P★リーガー列伝 Vol.1 「気迫のボウリング・ジェンヌ　姫路 麗」

2006年4月、BS日テレ『ボウリング革命 P★LEAGUE』のレギュラー放送が始まり2015年4月で10年目を迎えた。
P★LEAGUEの「P」とはPretty(キュート)、Performance(魅せる)、Passion(情熱的な)、Power(力強い)、Perfect(300点GET)という5つのキーワードがある。
出場するP★リーガーは技術、体力、精神力、美貌、そのすべてを兼ね備えた女性アスリートばかり。真剣勝負だからこそ生まれるその緊張感は観ている者を魅了する。

SPICEでは、P★LEAGUE10周年を記念し、P★リーガー24名に単独インタビューを敢行！記念すべき第一回目は、2015年度ＪＰＢＡ公式戦でポイントランキング１位・賞金ランキング1位・アベレージランキング1位の三冠女王に輝いた「気迫のボウリング・ジェンヌ姫路 麗」プロに登場していただいた。

－－「姫路 麗（ひめじ・うらら）」というお名前は、宝塚の女優さんみたいで素敵ですね。ご本名ですか？

よく聞かれるんですが、本名です！「麗」は、私の誕生日が春分の日ということで、「春うらら」から取ったそうです。春の季節のように天真爛漫に、という願いを込めたみたいですが、その通りになりましたね(笑)。

－－たしかに、まわりを一瞬で明るくするオーラがありますよね。

いえいえ、そんな技は持ってないですけど、やっぱり大阪出身なので、自虐ネタは必ず入れて一回笑わせないとって、変なサービス精神はありますね。あ、でも私、宝塚音楽学校を受験したこともあるんですよ。

－－P★LEAGUEでのキャッチフレーズ“気迫のボウリング・ジェンヌ”も、そこから来ている？

そうです、そうです。私、クラシックバレエを小学１年から12年間やっていて、バレエで食べていけないかなと思っていたんです。でも、プリマドンナもバレエ教室の先生になるのも無理そうだなと。そうしたら、「音楽学校に入ったら、踊りながらお金もらえるよ」と母に勧められて。母も昔、受験したことがあって、華やかな世界に憧れがあったみたいですね。

－－では、もしかしたらタカラジェンヌになっていたかもしれないんですね。

ですね。見事に落ちましたが(笑)。それを機にバレエもピタッとやめて、さあ何をしようかと探していた時に、昔から遊びでやっていたボウリングをやってみようかなと。おじいちゃんがアマチュアボウラーで、中山律子さん世代の真っただ中だったこともあり、母も私もよく連れていかれたんです。

－－バレエとは違うボウリングの魅力は、どんなところですか？

バレエもボウリングと同じで奥が深い芸術ですし、鍛練をすればできないことができるようになるところも好きでした。それに加えて、ボウリングはどんなフォームでもピンを多く倒したほうが勝ち。とても明確なゲームで、その部分にすごくひかれてハマっていきましたね。

－－2000年にプロデビューされて、今ではプロボウリング界やP★LEAGUEを代表する女子プロボウラーですね。

いえ、大阪のおばちゃんです（きっぱり）。

－－大阪のおばちゃん！？

私、大阪のおばちゃんが大好きなんですよ。もう、すっごいなあとリスペクトし続けていて、絶対にああなると思ってきたんです。そろそろ、おばちゃん的な年齢だし、娘も来年は高校生になるので、もう自称「おばちゃん」と名乗っても、大阪のおばちゃんに失礼には当たらないかなと思って。

－－ボウリング界では押しも押されもせぬ「女王」ですよ！

いえいえ、おかげさまで去年の結果がよかっただけです。

－－2015年度は公式トーナメントで年間4勝をあげて、見事「三冠女王」になったそうですね。ボウリングの「三冠」というのは？

公式戦の順位ごとにもらえる「ポイント」と、「アベレージ」というスコアの平均と、「獲得賞金」、この3つのランキングで全部1位になると「三冠王」とか「三冠女王」と言われます……と、私もやっと説明できるようになりました（苦笑）。

－－以前は姫路プロも知らなかった？

2008年にも三冠をいただいたんですが、その時は「あなた三冠よ」「なに？三冠て？」という感じだったんです。その意味や重みを知った後に、もう一度三冠を取り直せたというのは、私にとって物凄く大きい宝物ですね。ただ、今はもう遠い過去ですが……。

－－昨年、三冠女王になったばかりなのに!?

その年に、いくら結果を残しても、12月31日にはゼロに戻って、1月1日からはみんな横一線のゼロスタート。それがボウリングの厳しさであり醍醐味だと思います。私にしても今年は今年、どうなるかわからないので、よかった成績にひたる間がないんです。

－－そういえば、昨年9月の公式戦（ＭＫチャリティカップ）では、優勝の副賞としてアルファードが贈呈されましたね。

そうなんです！　今、駐車場に停まってます！　以前（2010年）に優勝した時はポルテをいただいて、それは母が乗っています。今回は10回めの記念大会ということで、クルマのグレードも上がったんですよね。

－－では、ひそかに副賞のアルファードを狙っていた？

実はそうです(笑)。もちろん、実際にプレーしている時はそんなことを考える余裕はないんですけど、優勝決定戦が近づくにつれて、展示されているクルマの前を通るたびに「私が乗ったら全国に行けるよぉ、どうする？　うち来る？　大事にするよぉ」って、ずっと勧誘してました(笑)。アルファードにも勝利を呼び込んでもらえるように。

－－優勝してクルマがもらえるなんて、夢がありますよね。

ですね。まわりの方も「クルマもらえるの？」って、反応がすごくいいんですよ。夢を与えて下さる主催者やスポンサーの方々には本当に感謝ですね。みなさんの期待に応えられるように、プロらしいゲームをこれからもしていきたいです。

－－先ほど、娘さんのお話が出ましたが、娘さんもボウリングをやっているのですか？

それが、まだやっていないんですよ。今はバレーボール部で忙しくて。でも、「高校に入ったらボウリングをやるから、部活には入らへん」て。「将来はプロボウラーになりたい」って、ずっと言っているんです。なぜか、そこはブレないですね。

－－では、近い将来、P★LEAGUE史上初の「親子2代P★リーガー」が誕生するかも？

そのためには、早くボウラーになってほしいなと思うんですけどね。私の年齢もあるので（苦笑）。強く願っているわけではないですけど、「親子でP★リーガーになれたらステキねぇ」という感じで。なかなか厳しい道だと思いますが、娘がP★LEAGUEに出られるボウラーになってくれたらなぁとは思いますね。

－－では、最後にご自身の今年の目標を教えてください。

2015年は年間4勝させていただいて、念願だった12勝を迎えることができたので、今年もその数を増やしていけるよう頑張りたいです。またP★LEAGUEではこれまで9勝しているんですが、その優勝回数も公式戦の回数と合わせられるよう、増やしていきたいと思います！