中村倫也×高田聖子対談「一本の樹に桃もぶどうもりんごもなっているような舞台」2016年劇団☆新感線夏秋興行 SHINKANSEN☆RX『Vamp Bamboo Burn~ヴァン!バン!バーン!』

2016.7.6
インタビュー
舞台

高田聖子、中村倫也


2016年劇団☆新感線夏秋興行SHINKANSEN☆RX『Vamp Bamboo Burn~ヴァン!バン!バーン!』(以下、『VBB』)が、8月5日(金)長野のプレビュー公演を皮切りに東京、富山、大阪にて上演される。本作で新感線初参加となる中村倫也と、新感線の看板女優・高田聖子にお互いの出会いから本作の見どころに至るまで、たっぷり話をきいた。



――お二人は「真心一座 身も心も」の「流れ姉妹」シリーズに出演、という共通点がありますが、実際は入れ違いの出演でしたよね?

高田: 一日だけおじゃまして出演したんだよね。「ゲストガヤ」で。

中村: 僕は3(「獣たちの夜」)に出演しました。聖子さんが出演した前作(「ザ・グレートハンティング」)はRED/THEATERに観に行きました。で、自分が3の本読みにいったら「なんで力哉(高田の役名)がここにいるの!?」だった。

高田: 「家近かったからちょっと~」って。それが「初めまして」でしたね。

高田聖子、中村倫也

――今さらですが、お互いの芝居・役者としての印象は?

高田: 倫也くんのことは、リーダー(河原雅彦)から聴いてたの。TVドラマで一緒に仕事してたリーダーが「すごいんだよ。すごい子が出てきたよ」って言ってて。「そうなんやー」って思ってましたね。

中村: なぜか気に入ってくれたんですよね、リーダー。

高田: その後、舞台で拝見して「あら、こんな若いのに!落ち着いちゃって!芝居が上手でやんなっちゃうなー」って。「リーダーはどこでこんな子を見つけてくるのよ」とも思ってたなあ。

中村:『ロッキー・ホラー・ショー』(2011-12)に出演できたのも、いのうえ(ひでのり)さんが「真心一座」を観てくれたからなんですよね。あれは人生のターニングポイントでした。人との出会いとか、芝居という意味で。でも、その当時、大人たちがどうして僕を気にしてくれたのかはいまだにわからないんです。

高田: それが逆によかったんじゃないの?「俺、どうです?いいでしょう」みたいな人だと手を出さなかったかも。その自然さが爺さん婆さんたち(笑)を「はっ!」とさせたんじゃないかな。

中村: 頑張っていかないとなあ。

――中村さんから観た聖子さんは?

中村: 日本の女優さんにいないタイプですよね。

高田: 初めて会ったときは角刈りみたいなカツラをつけてたから!?「そんな女いないわー!」っていう意味で?男だと言い張ってやってたからなあ(笑)

中村: (笑)この前の『乱鶯』を観て、改めて「聖子さん、すごいなー」って。直接言わなかったけどそう思ってた。『乱鶯』自体、劇団☆新感線と倉持裕さん(脚本)って掛け合わせはどうなるんだろう?って思っていたし。倉持さんは「風情」を書きたい人だろうから。で、そこにすっとハマれる聖子さんはすごいなって。何でもできる、どうとでもできるんだなって。あーあ、イヤラシイ女だよって(←褒めてます)

高田: やめて~(笑)

中村: 飲みに行っても気さくだし。

高田: みんなが飲みつぶれていく様を眺めていますよ(笑)

中村: 劇団員の兄さん姉さん方、元気に飲んでます?

高田: さすがにだんだんくたびれて(笑)、若いときのようにガブガブ飲むとかはもうないねー。その日稽古とかで残ってた人の中で、まだ元気あるなら行く?みたいな感じ。私はほぼ飲めないけど飲み屋は好きだからいっちゃう。

――そのお酒の場に、中村さんも参加することになるんですね。今回念願かなっての新感線初出演ですが、決まったときの気持ちは?

