大阪の地で人の歴史とつながりを感じた『RUSH BALL 2016』<初日>

レポート
音楽
2016.9.9
『RUSH BALL 2016』 撮影=Hoshina Ogawa

『RUSH BALL 2016』 撮影=Hoshina Ogawa

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RUSH BALL 2016
2016.8.27(SAT) 泉大津フェニックス

大阪ではフェス会場としては定番となっている泉大津フェニックスで、8月27日(土)・28日(日)と二日間にわたって『RUSH BALL 2016』が開催された。新進気鋭のアーティストから百戦錬磨のベテランまでばっちり網羅したラインナップはもちろん、18年目を迎える歴史あるイベントだからこその熱を、その目に焼き付けようと、オープニングアクトのAwesome City Clubが始まる午前10時頃には、既に多くの観客が待機。灼熱の太陽と吹き付ける風に、今年はどんな音の波が加わったのだろうか。編集部でピックアップしたステージのレポートをお届けする。

Awesome City Club

Awesome City Club 撮影=Yukihide"JON..."Takimoto

Awesome City Club 撮影=Yukihide"JON..."Takimoto

1曲目は「Into The Sound」。シャープなギターのコードカッティング、ファンキーなリズム隊、ソウルフルなメロディー、ループするシンセといった彼らの特徴がシンプルに躍動し、ステージ前方に多くの観客を集める。続いては「4月のマーチ」から「Vampire」とPORIN(Vo/Syn)がリードボーカルをとるナンバーを披露。彼女のキャッチーでキュート且つセクシーな色気を放つ声と動きは、次世代を担うであろうポップアイコンとしての存在感に満ちていた。そして最新アルバム『Awesome City Tracks 3』から「Don’t Think Feel」、前作『Awesome City Tracks 2』から「アウトサイダー」のリード曲2連発によって、会場の盛り上がりはさらに大きく広がっていく。それはデビューから1年半の新人であることを感じさせない、短期間で大小様々な舞台を踏み、徹底的に鍛え抜かれたバンドが持つ強さそのものだ。ラストはテンポを落として「涙の上海ナイト」。チルな空気を醸し出し、観客の体を癒しつつ、コール&レスポンスで高揚感を煽るという、彼ららしい粋で渋いセンスをしっかり見せてステージをあとにした。

PORIN(Vo/Syn) 撮影=Yukihide"JON..."Takimoto

PORIN(Vo/Syn) 撮影=Yukihide"JON..."Takimoto


 

Czecho No Republic

Czecho No Republic 撮影=田浦ボン

Czecho No Republic 撮影=田浦ボン

まずは「Amazing Parade」「No Way」と一撃必殺アンセム2曲を披露。がっちり観客のハートを掴んだ勢いそのままに、リリースされたばかりのアルバム『DREAMS』から「Dream Beach Sunset」を演奏する。“夏”をテーマに作ったという、まさにこの日にぴったりな、作品の冒頭を飾るパーカッシブなビートに乗って、濃厚で愛くるしいメロディとシンセが疾走するアッパーチューン。ファンの間では鉄板となっている前2曲での盛り上がりを塗り替えていく勢いは、そのまま“Czecho No Republic新章突入”と言っていいだろう。同じくニューアルバムから、タカハシマイ(Vo/Syn)がリードボーカルを取る「Electric Girl」もまた、ダンサブルなビートに乗って爽快でドリーミーな音風景を描き出すオリジナリティが光っていた。「モッシュとかダイブが起こるバンドじゃないけど、自分たちのロックを貫いてきた」と語る武井優心(Ba/Vo)の情熱、体全体を使って会場を盛り上げるタカハシマイ、スティックを持った左手を大きく上げたまま、恍惚の表情でキックを踏みスネアを叩く山崎正太郎(Dr)など、メンバー個々の姿が実に眩しい。その瞬間の輝きと共に、9月から11月まで続くリリースツアーへの期待に胸が膨らむ、未来が見えるステージだった。

タカハシマイ(Vo/Syn) 撮影=田浦ボン

タカハシマイ(Vo/Syn) 撮影=田浦ボン


 

