でんぱ組.inc、GOOD ON THE REEL、POLYSICSらESP学園に縁のあるアーティストが集結!『ESP学園presents COLORS2016』

2016.7.19
レポート
音楽

BLOSSOM

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ESP学園presents COLORS2016 2016.7.9(SAT) @新木場STUDIO COAST

今年で14回目の開催となるESP学園が主催するイベント『COLORS2016』が、新木場STUDIO COASTで行われた。本イベントには、ESP学園に縁あるアーティストが多数出演する。外はあいにくの雨模様となったが、会場内は開演前から大入り満員で、10代の学生達を中心にすでに熱気で包まれていた。

BLOSSOM

15時ジャストに緞帳が開き、出演者のVTRがスクリーンに次々と映し出される。この日のオープニングアクトを飾るのはESP学園在校生と卒業生によるボーカル&ダンスパフォーマンスユニット・BLOSSOM(ブロッサム)だ。男女30名ほどのメンバーが人数やチームを変え、数々のダンスナンバーに乗せて、元気で可愛らしく、時にセクシーに、若さあふれるパフォーマンスを披露。ダンスだけでなく、殺陣を盛り込んだ演出や、バンド編成での熱い演奏、ホーン隊とロックサウンドを融合したステージなど、“これぞESP学園”というすべてのエンタメを凝縮したメドレーを魅せ、観客を飽きさせない。最後にはメンバー全員の衣装が白へとチェンジし、客席へ一礼。大喝采を浴びながら終了した。

(左から)牛田、谷澤恵里香

ステージMCは、ESP学園大阪校の“うっしー”こと牛田と、元アイドリング!!!の谷澤恵里香が務める。ステージの転換中には、出演者の告知などを挟んでのトークで場を盛り上げ、約5時間にも渡る長丁場のイベントにも関わらず、集中力を途切れさせることなく観客を楽しませた大きな立役者だ。

POLYSICS

POLYSICS

イベントのトップバッターを務めたのは、トレードマークのオレンジ色のツナギと銀色のバイザーを身にまとったPOLYSICS。ハヤシ(G,Vo,Syn,Programming)が登場するや否や、爆音ギターを掻き鳴らしながら「トーイス!」と叫びつつフロアを煽りまくる。スピード感あふれるパンキッシュなコンピューター・ミュージックに、オーディエンスのサイリウムもオレンジ色に光った。今年3月リリースされた最新アルバム『What's This???』の楽曲を中心に披露したPOLYSICSだが、ESP学園の卒業生であるヤノのドラムプレイにはどこか特別な気合いが入っていたように思う。終始テンションの高いパフォーマンスに観客も歌い踊り、フェスムードが一気に高まる。

新山詩織

新山詩織

POLYSICSのあたためたステージに続いて現れたのは、シンガーソングライター・新山詩織だ。大きな手拍子と声援の中、シンプルなスカート姿で現れた彼女は、ゆっくりとエレキギターを肩にかけた。この日はバンドスタイルでのライブということで、ポップやロックなサウンドにのせて等身大の心情を歌う新山の表情が、後ろのスクリーンに映し出される。少女の面影を残した透き通る歌声が奏でられると、会場が新山の世界に聴き入っていた。デビュー曲「ゆれるユレル」や、月9ドラマ『ラヴソング』の劇中歌「恋の中」を披露し、ラストは新曲「あたしはあたしのままで」をアコギに持ち替えて歌唱。ジャンルレスなこのイベントの中で、熱気とは違うあたたかさや優しさ、切なさを感じる空間を見事に作り上げていた。

THE HOOPERS

THE HOOPERS


王子様風の女子達が登場するや否や、女性ファンを中心にフロアのサイリウムが一斉に輝きだしたのは、ボーイッシュ・ガールズグループのTHE HOOPERSのステージ。芝居仕立てのイケメンなセリフや、アクロバティックなダンス、そして時折見せる決めポーズで多くの観客が骨抜き状態に。女性ならではのしなやかさから繰り出されるダンスには男性には出せない色気がある。まさにその色気が全開となった「イトシコイシ君恋シ」では、メンバー同士の刺激的なキス寸前の“顎クイ”シーンに客席からは悲鳴にも似た歓声が上がる。90年代王道アイドル曲をも彷彿させる「ラブハンター」で華やかに締め括った。
 

