ダニエル・ハーディング(指揮) 新日本フィルハーモニー交響楽団 「千人の交響曲」で迎える壮大な集大成

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クラシック
2016.6.22
ダニエル・ハーディング ©Harald Hoffmann/DG

ダニエル・ハーディング ©Harald Hoffmann/DG

 ミュージック・パートナー・オブ・NJPという、他のオーケストラにはないタイプのポストにダニエル・ハーディングが就任したのは2010/11シーズンのこと。当時すでに国内外で評価・人気共にトップクラスだった若きマエストロは、新日本フィルの指揮台に登場するとさまざまなセンセーションを巻き起こし、多種多彩な曲の演奏を一新していった。

 そのハーディングが惜しまれつつ同ポストから退任するのは7月。プログラムにはマーラーの交響曲第8番という大作が選ばれており、早くも“スペシャル感”が満載だ。これまでにもマーラーの交響曲をいくつか演奏してきたこのコンビだが(その中には「2011年3月11日のマーラー(交響曲第5番)」もある)、今回は集大成となるべき演奏会でもあり、再会を願いつつの惜別を奏でる演奏会でもある。同時に「ハーディングのマーラー」に格別の期待を寄せている聴き手にとっては、ついに8番が聴けるという“スペシャル感”も加味されるだろう。

 ハーディング自身が選んだという8人の歌手たち、新日本フィルには欠かせない栗友会合唱団、やはりハーディングの指揮による「戦争レクイエム」でも清らかな歌声を聴かせた東京少年少女合唱隊と、役者は揃った。通常であれば、すみだトリフォニーホールでの定期演奏会とサントリーホールでの定期演奏会には別の曲が演奏される。しかしこの7月は例外的に同一プログラムであることも特筆ものだ。

文:オヤマダアツシ
(ぶらあぼ + Danza inside 2016年6月号から)


ダニエル・ハーディング(指揮) 新日本フィルハーモニー交響楽団
#560 定期演奏会
7/1(金)19:15、7/2(土)14:00 すみだトリフォニーホール
7/4(月)19:15 サントリーホール
問合せ:新日本フィル・ボックス03-5610-3815
http://www.njp.or.jp
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