ボードゲームに恋して~ROUND:12「ゲームマーケット東京2016春」

2016.5.17
レポート
アニメ/ゲーム

拡大し続ける「ゲームマーケット」を今回もレポート (c)DEAR SPIELE

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「第3回:日本最大のボードゲームイベントに"取材です"と言い切って潜入してきました」
#ゲームマーケット東京2016 春

ゲームマーケット神戸から3ヶ月という短いスパンではありますが、ゴールデンウィークの真っただ中、5月5日(木・祝)に東京ビッグサイトにて「ゲームマーケット東京2016 春」が行われたので早速、取材と称して回ってきました。

「取材腕章を貰ったからには一応、仕事としてレポートせねばなるまい!」という、いつもの「ゆるい決意」が織りなす、ゆるいレポートをお時間ございましたらご覧ください。お目汚し程度に。
 

>>天気良し!しかし、晴天は時にして苦行

あまり天気の良い印象の無いゲームマーケット東京。今回は朝から非常に天気が良く、屋外に伸びる待機列も楽勝!……と思いきや、天気が良すぎて日向の列は日光直撃でかなり暑そうな雰囲気。早くから並んでいる皆さまお疲れ様です!

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先頭に並んでいた方にお話を伺うと、始発ではなく、車で千葉からいらしたとのこと。同人サークルの頒布が少ないゲームが目的とおっしゃっていましたが、大抵は予約してあるため開場後まずは床売りの中古ゲーム(フリーマーケット形式で中古ゲームを少数販売している一角あり)を見に行きたいと楽しそうに話してくださいました。

最近は、多くのサークルが「事前予約制」を導入しており、開場直後の行列や混乱は抑え目になっている印象があります。それでもこれだけの来場者の方々が朝から長い行列を作る盛り上がり。ユーザー間で大体2,400人くらいは並んでいたという報告もありますが、あながち間違ってはいないと感じます。

 

>>参加者数は前回より約15%増

今回のゲームマーケット東京2016 春は、前回の2015秋の来場者数9,500人に対して約15%増となる約11,000人との発表がイベントを運営するアークライト社よりありました。とうとう来場者数が1万人台となったゲームマーケット。

開会まえのガラッとした状況をカメラに納めておこうと思いましたが、場内は既に各サークル準備に追われる方々で溢れていました。サークルが増えたとはいえ、会場も確実に広くなっているので開会前にこの密度は驚きです。

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程なく開会となりましたが、開会後は当たり前ですがすぐに人で溢れ返ります。

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今回の傾向としては、あまり行列が見られず、開会直後はデッキ構築型ゲーム「ハートオブクラウン」の拡張やストレージボックスを頒布している「FLIPFLOPs」と、「ドイツ年間ゲーム大賞」の大賞とエキスパート部門両方の受賞歴を持つフランス人デザイナー「アントワーヌ・ボザ氏」と「コレンタン・ルブラ氏」の協作で話題の「外人ダッシュ」のブースに行列ができたくらい。特に「FLIPFLOPs」は事前予約を取っていなかったらしく、その行列は外まで伸びる盛況ぶり。他に行列と言えば、会場内で行われていた「謎解きイベント」にも多くの来場者が参加し、かなりの行列となっていました。

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また、以前はお目当てのサークルを一通り回った人たちが午後くらいから試遊卓を利用する流れが見られましたが、今回は開会後比較的早い段階から試遊卓が埋まっていました。こういった変化も非常に面白い傾向ではないでしょうか。

 

>>イベントを形づくる「人」たち

今回はほぼ事前情報を仕入れず、当日気になったブースに声を掛けて回る作戦でいこうと思い(決して事前準備を怠ったわけではないですよ!)とにかく、何回も場内を周遊しました。

そんな中で、目を惹いたり気になったブースや催しをいくつかピックアップしていきたいと思います。

今回は、ゲームよりもそれを扱っている「人」にフォーカスして写真を撮ってみました。実際にイベントを作っているそれぞれの「人」がどんな方々なのか知っていただき、イベントの空気感を感じていただければ幸いです。

 

まずは、行列の先頭の方も「最初に向かう」と言っていた「床売り(バザール)」へ。

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開始直後にこの人だかりです。
「ボードゲームは一期一会」と言われるほど、買いたいときには絶版してしまって手に入らないゲームが多々あります。そういう需要を満たすのが「中古商品」です。もちろん絶版でなくとも、単純に中古として新品より安く買えるものもあるので、これらニーズを満たす春開催のバザールは毎回人気です。

 

お次は、無視することはできない「ボザ&ルブラ」の外人ダッシュ頒布ブース。

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朝から熱心なファンが行列を作る様子が見られ、ボザ氏やルブラ氏にサインや握手を求める方も。それに笑顔で快く応じるお二人はとても素敵な方々でした。

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筆者もお願いして写真をパシャリ。

常に笑顔のお二人……私の腕が未熟なばかりに、ボザ氏の目が閉じていて残念(笑)

 

最近は「アナログとデジタルの融合」といったボードゲームも散見されるようになりました。その中でも国産で注目を集めている「アニュビスの仮面」を発売している「ギフトテンインダストリ―」のブース。

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代表の濱田氏は終始試遊卓にてルール説明をしており、忙しい中の取材快諾&この笑顔。
革新的なゲームはこのバイタリティから生まれるのかも?

