平城宮跡『アマハラ』が維新派の最終公演に
維新派『アマハラ』宣伝写真
本年(2016年)6月に主宰者・松本雄吉を病死によって失った維新派は、10月に奈良県・平城宮跡で行う公演のタイトルを『アマハラ』とし、同作品をもって維新派の最終公演とすることを、劇団のホームページで発表した。
今回の公演は、既報通り、日本・中国・韓国が文化プログラムを通して交流を深める国家プロジェクト「東アジア文化都市」の一環である「古都祝奈良(ことほぐなら)-時空を超えたアートの祭典」の中でおこなわれる。この祭典は、9月3日から10月23日まで奈良県内で開催され、「舞台芸術」「美術」「食」の3つの部門が設定される中、平田オリザがディレクターを務める「舞台芸術」部門での開催となる。
今回上演する『アマハラ』は、2010年に、20世紀三部作のアジア篇として上演した『台湾の、灰色の牛が背のびをしたとき』を再構成した作品。劇場プランや演出だけでなく、台本も改訂し、日本とアジアの国々をつなぐ、島から島へ、島づたいに続く“海の道“を辿った人々を、史実を織り交ぜながら描く。
『アマハラ』は国内では今回の奈良が維新派の最終公演となり、2017年に予定している同作品の海外公演を終えたのちは活動を停止する予定だ。
なお、松本雄吉は平城宮跡について生前、次のように述べていた。
平城宮跡は、東に御蓋山、若草山、笠置山地、西には生駒山、北に平城山丘陵と古墳群、南には飛鳥が開ける地形的、歴史的にも魅力のある場所です。 平安京とは違い、この地に立つだけで、朝日が昇る東の御蓋山の向こうには柳生を越えて伊勢へと続く道があり、生駒山に沈む夕日を追えば大阪湾から瀬戸内海の海の道を経てシルクロードへと思いが膨らみます。北の平城山丘陵を走る電車は長岡京、平安京へと至り、山並みの遠くにかすむ南を望めば飛鳥からさらに吉野、熊野までの奥深い風景を見ることの幸せを感じます。 その場所の一点に立つだけで、その四方に展開する地理が歴史を呼び起こしてくれるところ、まさに身体に空間の広がりと時間の深遠を強く認識させる場所、それが平城宮跡だと思います。 松本雄吉(公式サイトより)
■会場:奈良県 平城宮跡
■脚本・構成:松本雄吉
■音楽・演奏:内橋和久
■出演:
森 正吏 金子仁司 井上和也 福田雄一 うっぽ
石本由美 平野 舞 吉本博子 今井美帆 奈良 郁
松本幸恵 石原菜々子 伊吹佑紀子 坂井遥香
松永理央 衣川茉李 平山ゆず子 室谷智子 山辻晴奈
瀬戸沙門 日下七海 阿山侑里 岩坪成美 飯島麻穂
佐竹真知子 五月女侑希 手代木花野 中田好美
増田咲紀 南 愛美
※SPAC・維新派セット券10,000円(8月中に販売開始)
■発売日:8月中
■発売場所:各種プレイガイド、ウェブサイト等を予定。
■公式サイト:http://ishinha.com/