今回のゴジラは“災害シミュレーション”!?『シン・ゴジラ』最速レビュー

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2016.7.19


「エヴァンゲリオン」シリーズの庵野秀明が総監督を務める、この夏の話題作『シン・ゴジラ』(7月29日公開)。いよいよ公開が迫り、“ゴジラ熱”も高まってきているが、気になる本編の内容についてはいまだ謎が謎を呼んでいる。今回、マスコミ向けの『シン・ゴジラ』試写会で鑑賞することができたので、その見どころをいち早く紹介したい!

■ 圧倒的にリアルな“災害”のシミュレーション

すでに発表されていた本作のテーマは「今の日本に初めてゴジラが現れたら、我々は一体どうなるのか?」というもの。このテーマに誇張や偽りはなく、特に本編の冒頭は、もし巨大不明生物=ゴジラが今の日本に現れたら…という災害シミュレーションのような雰囲気を醸し出している。

その大きな要因として挙げられるのが、途中途中で差し込まれる断片的な映像群だ。ゴジラ出現を報じるニュース映像や避難者によるニコ生の配信映像、さらに、恐怖に直面した市民たちが投稿するTwitterやまとめサイトも映し出され、リアルタイムで進行する災害の切迫感を高めている。

本作は1000人規模で編成されたスタッフによって撮影が行われたというが、この大規模撮影はゴジラ出現を絵空事として描くのではなく、現実のこととしてドキュメンタリーのように描くためだったのかもしれない。過去の「ゴジラ」作品と比べても、今回の『シン・ゴジラ』は圧倒的にリアルだ。

■ 対ゴジラの戦闘よりも印象的(?)な会議シーン

また、本作は巨大不明生物(=ゴジラ)に対し、日本政府がどういった行動を起こすのか、という災害シミュレーションでもある。「ゴジラ」シリーズといえば、ゴジラと自衛隊の戦闘が描かれてるものだが、今回はその戦闘以上に政府関係者の会議シーンが多いのだ。

首相官邸では、ゴジラ対策の閣僚会議など、さまざまな会議やレクが行われる。当然、ゴジラ出現のマニュアルなどないため、“想定外”のできごとに閣僚たちは右往左往。法的な手続をどうするのか、どうやってゴジラを“駆除”するのか。各官僚・政治家たちの思惑も交差するなか、総理は決断を迫られていく。

この未曽有の脅威に、世界各国も反応。米国国務省からはエージェントのパタースン(石原さとみ)が派遣され、主導権を握ろうと政府に圧力をかけてくる。こうした複雑な事情のなかで、内閣官房副長官・矢口(長谷川博己)はゴジラ攻略の糸口をつかむことができるか…というのが本作の主軸のストーリーだ。これまでのどの「ゴジラ」作品以上に、人間ドラマが強調された内容といえるだろう。

“シン”というタイトル通り、これまでのどの作品とも違う、完全新作に仕上がっている『シン・ゴジラ』。絶望的な状況の日本は希望を見出すことができるのか、その結末は劇場で確かめてほしい!【トライワークス】
 

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