TOTALFAT

TOTALFAT 撮影=Yukihide"JON..."Takimoto

TOTALFAT 撮影=Yukihide"JON..."Takimoto

夏の炎天下の下、TOTALFATの登場を待ちに待ったロックキッズ達が大きな歓声を上げると、颯爽とメンバーがステージに登場。飛びっきりのサマーチューン「夏のトカゲ」からライブがスタートした。Shun(Vo/Ba)が「日本で一番アツイ街大阪! 今年も晴れましたね! 何も気にせずやってもいいですか!」と言い放つと、次々とアップテンポな曲を演奏し、会場のボルテージを上げていく。Jose(Vo/Gt)の「良い夏過ごせてますか? パーティーを始めようぜ!」の合図で、最後の曲「PARTY PARTY」が始まると、ステージが見えなくなる程の砂埃が上がり、巨大なサークルモッシュが起きる。メンバーそれぞれのキャラクターを活かしたステージングと観客の盛り上がりで、夏フェスという名の“PARTY空間”をしっかりと届けてくれた。

TOTALFAT 撮影=Yukihide"JON..."Takimoto

TOTALFAT 撮影=Yukihide"JON..."Takimoto


 

SANABAGUN.

SANABAGUN. 撮影=Yukihide"JON..."Takimoto

SANABAGUN. 撮影=Yukihide"JON..."Takimoto

ストリートからの叩き上げ、進化するヒップホップやジャズの今とこれからを示すSANABAGUN.が『RUSH BALL』の舞台に初登場。手拍子などの一体感が生まれやすい、直線的なビートで引っ張るロックバンドが多く並ぶラインナップのなかで、彼らのグル―ヴがどう作用するのか。という筆者の異種格闘技戦的な捉え方は、そもそも小さ過ぎたと感じさせられる強いポリシーがあればあるほど、ネガティブな“ジャンルの壁”はなくなることを体現するパフォーマンスだった。「これがSANABAGUN.だ! 味わえ」という舞台袖からのMCがあって、岩間俊樹(MC)が登場。切れ味鋭いラップが冴え渡る。腰の据わったテクニックが光るベースラインと連動したパワフルなホーン隊、バンドのレトロ&フューチャーなサウンドを支えるドラミング、華麗な鍵盤タッチ、それぞれの強さが光る演奏に引き寄せられる多くの人たち。そこに、もう一人のフロントマン高岩遼(Vo.)が登場し、会場の熱気がさらに上がる。「デパ地下」では、先ほどまで軽やかにギターを弾いていた隅垣元佐(Gt)も前方に飛び出しての3MCスタイルを繰り広げ、前半戦で高いパフォーマンス力をしっかりと披露。曲間のMCにおいては、自信に満ちたサディスティックな煽りもそうだが、岩間がタオルを回すよう煽っても反応なし……、ライブではお馴染みの“落ちキャラ”を短い持ち時間で定着させる演技力も印象的だった。最後の「WARNING」では、高岩がステージを飛び出し、対面のPAブース横にある壇上に登って観客を煽りに煽り、ステージまで猛ダッシュで戻ってロンダートで締めるという離れ技まで飛び出し、泉大津の地に大きな爪跡を残した。

SANABAGUN. 撮影=Yukihide"JON..."Takimoto

SANABAGUN. 撮影=Yukihide"JON..."Takimoto


 

TOKYO SKA PARADISE ORCHESTRA

TOKYO SKA PARADISE ORCHESTRA 撮影=田浦ボン

TOKYO SKA PARADISE ORCHESTRA 撮影=田浦ボン

高い演奏力で踊れる音楽を奏で、セクシーかつそして野外フェスが似合う“夏フェスキラー”と思わせたバンドがTOKYO SKA PARADISE ORCHESTRAだ。数々のフェスに出演をしているだけあり、そのステージングと盛り上げ方は圧巻だった。白のスーツでビシッと決めたメンバーが楽器を持ち、スカアレンジされた「ルパン三世’78」や、代表曲とも言えるであろう「DOWN BEAT STOMP」を演奏すると、ステージ上部のスクリーンにはステップやモンキーダンスをするたくさんの観客が映し出された。4曲目の「スキャラバン」では、各メンバーそれぞれのソロパートが用意され、中でも加藤隆志(Gt)のソロでは、頭の後ろにギターを担ぎロックなスタイルでギターの弦をかき鳴らすその派手なパフォーマンスには、会場から大きな歓声が生まれていた。ラストは「Paradise Has No Border」で締め、音楽を楽しむということをストレートに音と体で表現し、伝えてくれた貫禄のあるさすがのライブだった。

TOKYO SKA PARADISE ORCHESTRA 撮影=田浦ボン

TOKYO SKA PARADISE ORCHESTRA 撮影=田浦ボン


 