Gacharic Spin

Gacharic Spin

凄腕ガールズバンドGacharic Spin(ガチャリック・スピン)は、本イベントに2年連続出演となる。1曲目の「Never say never」から場内はヘドバンの嵐で、ボルテージも急上昇。セクシーボディ(?)が目を引くオレオレオナ(Vo.&Key.)と、派手な髪色に眼鏡がナイスな はな(Vo.&Dr.)による変則ツインヴォーカル。TOMO-ZOのメタリックなギターソロ、FチョッパーKOGAのバキバキ重低音ベース、激し過ぎるパフォーマーまい&ねんねによる誰1人として妥協しない全力のプレイに圧倒される。メガシャキのCMソング「シャキシャキして!!」も披露し、最後は「ダンガンビート」で、誰がどのファンなんてことは関係なしにタオルを回して盛り上がった。

GOOD ON THE REEL

GOOD ON THE REEL

この日唯一の男性のみで構成されたアーティストであり、メンバー全員がESP学園出身、そして『COLORS』最多出演となったのは5人組ロックバンド・GOOD ON THE REELだ。女性出演者が多く、普段のライブとは異なった空気感の中で彼らが1曲目に選んだのは「素晴らしき今日の始まり」。ボーカル・千野がステージを軽やか且つ奔放に歩きながら、お客さん一人一人に向けて“伝えたいコトがあります”と語りかけるように、呼びかけるように歌う。オーディエンスが曲に呼応してステージへと掲げる沢山の腕は、まるで“波”のよう。「つぼみ」から想い描ける物語に引き込まれつつも、最新シングル「雨天決行」では、しっとりした曲調から一転して疾走感あふれるアッパーチューンを披露した。ラストの「シャボン玉」が終わると、すっかり彼らに心をつかまれていた筆者がいた。
 

でんぱ組.inc

でんぱ組.inc

そして今や国民的アイドルグループとなったでんぱ組.inc がイベントのトリを務めた。カラフルなサイリウムがあちらこちらで輝きはじめ、バックバンドがスタンバイすると「でんでんパッション」で新体操のリボンをクルクルと振りながら、古川未鈴、相沢梨紗、夢眠ねむ、成瀬瑛美、最上もが、藤咲彩音の6人が次々とステージにあらわれた。フォーメーションを変えながら、爽やかなミニ丈の衣装でエネルギッシュなダンスとともに可愛らしい歌声を聴かせてくれる。「NEO JAPONISM」では観客を巻き込んでの横移動にSTUDIO COASTが大きく揺れた。楽しい時間は早いもので「バリ3共和国」で名残惜しくも大団円となり、キラキラとした余韻は、いつまでも覚めなかった。
 

5時間にわたる長いイベントであったが、STUDIO COAST内のメインステージはもちろん、会場外にはメインステージの転換中にESP学園の在校生・卒業生が出演するサブステージが設営されており、この5時間を音楽漬けで楽しむことができた。メインステージにてオープニングアクトを飾ったBLOSSOMと、サブステージに出演した若き才能たちの今後に期待せざるを得ない。そして、このイベントは学園から卒業していったプロのスタッフと在校生が共同作業で実施・運営をおこなっている。出演者だけでなく、今後の業界を担う裏方スタッフも関わっているのだ。

最後に、本イベントの入場料(500円)は、東日本大震災の復興支援金として、『石巻じちれん』『がんばろう!石巻の会』に寄付する事が決まっている。主催であるESP学園は、5年前より入場料を被災地へ寄付する取り組みを行っているそうだそして新たに、熊本地震への復興支援金として寄付すべく現地の方々と調整を行っているということも併せて記しておきたい。
来年15年目を迎える『COLORS』も、ジャンルの壁を越えて“音楽の力”を全身で体感できる見逃せないイベントとなるだろう。
 

レポート・文=下村祥子