 

立川のカフェ「ペンタロメーネ」のブースでは、2人用ゲームの新作「双子の王子」のデザイナー「しろう氏」と、アートワークを手掛けた「ママダ・ユースケ氏」が笑顔でお出迎え。

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「ペンタメローネ」はボードゲームカフェというわけではなく、イベントの一環としてボードゲーム会を行っており、そこで出会ったプレイヤーの方々がゲームや同人誌をプロダクトする流れが出来ている一風変わったお店です。

 

カフェと言えば、東京根津でボードゲームカフェを営んでいる「コロコロ堂」も今回初出展ということでブースを構えていました。

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コロコロ堂はお店の雰囲気と同じく木のぬくもりを感じるオーダーメイドのネームプレートや、トークンホルダーを頒布。他にもボードゲーマーに聞きたい事をアンケート形式で来場者に聞く試みなど展示内容に工夫が見られました。

 

日本の伝統ゲーム「投扇興」をモチーフに「侍鳥」を頒布していたブース「KIKACOOL」

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かなりの反響があったようで、頒布数が少なかったとはいえ7,000円という価格にもかかわらずあっという間に無くなってしまったとのこと。

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普通の扇子より大きめの手作り扇子は遊び応えバツグン!

 

アメコミ風の目を惹くイラストが印象的な「P.Y.G」を頒布していたのは「OTOKOMAE GAMES」のブース。

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P.Y.Gは、「他のプレイヤーの手札が推理できるジジ抜き」という説明の通り、カードに描かれた数字が裏面に描かれた数字の倍数になることから、どの数字のカードか推理して既定の数字に一番近い数字を手札に残すことを目的とするお手軽で悩ましいゲームでした。

 

ひと際目を惹く可愛らしい着物姿の女性が売り子をしていた「シンガリハット」のブース

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「今回は新作が無いので売り子だけでも頑張りたいと思って……」といった冗談&謙遜もありつつ、旧作「めじろおし」は完売、「HONNOUJI」に関しても売れ行きは好調の様子。
筆者もその可愛い売り子さんにフラフラと引き寄せられていますので、作戦は成功してますよ!(笑)

 

企業のブースも少々覗いてみます。

新作の先行販売もあり、試遊卓が常時盛り上がっていた主催のアークライト社のブース。

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先行販売はいずれも好調で、特に「翠色の習作」はあっという間に売り切れてしまったとのこと。ブース内では今後発売や日本語のタイトルが決まったゲームの告知がされていました。

 

台湾のゲームを紹介するTGD(台湾ゲームデザイン)のブースで話題だったのは開始数分で売り切れてしまったという「ブラーノ島」。

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デザイナーのEros氏曰く35個しか持ち込んでいなかったとのことでしたが、販売スピードを見る限り、かなりの注目を集めていたのは明らかで、「台湾発」という新しいボードゲームの流れが出来つつあると感じました。

 

この辺で、そろそろ撤収しようかな?と思っていたところ、「すいません、取材ってどうしたらしてもらえるんですか?」と声を掛けられる珍事発生!

え?私なんかでよろしければいくらでも取材しますよ!
……ということで、ありがたい逆オファーにて取材させていただいたのは「JUGAME STUDIO」

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お子様がブースのお手伝いをしているのがなんだか新鮮!
今回持ち込んだ新作は「真打」と「オーガナイザー」の2作品。「真打」は開始早々に売り切れてしまい、「オーガナイザー」についても筆者の目の前で売り切れとなる盛況ぶり。

特に人気の高かった「真打」はバッティング要素のあり、セットコレクションありといった落語をテーマにした作品とのこと。落語をテーマにしたボードゲームが他にないのでは?というところからチャレンジしたとおっしゃっていたのは、代表の川村氏。
川村氏は、元々デザインの仕事をしているということで、アートワークも美しい出来で早期売り切れも納得の作品でしたが、まだプロトタイプということだったので、製品版はまた話題になるのではないでしょうか?

まだまだブースは回りましたが、今回はこの辺で。
とにかく会場は広く本当に全部見るのは大変なイベントになりました。

 

>>売り切れが目立っていた(?)今回のゲームマーケット

今回のゲームマーケットは、午後にもなると売り切れが非常に目立っていたように感じました。
もちろん、来場者数が増えているなか、販売数も伸びているのかも知れませんが、需要が増えたというよりも、少部数生産のサークルが増えたという印象です。

少部数生産の理由はそれぞれあるかと思いますが、今まであまり見なかった箱や内容物が大きな(豪華な)ゲームや、独創性のあるチャレンジングなゲームが前回より多く見られたように見え、それぞれのサークル(特に新規参加のサークル)が、低予算・少部数でも作りたいものを作るという流れにまた戻ってきているんじゃないかな?……と、そんな印象を受けました。

毎回、予想以上に変化を感じることが出来るゲームマーケット。
今後も新たな変化に立ち会えることに期待しつつ、参加していきたいと思います。

 

see you :-)