新妻聖子の“ほとばしる原作愛”に浦井健治らが息をのむ!「王家の紋章」製作発表レポート

2016.5.17
レポート
舞台

ミュージカル「王家の紋章」

少女漫画の金字塔「王家の紋章」が、初めて実写化、ミュージカル化されることとなり、16日(月)都内ホテルにて製作発表が行われた。会見の場には、約7000名の応募の中から選ばれた230名のオーディエンスも参加し、古代エジプト世界をそのまま描いたような豪華な衣装に身を包む浦井健治、宮澤佐江(AKB48)、新妻聖子、宮野真守、平方元基、伊礼彼方、濱田めぐみ、山口祐一郎、そして脚本・作詞・演出の荻田浩一と原作者の細川智栄子あんど芙~みんが登壇した。

「王家の紋章」は1976年から現在にいたるまで「月刊プリンセス」にて連載され、累計発行部数は4000万部という少女漫画の金字塔。現代から古代エジプトにタイムスリップしてしまった一人の女性キャロルと、古代エジプトの若き王メンフィスが出会い、運命の荒波に翻弄されながら、やがて惹かれあっていく物語。

会見の冒頭では、浦井と新妻が劇中歌から「Where I Belong」、浦井、宮澤、宮野、平方、濱田で「Unrequited Love」を初披露した。⇒この模様はこちらの動画で

本番の熱唱が今から楽しみ! 浦井健治 ミュージカル「王家の紋章」

会見では、原作者の細川が「私たちは生涯をかけて読者の皆様、特に少女の皆さまに愛、思いやり、優しい心、勇気を届けるために作品に描いてきました。『王家の紋章』の連載も40年となりまして、本当にたくさんの方のお力添えをいただき東宝ミュージカルにしていただけることになり喜んでいます」と語ると、実妹の芙~みんも「(上演される)8月には国を超え、3000年の時を超えて古代エジプト王国の夢の世界へお越しいただければ…。歴史の中、エジプトとヒッタイトを舞台に素晴らしい音楽にのせて、愛が、夢が、嫉妬心や欲望が揺らめく世界が皆さんの心を満足させると思います」と緊張しながらもPR。

姉妹でご登壇いただきました!(左から)細川智栄子先生、芙~みん先生

細川先生をサポートするライアン兄さん(伊礼彼方)にキュン! ミュージカル「王家の紋章」

本作の出演について、浦井は「本作で、初の帝劇単独主演、帝国劇場の0番(※ステージ上の立ち位置。センターが0番)に立たせていただけることがとても嬉しい。支えてくれた人たち、ファンの皆様の愛にこたえていきたい」と意気込み、「僕が初めてミュージカル「レ・ミゼラブル」を観たとき、そして「エリザベート」で初めて帝劇に立たせていただいたときに、いつもやさしくそばで見守ってくださった祐さん(山口)が今ここにいてくださることを光栄に思っています」と大先輩との共演にあふれんばかりの笑顔を見せた。

ついに帝劇初主演! 浦井健治 ミュージカル「王家の紋章」

太腿チラリがセクシーな衣装ですね! 浦井健治  ミュージカル「王家の紋章」

一方、今回がAKB48/SNH48/SKE48卒業後初舞台となり、ヒロインのキャロルを演じる宮澤は「頑張ることは当たり前だと思いますが、自分は今回ご一緒させていただくキャストの中でも特にいちばん頑張らなければならないと強く思っている。帝劇に立てることは夢にも思わなかった素晴らしい事。自分がここに立てる事に感謝して、キャロルという女の子を私らしく演じたい」と真剣に応える。

AKB48卒業後初舞台!宮澤佐江 ミュージカル「王家の紋章」

宮澤とWキャストでキャロルを演じる新妻は、子どもの頃から『王家の紋章』の大ファン。「細川先生、芙~みん先生の生声を聴けただけで武者震いをしています。子どもの頃から夢と感動をいただいてきたこの作品が初の舞台化となり、それにキャロル役で出られることは奇跡。作品とお客様に失礼のないよう、全身全霊で向き合って、ひと夏、命をささげたいと思います」と熱を込めて語る。

美しい歌声を響かせる新妻聖子 ミュージカル「王家の紋章」

現在声優として、また歌手としても大人気の宮野は、メンフィスのライバル、ヒッタイト国のイズミル王子を演じる。帝劇初出演となる宮野は「ガキンチョの頃から劇団ひまわりに所属していたが、この年になって帝国劇場に立てるなんて…これから現場で切磋琢磨してやっていく。最後はメンフィスに勝ってやろうと思っています。そのくらいの気持ちで頑張ります」と挨拶すると、宮野の前に座っていたメンフィス・浦井がニカッと笑いつつ宮野のほうを振り返っていた。

帝劇初出演!宮野真守 ミュージカル「王家の紋章」

ミュージカル「王家の紋章」

そしてもう一人、Wキャストでイズミル王子を演じるのは平方元基。帝劇出演経験は多数あるものの、やはりこの大作に挑むとあって「本当に緊張していて今ここに立っている間も汗が噴き出しています」とコメント。原作の印象については「非常に五感をくすぐる漫画だなと、温度とか質感、感触などを丁寧に表現していけたら」と語った。

