YOUは何しにサマソニへ?外国人旅行者にサマソニで来た目的を聞いてみた。
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昨今多くの外国人観光客が日本へも訪れ、2020年の東京オリンピックへ向けて“インバウンド”対応も進んでいる中、エンタメ業界でも夏フェスや多くのライブイベントなどへ外国の方が訪れることが多くなってきている。
そんな夏フェス真っ盛りの今の時期、フェスへも外国の方がここにきてかなりの数増えているという。そこで都市型フェスの代表格で、国内外の大物アーティストも多く出演する『SUMMER SONIC 2016』に的を絞り、そこに訪れる外国の方、つまり“YOU”たちはどんな目的でこのフェスへきているかを直撃してみた。
題して、「YOUは何しにサマソニに?」
日本のオーディエンスであれば、○○というアーティストを目的にという方が殆どだろうし、サマソニも邦楽アーティストのラインナップの充実からみても、旬な邦楽アーティスト目当てという人も多いと予想できる。ただ外国の方は、特にアメリカなんかは勿論本国でもフェスが充実しているのだから、アーティストだけを目的にきているのか、それとも他の理由が?疑問に思ったことは直撃してしまうSPICEスタイルで、できるだけ幅広い国籍の方を狙って聞いてみた。
まずは、わかりやすくはっちゃけてる二人をキャッチ。カリフォルニアから来たという彼等に聞いてみた。
「YOUは何しにサマソニへ?(※「What brings you to SUMMER SONIC?」と質問)」
カリフォルニアからの二人 at SUMMER SONIC 2016
すると「ダンスミュージックやEDMなどが大好きではしゃげると思ったから」と返答。つまり、彼らはアメリカ本場のパーリーピーポーだった。やはり本場のパリピはテンションもコスプレもアゲアゲ。どうやら一番の目的はアンダーワールドらしい。質問や写真にも必要以上にノリノリで答えてくれて、何かわからない歌を大声で歌いながら会場に消えていった。うん、実にフェスらしくて良いスタートだ(笑)。
お次はネブラスカから来日のカップルを直撃。
「YOUは何しにサマソニへ?」
ネブラスカから来場のカップル at SUMMER SONIC 2016
彼らはとにかくアンダーワールドを楽しみにきているそうだ。こういった野外でのアンダーワールドはなかなか本国でも見に行けず、かなりこの日を楽しみにしていたとのこと。ほかにも多くの好きなアーティストが同時に楽しめるので日本のフェスはバラエティに富んでいて嬉しいと語っていた。
そして、そろそろアジアの人に話を聞きたい……と思っていたところに現れてくれた、韓国からのお客様二人組をつかまえた。
「YOUは何しにサマソニへ?」
韓国から来場の二人 at SUMMER SONIC 2016
韓国からわざわざ足を運んでくれた彼らは、とにかくレディオヘッドを観に来たという。ワンマンライブじゃないのに今回みたいに長い時間みれるのは貴重だし、それ以外にも、マリンとメッセを行ったり来たりしながらライブを堪能したいと語っていた。実に嬉しそうに、楽しそうに話す彼らと、私も話すうちにとても楽しい気持ちになる。音楽を楽しむという一点において、まったくそこには国境はなかった。
更にアジアのターンは続き、インドネシアから一人でご来場の方。
「YOUは何しにサマソニへ?」
at SUMMER SONIC 2016
アメリカ国籍ながらインドネシアからいらっしゃったとのこと。ザ・チェインスモーカーズが最も好きなアーティストで、とにかくそれを楽しみにしていると語りつつ、BEACH STAGEやSONIC STAGEにも観たいアーティストが多いそうで、ワクワクしていると語る。2回目の来場とのことで、前回来たときはフードが美味しかったのでそれも楽しみだったという。
そしてアジアの方かと思ってお話を聞いたら、なんとハワイからの方々。
「YOUは何しにサマソニへ?」
ハワイからきた皆さん at SUMMER SONIC 2016
ファーギー、アレッソ、ハイエイタス・カイヨーテ、そしてその他にも数えきれないくらいのアーティストを挙げていた。南国の方々らしく、陽気な音楽からEDMまで幅広くカバー。特にハイエイタス・カイヨーテなどは、近年火がついているオーストラリア発のバンドだが、やはりYouTubeなどを中心に全世界にその波は波及しているのだなと、良質なものがすごいスピードで世界中の多くの人に届いているということを感じた。
ほかにも多くの外国の方々へ声をかけさせてもらい、実に国籍も目的もバラバラだが、この日本で行なわれている様々な音楽のジャンルを取り込んだフェスというのは、外国の方からは魅力的に映るようだということが分かる。
そして話を聞いていて感じたのは、外国人の方々は本当に音楽やライブを心から愛しているということ。フェス自体に騒ぎに来たり、写真を撮るだけじゃなく、良質な音楽やエンタメの価値を理解し、感じたいという気持ちがピュアなように感じた。
その国の音楽やエンタメのリテラシーをあげるのは、もちろんアーティストがクリエイトするコンテンツに他ならないのだが、それを形つくっているカルチャーや、それを押し上げていい物が出てくる土壌を作るのは、やはりオーディエンス自体のリテラシー、エンタメへの向かい合い方、掘り下げ方、楽しみ方が最も重要なんだと感じる。
ここからオリンピックに向けて更にインバウンドが増加していく中、世界に誇れる音楽やエンタメを日本はもっと磨いていかなくてはならないなと。そしてアウトバウンドという部分でも、世界と肩を並べて輸出できるクオリティのエンタメをもっと生み出さなくてはならないなと。
それには、まず我々オーディエンスが多くの良質な音楽に触れ(洋楽・邦楽全て)、情熱をあげ、興味を広げ、掘り下げてそしてそれを心から誇りに思えるものに底上げしていくことが大事なのではないか。
サマソニやフジロックなどのように、ワールドスタンダードな音楽ライブに触れることのできる機会も増えてきているし、秋には世界最高のロックバンド達と日本を代表するロックバンドがKNOTFESTで相対したりする。デフトーンズ、ディスターブド、フーバスタンクのような海外ではスタジアムクラスのバンドと、SiM、crossfaith、coldrain、MAN WITH A MISSIONのコラボなんて、全てを理解しているリスナーからしたら、本当にたまらないもの。皆にその“たまらない”という感覚を味わってもらいたい。
だから、ドメスティックなものだけでなく、好きなアーティストのルーツになっているような音楽、世界中で良いとされている音楽にアンテナをはって、世の中の“良いモノ”を知ることの出来る、かっこいい日本人でいたいと思う。
そんなことを感じたレポートだった。
取材・文=秤谷建一郎
- イープラス
- SUMMER SONIC
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