”合唱コメディエンヌ”、阿佐ヶ谷姉妹が初単独ライブ『産声~うぶごえ~』を東京と大阪で開催!
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阿佐ヶ谷姉妹単独ライブ1『産声~うぶごえ~』取材会より(撮影/石橋法子)
ピンクのドレス姿で歌と笑いのハーモニーを響かせる合唱コメディエンヌとでも言うべき、お笑いコンビの阿佐ヶ谷姉妹が結成10年目を記念して、初の単独ライブ『産声~うぶごえ~』を開催する。構成・演出にシティボーイズなどの舞台を手掛ける坪田塁を迎え、新ネタを中心に構成する。コントでは「ピンクのドレスは脱ぎ捨てます」と話す渡辺江里子(姉役)と、「幅広い世代の方に観て頂きたい」という木村美穂(妹役)が大阪で取材会を開き意気込みを語った。
◎「哀愁漂うおばさんコントで、楽しいひとときをご一緒に!」(渡辺)
ーー10年目にして初の単独ライブになるんですね。
渡辺:私たちライブ活動を始めたのも遅くて、遅咲きといいますか……今ちょっと「咲いた」みたいな言い方をしましたが、まだ咲いてもいないぐらいなので(笑)。10年目ということで、新鮮な気持ちで皆様に観ていただけるライブができたらなと。美穂さんは?
木村:共通認識です(笑)。
左から、木村美穂(妹役)、渡辺江里子(姉役)
ーー初回にふさわしい『産声~うぶごえ~』というタイトルですが、ライブの中身は?
渡辺:歌ネタはもちろん、歌なしのコントや歌単体まで、新ネタを中心にチャレンジさせていただきます。坪田さんにもご協力いただきながら、自分達がこの年代だからこそ生み出せる様々なおばさんコントを二人で演じていけたらなと。
木村:なかなかおばさんネタをやっている方もいないので。くだらなくて逆に感動しちゃった!と思えるようなライブにできれば。
ーーネタは何本ぐらいの予定ですか。
渡辺:予定では、前半40分で歌なしのコントや漫才を5~6本、10分休憩を挟んで、後半40分で歌ものをと考えております。衣装替えも多くて、少なくともコントでは(トレードマークの)ピンクのドレスは脱ぎ捨てます。
姉役の渡辺江里子
ーーチラシ(二人を柿に見立てた日暮れの風景)は、ライブのイメージを反映されたものですか?
渡辺:これは美穂さんが描きました。絵がわりと得意なので。最初はもっとしなびた絵だったんですけど、もうちょっと元気にした方がいいんじゃないかと話して。
木村:仲よしそうなふたりを秋らしく、哀愁があるようなライブにできたらなと。『産声~うぶごえ~』のタイトルが決まる前に描いちゃったから。
渡辺:年齢がということもないのですが、私たちには「黄昏時」または「哀愁」が似合っているんじゃないかなという思いもありまして。
木村美穂(妹役)による手書きイラスト
ーー東京公演に加え、大阪・近鉄アート館での公演も決まりました。
渡辺:笑いに関してポテンシャルの高い大阪の皆様に、どのように受け入れていただけるのか心配でもあり楽しみでもあるんですが。楽しい時間をご一緒させていただければと思います。
ーー東京と大阪では、おばちゃんネタに違いはありますか?
渡辺:確かに、大阪のおばちゃんは性別を超えていると言いますか、よく中川家さんのネタをすごいなと思いながら拝見しているんですけど。知り合いに大阪と京都のおばちゃんがいますので、今流行りのSNSなどを使って情報をいただきながら、アイデアを反映させるかもしれません。せっかくですからね、大阪特別バージョンも考えたいと思います。
◎「最初から気が合うなと思ったら、顔が似てたんだよね(笑)」(木村)
ーーお二人は劇団東京乾電池研究所で知り合ったそうですが、もとは役者志望?