銀杏BOYZ

峯田和伸(Vo/Gt) 撮影=Yukihide"JON..."Takimoto

峯田和伸(Vo/Gt) 撮影=Yukihide"JON..."Takimoto

Tシャツと短パンの上にモッズパーカーを羽織った、独特の出で立ちでリハサールに登場した峯田和伸(Vo/Gt)。そのまま「かつて私達が生まれた頃、世界はどれも新しく見えました。ところがやがて大人になって、世界は曇り始め、もはや自分のことしか愛せなくなった」と、鮮烈なメッセージを放ち演奏が始まる。その存在感は毎度センセーショナルだ。1曲目はGOING STEADY時代からのナンバー「若者たち」。マイクを額に打ち付ける、マイクがギターのネックに当たり落ちる、抑えきれない熱い衝動と歌の力を初っ端から爆発させた勢いのままに「I WAN’T WANNA FIE FOREVER」へとなだれ込む。「なんばhatchで力を使い果たしたんで(先打っておこなわれたツアー)、今日は出たくなかったんです。(それでも)35分(の演奏時間)のために来ました」と峯田なりの愛情を言葉にしたあとは、新曲「骨」を紹介。もともとは安藤裕子に提供したナンバーをバンドセットで行なう。「抱きしめて あむあむしたい」という生々しいキラーフレーズと上質なメロディーのマッチング。銀杏BOYZの真骨頂をじっくり堪能させてくれた。そして「RUSH BALL、俺はあなた達にこの歌を歌いたかった」と「BABY BABY」が響き渡り、会場の盛り上がりは最高潮に達する。最後は「嘘だと思って聞いてください」と言いつつ、「また必ず新しいアルバムを作って、大阪に来ますんで、良かったら待っていてください。どんな汚い手を使ってでも、生き延びてください」と宣言し「ぽああだむ」へ。マッドチェスターが背景に見える柔軟なグルーヴと美しい曲線を描くメロディが風に乗った先には、きっと峯田のネクストステージがあるのだろう。

峯田和伸(Vo/Gt) 撮影=Yukihide"JON..."Takimoto

峯田和伸(Vo/Gt) 撮影=Yukihide"JON..."Takimoto


 

Dragon Ash

Dragon Ash 撮影=田浦ボン

Dragon Ash 撮影=田浦ボン

デジタリックなリズムのSEが流れメンバーが一斉に登場し、手拍子で客席を煽る。それぞれ楽器を手にし、夏を感じさせる「For divers area」からスタートする。両サイドにはATSUSHI(dance)とDRI-V(dance)からなる2名のダンサーが曲に合わせて踊ることで、エンターテイメント性が高く、楽曲とステージングを余すことなく楽しめるライブとなっていた。2曲目の「La Bamba」では、Kj(Vo/Gt)の「みんなタオル持ってきたか? 振り回せー!」の合図で、観客が手に持ったタオルを勢い良く振り、会場一面がカラフルな色のタオルで染まった。曲が終わり、KenKen(Ba)の紹介を挟み、「そんなもんですか!」と言い放った後、獅子のように髪を振り乱し、超絶スラップを見せつけ3曲目「The Live」に繋げ、曲中にダンサーと共にステップを踏むKenKenの姿が印象的であった。ラストには「百合の咲く場所で」「Fantasista」の2曲が立て続けに演奏され、35分間の短いステージではあったが、内容がたっぷり詰まったロックスピリットを感じさせるライブパフォーマンスを見せつけてくれた。

Kj(Vo/Gt) 撮影=田浦ボン

Kj(Vo/Gt) 撮影=田浦ボン


 

LUCKY TAPES

LUCKY TAPES 撮影=Yukihide"JON..."Takimoto

LUCKY TAPES 撮影=Yukihide"JON..."Takimoto

メンバーがステージに登場しアイコンタクトをとった後、ゆっくりと気持ちのこもった最初の一音が放たれ、その音でLUCKY TAPESワールドに一瞬で引き込まれる。ホーンセクションと横揺れのリズムが、18時の夕暮れ時の空間を素敵に演出する。ブルージーなギターと安定したリズム、甘い声と心打たれるキュンとするメロディが、少し疲れた体に染みわたる。3曲演奏し終えた頃、ふと周りを見るとグッドミュージックに引き寄せられたのか、あきらかに先ほどよりも観客が増えていた。最後に演奏された、アルバム『Cigarette & Alcohol』からポップな曲調の「TONIGHT!」では、ステージ上のミラーボールが輝きATMCステージが広い野外ダンスホールへと変わった。揺れる人、手を叩く人、膝を曲げリズムをとる人、自由に楽しむことが出来る空間を作り出し、ATMCステージを自分たちの世界に変える魔法の様な演奏に感動させられたライブであった。
 

