次世代ロックの本流を狙うバンド”RHEDORIC”ワンマンライブレポート

2016.7.2
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RHEDORIC

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Vestimitation Works Presents”rhedorical tactics Vol.9” 2016.6.18@新宿club science

RHEDORIC(レドリック)というバンドがいる。彼らはUNIVERSAL MUSIC JAPANよりメジャーデビューし、2枚のCDをリリース。そして現在も都内ライブハウスを中心に精力的に活動するバンド。

フェス最前線で戦う1軍の連中を虎視眈々と狙う、第二層で乱戦を繰り返すロックバンドの一つといえばわかりやすいだろうか。様々なアーティストが鎬を削り、日々腕を磨き、曲を創造し、工夫をこらし、そのわずかな席に座るべく日々音楽を発信している中で、やはり彼らも、また他のバンドにない個性を持ちチャレンジを続けている。SPICEではこういった明日を創るバンドを追っていきたいとも思っている。

そんなRHEDORICのワンマンライブが新宿club scienceにて行われた。そこには型破りで、きらめくアイデアとアイデンティティに溢れたエンタテインメントがあった。

RHEDORIC

ホールではなくライブハウスだということを忘れる位、ど頭から驚かされるその映像と照明のクオリティ。両側のスピーカーを覆い隠すように貼られた白いスクリーンと、ドラムの両側、そして後ろに貼られたスカルのバンドロゴなど全てに、マッピングされたド派手な映像が映りこむ。更には緑のレーザーと照明がそれを加速させたところで1曲目がスタートする。

彼らの音楽はいうなればエレクトロパンクとでも形容したらぴったりとくるだろうか。信じられないほどの運動量とやんちゃさ丸出しのステージングにもかかわらず、ラウドで心地いいパンクロックサウンドに絡む理路整然としたエレクトロなシーケンスフレーズ。耳には心地いいビートと爆音、目にはフィジカルに躍動するメンバー。最初からリミッターは外れている。

RHEDORIC

エレクトロ&ロック、エレクトロ&ラウド音楽の融合というのは正直出尽くした感があるジャンルではあるのだが、彼らのそれはなんとも新鮮に感じることができる。というのも、ただ何かの模倣をして、ステレオタイプなアクションや楽曲を放出していると言う感じがしないからだろう。言うなれば、それぞれの本当のルーツに正直で、今現在かっこいいものは素直にかっこいいと感じて、暴れてたいから暴れているという、本能めいたものがそこに見え隠れするからかもしれない。

しかしこの日実に18曲という、普通のワンマンライブでもかなり多い方であろう曲数を演奏していたのだが、メンバー誰一人として一向に疲れていく素振りがない。特に途中11曲程全くのMCなしで駆け抜けていったのだが、Vocalの雄志も全く乱れることなく熱を前に飛ばしていく。

RHEDORIC

筆者が良く目にするこういったライブハウスでのライブは、数曲やってMCで休んで水飲んで、また数曲やって・・・というものが多いように思うが、彼らはそこすらもいい意味での”規格外”と呼んでいいのかもしれない。常識なんてクソくらえといった悪ガキちっくな音や態度は実に気持ち良くてかっこよくて、これが新しい形のパンクなのかもしれないなと感じる。

そしてこの日は映像だけでなく、様々な彼らのチャレンジや趣向もみることができた。まずライブ中お客さんが写真撮影と動画撮影がオールOKということ。これは本当に中々ない。勿論自分たちが発しているコンテンツに自信がなければできないことだし、もっといえばそれを商品にしている人たちもいるなか、「とにかく自分たちの音楽とその生き様と姿をみせたい」というような願いが伝わってくるような試みだなと思う。そしてまたオーディエンスもOKになったからといって、バカみたいにパシャパシャするのではなくて、ちゃんと空気を読みつつ思い思いに”良い”タイミングで撮影していた。

公演が終わったら皆がSNSなどで彼らの姿をまた世界へ勝手に発信してくれるのだろう。ある種自分たちの強みを理解し、大胆な発想がなければできない趣向だと感心する。

RHEDORIC

その他にもキャパシティ前方だけにググッと柵を縮め、そこの中は自己責任ゾーンとして、柵内に入った人間は思い思いに暴れ、楽しんでいく。またアンコールも実に彼ららしく、数曲の押し曲をエンドレスでVocalの思いつくままに演奏し続けるという「アンコールマラソン」で、ライブハウスにいた全ての人間が同時に体力的にもフィニッシュと、最後まであっぱれなライブだった。

※なんと彼ららしくこの日のライブ動画のダイジェストまで提供してくれた。


まだ知名度もそんなにあるわけじゃない彼ら。でもこうして街のライブハウスをのぞいてみると、大きなホールや会場に負けない熱やアイデアやアイデンティティで、良質のエンタテインメントを届けている人たちがいる。それをRHEDORICは改めて感じさせてくれた。

彼らがこの日残してくれた、疲労感と満足感、そして最高に輝いていたオーディエンスの表情が、RHEDORICが更なる高みで同じように躍動することを物語っていたんじゃないだろうか。

 

文=秤谷建一郎

セットリスト
Vestimitation Works Presents”rhedorical tactics Vol.9”

01.NewDay
02.MONSTER
03.Meet He Light
-MC-
04.You make me free
05.メランコリック
06.Guilty
07.THE REAL
08.With you
09.片隅の世界
10.gift
11.truth
12.Call my name
13.WORLD
-MC-
14.SHOW TIME
15.Clitical
16.核壊 Core Break
17.Possibility
-SMC-
18.Wake up, Stand up

 

イベント情報
7.16    三会場周遊イベント「リムフェス page1」東京 下北沢某所 
7.18  「Rose Fes -Supported by UUUU-」東京 鴬谷キネマ倶楽部
7.29  「rhedorical tactics Vol.10」東京 新宿 Wild Side Tokyo
8.7   「THOGO FEST 2016」東京 恵比寿LIQUID ROOM
8.10 「rhedorical tactics in NAGOYA」名古屋ell.size
8.13 「DISCO INFERNO 2016」愛媛 久万スキー場