渡辺:当時は柄本明さん、ベンガルさん、高田純次さんなどが、テレビのバラエティ番組でコントやお笑いの寸劇みたいなこともされていて。劇団の役者さんなんだけれども、そのボーダレスな活躍に惹かれて、20代前半にオーディションを受けさせていただきました。ちょうど同じころに美穂さんもね。
木村:そうですね。私は演劇が好きになって、あまり深く考えずに劇団に行ってみたいなと思いまして。色んな劇団を見た中で一番オーディション料が安かったので決めました(笑)。
妹役の木村美穂
ーーそこから、2007年のコンビ結成まで約10年かかったのですね。
木村:研究所には入ったんですけど1年後に劇団員になれる人となれない人に分かれるんですが、私たちは劇団に入れませんでした。そこからはめいめいに活動して、お姉さんは役者をやったり、私はお笑いトリオとして活動したり。
渡辺:その間も友達としては仲良くさせてもらっていて、私が住んでいる阿佐ヶ谷を美穂さんも気に入って住むようになってからは、二人でよく阿佐ヶ谷をぶらつくようになりました。
ーーコンビ結成のきっかけは?
渡辺:二人でよく行っていたうなぎ屋のご主人に、阿佐ヶ谷に住んでいる姉妹みたいな二人で「阿佐ヶ谷姉妹」と名付けていただいて。こんなふうに名前を貰ったんですけど、二人で何かできることがあればお声掛けくださいねとブログなどに書いていたら、一番最初にお声掛けいただいたのがお笑いライブで、それが始まりでした。
ーーお互いどんな点に惹かれたのですか。
渡辺:最初に会ったときから、似てるなと。よく商店街でも「姉妹ですか?」と聞かれたりしていたので。本当の姉妹にはそんな質問はしないと思うので、どっちなんだろう?という微妙な空気感を出してたんだと思います。年齢もひとつ違いですし。
木村:お芝居の趣味や好みが似ていて、気が合うなとは思っていたんですけど、顔が似てたんだよね(笑)。
阿佐ヶ谷姉妹単独ライブ1『産声~うぶごえ~』取材会より
ーー肩書きとしては、合唱コメディエンヌですか?
木村:ジャンルがはっきりしないよね。
渡辺:確かに。歌ネタから漫才までやりますし、合唱コメディエンヌと言っていただいたこともありますが。かといって、美穂さんは一応、音楽大学出身ですが、私はただのカラオケばかのハモり好きでここまで来てしまったところもあるので。「コーラス隊の方ですか?」と今年に入ってからも聞かれたので、肩書きとしては「お笑い芸人」がいいのかな。
ーーでは最後に、今回の単独ライブはどういう方に観て欲しいですか?
渡辺:「ファンです!」と一番共感していただけるのは同世代の方が多いので、まずは同世代の方。また、ライブを観に来てくださるなどご年配の方にも応援していただいておりますので、そこは幅広く門戸を広げて。
木村:色んな世代の方に観に来ていただけたらと思います。私たちもできるだけ大きな声で、劇場のトイレの場所なども細かく案内していこうと思っておりますので(笑)。
「みなさま、行楽シーズンですね~」とネタがスタート
……と、会見終わりには何とサプライズでネタを披露してくれた阿佐ヶ谷姉妹のふたり。
何事かを大声で叫ぶ美穂。「鼓膜がっ!」とこの後突っ込む姉江里子
街角やコンビニでのあるあるネタから、ホストクラブにデイサービスまで、おばさん心をくすぐる多彩な切り口で笑わせると、最後は「おばさん? おばさん? おば、さんた~る~ちい~や~♪」の歌ネタで見事にシメてくれました。合唱は生で聴くと想像以上に迫力があり、美声ぶりにも聞き惚れましたよ。
「劇場で皆様のお越しをお待ちしております~♪」
■出演:阿佐ヶ谷姉妹(木村美穂、渡辺江里子)
<東京公演>
2016年10月25日(火)、26日(水)
会場:座・高円寺2
2016年10月31日(月)
会場:近鉄アート館
■ASH&D公式サイト:http://ash-d.info/live.html