中村: 単純に嬉しかった。そのときどんなことをやるかもうっすらと聴いてました。生田斗真くん主演でドラキュラのビジュアル系…と、そこまで。自分の役どころとかは全然聞いてなかったんだけど。

中村倫也

――出演できる嬉しさと共に、緊張感のような気持ちもあると思うんですが。

中村: 劇団☆新感線ってわりと濃ゆいキャラクターが真ん中で引っ張っていく、客演の人も個性的な人が出ているイメージがあって。
自分も「新感線に出たい!出たい!」と言ってはきたものの、いざ、自分が出るとなった場合、あの座組みの中に入って俺はどんな役だったら合うんだろうって、自分で自分に疑問を持っていたんです。で、オファーいただいて以降、自分の役の設定を都度聞かされてますが、いざ本がくるまではイメージがわかなかった……。先日待望の脚本がきて読んだんですが、それでも自分がやっている絵が浮かばなかった(笑)だから、もう今すぐにでも稽古を始めたいです。

――今回、半グレ、つまりチンピラ役ということで、それなりに強そうですよね。

中村: 俺「強い」とか苦手ですもん。だから芝居で「強そう」ってのが絶対無理なキャラなんで。一生懸命アクションを「強そうに」やるしかないなあと。

高田: 倫也くん、知的なムードがあるじゃないですか?頭がいいワルなのかもと思ってた。

――インテリヤクザ的な?

高田: そうそう。

中村: 最初は粟根(まこと)さんと反目しているけれど、物語が進んでいくうちにいろいろな人たちと組み合わさって……ね。

高田: うかうかしていると話に追いつけなくなるところがありますね。いろいろなところでいろいろな人と組み合わさるから……ねえ。

――ストーリーが気になりすぎます!!もう少しヒントを!

中村: うーんと、1本の樹に桃もぶどうもりんごもなっていて…それが最終的に幹の部分に集約されていく感じ。お、今いい例えができたかも!!(笑)

――聖子さんは高田クリニックにお勤めの婦長(ナース)という役で、生田さん演じるTOSHIROがボーカルを務めるビジュアル系バンドを追いかけているとか。

高田: ♪タカダ、クリニーック!(突然「☆須クリニック」CM風に歌いだす)この舞台を観始めたときの印象が、最後で全く違う印象になると思います。「あれ?何観てんやっけ?」って感じ。

高田聖子

――クリニック勤務ですし、白衣も着ちゃいます?ちょっとエロい感じのを。

中村: 「ナースのお仕事」ぶりの!

高田: どうでしょう。あのときはよく着てたねー。着慣れてはいるからねえ(笑)

――普段は地味で、V系のライブに行くと一転、メンバーのコスプレをして髪振り乱しているバンギャルをイメージしたんですが…。

高田: 私、全然そうは思っていなかったの。「こんな場所にこんな不似合いな女が!」という方向の女を想像してた。そんな地味な女が大胆なことをしてしまう…そういう意味でダメな女なのかと思ってた。実際はどうなるかなあ。

――ちなみに、「ヴァンパイア」と聴いて思いつくイメージは?

高田: オールバックでソリコミが深めに入ってて、紙芝居とかで美女をぐわっと噛もうとしている紳士像が浮かびますね。

中村: ダンディな、高い襟を立てているような?

高田: そうそう。昔ヴァンパイアのお芝居『THE ALUCARD SHOW』に出たことがあるんです。リーダー(河原雅彦)演出の。そのときはガジガジ噛まれましたね。

――中村さんの「ヴァンパイア」イメージは?

中村: 俺は「ドラゴンボール」の初期に出てくる「ドラキュラマン」。クリリンの血を吸うんですよ。吸うとクリリンの頭からぴゅーって血が出て貧血になるんです。占いババのところにいるんです。まあヴァンパイアというよりはドラキュラですが。(※「ドラゴンボール」の話に笑いをこらえる男性スタッフが。どうやら同世代のようです!)

高田: そういや、いつからドラキュラはヴァンパイアって言われるようになったんだろ。

中村: 映画の『インタビュー・ウィズ・ヴァンパイア』くらい?

高田: それまでは「ザマスザマスのドラキュラ」(「怪物くん」)だったよねえ。

高田聖子、中村倫也

――変な質問は承知の上で……噛みたい方ですか? 噛まれたい方ですか?

高田: (笑)噛みたいとは思いませんが……噛まれるのにロマンがあるんでしょうね。女性は耽美なものを好みがちだから、美しい男に血を吸われたいって願望があるんじゃない?

中村: 相手が長澤まさみなら噛みもしたいし噛まれもしたい……その程度の俺です……例えですよ!(笑)

高田: アハハハハ。昔、本当に噛まれたことがあるんです。学生のときに一学年下の女の子に新歓コンパで。急に顔の近くに体温のような熱風がきて、ぎゅうって噛まれて「痛ったぁぁぁぁぁ」って振り向いたら「センパ~イ♪」ってすっかりデキあがっている女の子が。すっごいかわいい子でしたけど、ホンマに痛かった。