BRAHMAN

BRAHMAN 撮影=Yukihide"JON..."Takimoto

BRAHMAN 撮影=Yukihide"JON..."Takimoto

厳かなSEにファンが両手を合わせ高く掲げるお馴染みの光景。いよいよBRAHMANの登場だ。会場全体に緊張感が張り詰めるなか、阪神・淡路大震災をきっかけに生まれた「満月の夕」のカバーからスタートする。昨年トリを務めた際には、作曲者の一人、中川敬本人を迎え最後に演奏した曲を今回最初に持ってきたことについて、感謝の気持ちだと語るTOSHI-LOW(Vo)。そして「今は無事だけど、明日は分からない。これが最後のステージになってもいいという気持ちで、2年連続BRAHMAN始めます」と2013年のアルバム『超克』から「賽の河原」をぶちかまし会場は一気にヒートアップ。そこから2015年にリリースされたシングル「其限 ~sorekiri~」、1998年の1stアルバム『A MAN OF THE WORLD』に収録されているヒット曲「SEE OFF」、「ANSWER FOR」など、新旧織り交ぜた20年選手の貫録に満ちたセットリストを堂々と展開した。時代は移り変われど、BRAHMAN流のメロディックハードコアを貫いてきた強さと、時代と共にある現在進行形のサウンド、そしてメッセージの力が漲っていた。「警醒」では上半身裸になったTOSHI-LOWが観客のなかに飛び込み、リフトされた状態でダイヴの波に乗って次々と向かい来る猛者たちをなぎ倒す。そのあとのMCではDragon Ash、ストレイテナー、そしてBRAHMANと『RUSH BALL 2016』のトリを務めてきたバンドのあとにトリとして演奏する後輩SiMにバトンを渡し、観客一人ひとりには、またライブハウスで会いたい、そうでなくても東北の地に向かって欲しいと未来を託し「鼎の問」へ。これからも共に泣き、笑い、戦うことを誓う“漢の中の漢”たるステージだった。

BRAHMAN 撮影=Yukihide"JON..."Takimoto

BRAHMAN 撮影=Yukihide"JON..."Takimoto


 

SiM

MAH(Vo) 撮影=河上良

MAH(Vo) 撮影=河上良

日は完全に落ち暗闇の中、サイレンの音と稲妻のような照明と共に登場したのは、『RUSH BALL 2016』初日のトリを飾るラウドロックシーンの最前線で活躍するSiMだ。白いシャツで登場したMAH(Vo)が、体を低く構え悪魔のように客席を睨みながらシャウトする。MAHが「俺たちと心中してくだい」と言い放つと、間髪入れず「Get Up,Get Up」が演奏された。SHOW-HATE(Gt)とSIN(Ba)は楽器を振り回しアグレッシブなステージングを見せる。ライブ中盤では、「携帯の明かりを点けてくれ!」と、次々に客席に現れる光。星のようにキラキラした光の中で、マイクスタンドを使い、「Same Sky」を優しく歌い上げた。13年前の『RUSH BALL』にGODRi(Dr)が観客で来ていたというMCがあり、MAHは「13年あれば何でも出来るってことですよ。何でもない夜でも、いつか身を結ぶということを俺らが証明しに来た! 今度はお前らの番だぞ!」と長い苦労の末に勝ち取った、このメインステージのトリという場所で、最後の曲「EXiSTENCE」を演奏し、ステージ上には炎が上がりレーザーの光が無数に打たれ、今日一番の派手な演出とパフォーマンスに観客は釘付けとなっていた。演奏を終えメンバーがステージを去ると、暗くなったステージの中、青く光る照明とSiMのロゴが浮かび上がる。アンコールの声が湧き上がると、しばらくしてステージに登場したMAHが「安定感のあるライブをやって、爽やかな汗をかいて……って、そういうのは飽き飽きしてるんだよ! 残念だったな! 今年はバッドエンドだ!」と叫ぶと、重低音の効いた「KiLLiNG ME」のギターリフが鳴り響き、割れんばかりの歓声が上がった。アンコールラストの「f.a.i.t.h」では、巨大なウォールオブデスを起こし、最後にMAHは「長らくお待たせしました! 我々の時代がきました! SiMでした!」と笑顔でハートマークを手で作り、そのハートを半分に割った後、両手の人差し指を頭の上に立て、悪魔のポーズをとり笑みを浮かべた。間違いなく新時代の到来を感じさせた、SiMにしかできないであろうライブを見せつけ、『RUSH BALL 2016』初日メインステージは幕を閉じた。

