活10年ですよ。そんなに若いのに。
意外と長いです(笑)。でも思い返すと、芸能活動をやってる気持ちはなかったんですよ、当時は。楽しい歌を歌っていて、楽しい仲間がいて、という感じだったので。経験豊富ですねってよく言われるんですけど、いやいや全然!って。安田レイとしての活動が始まってから、いろんな世界を知ることになりましたね。
――それでも、もう3年ですよ。2013年、ソロデビュー。
あっという間ですね~。始めた頃は、まったく右も左もわからない状態で、いきなりさいたまスーパーアリーナで初ライヴをやらせていただいて、小鹿のように震えていた(笑)。今はワンマンライヴを、胸を張ってできるようになったなって、自分をほめてあげたいなと思います。
――最初はたまアリ、代々木第一、京セラドームとか。大きいところのイベントばかり。
何万人もいる中で、誰も安田レイの存在を知らないところから始まっているので。だいぶハートは強くなりました。今は、誰も見ていなかったとしても、超アウェイでも、どこでも歌えるようになりましたね。強くなりました。
――最近は、ワンマンライヴも増えてきました。
去年は3回やらせていただきました。最初の時は本当に、1か月前ぐらいから眠れない日々が続いたんですよ、緊張で。普段はけっこう、何でも自信をもってやれると思えるし、思うようにしてるんですけど、あの時は珍しく弱気になってしまって。「レイちゃん大丈夫?」って家族に心配されるくらい、変なオーラが出てたって言われました。でもその1回を経験してから、やっとライヴの楽しさを味わえたというか。それまではイベントしかやってこなくて、安田レイを知らない人がいる中で歌ってたんですけど、自分のワンマンライヴはみなさん安田レイの歌を聴いてくれている方なので、そういった人たちが何百人も目の前にいるというのは、本当に幸せでしたね。ありがたいなと思います。
――ライヴは幸せ?
幸せです! 本当に愛してくれる人がいるんだなって、確認できる場所でもあるし。みなさんがまだ知らなかった、私の本当の姿というものを見せられる、すごく貴重な場所だなと思うので。やっぱりどうしても、ジャケット写真がわりとクールめな表情が多いので、クールな人かな?ってみんな思うんですよ。
――僕も思ってました。それが今ガラガラと……いやいや(笑)。
(笑)実際に会ってみたら全然違った、と言ってくださる方が多くて。みんなの中のイメージをどんどん壊していって、本当の姿を知ってもらいたいし、普段思ってることや感じていることや、ファッションとかも見てもらいたいという思いがあるので。それが一気にできるのが、ワンマンライヴならではのスペシャルな感じなのかなと思います。
安田レイ/撮影=菊池貴裕
――思い返せば、元気ロケッツは、匿名のLUMIちゃんという存在だったわけで。
元気ロケッツの頃は、誰にも言っちゃダメだよと言われてたし、友達にも絶対言うなと言われてました。まあ、言ってましたけどね(笑)。「歌をやりたい」って、友達にも学校の先生にも、いろんな人に言っていたので。それをやっているということ、少しずつ夢をかなえてきているということは、やっぱり内緒にはできなかったんですね。
――ですよね。わかります。
みんな、すごく応援してくれたし。中には反対する人もいて、音楽で食べていくのは大変だよって言われたんですけど、それでも諦めきれなくて。小さい頃、宇多田ヒカルさん(の歌)に出会ってから、一度も別の職業につきたいと思ったことがなくて、ずっと歌が歌いたい!と思い続けてきたので。今こうやって、LUMIを経て、安田レイとして地球にたどりつけてよかったです(笑)。
――地球にたどりつけた(笑)。確かに、元気ロケッツでは宇宙を飛んでたから。
今、このような形で歌えていることが、本当に幸せです。しかもこうやって、歌詞も書かせていただいていて。
――そうなんですよね。ニューシングルの「Message」は、レイさんの名前が作詞にクレジットされている。
今までシングルのカップリング曲とか、アルバムの1曲とかはあったんですけど。それはLUMIの頃から思っていたんですけど、やっぱり自分の本当の姿を知ってほしいと思っていたし、いつかちゃんと自分の言葉で歌を歌いたいと思っていたので。こうやって少しずつ、今回は共作ですけど、シングル曲を書くことができて本当にうれしいです。
安田レイ/撮影=菊池貴裕
――「Message」は、アニメ『逆転裁判~その「真実」、異議あり!~』のエンディングテーマ。これは、アニメに合わせての書き下ろし?
