カブキを気軽に楽しめる新スタイルカフェが名古屋にOPEN
-
ポスト -
シェア - 送る
「名古屋山三郎一座」公演より
名古屋・円頓寺で毎週末観られる「名古屋山三郎一座」のカブキエンターテイメント
名古屋駅と名古屋城の中間あたりに位置し、古くから門前町として栄えた円頓寺(えんどうじ)界隈。その賑わいは昭和30年代をピークに衰退していったが、近年は白壁の土蔵と町家が軒を連ねる四間道(しけみち)と共にレトロなアーケード街が再び注目を集め、民家や蔵などをリノベーションしたお洒落な店が次々と誕生している。
そんな中、円頓寺商店街のメインストリートにこの春誕生したのが『カブキカフェ ナゴヤ座』だ。座長を務める名古屋山三郎と、名古屋山之助、名古屋三平太の3名で結成された「名古屋山三郎一座」によるカブキショー「ナゴヤカブキ」は、花道から天井まで空間を最大限に利用して迫力満点に展開。江戸時代の歌舞伎小屋をイメージした桟敷席で、飲食しながら上演を堪能することができる。
初日公演より
日本古来の伝統芸能である歌舞伎を、気軽に身近な距離で楽しめるこの店が誕生した発端は、「日本舞踊西川流四世家元の西川千雅さんと出会い、何か面白いことをやろう、と始めたんです」と、運営を手がける古川博氏。その西川氏が上演作品の脚本と総合演出を担当している。一座については、愛知県岡崎市で活躍する〈グレート家康公「葵」武将隊〉のメンバーとして出会い、志を同じくした山三郎と山之助、山平太に声を掛け、専属劇団として結成したのだ。
また、会場は築80年の建物内2階にあった元和食店を自分たちの手でリノベーション。老朽化で床に空いた穴を塞いで水平にし、防音工事を施し、何度もミーティングを重ねつつスタッフ総出でペンキまみれになりながら、約40席の劇場を造り上げたという。こうした努力の末、迎えた4月29日のオープン日は満員御礼。ツクヨミ、アマテラス、スサノオをめぐるヤマタノオロチ成敗の物語を、派手なチャンバラやアクションをまじえた大熱演で繰り広げ、観客を魅了した。
初日公演より
初日公演より
名古屋山三郎「日本文化に新しいものを取り入れながら、いつでも、どんな人が来られても老若男女楽しめる、我々にしかできないものをお見せします」
名古屋山之助「今までご覧になったことのないようなオモシロイことをやりますので、ぜひ観に来てください」
名古屋山平太「歌舞伎を知らない外国の方や若い人にも演劇の面白さを知っていただきたいです。ナゴヤ座を発信拠点として、商店街の盛り上がりも目指していきます」
終演後の名残口上で山三郎は、「新しいシーンができたり、剣が折れるアクシデントがあったり、内容はどんどん変わって毎回違うものになります。芝居はナマ物なので1ヶ月後には全然違うものになっているかもしれません。それも楽しみに来てください」と語った。
その後10日間に渡る昼夜連続公演で開場を飾ったオープンウィーク「杮(こけら)」も盛況のうちに終了し、現在は通常公演として毎週末『ナゴヤカブキ 月読』と『ナゴヤカブキ 須佐之男』を上演。昼・夜公演ともに、上演1時間前から一座お出迎えによるオープンとレクチャートーク、終演後のアフタートークがあるほか、公式サイト内の公演スケジュールに「練」印が付いている回は、オープン30分前に円頓寺商店街の練り歩きも行っているので、観劇の際は早めに訪れて商店街も堪能してみては。
お目当ての役者に投げる「おひねり」も独自のシステムを導入。入場時にも渡されるが、役者ごとに設置された「オヒネリガチャ」で購入もできる
場内手前にはドリンクとグッズを販売するコーナーが。商店街のテイクアウトメニューなど、食事は持ち込み可
『KABUKI CAFE NAGOYA za』外観。古い木枠をそのまま生かし、モダンな造りに
■開催日時:毎週金曜~日曜 昼の部13:00~/夜の部18:00~または19:00~(日によって異なる)
■会場:KABUKI CAFE NAGOYA za(名古屋市西区那古野1-21-21 ハモニカ荘 2B号室)
■料金:昼の部・夜の部ともに各3,500円(ワンドリンク付き) ※ウェブ、電話予約ともにシステム手数料300円を含む。完売以外の公演は当日券も販売
■アクセス:名古屋駅から地下街ユニモールを抜け、「国際センター」駅2番出口へ。地下鉄桜通線「国際センター」駅2番出口から北東へ徒歩5分
■問い合わせ:ナゴヤ座 080-9724-3049(月~木曜12:00~18:00)
■公式サイト:http://nagoya-za.com