SiM 撮影=河上良

SiM 撮影=河上良


 

MIYAVI

MIYAVI 撮影=田浦ボン

MIYAVI 撮影=田浦ボン

ATMCでのクロージングアクトを務めるのはMIYAVI。盟友Bobo(Dr)が叩き出す、エレクトロやブレイクビーツ、ベースミュージックといった、クラブ発のサウンドに触発された人力ビートとロックのダイナミズムが融合したサウンド。それは、大きな花火が上がってイベントが締まった感覚に浸る体と脳を再び覚醒させ、現実離れした世界へとトリップさせてくれる作用に溢れていた。「頭振ろうぜオオサカ!」と観客を奮い立たせ持ち前のスラップギターを炸裂させる「WHAT’S MY NAME」は、技術的なことへの驚きもそうだが、“MIYAVI”としか説明できない音楽性の牽引力が凄まじい。今まさに動いている歴史を目の当たりにすることに勝る高揚はなし、というくらいに大きな盛り上がりを見せるステージ前方の熱狂に刺激され、帰路に着こうとする多くの者が足を止める。そして「Dragon Ashのメンバーと久々に再会して、素敵なダンサーをナンパしてきました」とDragon AshからダンサーのATSUSHIを呼び込み「Universe」へ。彼の舞いに合わせてMIYAVIも体を揺らす。2人のしなやかで芸術的な姿は、時空をも操る異次元性を持っていた。そして8月31日にリリースされたアルバム『Firebird』からタイトル曲を披露。力強さとトリップ感、優々たる美しさも併せ持つ多面性が印象的なナンバーだ。そして続いても同作から「Afraid To Be Cool」を。MIYAVIの魅力は演奏力だけにあらず。その歌メロの魅力を存分に味わわせてくれた。最後の「DAY 1」は、多くの者たちが踊り狂う姿が……、と筆者もペンを置いてひたすらに踊り、MIYAVIが去った後も、頭の中をループするギターとメロディーとビートに浸ったまましばらくその場で立ち尽くしてしまった。

MIYAVI 撮影=田浦ボン

MIYAVI 撮影=田浦ボン

アーティスト同士で受け継がれていくメッセージと、それを受ける我々。この瞬間のために日々努力を重ねてきた制作チーム、その繋がりを強く実感し、明日への希望が湧いてくる。多くの人々に人生レベルでポジティヴなエネルギーを与えてくれる、そんな“心あるイベント”『RUSH BALL』の初日。2日目はまたどんな感情を湧き上がらせてくれるのか。そんな想いに浸りながら帰路についた人も少なくないのではないだろうか?
 

レポート・文=TAISHI IWAMI(Awesome City Club、Czecho No Republic、SANABAGUN. 、銀杏BOYZ、BRAHMAN、MIYAVI) / けんじろ~(TOTALFAT、TOKYO SKA PARADISE ORCHESTRA、Dragon Ash、LUCKY TAPES、SiM)

撮影=田浦ボン、河上良、Yukihide"JON..."Takimoto、Hoshina Ogawa

※2日目のレポートはコチラ

イベント情報
RUSH BALL 2016
2016年8月27日(土)~2016年8月28日(日)
会場:泉大津フェニックス
時間:開場9:30/開演11:00
出演:
【8/27】
BRAHMAN / Czecho No Republic / Dragon Ash / KEYTALK / RIP SLYME / SiM / TOKYO SKA PARADISE ORCHESTRA / TOTALFAT / 銀杏BOYZ / ストレイテナー
[OA]Awesome City Club
ATMCステージ
a crowd of rebellion / group_inou / Homecomings / LAMP IN TERREN / LUCKY TAPES / ReVision of Sence / SANABAGUN. / yonige / サイダーガール
[Closing Act] MIYAVI
 
【8/28】
BIGMAMA / go!go!vanillas / indigo la End / MAN WITH A MISSION / MONOEYES / SHISHAMO / WANIMA / キュウソネコカミ / ゲスの極み乙女。 /ドラマチックアラスカ
[OA]感覚ピエロ
ATMCステージ
BURNOUT SYNDROMES / Creepy Nuts(R-指定&DJ松永) / Halo at 四畳半 / lovefilm / ONIGAWARA / ココロオークション / パノラマパナマタウン / フレンズ / ヤバイTシャツ屋さん
[Closing Act] 忘れらんねえよ
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