中村: 酔っ払いの噛み癖はタチ悪いっすからね。

――今回の舞台では、劇団員の「見たことがない顔」を観ることができるかも、という話が製作発表で出ました。そこも気になるんです。

高田: よく新感線を観てくださる方は、「この人はだいたいこんな役どころでしょ?」っていつものイメージ通りにハメこまれている劇団員をご覧になったり、出る方もこの役は自分だろうなと思ってやっているフシがあるんですが、今回は「冒険」ですね。だから長く新感線を観てくださっている方も、今回初めて観る方も同じスタートラインで楽しんでもらえるんじゃないかな。

中村: そう思うと、劇団って不思議ですね…。

高田: そうだね。勝手に役割分担していたところがあったね、誰がどう思っていようが。でも今回のはきっといい機会。とにかくヘンテコで「何それ?」って組み合わせがあちこちで起きそうですよ。

中村: そうそう。ひっきりなしにキテレツなんです! 実は製作発表会見でもみんな口に出せるのは一幕まで、って感じだったから、言うに言えなくて。

高田: 言ったところで訳わからんと思うけど(笑)

中村: 俺の役って一幕と比較すると「え?」っていうことになっちゃうじゃない!?でも、それは言っちゃいけないって空気が漂っていた。いつも取材のときは全部言っちゃうんだけどね(笑)。「どうせ言っても原稿に書かないでしょ?」って思っているから。

高田: 今の段階では、(脚本の)宮藤(官九郎)くんから「この役、できるのか?」って挑戦状を渡されたような気分。向こうは純粋に楽しんで書いてくれたんだろうと思いますが、こっちは「おおお!」って思いましたね。

中村倫也

――初・新感線となる中村さんに、先輩・聖子さんからのアドバイスがあればお伺いしたいです。

高田: 私からこの人に言う事なんてないですよー。

中村: ……人生について教えてください(真顔)。

高田: 何言ってんのよ(笑)。人生? 私にもわかんないね。でも案外年取ってから楽しいと思いますね。

中村: 本当? そりゃいいな!

高田: 最近思うんです。「人は変わる」って。ちょっとずつ自分の中にも変化があって、周りの人も変化して。歳行ってもまだ変わっていけるんだ、それがいいなって思うんです。おおらかな気持ちになれますしね。

中村: いいなあ。いいなあ。

高田: (歳をとって)もっとかたくなになるのかと思ってたんですよ。でも意外とそうならなくて。

中村: 実際、かたくなになる人もいますしね。

高田: そう、自分はどうなるのかなと思ってたらちょっと柔らかくなった気がする。

中村: 俺、年取ったら絶対おおらかになりたい。死ぬ直前に「う●こ」って言って笑って死にたい。

高田: 「おーい!」ってみんなからつっこまれながらね(笑)。

中村: 遺影もこんな感じ(ダブルピースで変顔)で。

高田: 「笑ってくれい!」みたいなのがいいね。

高田聖子、中村倫也

――長野や富山といった地方でも上演される『VBB』。地方公演の楽しみは?

高田: 食べ物ですね。あとお客さんのムードが違うから面白いですね。その土地土地のノリというか。親戚が富山にいるので、今回初めて観に来たりするんでしょうかね。

中村: 俺、長野も富山も行ったことない。能登半島とかあの辺りに行ってみたかったんですよ。前からいろいろなところで言っているんですが、「東京でやらない舞台」ってのをやってみたいですね。地方だけに行く舞台。一度やってみたい。

高田: 最近地方発の舞台もありますしね。『VBB』長野バージョンは、たぶん長いと思いますね。プレビューだし。やりたいことを全部やってみたバージョン。失敗したらごめんなさいくらいのイキオイで。そこからブラッシュアップしていくと思いますよ。

ちなみに対談の直前に写真撮影をした二人。「お互い、顔を少し寄せていただけますか?恋人風に」とのオーダーに、中村が嬉しそうに高田に顔を近づけていく。「勘弁してくれええええ」と照れまくりの聖子さんでした。

聖子さん、照れ隠しなのかこんな顔に!


 
公演情報
2016年劇団☆新感線夏秋興行 SHINKANSEN☆RX
『Vamp Bamboo Burn~ヴァン!バン!バーン!~』

 
【プレビュー・長野公演】2016年8月5日(金)~7日(日)サントミューゼ(上田市交流文化芸術センター)
【東京公演】2016年8月17日(水)~9月18日(日)赤坂ACTシアター
【富山公演】2016年10月7日(金)~9日(日)オーバード・ホール
【大阪公演】2016年10月19日(水)~31日(月)フェスティバルホール
■作:宮藤官九郎
■演出:いのうえひでのり
■出演:
生田斗真/
小池栄子 中村倫也 神山智洋(ジャニーズWEST)/
橋本じゅん 高田聖子 粟根まこと/
篠井英介 ほか
■公式サイト:http://www.v-b-b.jp/
 

 

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