韓国 光州市立交響楽団 創立40周年記念 日本公演 ~ロシア音楽と自国作品の熱演に期待

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クラシック
2016.6.19


 今年創立40周年を迎える韓国の光州市立交響楽団がこの6月に日本公演を開催する。光州といえば1980年の光州事件をまっさきに思い起こす方も少なくないだろう。韓国の民主化運動に大きな役割を果たした光州は、現代芸術の祭典「光州ビエンナーレ」など芸術文化の都市としても知られている。光州市立交響楽団は76年に市民主導によって設立され、以来、290回の定期演奏会をはじめ500回を超える演奏会を開催してきた。2010年には光州民主化運動30周年としてマーラーの交響曲第2番「復活」を演奏したほか、文化庁芸術祭主催の「アジア オーケストラ ウィーク」に招かれて初来日し、マーラーの交響曲第1番「巨人」他で熱演を聴かせてくれた。

 今回の来日公演のプログラムは、チェ・ソンファンの「アリラン幻想曲」、ラフマニノフのピアノ協奏曲第2番、チャイコフスキーの交響曲第4番。「お国もの」とロシア音楽の組合せで、大いに舞台をわかせてくれることだろう。

 指揮は日韓両国で多彩な活躍をくりひろげるベテランの金洪才。現在、韓国のウルサン・フィル音楽監督を務める。ラフマニノフのピアノ協奏曲第2番では、1995年生まれの気鋭ムン・ジヨンが独奏を務める。現在、韓国芸術総合学校に在籍中のムン・ジヨンは、2014年にジュネーブ国際コンクール第1位、15年にブゾーニ国際ピアノコンクール第1位を獲得している。新星の登場に胸が躍る。

文:飯尾洋一
(ぶらあぼ + Danza inside 2016年6月号から)


韓国 光州市立交響楽団 創立40周年記念 日本公演
6/30(木)19:00
東京芸術劇場 コンサートホール
問合せ:日本オーケストラ連盟03-5610-7275
http://www.orchestra.or.jp
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