そうです。この「Message」という曲は、側(そば)で頑張っている人を応援する曲なんです。“私がいつも側に居る事思い出して”と歌ってるんですけど、たとえどこか遠い国にいたとして、心がつながっていれば、それは側と言えるし、いつも近くにいると思えるので。
――距離ではなく。
心の近さというか。その人に向けて、一方的に“頑張れ”ではなくて、私も一緒に頑張っていこうという、そんなメッセージが込められています。
――好きなフレーズはありますか?
サビが3回あって、“涙”が3回登場するんです。涙という言葉はマイナスイメージというか、せつない、悲しい、苦しいというイメージがあるんですけど、今回はその先の光を映し出したくて、“涙のあとの光”を表現しています。私は、泣くことは全然悪いことではないと思っていて、私自身めっちゃ泣き虫なので。いい意味でも悪い意味でも、すごくエモーショナルなタイプなんですよ。
――ああ~。そんな感じ、します。
今は“涙活”があるぐらい、みんなでドラマを見たり映画を見たりして、人生に泣く瞬間を作っていくんですよね。というぐらい、涙を流すということは、気持ち的にも整理がついたり、すっきりしたり、それがプラスになって前向きな気持ちになれたりするので。そこで我慢するとどんどんマイナスになってしまうので、感情を吐き出す瞬間はすごく大事だなと思うんですよね。そう考えると、私はすっごい涙を流してるから、こうやってポジティブに生きていけるのかな?と思ってます。
――いいなあ。素晴らしい。
それですね。今気づきました。それだ!(笑)
――涙活の講師になれる(笑)。ちなみに最近泣いたのは?
え~、なんだろうな。あ、映画ですね。『八日目の蝉』。
――ああ~。あれは評価高いですね。
あれはほんとにヤバかった! すごいリアリティがあったし、女性は特に、母性本能を刺激されるんじゃないかな。役者のみなさんも素晴らしい演技で、ついつい号泣しました。けっこう、映画には弱いですね。ファンタジーよりも、リアリティのあるほうが好きかもしれない。私、よくファンタジーっぽいと言われるんですけど。
――ファンタジーっぽい(笑)。どんな意味だろう。
見た目がファンタジーとか(笑)。派手な服も多いし、原色とか、ネオン系も着るので。そういうところで、ファンタジーな部分を想像されますけど。
――ちなみに、音楽でも泣くことはあります?
あります! それこそ涙活じゃないですけど、自分の中に何かがたまってるなと思う時は、バラードの曲を聴いたりしますね。最近だと、サム・スミスはヤバいです。
――サム・スミスはヤバいですね。あの声はすごい。
電車の中で聴いてても、ボロボロ涙が出てきちゃう。ソフトなピアノバラードで、すごくエモーショナルな声で、あれはかなり来ますね。
――それこそ、「Message」もバラード系だし。
そうなんです。私、もともと自分はアップテンポでダンサブルな曲のイメージだなと思ってたんですよ。元気ロケッツの頃も、ソロデビューしたあとも、そういう曲が多かったので。でも、前作の「あしたいろ」(ドラマ『結婚式の前日に』主題歌)もそうですし、「Message」も、ゆったりとした曲が増えてきて。「あしたいろ」をきっかけに安田レイを知ってくれた方もいると思うので、流れが変わってきてるなと思います。でもカップリングの3曲目に入ってる「Shakin’Da beat」みたいな曲も大好きなので、いろんな曲を歌っていきたいんですね。
――あ~。「Shakin’Da beat」はめちゃめちゃ、かっこいいです。
初めて聴いた時に Wow! This is so Michael Jackson!と思いました。マイケル降臨!って(笑)。これを安田レイが歌ったらどうなるんだろう?という、ワクワクした感じがありましたね。こういう楽曲も今までなかったので、とにかくライヴで盛り上がる曲にしたいです。私、ブラック・アイド・ピーズの「Let’s Get It Started」という曲が好きなんですけど、あの曲のPVみたいに、ファンの人たちがワーッとクレイジーになって、踊りまくってるみたいな絵がめっちゃ浮かんでいるので。今回のワンマンが初披露になると思うので、みんなのリアクションがすごい楽しみです。ライヴに向けて、こういう楽曲もどんどん増やしていきたいと思います。
安田レイ/撮影=菊池貴裕
ツアーではたぶん、おへそを出して歌うので。
“この角度で見て~”って、やると思います(笑)。
――5月14日からのツアーは、アルバムのツアーですよね。
はい。『PRISM』を引っ提げて。今年一発目なので、すっごい楽しみです。しかも東京(5月27日)は赤坂BLITZなんですよ。
――ライヴハウスとしては、大きいハコ。しかも、ビッグなアーティストが必ず通る場所。
数年前の自分からすると、めちゃめちゃ遠い存在だったので。そこに自分が立つんだと思うと、単純にすごいなと思います。でももっともっと、ここから規模を広げていきたいなとすごく思います。
――今、レイさんのお客さんって、どんな感じですか?