「オラオラ系」イズミル役の平方元基 ミュージカル「王家の紋章」

そして、一人だけスーツ姿で登場したのは現代のパートでキャロルの兄ライアンを演じる伊礼。「現代の代表は僕一人だけですか?」と口にすると、前列に座っていた新妻が「私も~」と手を上げるが、「あなたはすぐ古代エジプトに行っちゃうじゃないですか!僕、取り残される!」とツッコんで笑いをとる伊礼。「彼女がエジプトに行ってしまうと孤独になるので、キャロルがメンフィスとラブラブしている間に僕はアイシスに求愛しようかなと思います。新しいドラマが生まれるかな(笑)」とさらに観客を笑わせていた。

ライアンそのまま!! 伊礼彼方 ミュージカル「王家の紋章」

メンフィスの異母姉・アイシスを演じる濱田。「私は古代エジプトの作品に携わることが多く今回もこの役をいただいたときに、何か運命的なものを感じた。アイシスの中に宿る神性とかスピリチャリティは、この作品で不可欠な部分を受け持っていると思う。その部分を大切にし、一人の人間としての想いや苦しみ…生々しい生きざまを舞台上で演じ、生き抜けたら」とコメント。

抜群の安定感! 濱田めぐみ ミュージカル「王家の紋章」

そして若き王メンフィスを支える宰相イムホテップ役の山口は「今年の夏、愛とロマンスがあふれる夢のような舞台に…そのひと時を過ごすことができる、素敵だなあ…と思いながら皆さんの話を聴いていたが、ふと我に返るとああ、僕は(恋愛部分に)何も関係しない役なんだ!と再確認した」詩の一節を詠うように語る山口に観客大ウケ!

「祐さま」トーク、本日も絶好調! 山口祐一郎 ミュージカル「王家の紋章」

質疑応答は、誰かが何かを口にすると他の誰かが思わず笑う…そんなやりとりが続く賑やかな会見となっていた。なかでも「原作の魅力」について質問が及ぶと、ディープな原作ファンである新妻がマイクを持った途端、「『王家の紋章』を語り出すと止まらなくなってしまうので、なるべく手短にお話しできるように、キュンキュンするポイントに的を絞ってお話をしようかと」と前置き。そして「女子目線で観ると、メンフィスと…(思わず横に座る浦井をみて)やだ、横にメンフィスがいる…落ち着いて自分!メンフィスとかイズミル'sとか、世界イケメン図鑑のエジプト・トルコ代表のような人が出てくる話です。私、思うんですが、メンフィスというのは、少女漫画の歴史における元祖・俺様男子なんです。強引で、ちょっと優しくて、権力があって、美しい男子という女性の理想が全部詰まっているのがメンフィス。昨今『壁ドン』とか『顎クイ』とかありますが、メンフィスはキャロルの腕を折っちゃいますから。『腕ポキ』ですから!」と一気に熱く語る新妻に、原作を知っているだろう観客から納得の笑い声や拍手が!

ミュージカル「王家の紋章」

「好きすぎて話がまとまらないので今度のときまでにまとめてきます(笑)」と語り足りない風で新妻が無理やり話をシメると、そのあとに語ろうとしていた宮野が「しゃべりづらいったらありゃしない(笑)でも愛があふれるコメントだなと聴きいっちゃいました」、さらに山口は「今ならドメスティック・バイオレンス的に大変なことになるんですが、愛しているんだから相手の腕を折ろうが何しようが俺のものになれ、という愛され方をいったん味わってしまうと…現代社会の普通の愛情で満足できるんですかね?お父さんとしては心配です」と新妻の話を受けてコメントすると、さらに笑い声が起きていた。

ミュージカル「王家の紋章」

「このキャラクターの個性を限られた時間でどれだけこってり盛り込めるか。この物語が40年続いてきたというのは、美しい・きれい・甘いというだけじゃなくてそこにうごめいている人間の業や性が描かれているから。ただそれを前面に出してしまうと最初の絵から受ける印象が薄くなってしまうので、美しさを損なわない程度にいかに荒々しく描いていくか」が演出の肝だと語る荻田。「リーヴァイさんと歌稽古をしたときに話が出たが、彼らは現代のひよわな人間ではない。それぞれが人間としての力と生命力、エネルギーにあふれたキャラてあってほしい。運命に翻弄されているけれど、翻弄されるだけでなくそれにあらがって戦っている雄々しさが美しい絵で語られていることが大事」という想いをもって作品づくりに精力を注いでいくと語っていた。

☆後日、イズミル’sのお一人、宮野真守とライアン役の伊礼彼方のインタビューをお届けします。お楽しみに!

公演情報
ミュージカル「王家の紋章」
 
■日程:会場:
2016年8月5日(金)~8月27日(土) 帝国劇場
プレビュー公演:8月3日(水)・4日(木)

■原作:細川智栄子あんど芙~みん「王家の紋章」(秋田書店「月刊プリンセス」連載)
■作曲・編曲:シルヴェスター・リーヴァイ
■脚本・作詞・演出:荻田浩一

■出演:
浦井健治/宮澤佐江・新妻聖子[Wキャスト]/ 宮野真守・平方元基[Wキャスト]/ 伊礼彼方/濱田めぐみ/山口祐一郎/ほか

■公式サイト:http://www.tohostage.com/ouke
一般発売:5月28日(土)10:00~

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