私のファンはすごく幅が広くて、この層だけという感じじゃないんです。ポケモンきっかけ(6thシングル「Tweedia」はポケモン・ザ・ムービーXY『光輪(リング)の超魔人フーパ』主題歌)で知ってくれたちびっこちゃんと、ご家族で来られる方もいますし。カップルもけっこう多くて。きっかけは、男性のほうが元気ロケッツを聴いていたり、音楽が好きな彼氏が彼女を連れてきて、一緒に好きになりましたと言われることが多いです。ご夫婦の方もいらっしゃいますし、本当に幅広いです。
――アニメ、ドラマ、CMとか。いろんなタイアップ曲を歌ってきていますしね。
今回もアニメをきっかけに、どんな人が来てくれるのか、すごいワクワクしますね。初めてライヴに行く時はけっこうドキドキするというか、周りのファン層と自分が違ったらどうしようという不安を持ってる人もいらっしゃると思うんですね。でもそこは気にせずに、いろんな人がいらっしゃるので、恥ずかしがらないで来ていただければ、絶対楽しいと思うので。来ていただきたいです!
――最後に、SPICEの女性スタッフからおまけの質問を。「お美しいレイさんから、おすすめの美容健康法は?」と。
あ~、私が必ずやっていることは、腹筋です。といっても、上体を起こすのではなく、寝る前にベッドに横になって、足上げを50回やるんです。
――50回! それ、相当キツくないですか?
慣れると楽なんですよ。たぶん200回ぐらいいけます。でも初めてやる人は、絶対50回やらないでくださいと言いたいです。私のマネージャーにも勧めたんですけど、いきなり50回やっちゃって、次の日に起き上がれなくなったので(笑)。まずは5回とか10回から始めて、徐々に増やしていくのがいいと思います。私の場合、結果的に美容につながったんですけど、もともとは歌うため、腹式呼吸のために始めたんです。そうしたら、洋服を着た時のラインだとか、おへそを出す衣装の時とか、筋肉がうっすら見えて、これはいいなと。美容と歌と、どっちの意味も込めて続けてますね。
――まさに一石二鳥。
“わー、筋肉ついてきた”って。ボディビルダーのみなさんの気持ちがうっすらわかるような気がします。見たくなるんですよ、自分で。鏡を見ながら、“この角度いいな~”とか(笑)。
――じゃあ、今度のツアーの見どころは、その美しい腹筋もですね。
はい。たぶん、おへそを出して歌うので。“この角度で見て~”って、やると思います(笑)。
撮影=菊池貴弘 インタビュー・文=宮本英夫
安田レイ/撮影=菊池貴裕
2016年5月18日(水)発売
【初回生産限定盤】CD+DVD
安田レイ「Message」初回生産限定盤
<収録曲>
1. Message
2. Reflection
3. Shakin’ Da beat
4. Message (Instrumental)
<DVD収録内容>
「Message」ジャケット撮影メイキング映像
安田レイ「Message」通常盤
1. Message
2. Reflection
3. Shakin’ Da beat
4. Message (Instrumental)
《初回仕様限定特典》アニメワイドキャップステッカー付き
2016/5/14(土)大阪・umeda AKASO 17:00 / 18:00
2016/5/19(木)愛知・Bottom Line Japan 18:00 / 19:00
2016/5/27(金)東京・赤坂BLITZ 18:00 / 19:00